2023.11.30 07:54令和5年11月 月例インターネット句会 Vol.141木暮陶句郎 選◎特選 10句爽涼や翻るもの陽の匂ひ(中島 圭子)立冬の子持山麓影深し(大渕 洋)風と来て風と消えゆく帰り花(佐々木一栗)初時雨タクシー待ちの最後尾(堤 かがり)鳥の声つながってゐる小春かな(星野 裕子)真冬日やミルクの色のドイツ菓子(鈴木由里子)熱燗や雨を待つかに夜の街(木村 佑)時雨るるや鉛の潮目引く淡海(稲葉 京閑)金...
2023.10.30 15:00令和5年10月 月例インターネット句会 Vol.140木暮陶句郎 選◎特選 9句無花果のワイン煮今朝のヨーグルト(下境 洋子)土器片に人の指跡黍畑(太田 直史)秋麗や拍手の中を六位の子(木村 佑)上の句に下の句応ふ霜の袖(岩佐 晴子)雁渡るビル解体し抜ける空(太田 直史)星の秋大草原を背もたれに(木村 佑)薄紅葉よく立ち止まる旅の人(杉山 加織)手打蕎麦スマホ見ている客ばかり(太田 直史)冬...
2023.09.30 05:53令和5年9月 月例インターネット句会 Vol.139木暮陶句郎 選◎特選 10句榛名湖の貸しボート場秋茜(竹俣 修)秋灯重たき辞書をちかく置く(星野 裕子)打球いま子規忌の空へまつしぐら(木村 佑)法要の終ひは陽気曼珠沙華(堤 かがり)マニキュアの薄むらさきに夢二の忌(杉山 加織)終着の駅の賑はひ星月夜(竹渕 昭彦)照紅葉山のやうなる家事育児(鈴木由里子)よく浮かぶ笑窪の影や今日の月(佐々...
2023.08.30 15:27令和5年8月 月例インターネット句会 Vol.138木暮陶句郎 選◎特選 10句夏休み大人のドアの半びらき(佐々木一栗)雲の峰棒高跳びの足の先(太田 直史)秋立ちて夜の広がつてゆくやうな(木村 佑)恋占の語尾の疑問符秋涼し(杉山 加織)ひぐらしの少し明るい闇の果て(星野 裕子)水筒に水を足したる原爆忌(星野 裕子)星月夜旅の途中のルビー婚(佐々木一栗)新涼の山の裏より雲湧きぬ(木村 佑)書...
2023.07.31 00:40令和5年7月 月例インターネット句会 Vol.137木暮陶句郎 選◎特選 10句かなかなの空濡れ色に暮れにけり(杉山 加織)目を閉づる目蓋を持たず蝉逝けり(岩佐 晴子)青芝や音無く回る散水機(稲葉 京閑)バッティングセンターの音夏の星(木下美樹枝)薄暗き茶房垣根の灸花(稲葉 京閑)人の世を語る短冊星祭(小暮 蓮生)髪洗ふ思考を磨き直すごと(杉山 加織)工場の昼のサイレン夾竹桃(稲葉 京閑)...
2023.06.30 13:11令和5年6月 月例インターネット句会 Vol.136木暮陶句郎 選◎特選 10句振り返る人生模様半夏生(清水 檀)梅雨の夜やフォークソングのラヂオより(小暮 蓮生)雲すべて海へと流れ沖縄忌(星野 裕子)草笛を咥へ家族の最後尾(木村 佑)油照り無心で漫画読む子らよ(小須賀正幸)捨てられぬ物ばかりあり更衣(高橋ちとせ)閉鎖せし茅花流しのゴルフ場(堤 かがり)曝書する輪ゴムの溶けし文の束(岩佐 ...
2023.05.31 11:04令和5年5月 月例インターネット句会 Vol.135木暮陶句郎 選◎特選 9句樟若葉今よりもつと好きになる(鈴木由里子)つばくろの尾を見てよりの出社かな(木村佑)更衣して校章の付けどころ(堤 かがり)葉桜やごしごし洗ふ台布巾(鈴木由里子)持て余す二合の酒や竹落葉(大渕 洋)こどもの日ひとり跳ねるとみな跳ねて(佐々木一栗)花虻の花を離るるとき光る(木村 佑)新聞の文字掠れゆく目借時(森田 遊...
2023.04.30 14:44令和5年4月 月例インターネット句会 Vol.134木暮陶句郎 選◎特選 9句囀やサ行気になるアナウンサー(中島 圭子)亀鳴くや育てた仔牛賞を取る(佐々木一栗)リラ冷えの市立図書館読書室(大渕 洋)消し残る黒板の文字花は葉に(星野 裕子)春愁は何色だらう絵具箱(天田あすなろう)桜蘂さみしくなんかなくはない(木村 佑)豆の花躓きながら弾くピアノ(鈴木由里子)海沿ひのプリンスホテル南風(鈴木由...
2023.03.30 15:00令和5年3月 月例インターネット句会 Vol.133木暮陶句郎 選◎特選 10句吾子の口うぐいす餅の粉まみれ(竹俣 修)麦踏や地道に生きし父のこと(太田 直史)春薄暮高き堤を人の影(木村 佑)しあはせは良き香りして涅槃西風(杉山 加織)電動に替へし自転車つくづくし(堤 かがり)三月や賢治の森の鳥けもの(星野 裕子)うりずんの海ただ眺めゐる絵の子(佐々木一栗)一言で言へば幸せ花すみれ(木村 ...
2023.02.28 08:18令和5年2月 月例インターネット句会 Vol.132木暮陶句郎 選◎特選 10句空き腹に牛乳沁みる雨水かな(小須賀正幸)春眠し語尾間延びする韓国語(杉山 加織)クロッカス風の休んでゐる正午(佐々木一栗)火にかけて鬼ヶ島めく栄螺かな(木村 佑)春光のやや焦げ臭く懐かしく(大渕 洋)逢ひたきは早世の妣雛飾る(岩佐 晴子)木洩れ日の影絵は柔き春障子(清水 檀)春の風好きな言葉があふれ出す(星野 ...
2023.01.31 00:48令和5年1月 月例インターネット句会 Vol.131木暮陶句郎 選◎特選 10句仮縫ひの終はらぬドレス霜の夜(鈴木由里子)あらたまの一句に夢のほとばしる(星野 裕子)空の色少し薄めて寒に入る(清水 檀)静けさや初売り開始五秒前(森田 遊馬)アイゼンの音重なりて空青し(下境 洋子)松過ぎて両毛線に揺られをり(小須賀正幸)春を待つ形に足を組んでをり(木村 佑)ブルースのやうなる夜明け雪時雨(鈴...