令和6年12月 月例インターネット句会 Vol.154
木暮陶句郎 選
◎特選 10句
凍空やビリー•ジョエルを飽きるまで(鈴木由里子)
雪蛍まさかあいつが死んだとは(太田 直史)
ラガー泣く大きく胸を張りしまま(木村 佑)
石焼芋がさつに包む軍手かな(吉田 春代)
小夜時雨ささやき声で君を呼ぶ(安部 呑歩)
剃刀の二枚刃ひかる冬至かな(星野 裕子)
物静かなるピアニスト冬の森(鈴木由里子)
ヒロインめいて極月のハイヒール(杉山 加織)
冬の陽を乗せて無人の路線バス(木下美樹枝)
もう会へぬ人を想へば冬の雨(清水 檀)
○入選 26句
山積みのわけあり林檎道の駅(下境 洋子)
日向ぼこ瞼の重くなる読書(清水 檀)
玄関へ置き配の山師走かな(佐々木一栗)
木の葉髪スーパーモデル寝起きかな(小須賀正幸)
ラップめく点滅師走の信号(杉山 加織)
お台場にペンライト振る十二月(竹俣 修)
バス停の列の長さや十二月(星野 裕子)
小春日や厨の掃除励みたる(高橋ちとせ)
降誕祭星屑触るゝ音幽か(下境 洋子)
隣から来る葉ばかりや落葉掻(岩佐 晴子)
街道は榛名颪の通り道(渡辺 真澄)
ストーブの上で膨らむ夢もあり(吉田 春代)
短日の嵩張つてゆく化粧箱(鈴木由里子)
枯蘆の瀬音千切りてゆきにけり(杉山 加織)
暮早しチャック躓く旅鞄(稲葉 京閑)
きのこ鍋味噌たっぷりとぐつぐつと(高橋ちとせ)
聖樹の夜チーズグラタンこんがりと(下境 洋子)
侘助や夫手作りの竹の花器(岩佐 晴子)
上州の風に切干広げ干す(清水 檀)
山茶花のはにかむやうに散りにけり(佐々木一栗)
窓際のホットコーヒー年の暮(竹俣 修)
落葉踏む出会ひはとうに琥珀色(下境 洋子)
初恋の儚さに似て初氷(清水 檀)
落葉掃く昨日も今日も明後日も(小暮 蓮生)
故郷の除夜の鐘聞く船の上(竹俣 修)
貫入の霜夜を弾く高き音(杉山 加織)
互選
6点句
ラガー泣く大きく胸を張りしまま(木村 佑)
4点句
野良猫に指定席あり日向ぼこ(木下美樹枝)
もう会へぬ人を想へば冬の雨(清水 檀)
貫入の霜夜を弾く高き音(杉山 加織)
星屑の匂ひ降りくる霜夜かな(木暮陶句郎)
3点句
冬の陽を乗せて無人の路線バス(木下美樹枝)
楽しくてすこうし淋し十二月(星野 裕子)
雪蛍まさかあいつが死んだとは(太田 直史)
数へ日の日記に空白の一日(木村 佑)
2点句
娘の肩をたたひてやりて冬日向(木下美樹枝)
第三の惑星のいろ竜の玉(星野 裕子)
落葉踏む出会ひはとうに琥珀色(下境 洋子)
上州の風に切干広げ干す(清水 檀)
初恋の儚さに似て初氷(清水 檀)
石焼芋がさつに包む軍手かな(吉田 春代)
初霜のとけてあふるる地の香り(佐々木一栗)
冬の夜のルージュのごときタワーかな(木村 佑)
一旦は呑み込む本音葛湯吹く(杉山 加織)
義士の日の路地に落ち合ふ句座仲間(木暮陶句郎)
手袋を外しマティーニ注文す(木暮陶句郎)
直箸といふ親しさや牡丹鍋(木暮陶句郎)
1点句
水仙のうつむき加減絵筆取り(木下美樹枝)
故郷の除夜の鐘聞く船の上(竹俣 修)
獣らは眠りにつきぬ枯木山(稲葉 京閑)
暮早しチャック躓く旅鞄(稲葉 京閑)
バス停の列の長さや十二月(星野 裕子)
山積みのわけあり林檎道の駅(下境 洋子)
隣から来る葉ばかりや落葉掻(岩佐 晴子)
侘助や夫手作りの竹の花器(岩佐 晴子)
湯豆腐や小さき土鍋に一人分(岩佐 晴子)
人とゐて独りに返り花ひとつ(渡辺 真澄)
街道は榛名颪の通り道(渡辺 真澄)
冬ざれや句碑点々と川の道(渡辺 真澄)
山茶花の色なき里に色を置き(清水 檀)
ストーブの上で膨らむ夢もあり(吉田 春代)
焼芋屋笛聞こえれば消ゆる風(中島 圭子)
飲み込みし言葉のありて花八手(中島 圭子)
漆黒の床に映りて冬紅葉(中島 圭子)
三体の地蔵一つのマフラーに(中島 圭子)
山茶花のはにかむやうに散りにけり(佐々木一栗)
寒椿月めきて浮く花芯かな(佐々木一栗)
夜勤明け雪丸げなどしてみたり(小須賀正幸)
すきま風後ろ手にドア閉めてより(堤 かがり)
湯して胸の黒子へ囲ひ込み(堤 かがり)
日曜のゆるき雑炊すする朝(堤 かがり)
黒き犬心氷に閉じ込めて(安部 吞歩)
毛糸玉巻き取る叔母のおわら節(安部 呑歩)
舵を切る鮫と小さく言ひしあと (木村 佑)
凍空やビリー•ジョエルを飽きるまで(鈴木由里子)
掌の何も語らぬ冬林檎(鈴木由里子)
ヒロインめいて極月のハイヒール(杉山 加織)
大根の肩を磨きて富士颪(木暮陶句郎)
互選結果
◎小須賀正幸 選
(3) 獣らは眠りにつきぬ枯木山
(4) 第三の惑星のいろ竜の玉
(51) 上州の風に切干広げ干す
(88) 楽しくてすこうし淋し十二月
(93) もう会へぬ人を想へば冬の雨
◎木下美樹枝 選
(8) 人とゐて独りに返り花ひとつ
(13) 焼芋屋笛聞こえれば消ゆる風
(25) バス停の列の長さや十二月
(45) 暮早しチャック躓く旅鞄
(93) もう会へぬ人を想へば冬の雨
◎竹俣修 選
(28) 隣から来る葉ばかりや落葉掻
(80) 毛糸玉巻き取る叔母のおわら節
(92) 冬ざれや句碑点々と川の道
(100) 日曜のゆるき雑炊すする朝
(104) 貫入の霜夜を弾く高き音
◎吉田春代 選
(31) 雪蛍まさかあいつが死んだとは
(35) 初霜のとけてあふるる地の香り
(56) 山茶花のはにかむやうに散りにけり
(79) 柚湯して胸の黒子へ囲ひ込み
(88) 楽しくてすこうし淋し十二月
◎稲葉京閑 選
(4) 第三の惑星のいろ竜の玉
(22) 野良猫に指定席あり日向ぼこ
(29) 街道は榛名颪の通り道
(39) ラガー泣く大きく胸を張りしまま
(51) 上州の風に切干広げ干す
◎小暮蓮生 選
(1) 娘の肩をたたひてやりて冬日向
(6) 山積みのわけあり林檎道の駅
(22) 野良猫に指定席あり日向ぼこ
(30) 山茶花の色なき里に色を置き
(34) 飲み込みし言葉のありて花八手
◎中島圭子 選
(84) 大根の肩を磨きて富士颪
(85) 冬の陽を乗せて無人の路線バス
(102) 舵を切る鮫と小さく言ひしあと
(104) 貫入の霜夜を弾く高き音
(105) 直箸といふ親しさや牡丹鍋
◎星野裕子 選
(18) 数へ日の日記に空白の一日
(35) 初霜のとけてあふるる地の香り
(63) 手袋を外しマティーニ注文す
(77) 寒椿月めきて浮く花芯かな
(93) もう会へぬ人を想へば冬の雨
◎岩佐晴子 選
(22) 野良猫に指定席あり日向ぼこ
(39) ラガー泣く大きく胸を張りしまま
(54) 石焼芋がさつに包む軍手かな
(72) 初恋の儚さに似て初氷
(88) 楽しくてすこうし淋し十二月
◎鈴木由里子 選
(21) 星屑の匂ひ降りくる霜夜かな
(39) ラガー泣く大きく胸を張りしまま
(57) 夜勤明け雪丸げなどしてみたり
(63) 手袋を外しマティーニ注文す
(81) 冬の夜のルージュのごときタワーかな
◎堤かがり 選
(18) 数へ日の日記に空白の一日
(39) ラガー泣く大きく胸を張りしまま
(42) 義士の日の路地に落ち合ふ句座仲間
(83) ヒロインめいて極月のハイヒール
(105) 直箸といふ親しさや牡丹鍋
◎下境洋子 選
(1) 娘の肩をたたひてやりて冬日向
(16) すきま風後ろ手にドア閉めてより
(76) 漆黒の床に映りて冬紅葉
(85) 冬の陽を乗せて無人の路線バス
(97) 三体の地蔵一つのマフラーに
◎清水檀 選
(18) 数へ日の日記に空白の一日
(22) 野良猫に指定席あり日向ぼこ
(31) 雪蛍まさかあいつが死んだとは
(62) 一旦は呑み込む本音葛湯吹く
(69) 落葉踏む出会ひはとうに琥珀色
◎渡辺真澄 選
(19) 凍空やビリー•ジョエルを飽きるまで
(38) 黒き犬心氷に閉じ込めて
(42) 義士の日の路地に落ち合ふ句座仲間
(54) 石焼芋がさつに包む軍手かな
(104) 貫入の霜夜を弾く高き音
◎木村佑 選
(21) 星屑の匂ひ降りくる霜夜かな
(62) 一旦は呑み込む本音葛湯吹く
(63) 手袋を外しマティーニ注文す
(86) 故郷の除夜の鐘聞く船の上
(103) 掌の何も語らぬ冬林檎
◎高橋ちとせ 選
(21) 星屑の匂ひ降りくる霜夜かな
(39) ラガー泣く大きく胸を張りしまま
(43) 水仙のうつむき加減絵筆取り
(49) 侘助や夫手作りの竹の花器
(70) 湯豆腐や小さき土鍋に一人分
◎佐々木一栗 選
(21) 星屑の匂ひ降りくる霜夜かな
(33) ストーブの上で膨らむ夢もあり
(81) 冬の夜のルージュのごときタワーかな
(85) 冬の陽を乗せて無人の路線バス
(104) 貫入の霜夜を弾く高き音
◎杉山加織 選
(31) 雪蛍まさかあいつが死んだとは
(39) ラガー泣く大きく胸を張りしまま
(69) 落葉踏む出会ひはとうに琥珀色
(72) 初恋の儚さに似て初氷
(93) もう会へぬ人を想へば冬の雨
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