令和7年4月 月例インターネット句会 Vol.158

木暮陶句郎 選

◎特選 10句

きつねうどん食みて神宮花盛り(中島 圭子)

花冷や細き持ち手のティーカップ(木村 佑)

次の世もここで逢ひたし花吹雪(杉山 加織)

満開の桜に溶けてゆく孤独(星野 裕子)

花浄土孔雀は羽を広げきる(星野 裕子)

春めくやシャンプー台で聞く音も(高橋 菜活)

どこにでも花びらついてくるひと日(堤 かがり)

赴任地に行きつけのでき夏近し(佐々木一栗)

ノーマスク久しぶりだね土の春(安部 吞歩)

春宵やくちびる色のロゼワイン(杉山 加織)


○入選 25句

藍といふ色の深さよ春の闇(星野 裕子)

山の辺の道のまほらや花蘇枋(太田 直史)

たんぽぽの絮にちょつかいしたき指(吉田 春代)

心音の確たるリズム春の風(安部 呑歩)

つやつやの風船しぼむ朝かな(堤 かがり)

花菜風初めて君に声かけて(下境 洋子)

老桜歴史を伝ふ城跡に(清水 檀)

霾や砂漠の民の匂ひして(太田 直史)

夜桜よチーム去る吾を抱いてくれ(高橋 菜活)

固形石鹸好む夫昭和の日(堺 美典)

愛と云ふ文字を忘れし馬酔木かな(鈴木由里子)

新社員名刺の角の硬くあり(木村 佑)

刻の端を撫でゆく枝垂れ桜かな(杉山 加織)

畑打やそこより土の匂ひかな(吉田 春代)

夜桜や大和心の湧きいづる(小暮 蓮生)

春愁や心に欲しい隙間家具(佐々木一栗)

みな徐行桜蘂降る交差点(安部 吞歩)

うららかや見飽きぬものに水平線(星野 裕子)

この町に知らぬ人なし春の風(吉田 春代)

一枚を脱げばそよ風花の昼(杉山 加織)

春の浜ハングル文字の光るもの(竹俣 修)

落椿赤の重さに耐えきれず(吉田 春代)

花の酒つまみは俳句談議なり(小暮 蓮生)

茶道教室看板木戸に濃山吹(堺 美典)

吹き込みし息の弾力紙風船(堤 かがり)


互選

9点句

うららかや見飽きぬものに水平線(星野 裕子)


6点句

花冷や細き持ち手のティーカップ(木村 佑)


5点句

子ら駈けて蒲公英の野を広げゆく(木暮陶句郎)

あをあをと夜に染まつてゆく落花(木暮陶句郎)


4点句

満開の桜に溶けてゆく孤独(星野 裕子)

落椿赤の重さに耐えきれず(吉田 春代)

刻の端を撫でゆく枝垂れ桜かな(杉山 加織)

一枚を脱げばそよ風花の昼(杉山 加織)

春宵やくちびる色のロゼワイン(杉山 加織)


3点句

囀に彩のあるらし雲流る(星野 裕子)

山の辺の道のまほらや花蘇枋(太田 直史)

送宴や川面に橋の灯の朧(高橋 菜活)

どこにでも花びらついてくるひと日(堤 かがり)


2点句

ひとひらの桜おでこに歩く人(竹俣 修)

春の浜ハングル文字の光るもの(竹俣 修)

オーダーのスーツを決めて入社式(太田 直史)

たんぽぽの絮にちよつかいしたき指(吉田 春代)

花を見るその日の為のペンダント(岩佐 晴子)

固形石鹸好む夫昭和の日(堺 美典)

春愁や心に欲しい隙間家具(佐々木一栗)

心音の確たるリズム春の風(安部 呑歩)

新社員名刺の角の硬くあり(木村 佑)

つやつやの風船しぼむ朝かな(堤 かがり)

吹き込みし息の弾力紙風船(堤 かがり)

楽しくて走つてばかり入園児(木暮陶句郎)


1点句

花の影背ナに纏ひし男坂(渡辺 真澄)

初燕城の要の野面積(稲葉 京閑)

倒影に崩れる天守蘆の角(稲葉 京閑)

花屑舞ふて燥ぐ妣車イス(下境 洋子)

花冷や自販機全て「つめたーい」に(清水 檀)

ランドセルみんな春色入学す(清水 檀)

霾や砂漠の民の匂ひして(太田 直史)

畑打やそこより土の匂ひかな(吉田 春代)

旅鞄開ければ落花ありにけり(小暮 蓮生)

夜桜や大和心の湧きいづる(小暮 蓮生)

鍋に置く春菊の色鮮やかに(高橋ちとせ)

花を待つ恋人を待つ心地して(岩佐 晴子)

きつねうどん食みて神宮花盛り(中島 圭子)

春めくやシャンプー台で聞く音も(高橋 菜活)

キャンパスのどこも立て看桜咲く(高橋 菜活)

新社員声高らかな係長(高橋 菜活)

雑談の女子のベンチや花の雨(鈴木由里子)

春日に抱かれ吾子の夢ゆたかなれ(佐々木一栗)

赴任地に行きつけのでき夏近し(佐々木一栗)

妹の手術同意書春愁ふ(安部 呑歩)

みな徐行桜蘂降る交差点(安部 呑歩)

花の旅相席となる四人掛(木村 佑)

草野球ラッパ水仙応援す(堤 かがり)

そよそよと水の香立てて桜かな(木暮陶句郎)


互選結果

◎佐藤聡 選

(43) 新社員名刺の角の硬くあり 

(55) オーダーのスーツを決めて入社式

(63) 雑談の女子のベンチや花の雨

(84) キャンパスのどこも立て看桜咲く

(107) 新社員声高らかな係長


◎小須賀正幸 選

(1) ひとひらの桜おでこに歩く人

(7) 花冷や自販機全て「つめたーい」に

(21) つやつやの風船しぼむ朝かな

(39) 固形石鹸好む夫昭和の日

(57) 夜桜や大和心の湧きいづる


◎小暮蓮生 選

(43) 新社員名刺の角の硬くあり 

(46) 刻の端を撫でゆく枝垂れ桜かな

(64) 春愁や心に欲しい隙間家具

(100) 囀に彩のあるらし雲流る

(112) 花の旅相席となる四人掛


◎竹俣修 選

(5) 初燕城の要の野面積

(19) 心音の確たるリズム春の風

(45) 楽しくて走つてばかり入園児

(55) オーダーのスーツを決めて入社式

(92) 一枚を脱げばそよ風花の昼


◎岩佐晴子 選

(10) たんぽぽの絮にちょつかいしたき指

(31) 満開の桜に溶けてゆく孤独

(39) 固形石鹸好む夫昭和の日

(42) 妹の手術同意書春愁ふ

(77) うららかや見飽きぬものに水平線


◎稲葉京閑 選

(45) 楽しくて走つてばかり入園児

(67) どこにでも花びらついてくるひと日

(77) うららかや見飽きぬものに水平線

(102) 落椿赤の重さに耐えきれず

(113) 吹き込みし息の弾力紙風船


◎中島圭子 選

(22) 子ら駈けて蒲公英の野を広げゆく

(28) 倒影に崩れる天守蘆の角

(68) あをあをと夜に染まつてゆく落花

(87) 赴任地に行きつけのでき夏近し

(92) 一枚を脱げばそよ風花の昼


◎高橋ちとせ 選

(1) ひとひらの桜おでこに歩く人

(13) 花を待つ恋人を待つ心地して

(22) 子ら駈けて蒲公英の野を広げゆく

(65) みな徐行桜蘂降る交差点

(102) 落椿赤の重さに耐えきれず


◎吉田春代 選

(9) 山の辺の道のまほらや花蘇枋

(12) 鍋に置く春菊の色鮮やかに

(21) つやつやの風船しぼむ朝かな

(31) 満開の桜に溶けてゆく孤独

(59) 花を見るその日の為のペンダント


◎堤かがり 選

(22) 子ら駈けて蒲公英の野を広げゆく

(61) 春めくやシャンプー台で聞く音も

(68) あをあをと夜に染まつてゆく落花

(77) うららかや見飽きぬものに水平線

(92) 一枚を脱げばそよ風花の昼


◎星野裕子 選

(11) 旅鞄開ければ落花ありにけり

(46) 刻の端を撫でゆく枝垂れ桜かな

(68) あをあをと夜に染まつてゆく落花

(102) 落椿赤の重さに耐えきれず

(115) 春宵やくちびる色のロゼワイン


◎清水檀 選

(3) 花の影背ナに纏ひし男坂

(20) 花冷や細き持ち手のティーカップ

(22) 子ら駈けて蒲公英の野を広げゆく

(77) うららかや見飽きぬものに水平線

(100) 囀に彩のあるらし雲流る


◎太田直史 選

(10) たんぽぽの絮にちょつかいしたき指

(15) 送宴や川面に橋の灯の朧

(64) 春愁や心に欲しい隙間家具

(75) 花屑舞ふて燥ぐ妣車イス

(77) うららかや見飽きぬものに水平線


◎鈴木由里子 選

(20) 花冷や細き持ち手のティーカップ

(32) 霾や砂漠の民の匂ひして

(93) 春の浜ハングル文字の光るもの

(113) 吹き込みし息の弾力紙風船

(115) 春宵やくちびる色のロゼワイン


◎木村佑 選

(46) 刻の端を撫でゆく枝垂れ桜かな

(68) あをあをと夜に染まつてゆく落花

(77) うららかや見飽きぬものに水平線

(99) ランドセルみんな春色入学す

(115) 春宵やくちびる色のロゼワイン


◎堺美典 選

(9) 山の辺の道のまほらや花蘇枋

(15) 送宴や川面に橋の灯の朧

(56) 畑打やそこより土の匂ひかな

(93) 春の浜ハングル文字の光るもの

(100) 囀に彩のあるらし雲流る


◎下境洋子 選

(9) 山の辺の道のまほらや花蘇枋

(18) 春日に抱かれ吾子の夢ゆたかなれ

(19) 心音の確たるリズム春の風

(59) 花を見るその日の為のペンダント

(92) 一枚を脱げばそよ風花の昼


◎高橋菜活 選

(20) 花冷や細き持ち手のティーカップ

(22) 子ら駈けて蒲公英の野を広げゆく

(68) あをあをと夜に染まつてゆく落花

(77) うららかや見飽きぬものに水平線

(102) 落椿赤の重さに耐えきれず


◎渡辺真澄 選

(15) 送宴や川面に橋の灯の朧

(20) 花冷や細き持ち手のティーカップ

(31) 満開の桜に溶けてゆく孤独

(67) どこにでも花びらついてくるひと日

(90) 草野球ラッパ水仙応援す


◎佐々木一栗 選

(20) 花冷や細き持ち手のティーカップ

(31) 満開の桜に溶けてゆく孤独

(46) 刻の端を撫でゆく枝垂れ桜かな

(77) うららかや見飽きぬものに水平線

(115) 春宵やくちびる色のロゼワイン


◎杉山加織 選

(14) きつねうどん食みて神宮花盛り

(20) 花冷や細き持ち手のティーカップ

(67) どこにでも花びらついてくるひと日

(77) うららかや見飽きぬものに水平線

(114) そよそよと水の香立てて桜かな

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