令和7年7月 月例インターネット句会 Vol.161

木暮陶句郎 選

◎特選 10句

ねじればな今更できぬ巻き戻し(星野 裕子)

若き日の君の面影ソーダ水(清水 檀)

父偲ぶ瓶のビールの苦さかな(小暮 蓮生)

球児らの汗の手をもて拭ふ汗(木村 佑)

白服の通る出発ゲートかな(稲葉 京閑)

夏蝶の光に紛れざる力(木村 佑)

とんとんと酒の友来る梅雨の夜(太田 直史)

白南風や忘るるといふ治し方(木村 佑)

万緑に飛び込んでゆく眩暈かな(鈴木由里子)

香水を纏ふもう一人の私(アンサトウ)


○入選 26句

夏柑のかをりひろがる武家屋敷(永 豪敏)

強面も水羊羹を召し上がり(小須賀正幸)

麦茶汲む遠き昭和の甦る(岩佐 晴子)

濱風のすりぬけてきて夏暖簾(佐々木一栗)

叱られて強くなる子よ心太(鈴木由里子)

三本の指でピースの半ズボン(高橋 菜活)

病葉を掃いてひとりの音の中(星野 裕子)

園児らの瞳きらきら七夕会(渡辺 真澄)

茗荷の子早く摘んでと背伸びする(吉田 春代)

吾の影を真下に踏みて炎天下(佐々木一栗)

キャンプの夜渓流の音聴きながら(安部 呑歩)

二股にますます勢ふ出水川(杉山 加織)

朝まだき郡上踊りの下駄の音(竹俣 修)

夏衣彼の世の父の香纏ふ(小暮 蓮生)

夏灯金継の猪口撫でながら(高橋 菜活)

駒草やここから佳境空青し(堤 かがり)

湖風の涼しく山の影崩し(杉山 加織)

おだやかな鳩の鳴き声夏の朝(永 豪敏)

風蘭やか細く強き友のゐて(岩佐 晴子)

うたた寝の天使目覚めし日雷(佐々木一栗)

木陰から星の瞬くキャンプ村(安部 呑歩)

ドライバーのみのバス過ぐ夏の昼(小暮 蓮生)

炎帝の地球征服はじまりぬ(渡辺 真澄)

取り敢えず冷房の良く効くカフェへ(稲葉 京閑)

輝きて歪みて水の素足かな(木村 佑)

星祭澄み切つてゐる友の声(高橋 菜活)


互選

7点句

香水を纏ふもう一人の私(アンサトウ)


6点句

叱られて強くなる子よ心太(鈴木由里子)

小さき花よけて歩荷の登山靴(吉田 春代)


5点句

白南風や忘るるといふ治し方(木村佑)

前の蟻信じて長き蟻の道(木暮陶句郎)


4点句

若き日の君の面影ソーダ水(清水 檀)

子を思ふ遠く花火の光るとき(木村 佑)

輝きて歪みて水の素足かな(木村 佑)

ソーダ水泣きたい時に聴くサザン(アンサトウ)

浜木綿や船の消え入る地平線(堤 かがり)


3点句

ねじればな今更できぬ巻き戻し(星野 裕子)

白服の通る出発ゲートかな(稲葉 京閑)

湖風の涼しく山の影崩し(杉山 加織)


2点句

朝まだき郡上踊りの下駄の音(竹俣 修)

復興の七夕飾りのと鉄道(竹俣 修)

星砂の小瓶の夏惜しみけり(星野 裕子)

夏柑のかをりひろがる武家屋敷(永 豪敏)

炎帝の地球征服はじまりぬ(渡辺 真澄)

母と子のタンデム自転車夏野行く(太田 直史)

グランブルーの陶器触るれば夏の海(中島 圭子)

珈琲の甘さ微かに五月闇(中島 圭子)

吾の影を真下に踏みて炎天下(佐々木一栗)

青葦の静寂に風の渡りゆく(堺 美典)

三本の指でピースの半ズボン(高橋 菜活)

サイダーの弾け架空の未来都市(木暮陶句郎)


1点句

紫陽花や寺より遠く海の見ゆ(高橋ちとせ)

父偲ぶ瓶のビールの苦さかな(小暮 蓮生)

病葉を掃いてひとりの音の中(星野 裕子)

海亀の屍にそつと白い砂(永 豪敏)

おだやかな鳩の鳴き声夏の朝(永 豪敏)

背中からスローモーションの蝉の羽化(下境 洋子)

白き蝉産衣着る綠子のやう(下境 洋子)

不揃いな歯から零れる焼唐黍(稲葉 京閑)

強面も水羊羹を召し上がり(小須賀正幸)

半夏生昔懐かしジャズ喫茶(吉田 春代)

赤梅に土用太郎の来たりけり(中島 圭子)

夜の虚ろ平家蛍のちかちかと(中島 圭子)

陽を恋し陽とたはむれてのうぜんか(清水 檀)

山暮らし百足が恐い熊もっと(岩佐 晴子)

向日葵の屈託のなき笑顔かな(佐々木一栗)

キャンプの夜渓流の音聴きながら(安部 呑歩)

空蝉や六本足を喰い込ませ(安部 呑歩)

木陰から星の瞬くキャンプ村(安部 呑歩)

球児らの汗の手をもて拭ふ汗(木村 佑)

夏蝶の光に紛れざる力(木村 佑)

大西日又と無き日を輝ぬ(鈴木由里子)

小遣帳付け始むる子琵琶実る(鈴木由里子)

ゆるゆると夢の続きか合歓の花(アンサトウ)

夏灯金継の猪口撫でながら(高橋 菜活)

駒草やここから佳境空青し(堤 かがり)

サファイアの海より青く夏惜しむ(杉山 加織)

薫風や詩人の足のすぐ止まる(杉山 加織)

着陸態勢両翼に晩夏光(木暮陶句郎)


互選結果

◎アンサトウ 選

(19) 叱られて強くなる子よ心太

(56) 白服の通る出発ゲートかな

(89) 白南風や忘るるといふ治し方

(95) 薫風や詩人の足のすぐ止まる

(102) 炎帝の地球征服はじまりぬ


◎岩佐晴子 選

(4) ねじればな今更できぬ巻き戻し

(13) 若き日の君の面影ソーダ水

(24) 前の蟻信じて長き蟻の道

(77) おだやかな鳩の鳴き声夏の朝

(107) 小さき花よけて歩荷の登山靴


◎小暮蓮生 選

(37) 陽を恋し陽とたはむれてのうぜんか

(58) 母と子のタンデム自転車夏野行く

(83) 半夏生昔懐かしジャズ喫茶

(102) 炎帝の地球征服はじまりぬ

(116) 香水を纏ふもう一人の私


◎小須賀正幸 選

(5) 夏柑のかをりひろがる武家屋敷

(23) サファイアの海より青く夏惜しむ

(24) 前の蟻信じて長き蟻の道

(36) 珈琲の甘さ微かに五月闇

(44) ゆるゆると夢の続きか合歓の花


◎稲葉京閑 選

(19) 叱られて強くなる子よ心太

(64) 空蝉や六本足を喰い込ませ

(71) 湖風の涼しく山の影崩し

(107) 小さき花よけて歩荷の登山靴

(116) 香水を纏ふもう一人の私


◎竹俣修 選

(12) グランブルーの陶器触るれば夏の海

(21) 三本の指でピースの半ズボン

(56) 白服の通る出発ゲートかな

(67) 大西日又と無き日を輝ぬ

(100) 星砂の小瓶の夏惜しみけり


◎鈴木由里子 選

(13) 若き日の君の面影ソーダ水

(56) 白服の通る出発ゲートかな

(88) 木陰から星の瞬くキャンプ村

(89) 白南風や忘るるといふ治し方

(116) 香水を纏ふもう一人の私


◎堤かがり 選

(4) ねじればな今更できぬ巻き戻し

(71) 湖風の涼しく山の影崩し

(74) 復興の七夕飾りのと鉄道

(89) 白南風や忘るるといふ治し方

(100) 星砂の小瓶の夏惜しみけり


◎木村佑 選

(19) 叱られて強くなる子よ心太

(48) 着陸態勢両翼に晩夏光

(96) サイダーの弾け架空の未来都市

(107) 小さき花よけて歩荷の登山靴

(116) 香水を纏ふもう一人の私


◎永豪敏 選

(19) 叱られて強くなる子よ心太

(38) 山暮らし百足が恐い熊もっと

(39) 吾の影を真下に踏みて炎天下

(89) 白南風や忘るるといふ治し方

(107) 小さき花よけて歩荷の登山靴


◎下境洋子 選

(19) 叱られて強くなる子よ心太

(50) 朝まだき郡上踊りの下駄の音

(91) 小遣帳付け始むる子琵琶実る

(92) ソーダ水泣きたい時に聴くサザン

(107) 小さき花よけて歩荷の登山靴


◎中島圭子 選

(17) 子を思ふ遠く花火の光るとき

(21) 三本の指でピースの半ズボン

(24) 前の蟻信じて長き蟻の道

(40) キャンプの夜渓流の音聴きながら

(69) 夏灯金継の猪口撫でながら


◎星野裕子 選

(13) 若き日の君の面影ソーダ水

(36) 珈琲の甘さ微かに五月闇

(65) 夏蝶の光に紛れざる力

(94) 浜木綿や船の消え入る地平線

(116) 香水を纏ふもう一人の私


◎渡辺真澄 選

(17) 子を思ふ遠く花火の光るとき

(63) 向日葵の屈託のなき笑顔かな

(107) 小さき花よけて歩荷の登山靴

(108) 夜の虚ろ平家蛍のちかちかと

(113) 輝きて歪みて水の素足かな


◎佐々木一栗 選

(17) 子を思ふ遠く花火の光るとき

(27) 父偲ぶ瓶のビールの苦さかな

(71) 湖風の涼しく山の影崩し

(113) 輝きて歪みて水の素足かな

(116) 香水を纏ふもう一人の私


◎堺美典 選

(4) ねじればな今更できぬ巻き戻し

(28) 病葉を掃いてひとりの音の中

(49) 紫陽花や寺より遠く海の見ゆ

(94) 浜木綿や船の消え入る地平線

(113) 輝きて歪みて水の素足かな


◎高橋ちとせ 選

(24) 前の蟻信じて長き蟻の道

(39) 吾の影を真下に踏みて炎天下

(58) 母と子のタンデム自転車夏野行く

(74) 復興の七夕飾りのと鉄道

(94) 浜木綿や船の消え入る地平線


◎清水檀 選

(12) グランブルーの陶器触るれば夏の海

(33) 白玉のシンプルゆえに口寂し

(42) 青葦の静寂に風の渡りゆく

(70) 駒草やここから佳境空青し

(96) サイダーの弾け架空の未来都市


◎吉田春代 選

(5) 夏柑のかをりひろがる武家屋敷

(13) 若き日の君の面影ソーダ水

(17) 子を思ふ遠く花火の光るとき

(32) 不揃いな歯から零れる焼唐黍

(84) 赤梅に土用太郎の来たりけり


◎高橋菜活 選

(7) 背中からスローモーションの蝉の羽化

(24) 前の蟻信じて長き蟻の道

(41) 球児らの汗の手をもて拭ふ汗

(92) ソーダ水泣きたい時に聴くサザン

(113) 輝きて歪みて水の素足かな


◎安部吞歩 選

(31) 白き蝉産衣着る綠子のやう

(53) 海亀の屍にそつと白い砂

(89) 白南風や忘るるといふ治し方

(92) ソーダ水泣きたい時に聴くサザン

(94) 浜木綿や船の消え入る地平線


◎杉山加織 選

(19) 叱られて強くなる子よ心太

(42) 青葦の静寂に風の渡りゆく

(50) 朝まだき郡上踊りの下駄の音

(92) ソーダ水泣きたい時に聴くサザン

(116) 香水を纏ふもう一人の私

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