令和元年8月 月例インターネット句会 Vol.90結果発表
木暮陶句郎 選
◎特選 10句
ひぐらしに夜の匂ひの迫りけり(星野 裕子)
終戦記念日ぼこぼこのアルミ鍋(中野 千秋)
轆轤台ひと唸りして涼新た(杉山 加織)
静けさは星の流れしあとの闇(天田あすなろう)
自転車で真ん中をゆく生身魂(中野 千秋)
置き去りの錆びた自転車夏薊(松本由美子)
球場に灯の煌々と広島忌(里村 閑)
昼寝子に日の香潮の香たちにけり(ななさと紅緒)
病床の大樹輝く今朝の秋(鈴木由里子)
新盆や故人が皆を引き合はす(中野 千秋)
〇入選 26句
山間をSL走る夏休み(髙橋千登世)
渋滞も徐々に解消花火果て(阿部ひで希)
避暑の客島へ吐き出す定期船(稲葉 京閑)
そびえ立つタワーマンション雲の峰(松本由美子)
噛みしめる納豆ご飯原爆忌(岩佐 晴子)
酔芙蓉すぼみてけふの一日抱く(里村 閑)
小児科の七夕祭る出入り口(堤 かがり)
海峡をつなぐ漁火星涼し(須藤恵美子)
品書きの墨は黒々かき氷(松本由美子)
秋暑し夫の返事に間のありて(星野 裕子)
美味しさを種が邪魔する西瓜かな(森田 遊馬)
星月夜若き奏者の深き礼(堤 かがり)
いにしえの恋を忍びて文字摺草(髙橋千登世)
十歳の棋士の定石花芙蓉(稲葉 京閑)
洗ひ髪きらきら揺れるイヤリング(松本由美子)
エレベーター開けば一階夏河原(南雲 和夫)
手も足もあらぬ方向熱帯夜(杉山 加織)
掛け違ふ釦も愛よ秋の蝉(鈴木由里子)
早朝のティーグランドに秋立ちぬ(森田 遊馬)
口喧嘩しながら育つ烏の子(南雲 和夫)
新涼の鏡に目尻伸ばしをり(杉山 加織)
寝ていても止まぬじょんがら踊唄(竹俣 修)
赤い尾を引き流れ星なに思ふ(天田あすなろう)
澄んでまた濁りてをりし夏の川(南雲 和夫)
かなかなの湖にさざなみ立ちにけり(里村 閑)
小さき手の陶土に触れし夏休み(須藤恵美子)
互選
5票
ひぐらしに夜の匂ひの迫りけり(星野 裕子)
4票
かなかなの湖にさざなみ立ちにけり(里村 閑)
海峡をつなぐ漁火星涼し(須藤恵美子)
ペン先のまた迷ひつつ窓の秋(木暮陶句郎)
3票
影さへも消ゆる街角炎天下(清水 檀)
小児科の七夕祭る出入り口(堤 かがり)
足裏に火の神を踏む残暑かな(杉山 加織)
太陽を小さく宿し大茄子(木暮陶句郎)
2票
避暑の客島へ吐き出す定期船(稲葉 京閑)
そびえ立つタワーマンション雲の峰(松本由美子)
品書きの墨は黒々かき氷(松本由美子)
置き去りの錆びた自転車夏薊(松本由美子)
秋暑し夫の返事に間のありて(星野 裕子)
武蔵野や鏡のやうな晩夏光(星野 裕子)
エレベーター開けば一階夏河原(南雲 和夫)
星月夜若き奏者の深き礼(堤 かがり)
水音のかすかなる宿天の川(堤 かがり)
小さき手の陶土に触れし夏休み(須藤恵美子)
アルマイトの薬缶の凹む炎暑かな(ななさと紅緒)
うすものや胸の底ひは覗かせず(ななさと紅緒)
子も孫も犬も帰りて送り盆(中野 千秋)
秋近し愛が何かもわからずに(木暮陶句郎)
1票
我もまた色あせしかな梅雨長し(髙橋千登世)
梅雨明け空から日沈む能登の海(竹俣 修)
公園の蚯蚓の葬儀蟻の列(竹俣 修)
次々に花火炸裂空を割る(阿部ひで希)
席替えに心ときめく休暇明け(稲葉 京閑)
洗ひ髪きらきら揺れるイヤリング(松本由美子)
みんみんの命を謳ふ城址森(清水 檀)
空蝉の刻を止めて捨つる過去(清水 檀)
静けさは星の流れしあとの闇(天田あすなろう)
花火果て思い思いに散りにけり(森田 遊馬)
口喧嘩しながら育つ烏の子(南雲 和夫)
噛みしめる納豆ご飯原爆忌(岩佐 晴子)
真つ直ぐに都会の胡瓜上品に(岩佐 晴子)
飛び入りす通りすがりの踊りの輪(岩佐 晴子)
トテ馬車の風のたてがみ秋来る(須藤恵美子)
昼寝子に日の香潮の香たちにけり(ななさと紅緒)
終戦記念日ぼこぼこのアルミ鍋(中野 千秋)
自転車で真ん中をゆく生身魂(中野 千秋)
生身魂の憎まれ口を聞きにゆく(中野 千秋)
轆轤台ひと唸りして涼新た(杉山 加織)
手も足もあらぬ方向熱帯夜(杉山 加織)
目前の平和いびつに初嵐(杉山 加織)
猫じやらし自問自答を繰り返す(木暮陶句郎)
偶然といふ必然や天の川(木暮陶句郎)
互選結果
◎天田あすなろう 選
そびえ立つタワーマンション雲の峰
梅雨明け空から日沈む能登の海
エレベーター開けば一階夏河原
我もまた色あせしかな梅雨長し
水音のかすかなる宿天の川
◎岩佐晴子 選
海峡をつなぐ漁火星涼し
猫じやらし自問自答を繰り返す
武蔵野や鏡のやうな晩夏光
空蝉の刻を止めて捨つる過去
偶然といふ必然や天の川
◎須藤恵美子 選
避暑の客島へ吐き出す定期船
ひぐらしに夜の匂ひの迫りけり
アルマイトの薬缶の凹む炎暑かな
昼寝子に日の香潮の香たちにけり
うすものや胸の底ひは覗かせず
◎清水檀 選
太陽を小さく宿し大茄子
子も孫も犬も帰りて送り盆
秋近し愛が何かもわからずに
小さき手の陶土に触れし夏休み
ペン先のまた迷ひつつ窓の秋
◎堤かがり 選
ひぐらしに夜の匂ひの迫りけり
影さへも消ゆる街角炎天下
秋近し愛が何かもわからずに
うすものや胸の底ひは覗かせず
ペン先のまた迷ひつつ窓の秋
◎里村閑 選
海峡をつなぐ漁火星涼し
足裏に火の神を踏む残暑かな
轆轤台ひと唸りして涼新た
口喧嘩しながら育つ烏の子
席替えに心ときめく休暇明け
◎星野裕子 選
太陽を小さく宿し大茄子
星月夜若き奏者の深き礼
影さへも消ゆる街角炎天下
静けさは星の流れしあとの闇
置き去りの錆びた自転車夏薊
◎南雲和夫 選
小児科の七夕祭る出入り口
アルマイトの薬缶の凹む炎暑かな
影さへも消ゆる街角炎天下
飛び入りす通りすがりの踊りの輪
かなかなの湖にさざなみ立ちにけり
◎稲葉京閑 選
ひぐらしに夜の匂ひの迫りけり
終戦記念日ぼこぼこのアルミ鍋
秋暑し夫の返事に間のありて
影さへも消ゆる街角炎天下
ペン先のまた迷ひつつ窓の秋
◎髙橋千登世 選
ひぐらしに夜の匂ひの迫りけり
終戦記念日ぼこぼこのアルミ鍋
秋暑し夫の返事に間のありて
影さへも消ゆる街角炎天下
ペン先のまた迷ひつつ窓の秋
◎松本由美子 選
ひぐらしに夜の匂ひの迫りけり
噛みしめる納豆ご飯原爆忌
自転車で真ん中をゆく生身魂
生身魂の憎まれ口を聞きにゆく
ペン先のまた迷ひつつ窓の秋
◎竹俣修 選
そびえ立つタワーマンション雲の峰
小児科の七夕祭る出入り口
エレベーター開けば一階夏河原
置き去りの錆びた自転車夏薊
小さき手の陶土に触れし夏休み
◎阿部ひで希 選
避暑の客島へ吐き出す定期船
足裏に火の神を踏む残暑かな
武蔵野や鏡のやうな晩夏光
手も足もあらぬ方向熱帯夜
水音のかすかなる宿天の川
◎鈴木由里子 選
海峡をつなぐ漁火星涼し
足裏に火の神を踏む残暑かな
品書きの墨は黒々かき氷
トテ馬車の風のたてがみ秋来る
目前の平和いびつに初嵐
◎中野千秋 選
花火果て思い思いに散りにけり
小児科の七夕祭る出入り口
秋暑し夫の返事に間のありて
真つ直ぐに都会の胡瓜上品に
次々に花火炸裂空を割る
◎ななさと紅緒 選
ひぐらしに夜の匂ひの迫りけり
海峡をつなぐ漁火星涼し
品書きの墨は黒々かき氷
星月夜若き奏者の深き礼
かなかなの湖にさざなみ立ちにけり
◎杉山加織 選
太陽を小さく宿し大茄子
洗ひ髪きらきら揺れるイヤリング
秋近し愛が何かもわからずに
かなかなの湖にさざなみ立ちにけり
ペン先のまた迷ひつつ窓の秋
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