2020.12.31 01:37令和2年12月 月例インターネット句会 Vol.106木暮陶句郎 選◎特選 7句散もみぢ木曾節唄ふ川下り(竹俣 修)湯豆腐や昔を探すひとり酒(星野 裕子)砂肝の煮付の照りや年惜しむ(鈴木由里子)吐息ひとつ後はしづかな冬の森(木村 佑)聖夜の灯うつるガラスの指輪かな(ななさと紅緒)狐火の子の指す方に出でにけり(里村 閑)仕事する人を眺めて日向ぼこ(稲葉 京閑)〇入選 30句(5) 冬ざれや誰も...
2020.11.30 08:34令和2年11月 月例インターネット句会 Vol.105木暮陶句郎 選◎特選 8句七味屋の匙を巧みに酉の市(星野 裕子)とろとろと風ふく奈良や鹿とゐる(里村 閑)神還るかつては海でありし街(稲葉 京閑)路地裏のハッピーアワー暮早し(杉山 加織)天金にわずかな埃冬館(星野 裕子)寒禽の行くと見せては戻りけり(山本 彩)冬の月東尋坊の煌々と(竹俣 修)刈る人の久しくをらず蘆騒ぐ(堤 かがり)〇入選...
2020.10.31 07:55令和2年10月 月例インターネット句会 Vol.104木暮陶句郎 選◎特選 9句先見えずとも枯葦の原に入る(稲葉 京閑) 聞くだけのうなづくだけの温め酒(ななさと紅緒)そぞろ寒連邦最高裁判事(山本 彩)天高しビー玉に青閉ぢ込めて(堤 かがり)霧深し吾も地球の一粒子(木村 佑)ハムカツの端の紅色馬肥ゆる(鈴木由里子)抱きあぐる猫に月夜のにほひかな(ななさと紅緒)針山の隙間埋めたる秋の声(杉山 ...
2020.09.30 14:36令和2年9月 月例インターネット句会 Vol.103木暮陶句郎 選◎特選 8句紅させど晴れぬ愁思の中にをり(岩佐 晴子)馬鈴薯や圧力鍋の初使ひ(岩佐 晴子)味見する度に恋するりんごジャム(佐々木一栗)秋天に伸びゆくトロンボーンかな(木村 佑)三日月やキャラメルラテは琥珀色(鈴木由里子)赤でなくくれなゐでなく曼珠沙華(星野 裕子)地芝居やはまり役なる如何様師(ななさと紅緒)露草や野辺のどこか...
2020.08.31 14:30令和2年8月 月例インターネット句会 Vol.102木暮陶句郎 選◎特選 8句白南風の窓ピクルスの壜ならべ(ななさと紅緒)正午告ぐ誤差なき時計終戦日(星野 裕子)かなかなの途切れ夕闇澄みゆける(杉山 加織)アラームのなき枕辺の秋めける(杉山 加織)七夕の今年の願ひみな同じ(小暮 肇)惜しみつつひと日をたたむ槿かな(星野 裕子)一匹となりて沁みいる蟬の声(稲葉 京閑)立秋や縁の黄ばんだ祖父の...
2020.07.31 04:00令和2年7月 月例インターネット句会 Vol.101木暮陶句郎 選◎特選 7句かきまわす不確かな恋ソーダ水(星野 裕子)ウイルスも近寄りがたし白日傘(里村 閑)すきとほりゆく月光の蓮かな(ななさと紅緒)黒揚羽銀の矢放つキューピッド(安部じゅん)大夕焼堰を越えたる水の音(里村 閑)走馬灯夜風のしみてきたりけり(ななさと紅緒)かき分けて七夕竹を選びをり(髙橋千登世)〇入選 36句華やかに行き交...
2020.06.30 05:44令和2年6月 月例インターネット句会 Vol.100木暮陶句郎 選◎特選 8句ひとりとは声なき暮らし蚊遺香(星野 裕子)薫風や森はいのちを繋ぎあふ(須藤恵美子)吹きちぎらるる六月のひかりかな(里村 閑)そばかすの素顔もいいね夏帽子(鈴木由里子)紫陽花の彩を織り込む暮色かな(星野 裕子)蟻地獄その一言の多かりし(堤 かがり)迷宮の入口めきぬ木下闇(杉山 加織)蜘蛛の囲に大きな入日かかりけり(...
2020.05.31 03:28令和2年5月 月例インターネット句会 Vol.99木暮陶句郎 選◎特選 9句スヌーピーいつも横向き若葉風(星野 裕子)花菖蒲咲いて血筋をほこりけり(里村 閑)初対面打ち解けぬまま夏薊(岩佐 晴子)半夏生戦う相手見えずとも(鬼形 瑞枝)草笛や手のぬくもりは姉のもの(堤 かがり)若楓重なり風を呼びにけり(杉山 加織)焼失の跡地の広さ夏の霧(鬼形 瑞枝)高尾山狙ひのショット緑さす(森田 遊馬)...
2020.05.01 08:34令和2年4月 月例インターネット句会 Vol.98木暮陶句郎 選◎特選 9句唇に上書き重ね四月馬鹿(鈴木由里子)春の宵魔女は銀河を目指し行く(岩佐 晴子)濡れてゆく花滲みゆく花の蕊(須藤恵美子)ささやかな日々を色濃くシクラメン(松本由美子)白木蓮遠きひかりの集め方(星野 裕子)見てと言ひ見ないでと言ひ花衣(ななさと紅緒)はきものを並べる係花むしろ(ななさと紅緒)人に夢残花に風のありにけり...
2020.03.30 08:56令和2年3月 月例インターネット句会 Vol.97結果発表木暮陶句郎 選◎特選 9句雲光りゆく末黒野のにはたづみ(須藤恵美子)山門の隅の明るさ落椿(阿部ひで希)料峭や蜂蜜色のホテルの灯(中野 千秋)竹の秋誰も通らぬ道静か(髙橋千登世)弁当のごはんの香り春の丘(里村 閑)卒業の鞄の軽さ背負ひたる(杉山 加織)春の航デッキをすべる鳥の影(須藤恵美子)横丁に抜け道いくつ春の宵(中野 千秋)航跡の光の育...
2020.01.31 13:04令和2年1月 月例インターネット句会 Vol.95結果発表木暮陶句郎 選◎特選 8句三寒の祝詞に風の渦巻きぬ(杉山 加織)大利根の闇の深さよ汽笛凍つ(星野 裕子)龍神の細き髭先風花す(杉山 加織)絹糸の光を引きし縫始(杉山 加織)風神の集まる処恵方とす(星野 裕子)今日も無事暮るる一番星冴ゆる(稲葉 京閑)山と海押しあふ音や薬喰(里村 閑)樽酒のしぶきを浴ぶる淑気かな(ななさと紅緒)〇入選 28...
2019.11.30 02:59令和元年11月 月例インターネット句会 Vol.93結果発表木暮陶句郎 選◎特選 9句知らぬ間に空へかへりし帰り花(里村 閑)冬の蝶翳りゆくもの皆果てて(鈴木由里子)理科室の光るフラスコそぞろ寒(星野 裕子)草もみぢさらさら水に届く風(松本 余一)診察を待つ身にポインセチア燃ゆ(里村 閑)野仏の供花は野菊や奥多摩路(岩佐 晴子)をんなよりをとこは淋し冬林檎(星野 裕子)綿虫のあらはれて消ゆ波郷の忌...