2023.09.30 05:53令和5年9月 月例インターネット句会 Vol.139木暮陶句郎 選◎特選 10句榛名湖の貸しボート場秋茜(竹俣 修)秋灯重たき辞書をちかく置く(星野 裕子)打球いま子規忌の空へまつしぐら(木村 佑)法要の終ひは陽気曼珠沙華(堤 かがり)マニキュアの薄むらさきに夢二の忌(杉山 加織)終着の駅の賑はひ星月夜(竹渕 昭彦)照紅葉山のやうなる家事育児(鈴木由里子)よく浮かぶ笑窪の影や今日の月(佐々...
2023.08.30 15:27令和5年8月 月例インターネット句会 Vol.138木暮陶句郎 選◎特選 10句夏休み大人のドアの半びらき(佐々木一栗)雲の峰棒高跳びの足の先(太田 直史)秋立ちて夜の広がつてゆくやうな(木村 佑)恋占の語尾の疑問符秋涼し(杉山 加織)ひぐらしの少し明るい闇の果て(星野 裕子)水筒に水を足したる原爆忌(星野 裕子)星月夜旅の途中のルビー婚(佐々木一栗)新涼の山の裏より雲湧きぬ(木村 佑)書...
2023.07.31 00:40令和5年7月 月例インターネット句会 Vol.137木暮陶句郎 選◎特選 10句かなかなの空濡れ色に暮れにけり(杉山 加織)目を閉づる目蓋を持たず蝉逝けり(岩佐 晴子)青芝や音無く回る散水機(稲葉 京閑)バッティングセンターの音夏の星(木下美樹枝)薄暗き茶房垣根の灸花(稲葉 京閑)人の世を語る短冊星祭(小暮 蓮生)髪洗ふ思考を磨き直すごと(杉山 加織)工場の昼のサイレン夾竹桃(稲葉 京閑)...
2023.06.30 13:11令和5年6月 月例インターネット句会 Vol.136木暮陶句郎 選◎特選 10句振り返る人生模様半夏生(清水 檀)梅雨の夜やフォークソングのラヂオより(小暮 蓮生)雲すべて海へと流れ沖縄忌(星野 裕子)草笛を咥へ家族の最後尾(木村 佑)油照り無心で漫画読む子らよ(小須賀正幸)捨てられぬ物ばかりあり更衣(高橋ちとせ)閉鎖せし茅花流しのゴルフ場(堤 かがり)曝書する輪ゴムの溶けし文の束(岩佐 ...
2023.05.31 11:04令和5年5月 月例インターネット句会 Vol.135木暮陶句郎 選◎特選 9句樟若葉今よりもつと好きになる(鈴木由里子)つばくろの尾を見てよりの出社かな(木村佑)更衣して校章の付けどころ(堤 かがり)葉桜やごしごし洗ふ台布巾(鈴木由里子)持て余す二合の酒や竹落葉(大渕 洋)こどもの日ひとり跳ねるとみな跳ねて(佐々木一栗)花虻の花を離るるとき光る(木村 佑)新聞の文字掠れゆく目借時(森田 遊...
2023.04.30 14:44令和5年4月 月例インターネット句会 Vol.134木暮陶句郎 選◎特選 9句囀やサ行気になるアナウンサー(中島 圭子)亀鳴くや育てた仔牛賞を取る(佐々木一栗)リラ冷えの市立図書館読書室(大渕 洋)消し残る黒板の文字花は葉に(星野 裕子)春愁は何色だらう絵具箱(天田あすなろう)桜蘂さみしくなんかなくはない(木村 佑)豆の花躓きながら弾くピアノ(鈴木由里子)海沿ひのプリンスホテル南風(鈴木由...
2023.03.30 15:00令和5年3月 月例インターネット句会 Vol.133木暮陶句郎 選◎特選 10句吾子の口うぐいす餅の粉まみれ(竹俣 修)麦踏や地道に生きし父のこと(太田 直史)春薄暮高き堤を人の影(木村 佑)しあはせは良き香りして涅槃西風(杉山 加織)電動に替へし自転車つくづくし(堤 かがり)三月や賢治の森の鳥けもの(星野 裕子)うりずんの海ただ眺めゐる絵の子(佐々木一栗)一言で言へば幸せ花すみれ(木村 ...
2023.02.28 08:18令和5年2月 月例インターネット句会 Vol.132木暮陶句郎 選◎特選 10句空き腹に牛乳沁みる雨水かな(小須賀正幸)春眠し語尾間延びする韓国語(杉山 加織)クロッカス風の休んでゐる正午(佐々木一栗)火にかけて鬼ヶ島めく栄螺かな(木村 佑)春光のやや焦げ臭く懐かしく(大渕 洋)逢ひたきは早世の妣雛飾る(岩佐 晴子)木洩れ日の影絵は柔き春障子(清水 檀)春の風好きな言葉があふれ出す(星野 ...
2023.01.31 00:48令和5年1月 月例インターネット句会 Vol.131木暮陶句郎 選◎特選 10句仮縫ひの終はらぬドレス霜の夜(鈴木由里子)あらたまの一句に夢のほとばしる(星野 裕子)空の色少し薄めて寒に入る(清水 檀)静けさや初売り開始五秒前(森田 遊馬)アイゼンの音重なりて空青し(下境 洋子)松過ぎて両毛線に揺られをり(小須賀正幸)春を待つ形に足を組んでをり(木村 佑)ブルースのやうなる夜明け雪時雨(鈴...
2022.12.31 05:50令和4年12月 月例インターネット句会 Vol.130木暮陶句郎 選◎特選 9句間取り図の角に茶箪笥冬紅葉(鈴木由里子)水餅の幼心に可笑しけり(小須賀正幸)冬の空風の上ゆくセスナかな(佐々木一栗)聖夜の灯バカラグラスの予約席(杉山 加織)下校子の野太き声や冬田道(大渕 洋)冬深しICUのある五階(森田 遊馬)冬夕焼鏡に眩し理髪店(太田 直史)生返事ひとつ炬燵へ滑り込む(木村 佑)波音が波に寄...
2022.11.30 00:16令和4年11月 月例インターネット句会 Vol.129木暮陶句郎 選◎特選 10句大好きな人だつたはず冬木の芽(鈴木由里子)いつも会ふ子の声変わり今朝の冬(太田 直史)銀杏散る肩打つ物や過去のもの(竹俣 修)神無月昨日の記憶抜け落ちて(杉山 加織)埃焼く匂い今年の掘り炬燵(大渕 洋)初霜や平安の歌採譜して(安部 呑歩)やはらかさ失ふ踵冬来る(堤 かがり)山茶花や出窓より顔見せる猫(小暮 肇)...
2022.10.31 07:26令和4年10月 月例インターネット句会 Vol.128木暮陶句郎 選◎特選 9句爽やかやグーとパーしか出さぬ孫(佐々木一栗)晩稲田の暮れゆく風の中にをり(木村 佑)柳散る己が命の使い方(稲葉 京閑)豊の秋火にも水にも神御座す(星野 裕子)月並み句酒の力で消す夜長(大渕 洋)天辺と言ふ心地良さ鵙高音(稲葉 京閑)秋風や佐渡を見晴らす弥彦山(佐々木一栗)秋天に引き寄せらるる地球かな(森田 遊馬)...