2023.02.28 08:18令和5年2月 月例インターネット句会 Vol.132木暮陶句郎 選◎特選 10句空き腹に牛乳沁みる雨水かな(小須賀正幸)春眠し語尾間延びする韓国語(杉山 加織)クロッカス風の休んでゐる正午(佐々木一栗)火にかけて鬼ヶ島めく栄螺かな(木村 佑)春光のやや焦げ臭く懐かしく(大渕 洋)逢ひたきは早世の妣雛飾る(岩佐 晴子)木洩れ日の影絵は柔き春障子(清水 檀)春の風好きな言葉があふれ出す(星野 ...
2023.01.31 00:48令和5年1月 月例インターネット句会 Vol.131木暮陶句郎 選◎特選 10句仮縫ひの終はらぬドレス霜の夜(鈴木由里子)あらたまの一句に夢のほとばしる(星野 裕子)空の色少し薄めて寒に入る(清水 檀)静けさや初売り開始五秒前(森田 遊馬)アイゼンの音重なりて空青し(下境 洋子)松過ぎて両毛線に揺られをり(小須賀正幸)春を待つ形に足を組んでをり(木村 佑)ブルースのやうなる夜明け雪時雨(鈴...
2022.12.31 05:50令和4年12月 月例インターネット句会 Vol.130木暮陶句郎 選◎特選 9句間取り図の角に茶箪笥冬紅葉(鈴木由里子)水餅の幼心に可笑しけり(小須賀正幸)冬の空風の上ゆくセスナかな(佐々木一栗)聖夜の灯バカラグラスの予約席(杉山 加織)下校子の野太き声や冬田道(大渕 洋)冬深しICUのある五階(森田 遊馬)冬夕焼鏡に眩し理髪店(太田 直史)生返事ひとつ炬燵へ滑り込む(木村 佑)波音が波に寄...
2022.11.30 00:16令和4年11月 月例インターネット句会 Vol.129木暮陶句郎 選◎特選 10句大好きな人だつたはず冬木の芽(鈴木由里子)いつも会ふ子の声変わり今朝の冬(太田 直史)銀杏散る肩打つ物や過去のもの(竹俣 修)神無月昨日の記憶抜け落ちて(杉山 加織)埃焼く匂い今年の掘り炬燵(大渕 洋)初霜や平安の歌採譜して(安部 呑歩)やはらかさ失ふ踵冬来る(堤 かがり)山茶花や出窓より顔見せる猫(小暮 肇)...
2022.10.31 07:26令和4年10月 月例インターネット句会 Vol.128木暮陶句郎 選◎特選 9句爽やかやグーとパーしか出さぬ孫(佐々木一栗)晩稲田の暮れゆく風の中にをり(木村 佑)柳散る己が命の使い方(稲葉 京閑)豊の秋火にも水にも神御座す(星野 裕子)月並み句酒の力で消す夜長(大渕 洋)天辺と言ふ心地良さ鵙高音(稲葉 京閑)秋風や佐渡を見晴らす弥彦山(佐々木一栗)秋天に引き寄せらるる地球かな(森田 遊馬)...
2022.09.30 13:34令和4年9月 月例インターネット句会 Vol.127木暮陶句郎 選◎特選 10句新涼や白衣新たな研究者(小暮 肇)鰯雲引越し先は隣町(堤 かがり)雨月かな祖母は囲炉裏で粥を炊き(小須賀正幸)雨上がり新聞受けに虫の声(安部 呑歩)木の実降る言の葉あふれ来る如く(星野 裕子)山住や部屋にばつたの跳ねてをり(岩佐 晴子)十六夜の渚に果つる銀波かな(木村 佑)山雨来て花野の彩を濃くしたる(星野 裕...
2022.08.29 12:42令和4年8月 月例インターネット句会 Vol.126木暮陶句郎 選◎特選 9句大西日長き伊勢屋の紺暖簾(大渕 洋)片蔭を拾って急ぐ昼休み(小暮 肇)行雲の影一瞬の涼しさよ(稲葉 京閑)手応へのなき手応へや西瓜割(木村 佑)日焼け止め効果疑ひながら塗る(稲葉 京閑)トロ箱の太刀魚の尾の曲がりけり(木村 佑)手際よく店主の掬ふ新豆腐(堤 かがり)蜩の呼びあうやうになく夕べ(高橋ちとせ)波あひの...
2022.07.31 05:20令和4年7月 月例インターネット句会 Vol.125木暮陶句郎 選◎特選 10句万緑へ心は脱皮するやうに(佐々木一栗)青簾カルピスの濃き祖母の家(木村 佑)朝涼や刃物で落とすパンの耳(星野 裕子)白靴の走りだしたる波飛沫(鈴木由里子)書き直す業務日誌や夕立来る(杉山 加織)日盛りの影を引連れグライダー(佐々木一栗)戻り梅雨中々来ない路線バス(松本由美子)息吸つて吐いてはんざき進化論 (星野...
2022.06.30 06:57令和4年6月 月例インターネット句会 Vol.124木暮陶句郎 選◎特選 11句時の日やかつてはめてた腕時計(松本由美子)虹消えてピカソの青が現るる(星野 裕子)万緑やブナの木肌の艶めきぬ(安部じゅん)夫酔ひて腹に掛けたる夏布団(堤 かがり)水辺恋ふ思ひは青葉風に似て(稲葉 京閑)階段を踏み外すとき昼寝覚む(下境 洋子)飛魚の背に空の色海の色(木村 佑)ハンモック雲に飛び乗る心地かな(星野...
2022.05.31 06:17令和4年5月 月例インターネット句会 Vol.123木暮陶句郎 選◎特選 11句マーガレット少女の恋のやうに揺れ(清水 檀)ポケットは夢でふくらむ子供の日(佐々木一栗)矢車のひとつ回らぬ空の罅(中島 圭子)老鶯の声せせらぎを伴奏に(岩佐 晴子)飲み干して記憶塗り替へソーダ水(杉山 加織)母の日やすがりつきたる割烹着(堤 かがり)母の日の空のティファニーブルーかな(ななさと紅緒)夏めくや影の...
2022.04.30 02:55令和4年4月 月例インターネット句会 Vol.122木暮陶句郎 選◎特選 10句彼岸会や母に似てきたねと云はれ(下境 洋子)壊れたるままのパソコン鳥雲に(里村 閑)子供にも作れしゼリー日曜日(小須賀正幸)山葵田の石に揺らめく水の影(中島 圭子)澄みきつて桜になつてゆく私(星野 裕子)発掘の九谷古窯やすみれ草(竹俣 修)波音も春を深むるものとして(稲葉 京閑)駄菓子屋で金の指輪を四月馬鹿(星...
2022.03.31 15:45令和4年3月 月例インターネット句会 Vol.121木暮陶句郎 選◎特選 10句近道は段々畑蝶生るる(ななさと紅緒)昨日より少し太めの朧月(井野 紫)蕗の薹レターパックで届きけり(稲葉 京閑)山畑の最上段の畔を焼く(稲葉 京閑)春月夜右だけにしかでぬ笑窪(佐々木一栗)ライダーブーツ倒れてゐたり遍路宿(ななさと紅緒)啓蟄やラップの韻の小気味よく(杉山 加織)沈丁や七分三分の好き嫌ひ(大渕 洋...