2022.06.30 06:57令和4年6月 月例インターネット句会 Vol.124木暮陶句郎 選◎特選 11句時の日やかつてはめてた腕時計(松本由美子)虹消えてピカソの青が現るる(星野 裕子)万緑やブナの木肌の艶めきぬ(安部じゅん)夫酔ひて腹に掛けたる夏布団(堤 かがり)水辺恋ふ思ひは青葉風に似て(稲葉 京閑)階段を踏み外すとき昼寝覚む(下境 洋子)飛魚の背に空の色海の色(木村 佑)ハンモック雲に飛び乗る心地かな(星野...
2022.05.31 06:17令和4年5月 月例インターネット句会 Vol.123木暮陶句郎 選◎特選 11句マーガレット少女の恋のやうに揺れ(清水 檀)ポケットは夢でふくらむ子供の日(佐々木一栗)矢車のひとつ回らぬ空の罅(中島 圭子)老鶯の声せせらぎを伴奏に(岩佐 晴子)飲み干して記憶塗り替へソーダ水(杉山 加織)母の日やすがりつきたる割烹着(堤 かがり)母の日の空のティファニーブルーかな(ななさと紅緒)夏めくや影の...
2022.04.30 02:55令和4年4月 月例インターネット句会 Vol.122木暮陶句郎 選◎特選 10句彼岸会や母に似てきたねと云はれ(下境 洋子)壊れたるままのパソコン鳥雲に(里村 閑)子供にも作れしゼリー日曜日(小須賀正幸)山葵田の石に揺らめく水の影(中島 圭子)澄みきつて桜になつてゆく私(星野 裕子)発掘の九谷古窯やすみれ草(竹俣 修)波音も春を深むるものとして(稲葉 京閑)駄菓子屋で金の指輪を四月馬鹿(星...
2022.03.31 15:45令和4年3月 月例インターネット句会 Vol.121木暮陶句郎 選◎特選 10句近道は段々畑蝶生るる(ななさと紅緒)昨日より少し太めの朧月(井野 紫)蕗の薹レターパックで届きけり(稲葉 京閑)山畑の最上段の畔を焼く(稲葉 京閑)春月夜右だけにしかでぬ笑窪(佐々木一栗)ライダーブーツ倒れてゐたり遍路宿(ななさと紅緒)啓蟄やラップの韻の小気味よく(杉山 加織)沈丁や七分三分の好き嫌ひ(大渕 洋...
2022.02.28 07:36令和4年2月 月例インターネット句会 Vol.120木暮陶句郎 選◎特選 10句いぬふぐり君訪れるときめきか(安部じゅん)雪解風忘れ物めく空の端(杉山 加織)浅春や匂袋の香は薄れ(清水 檀)満員の乗客降ろす梅の里(井野 紫)他人ごとと言ひつつバレンタインの日(清水 檀)酔ひ覚めの背中にすつと来る余寒(佐々木一栗)君を待つバスターミナル春の雪(小暮 肇)うららかや飛行機雲はカーブして(佐々木...
2022.01.31 01:28令和4年1月 月例インターネット句会 Vol.119木暮陶句郎 選◎特選 10句生きている生かされている日向ぼこ(小暮 肇)寒晴やごみ収集車追ひかけて(里村 閑)よくとほる声は伯母なり初笑(堤 かがり)大枯野ゆらめくものは光りけり(木村 佑)読初の大き文字より追ひにけり(杉山 加織)繭玉や小さな幸も連なれば(里村 閑)大橋の羽搏きそむる初明り(ななさと紅緒)納め所の空を見つめし福達磨(木村...
2022.01.02 02:32令和3年12月 月例インターネット句会 Vol.118木暮陶句郎 選◎特選 10句思ひ出を折り畳みては年用意(小暮 肇)冬の夜や薬の落ちぬ喉の奥(松本由美子)小米雪硝子引戸の額縁屋(鈴木由里子)裸木の影と光の不文律(中村 東子)桜木のイルミネーション冬の川(里村 閑)牧の冬バージンウールまだ刈らず(中島 圭子)生まれたる水に死ぬ魚冬銀河(星野 裕子)湯冷めするほど星ながめをりし頃(大渕 洋)...
2021.11.29 15:43令和3年11月 月例インターネット句会 Vol.117木暮陶句郎 選◎特選 10句息白く沓脱ぎ石の湿りかな(中島 圭子)竹を伐る風あるときは有るやうに(大渕 洋)雪催山の向かうの貨車の音(里村 閑)狩の宿六腑を熱く眠りけり(ななさと紅緒)君と見し記憶の中の帰り花(佐々木一栗)雪虫の測る術なき重さかな(大渕 洋)鍋据える位置に拘り芋煮会(稲葉 京閑)立冬や白磁の皿に温野菜(里村 閑)枯菊の炎に...
2021.11.01 04:06令和3年10月 月例インターネット句会 Vol.116木暮陶句郎 選◎特選 10句たとふれば秋の音とはハーモニカ(岩佐 晴子)意のままにならぬ世の中小鳥来る(里村 閑)光り出す美顔ローラー秋の風(鈴木由里子)弁当を開けば蜜柑転げ落つ(中島 圭子)下書きのままのメールや秋深し(木村 佑)神環高崎へ飯喰ひにゆく(小須賀正幸)美しく走る数式つづれさせ(ななさと紅緒)露の世や砂時計なら何回も(岩佐 ...
2021.09.30 08:07令和3年9月 月例インターネット句会 Vol.115木暮陶句郎 選◎特選 10句頭上注意の貼り紙残し燕去る(森田 遊馬)あてもなきポストを覗く秋思かな(岩佐 晴子)弓張や好きと嫌ひが半ぶんこ(佐々木一栗)銀色のビルの連なり秋の風(鈴木由里子)窓拭きと言ふ台風の後始末(稲葉 京閑)秋天を指差し放つフリスビー(木村 佑)ビル街の小さき保育所小鳥来る(鈴木由里子)銀行へ飛び込む淑女秋の雨(大渕 ...
2021.08.31 04:47令和3年8月 月例インターネット句会 Vol.114木暮陶句郎 選◎特選 8句暑に耐ふる唯それだけの身の重さ(稲葉 京閑)教科書に無いもの探す夏休(佐々木一栗)風鈴や夢より醒めてまた夢へ(木村 佑)牽牛花波郷の紺を受け継ぎぬ(星野 裕子)林立のマストの揺れて明易し(里村 閑)星空を仰ぎて束ぬ洗ひ髪(ななさと紅緒)羽田発つジャンボジェット機窓の秋(鈴木由里子)ドリップの黒き波紋や遠花火(杉山...
2021.07.31 05:44令和3年7月 月例インターネット句会 Vol.113木暮陶句郎 選◎特選 8句レース編む指に夏木蔭の触覚(星野 裕子)雨傘の中へ朝顔市の艶(木村 佑)裏返すポッケきのうの夏匂ふ(星野 裕子)山梔子の花錆びてなほ妬心の香(岩佐 晴子)観覧車日傘まわして見上げをり(安部じゅん)カラフルな絵の具のやうな夏野菜(松本由美子)落ちてゆくことも快感水中花(星野 裕子)やはらかき手乗りインコや五月晴(松...