平成31年2月 月例インターネット句会 Vol.84結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 8句

ラリックの小さき時計や寒明くる(鈴木由里子)

北窓を開き明日へと風通す(須藤恵美子)

花鰹ひらひら散らす春の夕(星野 裕子)

あはゆきの今といふ時葬りつつ(里村 閑)

凍えたる人の重さを抱きしめる(稲葉 京閑)

水鳥や何も怖れるものはなし(安部じゅん)

涅槃西風先祖に一人自由人(中野 千秋)

春光やよく研がれたる花鋏(中野 千秋)


〇入選  28句 

初旅の越前岬日の沈む(竹俣 修)

待春や心ばかりが先走る(清水 檀)

風光る花屋を満たす品揃へ(中野 千秋)

かん高き看護師の声冴返る(杉山 加織)

光陰の一本道や睦月尽(稲葉 京閑)

絵画展春の和菓子を携へて(清水 檀)

梳る春のせせらぎ聴きながら(星野 裕子)

絵踏して翳り消えゆく眉根かな(堤 かがり)

梅東風や封蠟かたき内申書(ななさと紅緒)

カーテンの襞のふくらみ春淡し(杉山 加織)

寒昴匂いたどれぬ警察犬(稲葉 京閑)

春の風邪マンチカンとは猫のこと(鈴木由里子)

紅梅の空に鼓動の始まれり(須藤恵美子)

佐保姫の気まぐれに服迷わされ(岩佐 晴子)

ベテランは風呂敷広げ節分会(松本由美子)

春の風邪引きこもりてふ楽園に(杉山 加織)

草庵へ訪ふ傘ふたつ春時雨(須藤恵美子)

猫五匹寄り添ふマット春の雪(岩佐 晴子)

遅き日をもの抓みつつ厨事(里村 閑)

薄氷の水輪ぶつかりゆくところ(杉山 加織)

さんざめくザラメ煎餅余寒かな(鈴木由里子)

里山の膨らみきたる花見鳥(星野 裕子)

言の葉を結ぶ楽しさ春立ちぬ(松本由美子)

春愁や眉描いてより正気づく(中野 千秋)

薄氷や見えないものに寄り縋り(杉山 加織)

早春やお腹を満たすコッペパン(松本由美子)


互選

8票

躾糸するりと抜けて春立ちぬ(木暮陶句郎)


5票

青インク滲み易くて春の雪 (木暮陶句郎)


4票

北窓を開き明日へと風通す(須藤恵美子)

花鰹ひらひら散らす春の夕(星野 裕子)

凍えたる人の重さを抱きしめる(稲葉 京閑)

言の葉を結ぶ楽しさ春立ちぬ (松本由美子)


3票

風の道音生まれゆく竹の秋(阿部ひで希)

紅梅の空に鼓動の始まれり(須藤恵美子)


2票

ラリックの小さき時計や寒明くる (鈴木由里子)

絵画展春の和菓子を携へて(清水 檀)

梳る春のせせらぎ聴きながら(星野 裕子)

ものごとに完璧はなし春の月(中野 千秋)

カーテンの襞のふくらみ春淡し(杉山 加織)

児の声の屈託なくてクロッカス(木暮陶句郎)

草庵へ訪ふ傘ふたつ春時雨(須藤恵美子)

日溜りを引き寄せてをり福寿草(堤 かがり)

晩学に卒業はなし昼灯 (ななさと紅緒)

薄氷の水輪ぶつかりゆくところ(杉山 加織)

春愁や眉描いてより正気づく(中野 千秋)

雪うさぎ愛されすぎて細りけり(ななさと紅緒)

涅槃西風先祖に一人自由人(中野 千秋)


1票

待春や心ばかりが先走る(清水 檀)

節分や心の鬼は追ひ出さず(星野 裕子)

わだかまり解けて明るき梅二月(須藤恵美子)

微熱にて君待つバレンタインデー(天田あすなろう)

春炬燵朝ドラ大河チコちゃんに(岩佐 晴子)

鬼気迫る光放ちて寒の月(松本由美子)

風光る花屋を満たす品揃へ(中野 千秋)

光陰の一本道や睦月尽(稲葉 京閑)

春寒し倒れし犬を葬りて(安部じゅん)

真白なるこの雲海のつつむ春 (里村 閑)

梅東風や封蠟かたき内申書(ななさと紅緒)

子白鳥迷子怖れて啼きゆけり(安部じゅん)

あはゆきの今といふ時葬りつつ(里村 閑)

あつさりと負けたふりして夫遅日(ななさと紅緒)

ベテランは風呂敷広げ節分会 (松本由美子)

手回しで挽く珈琲の香春を待つ(清水 檀)

繋ぐ手にリズムが生まれ暖かし(星野 裕子)

薄氷や見えないものに寄り縋り(杉山 加織)

春光やよく研がれたる花鋏(中野 千秋)

互選結果

◎須藤恵美子 選

梳る春のせせらぎ聴きながら

晩学に卒業はなし昼灯

躾糸するりと抜けて春立ちぬ

言の葉を結ぶ楽しさ春立ちぬ

雪うさぎ愛されすぎて細りけり

◎堤かがり 選

北窓を開き明日へと風通す

ものごとに完璧はなし春の月

薄氷の水輪ぶつかりゆくところ

春愁や眉描いてより正気づく

涅槃西風先祖に一人自由人

◎星野裕子 選

ラリックの小さき時計や寒明くる

青インク滲み易くて春の雪

紅梅の空に鼓動の始まれり

躾糸するりと抜けて春立ちぬ

言の葉を結ぶ楽しさ春立ちぬ

◎稲葉京閑 選

節分や心の鬼は追い出さず

北窓を開き明日へと風通す

梅東風や封蠟かたき内申書

あはゆきの今といふ時葬りつつ

躾糸するりと抜けて春立ちぬ

◎竹俣修 選

鬼気迫る光放ちて寒の月

風光る花屋を満たす品揃へ

ベテランは風呂敷広げ節分会

手回しで挽く珈琲の香春を待つ

草庵へ訪ふ傘ふたつ春時雨

◎天田あすなろう 選

真白なるこの雲海のつつむ春

風の道音生まれゆく竹の秋

紅梅の空に鼓動の始まれり

草庵へ訪ふ傘ふたつ春時雨

春愁や眉描いてより正気づく 

◎松本由美子 選

春寒し倒れし犬を葬りて

ものごとに完璧はなし春の月

子白鳥迷子怖れて啼きゆけり

晩学に卒業はなし昼灯

躾糸するりと抜けて春立ちぬ

◎中野千秋 選

絵画展春の和菓子を携えて

青インク滲み易くて春の雪

児の声の屈託なくてクロッカス

凍えたる人の重さを抱きしめる

繋ぐ手にリズムが生まれ暖かし

◎ななさと紅緒 選

ラリックの小さき時計や寒明くる

カーテンの襞のふくらみ春淡し

花鰹ひらひら散らす春の夕

日溜りを引き寄せてをり福寿草

躾糸するりと抜けて春立ちぬ

◎岩佐晴子 選

わだかまり解けて明るき梅二月

風の道音生まれゆく竹の秋

紅梅の空に鼓動の始まれり

薄氷の水輪ぶつかりゆくところ

薄氷や見えないものに寄り縋り

◎安部じゅん 選

青インク滲み易くて春の雪

風の道音生まれゆく竹の秋

凍えたる人の重さを抱きしめる

躾糸するりと抜けて春立ちぬ

言の葉を結ぶ楽しさ春立ちぬ

◎鈴木由里子 選

待春や心ばかりが先走る

絵画展春の和菓子を携えて

梳る春のせせらぎ聴きながら

花鰹ひらひら散らす春の夕

凍えたる人の重さを抱きしめる

◎里村閑 選

青インク滲み易くて春の雪

カーテンの襞のふくらみ春淡し

花鰹ひらひら散らす春の夕

あつさりと負けたふりして夫遅日

雪うさぎ愛されすぎて細りけり

◎清水檀 選

微熱にて君待つバレンタインデー

北窓を開き明日へと風通す

青インク滲み易くて春の雪

日溜りを引き寄せてをり福寿草

躾糸するりと抜けて春立ちぬ

◎阿部ひで希 選

春炬燵朝ドラ大河チコちゃんに

光陰の一本道や睦月尽

北窓を開き明日へと風通す

児の声の屈託なくてクロッカス

春光やよく研がれたる花鋏

◎杉山加織 選

花鰹ひらひら散らす春の夕

凍えたる人の重さを抱きしめる

躾糸するりと抜けて春立ちぬ

言の葉を結ぶ楽しさ春立ちぬ

涅槃西風先祖に一人自由人 


ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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