平成31年3月 月例インターネット句会 Vol.85結果発表
木暮陶句郎 選
◎特選 8句
てふてふの連綿体にとびゆける(ななさと紅緒)
暖かや空に広げてゐるランチ(杉山 加織)
透明な二十歳前なり風光る(鈴木由里子)
サイン帳交はす校庭卒業子(松本由美子)
花曇わけわからない電子音(鬼形 瑞枝)
結界をたやすく超えし猫の恋(須藤恵美子)
鮮やかや上がり框の落椿(松本由美子)
木の墓にジロー眠るや春の雨(安部じゅん)
〇入選 27句
バス通り蒲公英のぽつねんとして(松本由美子)
人去つて雛寂しき顔をする(星野 裕子)
手も足も頭もうずうず蕗の薹(鬼形 瑞枝)
桃の日のG線上のアリアかな(須藤恵美子)
生きものの春なり食べて食べられて(里村 閑)
往き来するデイケアバスに風光る(森田 雄馬)
米作りやめし歳月春田かな(堤 かがり)
暖かや筋肉隆と仁王像(岩佐 晴子)
料峭や紅茶に少しブランデー(松本由美子)
小糠雨芽ぐむ季節のいとほしく(清水 檀)
カステラにフォーク突き刺し春の雷(星野 裕子)
春風に耳打ちされて握り飯(鬼形 瑞枝)
剪定の青空透かし風すかし(須藤恵美子)
春光やバス待つ顔も穏やかに(森田 雄馬)
強東風のさらはれさうな心かな(堤 かがり)
どの子にも大き花丸卒園す(ななさと紅緒)
奥能登の廃駅脇のたんぽぽや(竹俣 修)
梅ヶ香や遍照の寺吟行す(阿部ひで希)
千年の風の都の実朝忌(里村 閑)
春疾風のぼり犇めく交叉点(森田 遊馬)
囀のどこへ行くにも付いてくる(中野 千秋)
港の見える丘霧笛聞きたる紅椿(竹俣 修)
水を抜く工事そそくさ鴨引けり(稲葉 京閑)
面と向かって言えないことば万寓節(鬼形 瑞枝)
子が駆けて犬が走りて風光る(中野 千秋)
大甕の水立ち上がる春疾風(須藤恵美子)
カステラの底のざらめや雪解風(ななさと紅緒)
互選
5票
カステラの底のざらめや雪解風(ななさと紅緒)
3票
料峭や紅茶に少しブランデー(松本由美子)
ふらここの上がる分だけ戻さるる(中野 千秋)
結界をたやすく超えし猫の恋(須藤恵美子)
春耕の膨らむ土の匂ひかな(堤 かがり)
右左ちがふ子の靴水温む(ななさと紅緒)
暖かや空に広げてゐるランチ(杉山 加織)
影光影光影春疾風(木暮陶句郎)
鉛筆を削りし木の香鳥雲に(木暮陶句郎)
橋二つ渡れば母校卒業期(木暮陶句郎)
2票
ものの芽や赤子のあくびやはらかき(松本由美子)
子が駆けて犬が走りて風光る(中野 千秋)
今年また少し色あせ雛飾る(清水 檀)
小糠雨芽ぐむ季節のいとほしく(清水 檀)
ものの芽に触れる日差しの息づかひ(星野 裕子)
山茱萸の光したたる深空かな(須藤恵美子)
春泥や靴を盗られて片足立ち(安部じゅん)
初雲雀榛名麓の古墳群(安部じゅん)
木の墓にジロー眠るや春の雨(安部じゅん)
暖かやいつまでも死ぬ気がしない(岩佐 晴子)
どの子にも大き花丸卒園す(ななさと紅緒)
Gコード覚えはじめて春の宵(杉山 加織)
1票
サイン帳交はす校庭卒業子(松本由美子)
鮮やかや上がり框の落椿(松本由美子)
子等去りてよりふらここの揺れやまず(中野 千秋)
風強き上州の梅よく香る(中野 千秋)
囀のどこへ行くにも付いてくる(中野 千秋)
透明な二十歳前なり風光る(鈴木由里子)
人去つて雛寂しき顔をする(星野 裕子)
カステラにフォーク突き刺し春の雷(星野 裕子)
橅木立落雪ありて犬吠えし(竹俣 修)
春風に耳打ちされて握り飯(鬼形 瑞枝)
花曇わけわからない電子音(鬼形 瑞枝)
花の雲しずかにねむる百弐歳(鬼形 瑞枝)
大甕の水立ち上がる春疾風(須藤恵美子)
生きものの春なり食べて食べられて(里村 閑)
千年の風の都の実朝忌(里村 閑)
春疾風のぼり犇めく交叉点(森田 雄馬)
囀に囀重ね大樹なほ(岩佐 晴子)
てふてふの連綿体にとびゆける(ななさと紅緒)
発車ベル真似る口笛春うらら(杉山 加織)
あたたかき椅子に馴染みて解く詩集(杉山 加織)
多数決時に冷酷冴返る(木暮陶句郎)
哲学の道をよぎれるつばくらめ(木暮陶句郎)
互選結果
◎松本由美子 選
透明な二十歳前なり風光る
結界をたやすく超えし猫の恋
初雲雀榛名麓の古墳群
右左ちがふ子の靴水温む
Gコード覚えはじめて春の宵
◎須藤恵美子 選
ふらここの上がる分だけ戻さるる
料峭や紅茶に少しブランデー
右左ちがふ子の靴水温む
鉛筆を削りし木の香鳥雲に
カステラの底のざらめや雪解風
◎里村 閑 選
人去つて雛寂しき顔をする
桃の日のG線上のアリアかな
初雲雀榛名麓の古墳群
鉛筆を削りし木の香鳥雲に
木の墓にジロー眠るや春の雨
◎清水 檀 選
暖かや空に広げてゐるランチ
囀に囀重ね大樹なほ
山茱萸の光したたる深空かな
春耕の膨らむ土の匂ひかな
カステラの底のざらめや雪解風
◎ななさと紅緒 選
発車ベル真似る口笛春うらら
結界をたやすく超えし猫の恋
春耕の膨らむ土の匂ひかな
花の雲しずかにねむる百弐歳
橋二つ渡れば母校卒業期
◎竹俣 修 選
春泥や靴を盗られて片足立ち
サイン帳交はす校庭卒業子
ものの芽や赤子のあくびやはらかき
木の墓にジロー眠るや春の雨
橋二つ渡れば母校卒業期
◎稲葉京閑 選
ふらここの上がる分だけ戻さるる
春風に耳打ちされて握り飯
風強き上州の梅よく香る
カステラの底のざらめや雪解風
あたたかな椅子に馴染みて解く詩集
◎岩佐晴子 選
今年また少し色あせ雛飾る
影光影光影春疾風
ものの芽に触れる日差しの息づかひ
水音も春の日差しをまとひたる
春耕の膨らむ土の匂ひかな
◎森田雄馬 選
橅木立落雪ありて犬吠えし
料峭や紅茶に少しブランデー
小糠雨芽ぐむ季節のいとほしく
ものの芽に触れる日差しの息づかひ
大甕の水立ち上がる春疾風
◎堤かがり 選
暖かや空に広げてゐるランチ
多数決時に冷酷冴返る
千年の風の都の実朝忌
哲学の道をよぎれるつばくらめ
子が駆けて犬が走りて風光る
◎星野裕子 選
子等去りてよりふらここの揺れやまず
どの子にも大き花丸卒園す
花曇わけわからない電子音
鉛筆を削りし木の香鳥雲に
橋二つ渡れば母校卒業期
◎鈴木由里子 選
春疾風のぼり犇めく交叉点
囀のどこへ行くにも付いてくる
暖かやいつまでも死ぬ気がしない
Gコード覚えはじめて春の宵
カステラの底のざらめや雪解風
◎阿部ひで希 選
ふらここの上がる分だけ戻さるる
春泥や靴を盗られて片足立ち
小糠雨芽ぐむ季節のいとほしく
山茱萸の光したたる深空かな
右左ちがふ子の靴水温む
◎中野千秋 選
今年また少し色あせ雛飾る
生きものの春なり食べて食べられて
暖かや空に広げてゐるランチ
料峭や紅茶に少しブランデー
暖かやいつまでも死ぬ気がしない
◎鬼形瑞枝 選
影光影光影春疾風
カステラにフォーク突き刺し春の雷
鮮やかや上がり框の落椿
ものの芽や赤子のあくびやはらかき
子が駆けて犬が走りて風光る
◎杉山加織 選
てふてふの連綿体にとびゆける
影光影光影春疾風
どの子にも大き花丸卒園す
結界をたやすく超えし猫の恋
カステラの底のざらめや雪解風
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