令和7年9月 月例インターネット句会 Vol.163

木暮陶句郎 選

◎特選 10句

ロボットに掃除任せる残暑かな(中島 圭子)

大花野風のうしろの風の音(星野 裕子)

爽やかに銀輪の子の会釈かな(中島 圭子)

案山子立つこんなに狭き田を見張り(高橋 菜活)

霧雨や静寂深まる別荘地(小暮 蓮生)

パレットに固まる絵の具秋の声(吉田 春代)

次々と名月磨き絹の雲(星野 裕子)

空蟬よ高さを競はなくてよし(高橋 菜活)

志ん生の下町訛り夜半の秋(太田 直史)

秋の灯やペーパーナイフの滑る音(佐々木一栗)


○入選 25句

爪痕のやうな月揚げ浜通り(渡辺 真澄)

赤城峰の慈雨に船出の釣船草(下境 洋子)

颱風をただやり過ごす愛犬と(岩佐 晴子)

電波なき場所を蚯蚓の鳴いてをり(木村 佑)

投げかける位のエール秋の虹(鈴木由里子)

雁の声つらなる空に昼の月(竹俣 修)

望の夜や再配達を待ち侘びて(小須賀正幸)

天高し背を地球に置いてより(木村 佑)

寄り添ふといふ眼差しや虫の昼(杉山 加織)

西瓜実る学校裏の畑かな(高橋ちとせ)

霧深し夜明けの湖の色消して(星野 裕子)

芋虫は待つ寝ころんで丸まつて(高橋 菜活)

アンデスの楽器の音色秋の空(アンサトウ)

敬老日母が父呼ぶ電話口(木村 佑)

遠き日々錆びし線路に赤のまま(渡辺 真澄)

ライダーの連なり来るや秋暑し(アンサトウ)

虫の音の底に瀬音の響きあり(木村 佑)

曼珠沙華曲がり損ねた交差点(鈴木由里子)

畳み癖曖昧にして秋日傘(杉山 加織)

子の食ふ月見団子を祖父も祖母も(竹俣 修)

手に受けし土の湿りや秋茗荷(渡辺 真澄)

木道に湖風碧し群れあきつ(中島 圭子)

桐の実や雨止みて空軽くなり(高橋 菜活)

梨剥くや失念したる女優の名(アンサトウ)

積ん読の影長々と秋灯下(杉山 加織)


互選

5点句

過去形の恋へレモンを搾りけり(木暮陶句郎)


4点句

爽やかに銀輪の子の会釈かな(中島 圭子)

虫の音の底に瀬音の響きあり(木村 佑)

梨剥けば心透けゆくごとくなり(木暮陶句郎)


3点句

新藁の弾む力を踏み換えし(吉田 春代)

大花野風のうしろの風の音(星野 裕子)

霧深し夜明けの湖の色消して(星野 裕子)

次々と名月磨き絹の雲(星野 裕子)

志ん生の下町訛り夜半の秋(太田 直史)

ロボットに掃除任せる残暑かな(中島 圭子)

魚店のトングで選ぶ初さんま(堤 かがり)

案山子立つこんなに狭き田を見張り(高橋 菜活)

ビー玉のやうな眼をして鬼やんま(アンサトウ)

電波なき場所を蚯蚓の鳴いてをり(木村 佑)

天高し背を地球に置いてより(木村 佑)

蟷螂の丸き眼の尖りけり(木村 佑)

畳み癖曖昧にして秋日傘(杉山 加織)


2点句

三毛猫のパンチパンチの大南瓜(竹俣 修)

爪痕のやうな月揚げ浜通り(渡辺 真澄)

手に受けし土の湿りや秋茗荷(渡辺 真澄)

秋旱生き物すべて乾きをり(清水 檀)

本堂に流るる読経風は秋(清水 檀)

銀河見る島は地球の一欠片(佐々木一栗)

アンデスの楽器の音色秋の空(アンサトウ)

天高し背を地球に置いてより(木村 佑)

歪みたる指環なじみて秋の声(木暮陶句郎)

陶工の常の深爪秋灯下(木暮陶句郎)


1点句

雁の声つらなる空に昼の月(竹俣 修)

こほろぎの玄関先に誰を待つ(高橋ちとせ)

角砂糖紅茶にしずむ夏惜しむ(吉田 春代)

パレットに固まる絵の具秋の声(吉田 春代)

帰省子の去るやしじまの広間かな(永 豪敏)

穂孕みの棚田見下ろす雨意の風(渡辺 真澄)

遠き日々錆びし線路に赤のまま(渡辺 真澄)

寄り添えず泣けずただ聴く人の秋(稲葉 京閑)

巨大南瓜クレーンで搬入収穫祭(太田 直史)

木道に湖風碧し群れあきつ(中島 圭子)

秋思ふよき想ひでに付箋して(佐々木一栗)

秋の灯やペーパーナイフの滑る音(佐々木一栗)

秋霖や灯失ふ別荘地(小暮 蓮生)

読みし本再び借りて秋思かな(小暮 蓮生)

霧雨や静寂深まる別荘地(小暮 蓮生)

空蟬よ高さを競はなくてよし(高橋 菜活)

早稲刈りぬ古米古々米輸入米(安部 呑歩)

こおろぎや世界陸上八日間(安部 呑歩)

ライダーの連なり来るや秋暑し(アンサトウ)

梨剥くや失念したる女優の名(アンサトウ)

Yシャツの形状記憶秋の雲(鈴木由里子)

立ち向かふ時は果敢や星流る(鈴木由里子)

積ん読の影長々と秋灯下(杉山 加織)

バーボンに吾を沈めて秋の宵(木暮陶句郎)


互選結果

◎稲葉京閑 選

(10) ロボットに掃除任せる残暑かな

(14) 魚店のトングで選ぶ初さんま

(15) 秋霖や灯失ふ別荘地

(42) ビー玉のやうな眼をして鬼やんま

(69) 陶工の常の深爪秋灯下


◎小須賀正幸 選

(20) 電波なき場所を蚯蚓の鳴いてをり

(38) 読みし本再び借りて秋思かな

(49) 角砂糖紅茶にしずむ夏惜しむ

(67) Yシャツの形状記憶秋の雲

(71) こほろぎの玄関先に誰を待つ


◎アンサトウ 選

(26) 新藁の弾む力を踏み換えし

(40) 案山子立つこんなに狭き田を見張り

(75) 次々と名月磨き絹の雲

(91) 畳み癖曖昧にして秋日傘

(115) 過去形の恋へレモンを搾りけり


◎岩佐晴子 選

(12) 秋旱生き物すべて乾きをり

(23) バーボンに吾を沈めて秋の宵

(33) 爽やかに銀輪の子の会釈かな

(41) 早稲刈りぬ古米古々米輸入米

(52) 霧深し夜明けの湖の色消して


◎星野裕子 選

(5) 爪痕のやうな月揚げ浜通り

(61) 霧雨や静寂深まる別荘地

(82) 秋思ふよき想ひでに付箋して

(92) 梨剥けば心透けゆくごとくなり

(115) 過去形の恋へレモンを搾りけり


◎中島圭子 選

(46) 歪みたる指環なじみて秋の声

(75) 次々と名月磨き絹の雲

(91) 畳み癖曖昧にして秋日傘

(92) 梨剥けば心透けゆくごとくなり

(112) 蟷螂の丸き眼の尖りけり


◎木村佑 選

(10) ロボットに掃除任せる残暑かな

(29) 大花野風のうしろの風の音

(32) 秋入日富士の影絵をモノレール

(92) 梨剥けば心透けゆくごとくなり

(115) 過去形の恋へレモンを搾りけり


◎堤かがり 選

(20) 電波なき場所を蚯蚓の鳴いてをり

(40) 案山子立つこんなに狭き田を見張り

(52) 霧深し夜明けの湖の色消して

(89) 虫の音の底に瀬音の響きあり

(113) 立ち向かふ時は果敢や星流る


◎高橋菜活 選

(26) 新藁の弾む力を踏み換えし

(66) 敬老日母が父呼ぶ電話口

(70) 三毛猫のパンチパンチの大南瓜

(91) 畳み癖曖昧にして秋日傘

(92) 梨剥けば心透けゆくごとくなり


◎高橋ちとせ 選

(14) 魚店のトングで選ぶ初さんま

(33) 爽やかに銀輪の子の会釈かな

(46) 歪みたる指環なじみて秋の声

(87) こおろぎや世界陸上八日間

(96) 帰省子の去るやしじまの広間かな


◎竹俣修 選

(51) 穂孕みの棚田見下ろす雨意の風

(66) 敬老日母が父呼ぶ電話口

(88) ライダーの連なり来るや秋暑し

(101) 志ん生の下町訛り夜半の秋

(111) 梨剥くや失念したる女優の名


◎渡辺真澄 選

(12) 秋旱生き物すべて乾きをり

(24) 雁の声つらなる空に昼の月

(42) ビー玉のやうな眼をして鬼やんま

(59) 銀河見る島は地球の一欠片

(65) アンデスの楽器の音色秋の空


◎永豪敏 選

(26) 新藁の弾む力を踏み換えし

(58) 本堂に流るる読経風は秋

(69) 陶工の常の深爪秋灯下

(86) 空蟬よ高さを競はなくてよし

(112) 蟷螂の丸き眼の尖りけり


◎下境洋子 選

(33) 爽やかに銀輪の子の会釈かな

(40) 案山子立つこんなに狭き田を見張り

(42) ビー玉のやうな眼をして鬼やんま

(43) 天高し背を地球に置いてより

(58) 本堂に流るる読経風は秋


◎吉田春代 選

(20) 電波なき場所を蚯蚓の鳴いてをり

(59) 銀河見る島は地球の一欠片

(65) アンデスの楽器の音色秋の空

(97) 手に受けし土の湿りや秋茗荷

(101) 志ん生の下町訛り夜半の秋


◎清水檀 選

(29) 大花野風のうしろの風の音

(52) 霧深し夜明けの湖の色消して

(74) 遠き日々錆びし線路に赤のまま

(89) 虫の音の底に瀬音の響きあり

(102) 木道に湖風碧し群れあきつ


◎佐々木一栗 選

(5) 爪痕のやうな月揚げ浜通り

(89) 虫の音の底に瀬音の響きあり

(97) 手に受けし土の湿りや秋茗荷

(112) 蟷螂の丸き眼の尖りけり

(115) 過去形の恋へレモンを搾りけり


◎鈴木由里子 選

(72) パレットに固まる絵の具秋の声

(75) 次々と名月磨き絹の雲

(100) 寄り添えず泣けずただ聴く人の秋

(101) 志ん生の下町訛り夜半の秋

(114) 積ん読の影長々と秋灯下


◎安部呑歩 選

(10) ロボットに掃除任せる残暑かな

(14) 魚店のトングで選ぶ初さんま

(33) 爽やかに銀輪の子の会釈かな

(66) 敬老日母が父呼ぶ電話口

(70) 三毛猫のパンチパンチの大南瓜


◎杉山加織 選

(29) 大花野風のうしろの風の音

(43) 天高し背を地球に置いてより

(89) 虫の音の底に瀬音の響きあり

(105) 秋の灯やペーパーナイフの滑る音

(115) 過去形の恋へレモンを搾りけり

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