令和7年10月 月例インターネット句会 Vol.164

木暮陶句郎 選

◎特選 10句

二級酒は地べたに置かれ芋煮会(木村 佑)

十日町泊まり一人の夜長かな(竹俣 修)

引き潮に子亀仰向け天高し(太田 直史)

秋祭り今も簞笥に豆絞り(堤 かがり)

愚痴ひとつ沈めてゆきぬ濁り酒(杉山 加織)

薑やどうでも好いと云ふ返事(鈴木由里子)

青蜜柑剥く青春の香り飛ぶ(吉田 春代)

貝割菜明日を光として生きて(鈴木由里子)

長き夜のオンザロックとチョコレート(木村 佑)

鰯雲両手で掴む夢がある(鈴木由里子)


○入選 38句

親の声だんだんかれる運動会(小暮 蓮生)

秋雨や体温計に窓ひとつ(吉田 春代)

思ふ子はいつも幼なし草の花(星野 裕子)

小鳥来るステップ踏める九十歳(安部 呑歩)

来し方や今が幸せ栗ごはん(アンサトウ)

長旅を戻ればすくと彼岸花(高橋 菜活)

山襞に埋もれる村の秋ともし(堤 かがり)

細やかな人の溜息秋思かな(鈴木由里子)

変電所の碍子艷やか秋高し(岩佐 晴子)

刈り取りて吾子抱くごとく今年米(佐々木一栗)

牛蒡掘るここでこうして暮らすとは(小須賀正幸)

風吹けば梢触れ合ふ夜寒かな(星野 裕子)

秋風に胸の傷みを託しけり(さくら悠日)

むらさきの夢を転がす式部の実(清水 檀)

まつすぐに森をつらぬく月の道(太田 直史)

天界の開いて零るる流れ星(中島 圭子)

木犀の香に深呼吸深呼吸(アンサトウ)

かぐはしく在は煙りし豊の秋(堤 かがり)

疼きたる傷をあやして冬隣(木村 佑)

ゆで落花生ふる里の味懐かしき(高橋ちとせ)

知らぬ人ばかりの夢や夜半の秋(星野 裕子)

十六夜やふらつと庭に出てみれば(さくら悠日)

展望の底に湯町や赤まんま(清水 檀)

佇めば寄り来る鯉や水澄めり(岩佐 晴子)

面影は昔のままか牽牛花(中島 圭子)

縄張りに我が家あるらし鵙の贄(堤 かがり)

地球てふ子らの遊び場秋日和(杉山 加織)

灯火親しカゴのカナリヤ寝てをりぬ(高橋ちとせ)

青蜜柑山に小さき休憩所(吉田 春代)

秋薔薇の花びら尖りゆく朝(星野 裕子)

秋灯や遺影の父に問ひかけて(さくら悠日)

木犀の香りも濡らし小糠雨(清水 檀)

秋さぶや人手にわたる妹の家(永 豪敏)

天高し湖の静寂にバイク音(中島 圭子)

色なき風ひかりに捩れ通りけり(アンサトウ)

団栗や上手に落ちて拾われて(堤 かがり)

汲むならばシャンパングラス天の川(木村 佑)

恋人のやうに来る猫月今宵(杉山 加織)


互選

7点句

恋人のやうに来る猫月今宵(杉山 加織)


6点句

刈り取りて吾子抱くごとく今年米(佐々木一栗)

愚痴ひとつ沈めてゆきぬ濁り酒(杉山 加織)


4点句

団栗や上手に落ちて拾はれて(堤 かがり)

二級酒は地べたに置かれ芋煮会(木村 佑)


3点句

青蜜柑剥く青春の香り飛ぶ(吉田 春代)

むらさきの夢を転がす式部の実(清水 檀)

まつすぐに森をつらぬく月の道(太田 直史)

木犀の香に深呼吸深呼吸(アンサトウ)

秋灯下ときをり翳る猫の耳(木暮陶句郎)

目の端にいつも君追ひ体育祭(杉山 加織)

地球てふ子らの遊び場秋日和(杉山 加織)


2点句

落鮎の影を残して瀬となりぬ(稲葉 京閑)

展望の底に湯町や赤まんま(清水 檀)

木犀の香りも濡らし小糠雨(清水 檀)

牛蒡掘るここでこうして暮らすとは(小須賀正幸)

秋さぶや人手にわたる妹の家(永 豪敏)

天界の開いて零るる流れ星(中島 圭子)

望月へ時に重なるちぎれ雲(高橋 菜活)

秋祭り今も簞笥に豆絞り(堤 かがり)

縄張りに我が家あるらし鵙の贄(堤 かがり)

ランナーの風となりゆく秋日和(木暮陶句郎)

恋人の足跡消して秋の波(木暮陶句郎)

プレートをはみ出すチキン雁渡る(鈴木由里子)

貝割菜明日を光として生きて(鈴木由里子)

鰯雲両手で掴む夢がある(鈴木由里子)

汲むならばシャンパングラス天の川(木村 佑)


1点句

右に左に風と遊びし薄かな(高橋ちとせ)

農道の右も左も稲架の列(高橋ちとせ)

ガード下ひとり寂しくちちろ鳴く(竹俣 修)

大手町にソプラノ響く星月夜(竹俣 修)

綱引の勝敗つかず秋曇(小暮 蓮生)

昨日より早く起きる子運動会(小暮 蓮生)

秋雨や体温計に窓ひとつ(吉田 春代)

九月尽最後を絞る歯磨き粉(吉田 春代)

思ふ子はいつも幼なし草の花(星野 裕子)

知らぬ人ばかりの夢や夜半の秋(星野 裕子)

三日月や門限迫る茜空(さくら悠日)

秋風に胸の傷みを託しけり(さくら悠日)

十六夜やふらつと庭に出てみれば(さくら悠日)

照葉峡せせらぎの秋深まりて(下境 洋子)

漣や光散りばめ湖の秋(下境 洋子)

薄き闇城趾の径に木犀香(清水 檀)

お出かけは病院ばかり天高し(岩佐 晴子)

台風やしなやかな木のもつ強さ(佐々木一栗)

流星のまばたきの間に森の穴(佐々木一栗)

村芝居照れ屋な叔父が本骨頂(小須賀正幸)

口曲げて嘘のいじらしゑのこ草(太田 直史)

木々の葉を激しくたたく秋驟雨(永 豪敏)

庭椅子に座して満月眺めをり(永 豪敏)

新米を荷台に並べ売る背中(中島 圭子)

御巣鷹の石碑に知る名秋桜(中島 圭子)

小鳥来るステップ踏める九十歳(安部 呑歩)

胡桃割る石を探してウォーキング(安部 呑歩)

来し方や今が幸せ栗ごはん(アンサトウ)

少し揺れゐる秋の夜の弥次郎兵衛(木暮陶句郎)

疼きたる傷をあやして冬隣(木村 佑)

長き夜のオンザロックとチョコレート(木村 佑)

雨冷やキャップ目深に急ぐ帰路(杉山 加織)


互選結果

◎さくら悠日 選

(24) 目の端にいつも君追ひ体育祭

(35) 刈り取りて吾子抱くごとく今年米

(64) 天界の開いて零るる流れ星

(66) 木犀の香に深呼吸深呼吸

(120) 恋人のやうに来る猫月今宵


◎稲葉京閑 選

(37) 牛蒡掘るここでこうして暮らすとは

(64) 天界の開いて零るる流れ星

(92) 縄張りに我が家あるらし鵙の贄

(116) 団栗や上手に落ちて拾われて

(120) 恋人のやうに来る猫月今宵


◎小暮蓮生 選

(25) 落鮎の影を残して瀬となりぬ

(44) 秋祭り今も簞笥に豆絞り

(45) ランナーの風となりゆく秋日和

(103) 秋灯や遺影の父に問ひかけて

(104) 漣や光散りばめ湖の秋


◎佐藤聡 選

(24) 目の端にいつも君追ひ体育祭

(75) 大手町にソプラノ響く星月夜

(76) 綱引の勝敗つかず秋曇

(100) 昨日より早く起きる子運動会

(117) 恋人の足跡消して秋の波


◎竹俣修 選

(7) 三日月や門限迫る茜空

(24) 目の端にいつも君追ひ体育祭

(62) まつすぐに森をつらぬく月の道

(72) 雨冷やキャップ目深に急ぐ帰路

(113) 胡桃割る石を探してウォーキング


◎星野裕子 選

(25) 落鮎の影を残して瀬となりぬ

(83) 流星のまばたきの間に森の穴

(94) 貝割菜明日を光として生きて

(116) 団栗や上手に落ちて拾われて

(120) 恋人のやうに来る猫月今宵


◎清水檀 選

(17) 小鳥来るステップ踏める九十歳

(35) 刈り取りて吾子抱くごとく今年米

(77) 青蜜柑剥く青春の香り飛ぶ

(91) 望月へ時に重なるちぎれ雲

(118) 鰯雲両手で掴む夢がある


◎小須賀正幸 選

(3) ガード下ひとり寂しくちちろ鳴く

(9) 薄き闇城趾の径に木犀香

(46) プレートをはみ出すチキン雁渡る

(57) むらさきの夢を転がす式部の実

(66) 木犀の香に深呼吸深呼吸


◎岩佐晴子 選

(11) 台風やしなやかな木のもつ強さ

(18) 来し方や今が幸せ栗ごはん

(35) 刈り取りて吾子抱くごとく今年米

(87) 庭椅子に座して満月眺めをり

(109) 村芝居照れ屋な叔父が本骨頂


◎中島圭子 選

(23) 二級酒は地べたに置かれ芋煮会

(44) 秋祭り今も簞笥に豆絞り

(48) 愚痴ひとつ沈めてゆきぬ濁り酒

(111) 秋さぶや人手にわたる妹の家

(120) 恋人のやうに来る猫月今宵


◎渡辺真澄 選

(6) 思ふ子はいつも幼なし草の花

(21) 秋灯下ときをり翳る猫の耳

(62) まつすぐに森をつらぬく月の道

(79) 十六夜やふらつと庭に出てみれば

(120) 恋人のやうに来る猫月今宵


◎佐々木一栗 選

(23) 二級酒は地べたに置かれ芋煮会

(48) 愚痴ひとつ沈めてゆきぬ濁り酒

(81) 展望の底に湯町や赤まんま

(111) 秋さぶや人手にわたる妹の家

(120) 恋人のやうに来る猫月今宵


◎下境洋子 選

(14) 口曲げて嘘のいじらしゑのこ草

(35) 刈り取りて吾子抱くごとく今年米

(37) 牛蒡掘るここでこうして暮らすとは

(77) 青蜜柑剥く青春の香り飛ぶ

(119) 汲むならばシャンパングラス天の川


◎高橋ちとせ 選

(35) 刈り取りて吾子抱くごとく今年米

(56) 照葉峡せせらぎの秋深まりて

(63) 木々の葉を激しくたたく秋驟雨

(91) 望月へ時に重なるちぎれ雲

(105) 木犀の香りも濡らし小


◎吉田春代 選

(23) 二級酒は地べたに置かれ芋煮会

(48) 愚痴ひとつ沈めてゆきぬ濁り酒

(57) むらさきの夢を転がす式部の実

(96) 地球てふ子らの遊び場秋日和

(116) 団栗や上手に落ちて拾われて


◎高橋菜活 選

(48) 愚痴ひとつ沈めてゆきぬ濁り酒

(66) 木犀の香に深呼吸深呼吸

(77) 青蜜柑剥く青春の香り飛ぶ

(116) 団栗や上手に落ちて拾われて

(120) 恋人のやうに来る猫月今宵


◎堤かがり 選

(35) 刈り取りて吾子抱くごとく今年米

(46) プレートをはみ出すチキン雁渡る

(57) むらさきの夢を転がす式部の実

(106) お出かけは病院ばかり天高し

(118) 鰯雲両手で掴む夢がある


◎永豪敏 選

(16) 新米を荷台に並べ売る背中

(23) 二級酒は地べたに置かれ芋煮会

(50) 農道の右も左も稲架の列

(62) まつすぐに森をつらぬく月の道

(95) 長き夜のオンザロックとチョコレート


◎アンサトウ 選

(21) 秋灯下ときをり翳る猫の耳

(48) 愚痴ひとつ沈めてゆきぬ濁り酒

(53) 九月尽最後を絞る歯磨き粉

(71) 疼きたる傷をあやして冬隣

(92) 縄張りに我が家あるらし鵙の贄


◎木村佑 選

(26) 右に左に風と遊びし薄かな

(69) 少し揺れゐる秋の夜の弥次郎兵衛

(78) 知らぬ人ばかりの夢や夜半の秋

(96) 地球てふ子らの遊び場秋日和

(105) 木犀の香りも濡らし小糠雨


◎鈴木由里子 選

(45) ランナーの風となりゆく秋日和

(48) 愚痴ひとつ沈めてゆきぬ濁り酒

(96) 地球てふ子らの遊び場秋日和

(117) 恋人の足跡消して秋の波

(119) 汲むならばシャンパングラス天の川


◎杉山加織 選

(5) 秋雨や体温計に窓ひとつ

(21) 秋灯下ときをり翳る猫の耳

(40) 御巣鷹の石碑に知る名秋桜

(81) 展望の底に湯町や赤まんま

(94) 貝割菜明日を光として生きて

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