令和7年8月 月例インターネット句会 Vol.162

木暮陶句郎 選

◎特選 10句

地球儀の赤き日本や敗戦日(星野 裕子)

風のいろ雲のかたちも秋はじめ(吉田 春代)

少年の走る肩先炎天下(中島 圭子)

満潮の海ごと西瓜割りにけり(佐々木一栗)

盆東風や眼鏡に息を吹きかけて(小須賀正幸)

書き出しの同じ言葉となる酷暑(稲葉 京閑)

踊唄やぐらの爺の得意顔(竹俣 修)

獣らも誰を待ち侘びましら酒(小須賀正幸)

いつもより厚く塗るジャム休暇果つ(木村 佑)

終戦日魔法瓶から魔法消え(星野 裕子)


○入選 24句

さざ波や砂のさらさら秋の夕(永 豪敏)

上高地へはしゃぐバス旅夏帽子(下境 洋子)

竹の春ひいきの麩屋の代替はる(太田 直史)

まづ風が駆け抜けてゆくテントかな(木村 佑)

鰯雲掴めさうなりスカイツリー(岩佐 晴子)

卵かけごはんの朝餉秋に入る(吉田 春代)

いつの間に気の合うてをり温め酒(太田 直史)

花火果つ臨時列車のるつぼなる(高橋 菜活)

新涼の川の光を高きより(木村 佑)

青空の浅間に寄せる稲穂波(竹俣 修)

みづうみの青のはかなさ花野の忌(星野 裕子)

喜雨来たる水墨画めく朝の空(高橋 菜活)

新涼やビエンナーレの美術館(安部 呑歩)

水割つて水従へてバタフライ(アンサトウ)

秋暑し改札までの地下通路(中島 圭子)

盆帰省糠雨に山見えなくて(高橋 菜活)

写メールは鬼灯市の子のピース(竹俣 修)

声明の涼やかなりし川施餓鬼(渡辺 真澄)

身に入むや虚構に過ぎぬ核抑止(太田 直史)

それぞれの世界を生きて盂蘭盆会(高橋 菜活)

秋めくやゆつくり背筋伸ばしゆく(安部 呑歩)

貝殻へ触るる寄せ波星祭(木村 佑)

体内のリセットボタン秋の虹(鈴木由里子)

新涼の日の斑を踏んでゆくランナー(杉山 加織)


互選

7点句

水打てば路地に生まれる風ひとつ(吉田 春代)


6点句

いつの間に気の合うてをり温め酒(太田 直史)


5点句

地球儀の赤き日本や敗戦日(星野 裕子)

ちりちりと過去を照らして庭花火(木暮陶句郎)


4点句

書き出しの同じ言葉となる酷暑(稲葉 京閑)

悪女なり水鉄砲を撃つ少女(小暮 蓮生)

満潮の海ごと西瓜割りにけり(佐々木一栗)

いつもより厚く塗るジャム休暇果つ(木村 佑)

新涼の日の斑を踏んでゆくランナー(杉山 加織)


3点句

花芒野面積みなる一夜城(太田 直史)

夕星を数へ花火のあがるまで(高橋 菜活)

水割つて水従へてバタフライ(アンサトウ)

法師蝉声にひかりを混ぜてゐる(木暮陶句郎)


2点句

砂浜の海亀誘ふ盆の月(永 豪敏)

みづうみの青のはかなさ花野の忌(星野 裕子)

子の描く花野必ず太陽が(岩佐 晴子)

歳月の重き波寄す終戦日(アンサトウ)

秋茜何か話したさうに来る(杉山 加織)


1点句

ガム噛んで食いしん坊の暑気中(稲葉 京閑)

釣り人にレンズを向ける大夕焼(竹俣 修)

亡き人も家族の揃ふ迎へ盆(永 豪敏)

窓越しに違ふ音色の虫の声(永 豪敏)

蝉時雨生き急かされてゐる如く(岩佐 晴子)

水を撒くホースの先や日向水(清水 檀)

花火果つ闇に残せし薄煙り(清水 檀)

立秋や幽かに滲む風の中(清水 檀)

海の宿夜濯ぎの音聞こえけり(小暮 蓮生)

しとやかに葉を喰む音や秋蚕かな(小須賀正幸)

風のいろ雲のかたちも秋はじめ(吉田 春代)

卵かけごはんの朝餉秋に入る(吉田 春代)

菜園に二日来ぬまのへぼ胡瓜(吉田 春代)

少年の走る肩先炎天下(中島 圭子)

秋暑し改札までの地下通路(中島 圭子)

笛の音の茅の輪くぐりの八の字に(中島 圭子)

わざと置くガラスの靴や夏休(佐々木一栗)

廃線の煉瓦の橋梁萩の花(太田 直史)

花火果つ臨時列車のるつぼなる(高橋 菜活)

それぞれの世界を生きて盂蘭盆会(高橋 菜活)

翅ひらく夏蝶ロールシャッハめく(アンサトウ)

まるごとのメロン幸せ分けませう(アンサトウ)

新涼の川の光を高きより(木村 佑)

体内のリセットボタン秋の虹(鈴木由里子)

君の膝七色にして庭花火(木暮陶句郎)


互選結果

◎星野裕子 選

(10) 悪女なり水鉄砲を撃つ少女

(41) 新涼の川の光を高きより

(43) 法師蝉声にひかりを混ぜてゐる

(59) 花芒野面積みなる一夜城

(91) 窓越しに違ふ音色の虫の声


◎渡辺真澄 選

(2) 釣り人にレンズを向ける大夕焼

(38) 花火果つ臨時列車のるつぼなる

(47) 砂浜の海亀誘ふ盆の月

(67) 書き出しの同じ言葉となる酷暑

(101) 笛の音の茅の輪くぐりの八の字に


◎小暮蓮生 選

(65) ちりちりと過去を照らして庭花火

(67) 書き出しの同じ言葉となる酷暑

(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ

(81) 廃線の煉瓦の橋梁萩の花

(85) いつもより厚く塗るジャム休暇果つ


◎稲葉京閑 選

(14) 満潮の海ごと西瓜割りにけり

(40) 歳月の重き波寄す終戦日

(65) ちりちりと過去を照らして庭花火

(99) しとやかに葉を喰む音や秋蚕かな

(108) 体内のリセットボタン秋の虹


◎岩佐晴子 選

(14) 満潮の海ごと西瓜割りにけり

(22) 秋茜何か話したさうに来る

(37) いつの間に気の合うてをり温め酒

(48) みづうみの青のはかなさ花野の忌

(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ


◎高橋ちとせ 選

(37) いつの間に気の合うてをり温め酒

(40) 歳月の重き波寄す終戦日

(52) 花火果つ闇に残せし薄煙り

(74) 立秋や幽かに滲む風の中

(79) 秋暑し改札までの地下通路


◎竹俣修 選

(25) 亡き人も家族の揃ふ迎へ盆

(59) 花芒野面積みなる一夜城

(65) ちりちりと過去を照らして庭花火

(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ

(102) わざと置くガラスの靴や夏休


◎鈴木由里子 選

(4) 地球儀の赤き日本や敗戦日

(13) 少年の走る肩先炎天下

(48) みづうみの青のはかなさ花野の忌

(85) いつもより厚く塗るジャム休暇果つ

(109) 君の膝七色にして庭花火


◎永豪敏 選

(12) 風のいろ雲のかたちも秋はじめ

(16) 夕星を数へ花火のあがるまで

(37) いつの間に気の合うてをり温め酒

(50) 子の描く花野必ず太陽が

(67) 書き出しの同じ言葉となる酷暑


◎下境洋子 選

(4) 地球儀の赤き日本や敗戦日

(10) 悪女なり水鉄砲を撃つ少女

(14) 満潮の海ごと西瓜割りにけり

(37) いつの間に気の合うてをり温め酒

(50) 子の描く花野必ず太陽が


◎清水檀 選

(4) 地球儀の赤き日本や敗戦日

(59) 花芒野面積みなる一夜城

(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ

(104) それぞれの世界を生きて盂蘭盆会

(110) 新涼の日の斑を踏んでゆくランナー


◎佐々木一栗 選

(16) 夕星を数へ花火のあがるまで

(62) 水割つて水従へてバタフライ

(65) ちりちりと過去を照らして庭花火

(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ

(110) 新涼の日の斑を踏んでゆくランナー


◎アンサトウ 選

(4) 地球儀の赤き日本や敗戦日

(10) 悪女なり水鉄砲を撃つ少女

(56) 菜園に二日来ぬまのへぼ胡瓜

(67) 書き出しの同じ言葉となる酷暑

(110) 新涼の日の斑を踏んでゆくランナー


◎木村佑 選

(10) 悪女なり水鉄砲を撃つ少女

(16) 夕星を数へ花火のあがるまで

(43) 法師蝉声にひかりを混ぜてゐる

(62) 水割つて水従へてバタフライ

(110) 新涼の日の斑を踏んでゆくランナー


◎小須賀正幸 選

(1) ガム噛んで食いしん坊の暑気中

(30) 水を撒くホースの先や日向水

(34) 卵かけごはんの朝餉秋に入る

(47) 砂浜の海亀誘ふ盆の月

(85) いつもより厚く塗るジャム休暇果つ


◎高橋菜活 選

(22) 秋茜何か話したさうに来る

(37) いつの間に気の合うてをり温め酒

(62) 水割つて水従へてバタフライ

(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ

(106) まるごとのメロン幸せ分けませう


◎安部呑歩 選

(14) 満潮の海ごと西瓜割りにけり

(54) 海の宿夜濯ぎの音聞こえけり

(72) 蝉時雨生き急かされてゐる如く

(78) 水打てば路地に生まれる風ひとつ

(85) いつもより厚く塗るジャム休暇果つ


◎杉山加織 選

(4) 地球儀の赤き日本や敗戦日

(43) 法師蝉声にひかりを混ぜてゐる

(65) ちりちりと過去を照らして庭花火

(85) いつもより厚く塗るジャム休暇果つ

(92) 終戦日魔法瓶から魔法消え

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