令和6年8月 月例インターネット句会 Vol.150
木暮陶句郎 選
◎特選 12句
盆用意仕切る妹母のごと(佐藤 聡)
夏休レアな短編映画めく(佐々木一栗)
自分だけ幸せになれ桃齧る(鈴木由里子)
星月夜君の好みのプレイリスト(杉山 加織)
風だけが秋に気づいてをりにけり(星野 裕子)
一陣の風初盆の魂還る(稲葉 京閑)
膨らんで音立てさうに桔梗咲く(岩佐 晴子)
夢二絵の皆ほっそりとして晩夏(渡辺 真澄)
朝顔に朝顔色の水の玉(星野 裕子)
大潮の海平らかに盆の月(稲葉 京閑)
昼食の青き浮輪をつけしまま(木村 佑)
法師蝉未だみつからぬ探しもの(安部 呑歩)
○入選 26句
思考力蒸発してる残暑かな(星野 裕子)
鯉のひれ濁りに消えし朱夏の濠(清水 檀)
奥穂高雪渓小さくなりにけり(下境 洋子)
秋暑し県庁前で水を飲み(小須賀正幸)
八月の盛り上がりたる火傷痕(木村 佑)
選ばれて七夕竹となりにけり(高橋ちとせ)
ポキポキと梨喰みてより光る君(鈴木由里子)
生ぬるき夜の風匂ふ稲の花(堤 かがり)
夕霧の濃くなって来し山湖かな(渡辺 真澄)
我もまた千の花火の一しづく(星野 裕子)
菊月やカメラの手入れ怠らず(小須賀正幸)
血の騒ぐ極彩色のねぶた来る(竹俣 修)
雨止みて風心地よき今朝の秋(高橋ちとせ)
縁側や鬼灯揺れて母偲ぶ(佐藤 聡)
白雨来てしばし大地に耳澄ます(清水 檀)
横縦に膨張したる夏の海(小暮 蓮生)
森の木に一つ傷付け甲虫(中島 圭子)
小さき手のわしづかみせし鰯雲(佐々木一栗)
人と虫繋げてゐたる深き闇(竹渕 昭彦)
涼新た大道芸のいぶし銀(安部 呑歩)
はたたがみ稜線に鞭打つごとく(杉山 加織)
蜩に起き蜩と取る夕餉(岩佐 晴子)
夏の浜みな寝そべって足の裏(下境 洋子)
立秋の光は束にカフェの午後(中島 圭子)
優しいけど意気地無いのね蛞蝓(鈴木由里子)
突つきくる猫の鼻先涼新た(杉山 加織)
互選
6点句
糸底のざらりと処暑の備前壺(木暮陶句郎)
5点句
風だけが秋に気づいてをりにけり(星野 裕子)
赤赤と膨らむ処暑の吹き硝子(木暮陶句郎)
4点句
朝顔に朝顔色の水の玉(星野 裕子)
3点句
血の騒ぐ極彩色のねぶた来る(竹俣 修)
大潮の海平らかに盆の月(稲葉 京閑)
蜩の呼び合うやうに鳴きにけり(高橋ちとせ)
短冊に音色預けて江戸風鈴(清水 檀)
鳳仙花やさしき色になりたくて(下境 洋子)
ピアノキー湿りがちなる秋思かな(鈴木由里子)
2点句
夢二絵の皆ほっそりとして晩夏(渡辺 真澄)
早そうな胡瓜の馬や魂迎へ(稲葉 京閑)
初盆や日頃には無き孤独感(稲葉 京閑)
選ばれて七夕竹となりにけり(高橋ちとせ)
思考力蒸発してる残暑かな(星野 裕子)
我もまた千の花火の一しづく(星野 裕子)
盆用意仕切る妹母のごと(佐藤 聡)
震災忌避難袋にペットフード(岩佐 晴子)
空港の残暑張り付くコンコース(中島 圭子)
課題図書やつと手にして秋の蝉(佐々木一栗)
順繰りにぽんぽんされる西瓜かな(佐々木一栗)
自分だけ幸せになれ桃齧る(鈴木由里子)
夕立を抜き去りて来し列車かな(木村 佑)
昼食の青き浮輪をつけしまま(木村 佑)
生ぬるき夜の風匂ふ稲の花(堤 かがり)
はたたがみ稜線に鞭打つごとく(杉山 加織)
特許庁前のジャズバー秋の宵(木暮陶句郎)
1点句
寄り道に見つけしパン屋秋日和(木下美樹枝)
サーファーを呑み込むやうな土用波(竹俣 修)
夕菅の黄の儚さに夢二の忌(渡辺 真澄)
夕霧の濃くなって来し山湖かな(渡辺 真澄)
夢二忌や添ふては離る秋蛍(渡辺 真澄)
墓洗ふ直系四代うち揃い(稲葉 京閑)
広島忌いちにち空の青くして(星野 裕子)
笹の葉の露を逃がさぬ葉先かな(岩佐 晴子)
ゴキブリやキャーと言ひても一人なり(岩佐 晴子)
膨らんで音立てさうに桔梗咲く(岩佐 晴子)
夏の海ライフセーバーの白い歯(小暮 蓮生)
横縦に膨張したる夏の海(小暮 蓮生)
ウオッカにぶっかき氷大文字(太田 直史)
いつかやるやつてみせるぞ鰯雲(太田 直史)
まろき古酒デルフトブルーの盃に(中島 圭子)
ウエルカムのフルーツ籠にマスカット(中島 圭子)
立秋の光は束にカフェの午後(中島 圭子)
小さき手のわしづかみせし鰯雲(佐々木一栗)
菊月やカメラの手入れ怠らず(小須賀正幸)
花野分け入りて地軸の廻る音(竹渕 昭彦)
ポキポキと梨喰みてより光る君(鈴木由里子)
宵闇を一色と成す野分前(鈴木由里子)
優しいけど意気地無いのね蛞蝓(鈴木由里子)
花火散りゆく各々の高度より(木村 佑)
1母となり子となり妻の夏休(木村 佑)
悔いてばかりやひぐらしの帰り道(杉山 加織)
秋めくや如雨露の水のゆるやかに(杉山 加織)
秋声や仕上げ磨きの銀細工(木暮陶句郎)
互選結果
◎竹俣修 選
(36) 課題図書やつと手にして秋の蝉
(52) 短冊に音色預けて江戸風鈴
(59) 菊月やカメラの手入れ怠らず
(70) 初盆や日頃には無き孤独感
(102) 順繰りにぽんぽんされる西瓜かな
◎佐藤聡 選
(27) 選ばれて七夕竹となりにけり
(34) いつかやるやつてみせるぞ鰯雲
(54) 鳳仙花やさしき色になりたくて
(94) 広島忌いちにち空の青くして
(105) 優しいけど意気地無いのね蛞蝓
◎星野裕子 選
(25) 夕菅の黄の儚さに夢二の忌
(47) 夕霧の濃くなって来し山湖かな
(54) 鳳仙花やさしき色になりたくて
(87) はたたがみ稜線に鞭打つごとく
(101) 立秋の光は束にカフェの午後
◎渡辺真澄 選
(7) 盆用意仕切る妹母のごと
(22) 特許庁前のジャズバー秋の宵
(40) 夕立を抜き去りて来し列車かな
(49) 蜩の呼び合うやうに鳴きにけり
(72) 朝顔に朝顔色の水の玉
◎稲葉京閑 選
(28) 風だけが秋に気づいてをりにけり
(43) 悔いてばかりやひぐらしの帰り道
(52) 短冊に音色預けて江戸風鈴
(62) 花火散りゆく各々の高度より
(88) 糸底のざらりと処暑の備前壺
◎木下美樹枝 選
(36) 課題図書やつと手にして秋の蝉
(52) 短冊に音色預けて江戸風鈴
(61) ピアノキー湿りがちなる秋思かな
(84) 母となり子となり妻の夏休
(110) 赤赤と膨らむ処暑の吹き硝子
◎小暮蓮生 選
(4) 墓洗ふ直系四代うち揃い
(13) 空港の残暑張り付くコンコース
(22) 特許庁前のジャズバー秋の宵
(23) 寄り道に見つけしパン屋秋日和
(49) 蜩の呼び合うやうに鳴きにけり
◎中島圭子 選
(41) 生ぬるき夜の風匂ふ稲の花
(50) 我もまた千の花火の一しづく
(77) 横縦に膨張したる夏の海
(88) 糸底のざらりと処暑の備前壺
(110) 赤赤と膨らむ処暑の吹き硝子
◎高橋ちとせ 選
(6) 思考力蒸発してる残暑かな
(68) 血の騒ぐ極彩色のねぶた来る
(70) 初盆や日頃には無き孤独感
(75) 震災忌避難袋にペットフード
(110) 赤赤と膨らむ処暑の吹き硝子
◎下境洋子 選
(31) ゴキブリやキャーと言ひても一人なり
(39) ポキポキと梨喰みてより光る君
(53) 膨らんで音立てさうに桔梗咲く
(55) 夏の海ライフセーバーの白い歯
(102) 順繰りにぽんぽんされる西瓜かな
◎堤かがり 選
(40) 夕立を抜き去りて来し列車かな
(50) 我もまた千の花火の一しづく
(61) ピアノキー湿りがちなる秋思かな
(92) 大潮の海平らかに盆の月
(110) 赤赤と膨らむ処暑の吹き硝子
◎鈴木由里子 選
(35) まろき古酒デルフトブルーの盃に
(57) ウエルカムのフルーツ籠にマスカット
(88) 糸底のざらりと処暑の備前壺
(92) 大潮の海平らかに盆の月
(104) 花野分け入りて地軸の廻る音
◎小須賀正幸 選
(9) 笹の葉の露を逃がさぬ葉先かな
(17) 自分だけ幸せになれ桃齧る
(41) 生ぬるき夜の風匂ふ稲の花
(61) ピアノキー湿りがちなる秋思かな
(91) 夢二忌や添ふては離る秋蛍
◎岩佐晴子 選
(26) 早そうな胡瓜の馬や魂迎へ
(27) 選ばれて七夕竹となりにけり
(28) 風だけが秋に気づいてをりにけり
(49) 蜩の呼び合うやうに鳴きにけり
(72) 朝顔に朝顔色の水の玉
◎太田直史 選
(7) 盆用意仕切る妹母のごと
(66) 秋声や仕上げ磨きの銀細工
(68) 血の騒ぐ極彩色のねぶた来る
(80) 小さき手のわしづかみせし鰯雲
(88) 糸底のざらりと処暑の備前壺
◎佐々木一栗 選
(26) 早そうな胡瓜の馬や魂迎へ
(28) 風だけが秋に気づいてをりにけり
(83) 宵闇を一色と成す野分前
(87) はたたがみ稜線に鞭打つごとく
(106) 昼食の青き浮輪をつけしまま
◎清水檀 選
(54) 鳳仙花やさしき色になりたくて
(68) 血の騒ぐ極彩色のねぶた来る
(69) 夢二絵の皆ほっそりとして晩夏
(72) 朝顔に朝顔色の水の玉
(88) 糸底のざらりと処暑の備前壺
◎木村佑 選
(13) 空港の残暑張り付くコンコース
(17) 自分だけ幸せになれ桃齧る
(65) 秋めくや如雨露の水のゆるやかに
(75) 震災忌避難袋にペットフード
(92) 大潮の海平らかに盆の月
◎竹渕昭彦 選
(6) 思考力蒸発してる残暑かな
(12) ウオッカにぶっかき氷大文字
(28) 風だけが秋に気づいてをりにけり
(72) 朝顔に朝顔色の水の玉
(90) サーファーを呑み込むやうな土用波
◎杉山加織 選
(28) 風だけが秋に気づいてをりにけり
(69) 夢二絵の皆ほっそりとして晩夏
(88) 糸底のざらりと処暑の備前壺
(106) 昼食の青き浮輪をつけしまま
(110) 赤赤と膨らむ処暑の吹き硝子
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