令和6年9月 月例インターネット句会 Vol.151
木暮陶句郎 選
◎特選 10句
虫の声ジャングルジムへ満ちてゆく(佐々木一栗)
いつの間に頼れる背に男郎花(杉山 加織)
朝顔に水に宇宙にみんな渦(星野 裕子)
ラブソング口遊む吾子猫じゃらし(堤かがり)
小さき実の小さく熟れけり豊の秋(木村 佑)
目配せの距離のマヌカン秋深む(鈴木由里子)
都合よき恋の記憶や星流る(杉山 加織)
茶だまりの銀の灯火秋の声(杉山 加織)
色鳥の休める羽の軽さかな(佐藤 聡)
遅れたる人に優しき夜学かな(木村 佑)
○入選 27句
蝶が舞ふ秋の日差しに影を曳き(清水 檀)
赤とんぼ群れゐて寂し空のあを(渡辺 真澄)
濡れゐたる心模様よ秋の海(鈴木由里子)
逢へなくてこころ離れて片時雨(木下美樹枝)
苦瓜の料理は得意処暑の夕(高橋ちとせ)
追へば跳ね跳ねれば追ひてばった捕る(小暮 蓮生)
休暇果つ昔ながらの喫茶店(中島 圭子)
戴きし梨の重さよ甘き香よ(清水 檀)
馬鈴薯に添へられてゐる農夫の名(竹渕 昭彦)
枝豆や四方より指の伸び来たり(木村 佑)
古希過ぎの男声合唱天高し(安部 呑歩)
長き足持て余したる螽斯(杉山 加織)
休暇明その気怠さを曳く忌日(稲葉 京閑)
池辺にどんぐり一つ二つ三つ(岩佐 晴子)
落鮎の炭焼き酒は竹徳利(太田 直史)
秋燕古墳の里を渡り行く(安部 呑歩)
図書館の空席目立ち秋思かな(木下美樹枝)
竹の春老いて不良となりにけり(佐々木一栗)
新米や明るく歌ふ炊飯器(木村 佑)
秋水になほ透きとほる君の声(鈴木由里子)
人生の奥へ奥へと霧の中(竹俣 修)
冷房や勝手に動く運道具(稲葉 京閑)
霧の夜記憶の海の漂ひぬ(星野 裕子)
秋灯やすこし反りたるカレンダー(竹渕 昭彦)
いぼむしり日陰探して行きなさい(渡辺 真澄)
大銀河平泳ぎして見る地球(佐々木一栗)
ひとたびは人間やめてゆく花野(杉山 加織)
互選
5点句
遅れたる人に優しき夜学かな(木村 佑)
4点句
陽は花に風は葉にあり酔芙蓉(星野 裕子)
画室より霧の榛名湖舫ひ船(中島 圭子)
蝶が舞ふ秋の日差しに影を曳き(清水 檀)
秋灯やすこし反りたるカレンダー(竹渕 昭彦)
3点句
影の舞ふ光の中に秋の蝶(清水 檀)
色鳥の休める羽の軽さかな(佐藤 聡)
赤とんぼ群れゐて寂し空のあを(渡辺 真澄)
竹の春老いて不良となりにけり(佐々木一栗)
枝豆や四方より指の伸び来たり(木村 佑)
都合よき恋の記憶や星流る(杉山 加織)
2点句
秋淋しピアスの穴を抜ける風(木下美樹枝)
サルビアの朱を濃くして茜雲(木下美樹枝)
木道の朝の湿りを踏む花野(稲葉 京閑)
朝顔に水に宇宙にみんな渦(星野 裕子)
郵便屋家は素通り風は秋(岩佐 晴子)
幕引きのバックホームや獺祭忌(太田 直史)
濁り酒寝起きの顔に茣蓙のあと(竹渕 昭彦)
間遠なる姉の便りや鰯雲(渡辺 真澄)
小さき実の小さく熟れけり豊の秋(木村 佑)
新米や明るく歌ふ炊飯器(木村 佑)
抱き上げて同じ目線の花野かな(堤 かがり)
目配せの距離のマヌカン秋深む(鈴木由里子)
いつの間に頼れる背に男郎花(杉山 加織)
ひとたびは人間やめてゆく花野(杉山 加織)
大阪を満たす盃月の酒(木暮陶句郎)
旅客機の白々発てる良夜かな(木暮陶句郎)
山の名を持ちたる酒を酌む良夜(木暮陶句郎)
1点句
笑ひ皺ともに増やして秋日向(木下美樹枝)
伊香保社への石段街を見上げたり(竹俣 修)
アトリエの主は夢二螽斯(竹俣 修)
人生の奥へ奥へと霧の中(竹俣 修)
もう飛べぬ秋蝶にある息遣ひ(星野 裕子)
霧の夜記憶の海の漂ひぬ(星野 裕子)
台風は居心地良くて日本が好き(岩佐 晴子)
タルタルにレアステーキの敬老日(太田 直史)
落鮎の炭焼き酒は竹徳利(太田 直史)
休暇果つ昔ながらの喫茶店(中島 圭子)
桃を剝く父の手いつも温かし(佐藤 聡)
ディズニーの話で沸いた二百十日(佐藤 聡)
秋の暮家路の前に白ワイン(竹渕 昭彦)
虫の声未だひと色や夕の風(渡辺 真澄)
虫の声ジャングルジムへ満ちてゆく(佐々木一栗)
大銀河平泳ぎして見る地球(佐々木一栗)
ラブソング口遊む吾子猫じゃらし(堤 かがり)
生きてゆく為の慕情や葡萄喰む(鈴木由里子)
秋水になほ透きとほる君の声(鈴木由里子)
茶だまりの銀の灯火秋の声(杉山 加織)
サイレンの輪郭めきて望の月(木暮陶句郎)
小望月大阪湾の遠汽笛(木暮陶句郎)
互選結果
◎小須賀正幸 選
(1) 秋淋しピアスの穴を抜ける風
(8) 台風は居心地良くて日本が好き
(24) 伊香保社への石段街を見上げたり
(30) 郵便屋家は素通り風は秋
(109) ひとたびは人間やめてゆく花野
◎小暮蓮生 選
(11) 蝶が舞ふ秋の日差しに影を曳き
(30) 郵便屋家は素通り風は秋
(65) 都合よき恋の記憶や星流る
(82) 新米や明るく歌ふ炊飯器
(90) 人生の奥へ奥へと霧の中
◎木下美樹枝 選
(11) 蝶が舞ふ秋の日差しに影を曳き
(14) 赤とんぼ群れゐて寂し空のあを
(21) いつの間に頼れる背に男郎花
(36) 虫の声未だひと色や夕の風
(76) 画室より霧の榛名湖舫ひ船
◎稲葉京閑 選
(5) 陽は花に風は葉にあり酔芙蓉
(60) 小さき実の小さく熟れけり豊の秋
(81) 竹の春老いて不良となりにけり
(101) 秋灯やすこし反りたるカレンダー
(104) 遅れたる人に優しき夜学かな
◎堤かがり 選
(60) 小さき実の小さく熟れけり豊の秋
(86) 秋水になほ透きとほる君の声
(88) 山の名を持ちたる酒を酌む良夜
(89) サルビアの朱を濃くして茜雲
(101) 秋灯やすこし反りたるカレンダー
◎中島圭子 選
(5) 陽は花に風は葉にあり酔芙蓉
(45) 笑ひ皺ともに増やして秋日向
(57) 濁り酒寝起きの顔に茣蓙のあと
(66) 旅客機の白々発てる良夜かな
(87) 茶だまりの銀の灯火秋の声
◎木村佑 選
(9) 幕引きのバックホームや獺祭忌
(11) 蝶が舞ふ秋の日差しに影を曳き
(32) 休暇果つ昔ながらの喫茶店
(65) 都合よき恋の記憶や星流る
(100) 色鳥の休める羽の軽さかな
◎星野裕子 選
(14) 赤とんぼ群れゐて寂し空のあを
(46) アトリエの主は夢二螽斯
(58) 間遠なる姉の便りや鰯雲
(77) 影の舞ふ光の中に秋の蝶
(100) 色鳥の休める羽の軽さかな
◎佐藤聡 選
(11) 蝶が舞ふ秋の日差しに影を曳き
(41) ラブソング口遊む吾子猫じゃらし
(64) 目配せの距離のマヌカン秋深む
(79) 秋の暮家路の前に白ワイン
(104) 遅れたる人に優しき夜学かな
◎竹俣修 選
(31) タルタルにレアステーキの敬老日
(38) 枝豆や四方より指の伸び来たり
(57) 濁り酒寝起きの顔に茣蓙のあと
(78) ディズニーの話で沸いた二百十日
(107) 抱き上げて同じ目線の花野かな
◎清水檀 選
(5) 陽は花に風は葉にあり酔芙蓉
(27) 朝顔に水に宇宙にみんな渦
(69) 木道の朝の湿りを踏む花野
(76) 画室より霧の榛名湖舫ひ船
(101) 秋灯やすこし反りたるカレンダー
◎竹渕昭彦 選
(64) 目配せの距離のマヌカン秋深む
(71) もう飛べぬ秋蝶にある息遣ひ
(76) 画室より霧の榛名湖舫ひ船
(88) 山の名を持ちたる酒を酌む良夜
(103) 大銀河平泳ぎして見る地球
◎下境洋子 選
(21) いつの間に頼れる背に男郎花
(38) 枝豆や四方より指の伸び来たり
(76) 画室より霧の榛名湖舫ひ船
(82) 新米や明るく歌ふ炊飯器
(101) 秋灯やすこし反りたるカレンダー
◎高橋ちとせ 選
(12) 桃を剝く父の手いつも温かし
(53) 落鮎の炭焼き酒は竹徳利
(77) 影の舞ふ光の中に秋の蝶
(89) サルビアの朱を濃くして茜雲
(104) 遅れたる人に優しき夜学かな
◎佐々木一栗 選
(9) 幕引きのバックホームや獺祭忌
(14) 赤とんぼ群れゐて寂し空のあを
(100) 色鳥の休める羽の軽さかな
(104) 遅れたる人に優しき夜学かな
(107) 抱き上げて同じ目線の花野かな
◎渡辺真澄 選
(42) 生きてゆく為の慕情や葡萄喰む
(44) 大阪を満たす盃月の酒
(66) 旅客機の白々発てる良夜かな
(77) 影の舞ふ光の中に秋の蝶
(81) 竹の春老いて不良となりにけり
◎鈴木由里子 選
(27) 朝顔に水に宇宙にみんな渦
(44) 大阪を満たす盃月の酒
(93) 霧の夜記憶の海の漂ひぬ
(109) ひとたびは人間やめてゆく花野
(110) 小望月大阪湾の遠汽笛
◎杉山加織 選
(1) 秋淋しピアスの穴を抜ける風
(22) サイレンの輪郭めきて望の月
(38) 枝豆や四方より指の伸び来たり
(81) 竹の春老いて不良となりにけり
(104) 遅れたる人に優しき夜学かな
◎岩佐晴子 選
(5) 陽は花に風は葉にあり酔芙蓉
(15) 虫の声ジャングルジムへ満ちてゆく
(58) 間遠なる姉の便りや鰯雲
(65) 都合よき恋の記憶や星流る
(69) 木道の朝の湿りを踏む花野
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