令和6年7月 月例インターネット句会 Vol.149
木暮陶句郎 選
◎特選 10句
マスターは非番或る日の水中花(鈴木由里子)
桔梗咲く久しく和服着てをらず(岩佐 晴子)
髪切つてプール開きを待つ子かな(星野 裕子)
夕顔や祇園白川水灯り(渡辺 真澄)
白靴の紐より汚れ始めけり(木村 佑)
愚痴ひとつ聞きてふた口缶ビール(木下美樹枝)
ビヤガーデンPARCOの文字のすぐそこに(木村 佑)
夏休大きくなりし子の歩幅(木村 佑)
ひまわりや良いところだけ見てあげる(佐々木一栗)
閉館を告げるシネマや巴里祭(杉山 加織)
○入選 25句
トンネルを出で万緑とめがね橋(下境 洋子)
ジョーカーは子が持ちてをり蚊遣香(中島 圭子)
夏木蔭佇みて聞く風の声(清水 檀)
天井の龍図涼しき建長寺(堤 かがり)
どっと沸くビールジョッキを掲げては(渡辺 真澄)
浮いて来い片付けもせず飽きもせず(小須賀正幸)
与太話汗のたまりし笑ひ皺(佐々木一栗)
絞り出す海は透明海水着(木村 佑)
濡れ色の翼重たくさみだるる(杉山 加織)
梅雨寒や傘のふれ合ふ墓参道(木下美樹枝)
願いの糸戦死の父の甦り(竹俣 修)
忌々しき車近づく蛍狩(中島 圭子)
独歩忌や狭山小手指所沢(大渕 洋)
初蝉の空の真ん中貫けり(杉山 加織)
古民家の風は昭和や夏木立(星野 裕子)
飛び込みて海の青なるプールかな(堤 かがり)
夏暁や覚めて覚束なき旅寝(渡辺 真澄)
萍や我も笑える程自由(佐々木一栗)
レース編む夢見る頃は過ぎたけど(鈴木由里子)
捩花や螺旋に降りてくる光(星野 裕子)
来し方は影絵の如し走馬灯(太田 直史)
大漁の日焼けの跡の誇らしく(佐々木一栗)
夏の朝ヴィシソワーズの舌触り(木下美樹枝)
夜の金魚話したきことあるやうな(星野 裕子)
市松のカバー外して曝書かな(大渕 洋)
互選
6点句
髪洗ふけふの私を消すために(杉山 加織)
4点句
香水の残る改札銀座線(小暮 蓮生)
髪切つてプール開きを待つ子かな(星野 裕子)
夜の金魚話したきことあるやうな(星野 裕子)
空蝉やしがみつく事まだありて(下境 洋子)
夕顔や祇園白川水灯り(渡辺 真澄)
3点句
フェルメールブルーのピアス夏の夕(木下美樹枝)
古民家の風は昭和や夏木立(星野 裕子)
空蝉のしがみつく手の哀れなり(下境 洋子)
ジョーカーは子が持ちてをり蚊遣香(中島 圭子)
レース編む夢見る頃は過ぎたけど(鈴木由里子)
閉館を告げるシネマや巴里祭(杉山 加織)
逃げてゆくやうに香水かをりけり(木暮陶句郎)
高原の土用次郎の星の数(木暮陶句郎)
2点句
愚痴ひとつ聞きてふた口缶ビール(木下美樹枝)
襟涼し刻のゆつくり過ぐ京都(小暮 蓮生)
捩花や螺旋に降りてくる光(星野 裕子)
香ばしき路地を曲がりし日傘かな(堤 かがり)
浮いて来い片付けもせず飽きもせず(小須賀正幸)
ひまわりや良いところだけ見てあげる(佐々木一栗)
風鈴の音のみ許す山家かな(木村 佑)
本気って色は何色西瓜切る(鈴木由里子)
潮風のたむろしてゐる熱海朱夏(木暮陶句郎)
1点句
逢ひたくて指で辿りぬ夏の星(木下美樹枝)
山径の酒の肴の夏わらび(竹俣 修)
教養のあるらし人はマーガレット(竹俣 修)
星合の約束の地に見る時計(竹俣 修)
炎天下最寄りのポスト撤去され(岩佐 晴子)
行程は暴れ川添ひ仕舞梅雨(稲葉 京閑)
肥後の湯を噴き万緑の阿蘇外輪(稲葉 京閑)
五月雨や昨日と違ふ人と逢ふ(小暮 蓮生)
坪庭や鱧の骨切りの澄む音(小暮 蓮生)
トンネルを出で万緑とめがね橋(下境 洋子)
諍ひも寝顔涼しき夜の帳(中島 圭子)
夏木蔭佇みて聞く風の声(清水 檀)
夏草の勢い止まぬ日向路(清水 檀)
風薫る運転免許返納す(太田 直史)
地図開くゴビの砂漠にきらら虫(太田 直史)
来し方は影絵の如し走馬灯(太田 直史)
湖に波たちてボートのすれ違ふ(堤 かがり)
夏暁や覚めて覚束なき旅寝(渡辺 真澄)
独歩忌や狭山小手指所沢(大渕 洋)
市松のカバー外して曝書かな(大渕 洋)
雲の峰埴輪並びし王の墓(安部 呑歩)
与太話汗のたまりし笑ひ皺(佐々木一栗)
萍や我も笑える程自由(佐々木一栗)
絞り出す海は透明海水着(木村 佑)
ビヤガーデンPARCOの文字のすぐそこに(木村 佑)
夏休大きくなりし子の歩幅 (木村 佑)
マスターは非番或る日の水中花(鈴木由里子)
去りし日々を輝くサンドレス(鈴木由里子)
濡れ色の翼重たくさみだるる(杉山 加織)
一瞬の躊躇ひの先夕立来る(杉山 加織)
白南風や当たる気がして宝くじ(木暮陶句郎)
サルビアに水色の雨降る団地(木暮陶句郎)
互選結果
◎星野裕子 選
(27) 香水の残る改札銀座線
(48) 五月雨や昨日と違ふ人と逢ふ
(61) レース編む夢見る頃は過ぎたけど
(79) 雲の峰埴輪並びし王の墓
(83) 髪洗ふけふの私を消すために
◎木下美樹枝 選
(9) ジョーカーは子が持ちてをり蚊遣香
(27) 香水の残る改札銀座線
(28) 髪切つてプール開きを待つ子かな
(47) 肥後の湯を噴き万緑の阿蘇外輪
(61) レース編む夢見る頃は過ぎたけど
◎小暮蓮生 選
(4) 炎天下最寄りのポスト撤去され
(11) 風薫る運転免許返納す
(34) 夕顔や祇園白川水灯り
(43) 愚痴ひとつ聞きてふた口缶ビール
(64) 逢ひたくて指で辿りぬ夏の星
◎岩佐晴子 選
(9) ジョーカーは子が持ちてをり蚊遣香
(63) 白南風や当たる気がして宝くじ
(70) 捩花や螺旋に降りてくる光
(101) ひまわりや良いところだけ見てあげる
(102) 風鈴の音のみ許す山家かな
◎中島圭子 選
(42) 高原の土用次郎の星の数
(84) 潮風のたむろしてゐる熱海朱夏
(91) 夜の金魚話したきことあるやうな
(98) 市松のカバー外して曝書かな
(104) 閉館を告げるシネマや巴里祭
◎小須賀正幸 選
(3) 山径の酒の肴の夏わらび
(8) トンネルを出で万緑とめがね橋
(27) 香水の残る改札銀座線
(50) 空蝉のしがみつく手の哀れなり
(66) 教養のあるらし人はマーガレット
◎高橋ちとせ 選
(10) 夏木蔭佇みて聞く風の声
(17) 与太話汗のたまりし笑ひ皺
(50) 空蝉のしがみつく手の哀れなり
(52) 夏草の勢い止まぬ日向路
(62) 一瞬の躊躇ひの先夕立来る
◎堤かがり 選
(42) 高原の土用次郎の星の数
(49) 古民家の風は昭和や夏木立
(71) 空蝉やしがみつく事まだありて
(82) 本気って色は何色西瓜切る
(103) 過ぎ去りし日々を輝くサンドレス
◎稲葉京閑 選
(21) 逃げてゆくやうに香水かをりけり
(83) 髪洗ふけふの私を消すために
(91) 夜の金魚話したきことあるやうな
(102) 風鈴の音のみ許す山家かな
(104) 閉館を告げるシネマや巴里祭
◎竹俣修 選
(1) フェルメールブルーのピアス夏の夕
(28) 髪切つてプール開きを待つ子かな
(34) 夕顔や祇園白川水灯り
(83) 髪洗ふけふの私を消すために
(90) 坪庭や鱧の骨切りの澄む音
◎佐々木一栗 選
(21) 逃げてゆくやうに香水かをりけり
(51) 諍ひも寝顔涼しき夜の帳
(55) 夏暁や覚めて覚束なき旅寝
(71) 空蝉やしがみつく事まだありて
(84) 潮風のたむろしてゐる熱海朱夏
◎下境洋子 選
(1) フェルメールブルーのピアス夏の夕
(49) 古民家の風は昭和や夏木立
(59) 萍や我も笑える程自由
(69) 襟涼し刻のゆつくり過ぐ京都
(74) 来し方は影絵の如し走馬灯
◎木村佑 選
(21) 逃げてゆくやうに香水かをりけり
(35) 独歩忌や狭山小手指所沢
(75) 湖に波たちてボートのすれ違ふ
(87) 星合の約束の地に見る時計
(91) 夜の金魚話したきことあるやうな
◎佐藤聡 選
(19) マスターは非番或る日の水中花
(50) 空蝉のしがみつく手の哀れなり
(71) 空蝉やしがみつく事まだありて
(83) 髪洗ふけふの私を消すために
(101) ひまわりや良いところだけ見てあげる
◎清水檀 選
(1) フェルメールブルーのピアス夏の夕
(34) 夕顔や祇園白川水灯り
(49) 古民家の風は昭和や夏木立
(71) 空蝉やしがみつく事まだありて
(83) 髪洗ふけふの私を消すために
◎鈴木由里子 選
(18) 絞り出す海は透明海水着
(20) 濡れ色の翼重たくさみだるる
(32) 地図開くゴビの砂漠にきらら虫
(83) 髪洗ふけふの私を消すために
(105) サルビアに水色の雨降る団地
◎渡辺真澄 選
(15) 浮いて来い片付けもせず飽きもせず
(27) 香水の残る改札銀座線
(33) 香ばしき路地を曲がりし日傘かな
(42) 高原の土用次郎の星の数
(104) 閉館を告げるシネマや巴里祭
◎太田直史 選
(9) ジョーカーは子が持ちてをり蚊遣香
(15) 浮いて来い片付けもせず飽きもせず
(34) 夕顔や祇園白川水灯り
(69) 襟涼し刻のゆつくり過ぐ京都
(82) 本気って色は何色西瓜切る
◎大渕洋 選
(5) 行程は暴れ川添ひ仕舞梅雨
(28) 髪切つてプール開きを待つ子かな
(33) 香ばしき路地を曲がりし日傘かな
(43) 愚痴ひとつ聞きてふた口缶ビール
(61) レース編む夢見る頃は過ぎたけど
◎杉山加織 選
(28) 髪切つてプール開きを待つ子かな
(60) ビヤガーデンPARCOの文字のすぐそこに
(70) 捩花や螺旋に降りてくる光
(81) 夏休大きくなりし子の歩幅
(91) 夜の金魚話したきことあるやうな
0コメント