令和3年3月 月例インターネット句会 Vol.109
木暮陶句郎 選
◎特選 8句
君のゐし部屋のぬくもり春障子(木村 佑)
暖かや一駅歩く朝の街(堤 かがり)
チューリップ学年ごとに色変へて(里村 閑)
蕾まだ硬しと木曽の梅便り(大渕 洋)
嘴は硬し囀りやはらかし(木村 佑)
三線の調べを春の波が継ぐ(木村 佑)
縄文の壺に耳ある朧かな(星野 裕子)
しろがねの月の名残りの目刺かな(里村 閑)
〇入選 26句
太陽を底に沈めて水温む(稲葉 京閑)
独眼のジャックは子猫春寒し(清水 檀)
春暖炉看板犬の円らな目(松本由美子)
パイ皮の薄さ脆さや春の雷(鈴木由里子)
吟遊詩人ミモザの丘を目指しけり(ななさと紅緒)
春めくや水辺に声の集ひ来て(杉山 加織)
古雛や一つ出しては手が止まり(小暮 肇)
喜びは喜ばすこと春の風(星野 裕子)
春暖炉ときどき跳ねる薪の音(松本由美子)
駆け寄りて母の匂ひの暖かし(堤 かがり)
踏青やユーミンを聴く日曜日(鈴木由里子)
窓口に紙雛を置く歯科医かな(竹俣 修)
玄海の荒波を巻く栄螺かな(坂元 稔)
知らぬ間に栞どこかに春愁(岩佐 晴子)
春光や御神体なる大鏡(稲葉 京閑)
釣糸のよく絡まりし柳の芽(佐々木一栗)
霽れてゆく風に香りを乗せる梅(稲葉 京閑)
菜の花の色を心に映しけり(清水 檀)
落椿イエスに妻子なかりけり(星野 裕子)
落雲雀里の古墳に突き刺さり(安部じゅん)
立子忌や紙ナフキンは無漂白(鈴木由里子)
啓蟄や流行り言葉の嚙みやすき(杉山 加織)
春炬燵ねこの出這入り頻繫に(竹俣 修)
ハーブの香満つ春愁のテイールーム(稲葉 京閑)
啓蟄やそろそろしよか庭仕事(松本由美子)
樟脳の香り新たに雛納(堤 かがり)
夢にまた夢あるごとく囀れる(杉山 加織)
互選
5票
縄文の壺に耳ある朧かな(星野 裕子)
4票
藤村のかな文字まぶし雪柳(坂元 稔)
太陽を底に沈めて水温む(稲葉 京閑)
春宵や海へ光の観覧車(木村 佑)
三線の調べを春の波が継ぐ(木村 佑)
夢にまた夢あるごとく囀れる(杉山 加織)
3票
古雛や一つ出しては手が止まり(小暮 肇)
啓蟄や古書店出れば光あり(小暮 肇)
糸遊の線路になほも汽笛の尾(星野 裕子)
啓蟄やときをり疼く膝頭(星野 裕子)
樟脳の香り新たに雛納(堤 かがり)
踏青やユーミンを聴く日曜日(鈴木由里子)
さみしがりやの息吹き入れて石鹸玉(ななさと紅緒)
白鷺の歩める水輪水温む(木暮陶句郎)
土筆摘む指透きとほる夕まぐれ(木暮陶句郎)
2票
窓口に紙雛を置く歯科医かな(竹俣 修)
玄海の荒波を巻く栄螺かな(坂元 稔)
知らぬ間に栞どこかに春愁(岩佐 晴子)
吾の手紙祖母の遺品に春の星(岩佐 晴子)
毛の国の連山淡し春の雨(大渕 洋)
喜びは喜ばすこと春の風(星野 裕子)
秒針の歩みゆるやか春の昼(木村 佑)
自転車に弁当ひとつ青き踏む(堤 かがり)
磨きたるランプシェードの春埃(堤 かがり)
吟遊詩人ミモザの丘を目指しけり(ななさと紅緒)
モンブラン胸ポケットに卒業す(木暮陶句郎)
春めくや水辺に声の集ひ来て(杉山 加織)
啓蟄や流行り言葉の嚙みやすき(杉山 加織)
1票
そよ風や三色菫色を増す(小暮 肇)
自転車に乗れたと歓喜木ノ芽風(小暮 肇)
愛犬にお手を求める春日和(竹俣 修)
春雷や親父の如く怒鳴りをり(森田 遊馬)
f分の1の揺らぎや春の森(岩佐 晴子)
北窓を開き明るき風を呼ぶ(清水 檀)
菜の花の色を心に映しけり(清水 檀)
蕾まだ硬しと木曽の梅便り(大渕 洋)
春暖炉ときどき跳ねる薪の音(松本由美子)
啓蟄やそろそろしよか庭仕事(松本由美子)
君のゐし部屋のぬくもり春障子(木村 佑)
嘴は硬し囀りやはらかし(木村 佑)
寝巻のままウエブ講演よ山笑ふ(安部じゅん)
釣糸のよく絡まりし柳の芽(佐々木一栗)
駆け寄りて母の匂ひの暖かし(堤 かがり)
立子忌や紙ナフキンは無漂白(鈴木由里子)
春大根優勝力士生誕地(中村 東子)
憧れのフルーツパフェや春夕焼(中村 東子)
母の手にすがりつく娘や花杏子(木暮陶句郎)
春雷や小走りにゆく銀の猫(木暮陶句郎)
互選結果
◎岩佐晴子 選
(6) 太陽を底に沈めて水温む
(33) 春宵や海へ光の観覧車
(53) 啓蟄やときをり疼く膝頭
(87) 白鷺の歩める水輪水温む
(99) 秒針の歩みゆるやか春の昼
◎堤かがり 選
(58) 釣糸のよく絡まりし柳の芽
(87) 白鷺の歩める水輪水温む
(93) 吾の手紙祖母の遺品に春の星
(97) 縄文の壺に耳ある朧かな
(110) 夢にまた夢あるごとく囀れる
◎稲葉京閑 選
(9) 糸遊の線路になほも汽笛の尾
(48) 玄海の荒波を巻く栄螺かな
(88) 啓蟄や流行り言葉の嚙みやすき
(103) 樟脳の香り新たに雛納
(107) さみしがりやの息吹き入れて石鹸玉
◎大渕洋 選
(22) 春めくや水辺に声の集ひ来て
(29) 北窓を開き明るき風を呼ぶ
(87) 白鷺の歩める水輪水温む
(89) 啓蟄や古書店出れば光あり
(103) 樟脳の香り新たに雛納
◎星野裕子 選
(6) 太陽を底に沈めて水温む
(19) 吟遊詩人ミモザの丘を目指しけり
(38) 踏青やユーミンを聴く日曜日
(77) 三線の調べを春の波が継ぐ
(81) 磨きたるランプシェードの春埃
◎松本由美子 選
(21) 母の手にすがりつく娘や花杏子
(24) 愛犬にお手を求める春日和
(37) 駆け寄りて母の匂ひの暖かし
(82) 立子忌や紙ナフキンは無漂白
(97) 縄文の壺に耳ある朧かな
◎小暮肇 選
(6) 太陽を底に沈めて水温む
(33) 春宵や海へ光の観覧車
(53) 啓蟄やときをり疼く膝頭
(73) 菜の花の色を心に映しけり
(109) 土筆摘む指透きとほる夕まぐれ
◎中村東子 選
(4) 藤村のかな文字まぶし雪柳
(8) 毛の国の連山淡し春の雨
(19) 吟遊詩人ミモザの丘を目指しけり
(33) 春宵や海へ光の観覧車
(48) 玄海の荒波を巻く栄螺かな
◎井野紫 選
(11) 君のゐし部屋のぬくもり春障子
(22) 春めくや水辺に声の集ひ来て
(32) 春暖炉ときどき跳ねる薪の音
(46) 窓口に紙雛を置く歯科医かな
(77) 三線の調べを春の波が継ぐ
◎竹俣修 選
(5) f分の1の揺らぎや春の森
(23) 古雛や一つ出しては手が止まり
(38) 踏青やユーミンを聴く日曜日
(57) 寝巻のままウエブ講演よ山笑ふ
(107) さみしがりやの息吹き入れて石鹸玉
◎髙橋千登世 選
(3) 春雷や親父の如く怒鳴りをり
(8) 毛の国の連山淡し春の雨
(23) 古雛や一つ出しては手が止まり
(59) 自転車に弁当ひとつ青き踏む
(98) 啓蟄やそろそろしよか庭仕事
◎木村佑 選
(9) 糸遊の線路になほも汽笛の尾
(23) 古雛や一つ出しては手が止まり
(52) 蕾まだ硬しと木曽の梅便り
(107) さみしがりやの息吹き入れて石鹸玉
(110) 夢にまた夢あるごとく囀れる
◎坂元稔 選
(1) そよ風や三色菫色を増す
(46) 窓口に紙雛を置く歯科医かな
(53) 啓蟄やときをり疼く膝頭
(99) 秒針の歩みゆるやか春の昼
(103) 樟脳の香り新たに雛納
◎ 清水檀 選
(4) 藤村のかな文字まぶし雪柳
(31) 喜びは喜ばすこと春の風
(81) 磨きたるランプシェードの春埃
(89) 啓蟄や古書店出れば光あり
(110) 夢にまた夢あるごとく囀れる
◎安部じゅん 選
(38) 踏青やユーミンを聴く日曜日
(41) 春ショール月へ帰つてしまひさう
(43) モンブラン胸ポケットに卒業す
(59) 自転車に弁当ひとつ青き踏む
(65) 春雷や小走りにゆく銀の猫
◎鈴木由里子 選
(49) 知らぬ間に栞どこかに春愁
(62) 憧れのフルーツパフェや春夕焼
(89) 啓蟄や古書店出れば光あり
(97) 縄文の壺に耳ある朧かな
(110) 夢にまた夢あるごとく囀れる
◎佐々木一栗 選
(9) 糸遊の線路になほも汽笛の尾
(63) 梅東風や目の黒々と御礼絵馬
(67) 自転車に乗れたと歓喜木ノ芽風
(77) 三線の調べを春の波が継ぐ
(93) 吾の手紙祖母の遺品に春の星
◎里村閑 選
(4) 藤村のかな文字まぶし雪柳
(33) 春宵や海へ光の観覧車
(40) 春大根優勝力士生誕地
(77) 三線の調べを春の波が継ぐ
(109) 土筆摘む指透きとほる夕まぐれ
◎ななさと紅緒 選
(6) 太陽を底に沈めて水温む
(31) 喜びは喜ばすこと春の風
(49) 知らぬ間に栞どこかに春愁
(88) 啓蟄や流行り言葉の嚙みやすき
(97) 縄文の壺に耳ある朧かな
◎杉山加織 選
(4) 藤村のかな文字まぶし雪柳
(43) モンブラン胸ポケットに卒業す
(55) 嘴は硬し囀りやはらかし
(97) 縄文の壺に耳ある朧かな
(109) 土筆摘む指透きとほる夕まぐれ
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