令和3年4月 月例インターネット句会 Vol.110

木暮陶句郎 選

◎特選 7句

マーマレード煮る香に春を惜しむかな(里村 閑)

花冷の芯まで柔き掛けうどん(杉山 加織)

春愁のからまつてゐるパスタかな(ななさと紅緒)

春満月馬車のかたちの観覧車(ななさと紅緒)

チューリップ生まれたままの君の笑み(杉山 加織)

春の月触れれば濡るる心地して(星野 裕子)

夕日いま滲みて竹の秋の中(木村 佑)


〇入選 27句

清明や生まれ来る子の愛おしさ(森田 遊馬)

文具屋の割引セール春休み(大渕 洋)

ひもすがら釣糸垂れる春の川(小暮 肇)

霾やブッセの空を隠したる(星野 裕子)

蒼天や桜蘂降る交差点(安部じゅん)

薯植ゑる妻の流儀に従ひつ(大渕 洋)

木蓮や煉瓦造りのレストラン(松本由美子)

イヤホンを分けあい歩く花巡り(佐々木一栗)

小米花案外白い君の指(鈴木由里子)

残桜や空の余白を震はせて(杉山 加織)

碧天に吸ひ込まれゆくしゃぼん玉(小暮 肇)

霾や思ひを馳せるゴビ砂漠(岩佐 晴子)

タンポポのぽつぽつ点る土手の道(清水 檀)

月へ飛ぶ夢をみてゐる豆の花(里村 閑)

給食と体育が好き卓うらら(堤 かがり)

手を繋ぎ花人となる園児達(小暮 肇)

地方紙に包み筍嫁がせり(岩佐 晴子)

風光る我が家の庭をカフェ風に(松本由美子)

桑の花去年でやめたはずの畑(安部じゅん)

熟睡のコアラに春の日の永し(稲葉 京閑)

春の昼親の白球子が受けて(小暮 肇)

黄身色のフリージャの香の似合ふカフェ(清水 檀)

幸せの怖さを知って観る桜(星野 裕子)

神流川釣り師憩いの山桜(佐々木一栗)

桜咲く谷川岳は正面に(髙橋千登世)

ワクチンを待ち続けをりめかり時(安部じゅん)

ふらここの小さき靴が空を蹴る(井野 紫)


互選

8票

ふらここの小さき靴が空を蹴る(井野 紫)


6票

春愁のからまつてゐるパスタかな(ななさと紅緒)


3票

風を着る事の嬉しさ春うらら(清水 檀)

春の月触れれば濡るる心地して(星野 裕子)

新調の文具の名入れひこばゆる(松本由美子)

春満月馬車のかたちの観覧車(ななさと紅緒)

春愁や宝石箱の片ピアス(木暮陶句郎)


2票

霾やブッセの空を隠したる(星野 裕子)

イヤホンを分けあい歩く花巡り(佐々木一栗)

言の葉も紛れてをりし花の舞(佐々木一栗)

心地よき疲れや春の暮れゆけば(木村 佑)

マーマレード煮る香に春を惜しむかな(里村 閑)

海辺ゆく銀輪ふたつ飛燕かな(里村 閑)

そそり立つ木々黒々と朧月(堤 かがり)

亀鳴くや白寿の母は聞こゆかも(堤 かがり)

蒼天や桜蘂降る交差点(安部じゅん)

嘶ける馬の鼻筋風光る(木暮陶句郎)


1票

オール漕ぐふたりの膝に散る桜(竹俣 修)

曲水の岸に留まる花筏(竹俣 修)

清明や生まれ来る子の愛おしさ(森田 遊馬)

名も知らぬ草の芽に水やりにけり(森田 遊馬)

薯植ゑる妻の流儀に従ひつ(大渕 洋)

いつまでも花の吹雪に佇めり(大渕 洋)

温む水鼻でまさぐる親子象(稲葉 京閑)

春愁や右往左往の檻の獣(稲葉 京閑)

熟睡のコアラに春の日の永し(稲葉 京閑)

花守となりしD51ひかりをり(小暮 肇)

碧天に吸ひ込まれゆくしゃぼん玉(小暮 肇)

手を繋ぎ花人となる園児達(小暮 肇)

艶やかな光の輪舞柿若葉(清水 檀)

花の夜できぬ約束してしまふ(星野 裕子)

清明や切り株のなほ空へ向く(木村 佑)

花筏ただ美しくあれよ君(木村 佑)

夕日いま滲みて竹の秋の中(木村 佑)

こんもりと山の如くに桜咲く(髙橋千登世)

満開の桜を愛でて一人酒(髙橋千登世)

月へ飛ぶ夢をみてゐる豆の花(里村 閑)

かかげもつ聖火は友へ花の雨(堤 かがり)

育てすぎ顔に弾ける石鹼玉(堤 かがり)

春の星ソナタは基本の繰り返し(安部じゅん)

桑の花去年でやめたはずの畑(安部じゅん)

蒲公英の居場所はここと心得て(井野 紫)

花冷の絹裁つ指を洗ひけり(ななさと紅緒)

「ただいま」は復活宣言蛙の子(ななさと紅緒)

花冷の芯まで柔き掛けうどん(杉山 加織)

残桜や空の余白を震はせて(杉山 加織)

チューリップ生まれたままの君の笑み(杉山 加織)

梨の花吾の背を超えし恋心(杉山 加織)

若草や両手に運ぶ風の色(杉山 加織)


互選結果

◎大渕洋 選

新調の文具の名入れひこばゆる

風を着る事の嬉しさ春うらら

春愁のからまつてゐるパスタかな

嘶ける馬の鼻筋風光る

曲水の岸に留まる花筏


◎稲葉京閑 選

心地よき疲れや春の暮れゆけば

花冷の絹裁つ指を洗ひけり

春愁のからまつてゐるパスタかな

春の月触れれば濡るる心地して

育てすぎ顔に弾ける石鹼玉


◎小暮肇 選

風を着る事の嬉しさ春うらら

満開の桜を愛でて一人酒

かかげもつ聖火は友へ花の雨

チューリップ生まれたままの君の笑み

ふらここの小さき靴が空を蹴る


◎岩佐晴子 選

艶やかな光の輪舞柿若葉

(8) 霾やブッセの空を隠したる

(25) 花守となりしD51ひかりをり

(48) 花の夜できぬ約束してしまふ

(97) ふらここの小さき靴が空を蹴る


◎堤かがり 選

花冷の芯まで柔き掛けうどん

言の葉も紛れてをりし花の舞

春満月馬車のかたちの観覧車

手を繋ぎ花人となる園児達

桑の花去年でやめたはずの畑


◎竹俣修 選

新調の文具の名入れひこばゆる

薯植ゑる妻の流儀に従ひつ

イヤホンを分けあい歩く花巡り

海辺ゆく銀輪ふたつ飛燕かな

ふらここの小さき靴が空を蹴る


◎松本由美子 選

霾やブッセの空を隠したる

こんもりと山の如くに桜咲く

清明や切り株のなほ空へ向く

月へ飛ぶ夢をみてゐる豆の花

春の星ソナタは基本の繰り返し

蒲公英の居場所はここと心得て


◎井野紫 選

そそり立つ木々黒々と朧月

イヤホンを分けあい歩く花巡り

春愁のからまつてゐるパスタかな

梨の花吾の背を超えし恋心

春愁や宝石箱の片ピアス


◎鈴木由里子 選

新調の文具の名入れひこばゆる

嘶ける馬の鼻筋風光る

花筏ただ美しくあれよ君

熟睡のコアラに春の日の永し

春愁や宝石箱の片ピアス


◎森田遊馬 選

心地よき疲れや春の暮れゆけば

風を着る事の嬉しさ春うらら

碧天に吸ひ込まれゆくしゃぼん玉

言の葉も紛れてをりし花の舞

ふらここの小さき靴が空を蹴る


◎清水檀 選

マーマレード煮る香に春を惜しむかな

春愁のからまつてゐるパスタかな

春愁や右往左往の檻の獣

春満月馬車のかたちの観覧車

ふらここの小さき靴が空を蹴る


◎髙橋千登世 選

蒼天や桜蘂降る交差点

海辺ゆく銀輪ふたつ飛燕かな

オール漕ぐふたりの膝に散る桜

いつまでも花の吹雪に佇めり

亀鳴くや白寿の母は聞こゆかも


◎佐々木一栗 選

名も知らぬ草の芽に水やりにけり

春愁のからまつてゐるパスタかな

春の月触れれば濡るる心地して

亀鳴くや白寿の母は聞こゆかも

ふらここの小さき靴が空を蹴る


◎木村佑 選

清明や生まれ来る子の愛おしさ

蒼天や桜蘂降る交差点

残桜や空の余白を震はせて

ふらここの小さき靴が空を蹴る

若草や両手に運ぶ風の色


◎安部じゅん 選

温む水鼻でまさぐる親子象

そり立つ木々黒々と朧月

春満月馬車のかたちの観覧車

「ただいま」は復活宣言蛙の子

ふらここの小さき靴が空を蹴る


◎杉山加織 選

マーマレード煮る香に春を惜しむかな

春愁のからまつてゐるパスタかな

春の月触れれば濡るる心地して

夕日いま滲みて竹の秋の中

春愁や宝石箱の片ピアス

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。 【NEW】陶芸家としても活躍中の陶句郎主宰の個展が2024年9月18日(水)~24(火)に「あべのハルカス近鉄本店」にて開催されます!

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