令和3年2月 月例インターネット句会 Vol.108

木暮陶句郎 選

◎特選 7句

冱て返る星座無限に硬度上げ(稲葉 京閑)

隣家より赤飯とどく初不動(大渕 洋)

コンパスの円の針穴春愁(岩佐 晴子)

梅の香や少女は少し背伸びして(木村 佑)

春風や音符のやうなハイヒール(ななさと紅緒)

兄弟はライバルバレンタインの日(井野 紫)

針供養縄文人の角の針(岩佐 晴子)


〇入選 29句

春を待つ心に浮かぶあれやこれ(清水 檀)

春寒やけふは新聞休刊日(星野 裕子)

春の泥いっぱいつけて逢いに来い(坂元 稔)

朽ちてなほ立つ茅葺や福寿草(佐々木一栗)

小さき手で摘まむ小さな犬ふぐり(木村 佑)

春雪のにほへる半跏菩薩かな(里村 閑)

目を細め夢の続きを春の猫(杉山 加織)

浅き春胸の扉を少し開け(清水 檀)

春立つや光啄む鳥のこゑ(星野 裕子)

うららかや吟行会の塩むすび(岩佐 晴子)

早春の山を越え行く荷揚げヘリ(木村 佑)

父に似し額ありけり春灯下(中村 東子)

冱返る空指先で突いてみる(杉山 加織)

如月の風に躓くあいうえお(稲葉 京閑)

園丁の掃き整へし道に春(清水 檀)

水平線たぐり寄せたる春の海(星野 裕子)

パレットをあふれ春立つ空の色(ななさと紅緒)

如月や光の大量生産期(稲葉 京閑)

立春の後の寒さを惜しみけり(大渕 洋)

心地良き衣擦れの音利休の忌(星野 裕子)

目覚めたる大地の鼓動雪解川(佐々木一栗)

駅前の鯛焼匂ふ春時雨(堤 かがり)

恋猫の耳のひやりと通り過ぐ(杉山 加織)

綿雲のちぎれて春の空らしく(清水 檀)

パソコンの確定申告春炬燵(大渕 洋)

傷心の癒ゆるまでかな雪解風(鈴木由里子)

雪解けて新作ルアー選びをり(佐々木一栗)

凧あげて風の喜ぶ声を聴く(木村 佑)

前を向く為の一歩や春疾風(杉山 加織)


互選

8票

一羽づつ兎抱きしめ卒業す(ななさと紅緒)


7票

梅の香や少女は少し背伸びして(木村 佑)

春風や音符のやうなハイヒール(ななさと紅緒)


6票

コンパスの円の針穴春愁(岩佐 晴子)


4票

春の泥いっぱいつけて逢いに来い(坂元 稔)

パンでまた消す春愁のクロッキー(木暮陶句郎)


3票

春立つや光啄む鳥のこゑ(星野 裕子)

水平線たぐり寄せたる春の海(星野 裕子)

凧あげて風の喜ぶ声を聴く(木村 佑)

山裾に旗つらなりて梅まつり(堤 かがり)

兄弟はライバルバレンタインの日(井野 紫)

しやぼん玉弾け上州山河かな(木暮陶句郎)


2票

日脚伸ぶ訳の分からぬ胸騒ぎ(大渕 洋)

春寒やけふは新聞休刊日(星野 裕子)

躊躇いの足跡ひかる春の泥(坂元 稔)

うららかや吟行会の塩むすび(岩佐 晴子)

小さき手で摘まむ小さな犬ふぐり(木村 佑)

駅前の鯛焼匂ふ春時雨(堤 かがり)

冱返る空指先で突いてみる(杉山 加織)

陸封の魚は虹いろ春氷(木暮陶句郎)


1票

枯尾花分け往く径の祠かな(竹俣 修)

手を繋ぎ風花の舞ふ式場へ(竹俣 修)

雛菊や尽きせぬ命あれかしと(森田 遊馬)

冱て返る星座無限に硬度上げ(稲葉 京閑)

春を待つ心に浮かぶあれやこれ(清水 檀)

浅き春胸の扉を少し開け(清水 檀)

園丁の掃き整へし道に春(清水 檀)

隣家より赤飯とどく初不動(大渕 洋)

立春の後の寒さを惜しみけり(大渕 洋)

パソコンの確定申告春炬燵(大渕 洋)

如月の月和らげる湖の面(星野 裕子)

蝌蚪の来て教室水槽のごとく(坂元 稔)

一人佇つこと覚ゆるや春時雨(鈴木由里子)

太陽の礫散りばめて麦踏す(鈴木由里子)

針供養縄文人の角の針(岩佐 晴子)

寒灯下路上ライブの拍手かな(佐々木一栗)

雪解けて新作ルアー選びをり(佐々木一栗)

早春の山を越え行く荷揚げヘリ(木村 佑)

耳うち話の息のぬくもり春の夢(ななさと紅緒)

パレットをあふれ春立つ空の色(ななさと紅緒)

湯豆腐の湯気の向こうの笑顔かな(髙橋千登世)

春浅き水青岩を磨きをり(安部じゅん)

打つ豆を弾き返すは鬼瓦(里村 閑)

足蹴つて小犬見てゐる春の夢(里村 閑)

春灯し大きく一つ多摩の丘(中村 東子)

昨日とはどこか異なる春の町(井野 紫)

目を細め夢の続きを春の猫(杉山 加織)

翳りたる眼差し置いて通ふ猫(杉山 加織)

前を向く為の一歩や春疾風(杉山 加織)

鼻腔より始まる夢や梅月夜(木暮陶句郎)

石つぶて眩し過ぎたる春水へ(木暮陶句郎)


互選結果

◎鈴木由里子 選

(8) 春の泥いっぱいつけて逢いに来い

(34) 一羽づつ兎抱きしめ卒業す

(54) 梅の香や少女は少し背伸びして

(76) 春風や音符のやうなハイヒール

(94) 針供養縄文人の角の針


◎井野紫 選

(24) 冱て返る星座無限に硬度上げ

(29) 躊躇いの足跡ひかる春の泥

(47) 園丁の掃き整へし道に春

(49) 水平線たぐり寄せたる春の海

(90) パソコンの確定申告春炬燵


◎小暮肇 選

(6) 日脚伸ぶ訳の分からぬ胸騒ぎ

(21) しやぼん玉弾け上州山河かな

(49) 水平線たぐり寄せたる春の海

(52) コンパスの円の針穴春愁

(54) 梅の香や少女は少し背伸びして


◎岩佐晴子 選

(8) 春の泥いっぱいつけて逢いに来い

(42) パンでまた消す春愁のクロッキー

(54) 梅の香や少女は少し背伸びして

(55) パレットをあふれ春立つ空の色

(84) 石つぶて眩し過ぎたる春水へ


◎星野裕子 選

(34) 一羽づつ兎抱きしめ卒業す

(42) パンでまた消す春愁のクロッキー

(52) コンパスの円の針穴春愁

(76) 春風や音符のやうなハイヒール

(105) 陸封の魚は虹いろ春氷


◎森田遊馬 選

(1) 枯尾花分け往く径の祠かな

(6) 日脚伸ぶ訳の分からぬ胸騒ぎ

(15) 春浅き水青岩を磨きをり

(38) 山裾に旗つらなりて梅まつり

(41) 冱返る空指先で突いてみる


◎木村佑 選

(20) 目を細め夢の続きを春の猫

(40) 昨日とはどこか異なる春の町

(42) パンでまた消す春愁のクロッキー

(51) 一人佇つこと覚ゆるや春時雨

(76) 春風や音符のやうなハイヒール


◎竹俣修 選

(31) うららかや吟行会の塩むすび

(34) 一羽づつ兎抱きしめ卒業す

(42) パンでまた消す春愁のクロッキー

(95) 雪解けて新作ルアー選びをり

(102) 春灯し大きく一つ多摩の丘


◎大渕洋 選

(28) 春立つや光啄む鳥のこゑ

(38) 山裾に旗つらなりて梅まつり

(63) 鼻腔より始まる夢や梅月夜

(86) 雛菊や尽きせぬ命あれかしと

(104) 前を向く為の一歩や春疾風


◎堤かがり 選

(21) しやぼん玉弾け上州山河かな

(34) 一羽づつ兎抱きしめ卒業す

(69) 立春の後の寒さを惜しみけり

(71) 蝌蚪の来て教室水槽のごとく

(76) 春風や音符のやうなハイヒール


◎清水檀 選

(7) 春寒やけふは新聞休刊日

(28) 春立つや光啄む鳥のこゑ

(49) 水平線たぐり寄せたる春の海

(52) コンパスの円の針穴春愁

(80) 駅前の鯛焼匂ふ春時雨

(82) 兄弟はライバルバレンタインの日


◎稲葉京閑 選

(13) 耳うち話の息のぬくもり春の夢

(26) 浅き春胸の扉を少し開け

(52) コンパスの円の針穴春愁

(91) 如月の月和らげる湖の面

(96) 凧あげて風の喜ぶ声を聴く


◎髙橋千登世 選

(37) 打つ豆を弾き返すは鬼瓦

(48) 隣家より赤飯とどく初不動

(54) 梅の香や少女は少し背伸びして

(62) 翳りたる眼差し置いて通ふ猫

(82) 兄弟はライバルバレンタインの日


◎安部じゅん 選

(12) 小さき手で摘まむ小さな犬ふぐり

(34) 一羽づつ兎抱きしめ卒業す

(54) 梅の香や少女は少し背伸びして

(82) 兄弟はライバルバレンタインの日

(98) 湯豆腐の湯気の向こうの笑顔かな


◎坂元稔 選

(31) うららかや吟行会の塩むすび

(33) 早春の山を越え行く荷揚げヘリ

(38) 山裾に旗つらなりて梅まつり

(54) 梅の香や少女は少し背伸びして

(80) 駅前の鯛焼匂ふ春時雨


◎中村東子 選

(28) 春立つや光啄む鳥のこゑ

(34) 一羽づつ兎抱きしめ卒業す

(41) 冱返る空指先で突いてみる

(72) 太陽の礫散りばめて麦踏す

(76) 春風や音符のやうなハイヒール


◎里村閑 選

(5) 春を待つ心に浮かぶあれやこれ

(8) 春の泥いっぱいつけて逢いに来い

(21) しやぼん玉弾け上州山河かな

(32) 寒灯下路上ライブの拍手かな

(96) 凧あげて風の喜ぶ声を聴く


◎佐々木一栗 選

(12) 小さき手で摘まむ小さな犬ふぐり

(34) 一羽づつ兎抱きしめ卒業す

(58) 足蹴つて小犬見てゐる春の夢

(64) 手を繋ぎ風花の舞ふ式場へ

(76) 春風や音符のやうなハイヒール


◎ななさと紅緒 選

(7) 春寒やけふは新聞休刊日

(8) 春の泥いっぱいつけて逢いに来い

(29) 躊躇いの足跡ひかる春の泥

(52) コンパスの円の針穴春愁

(96) 凧あげて風の喜ぶ声を聴く


◎杉山加織 選

(34) 一羽づつ兎抱きしめ卒業す

(52) コンパスの円の針穴春愁

(54) 梅の香や少女は少し背伸びして

(76) 春風や音符のやうなハイヒール

(105) 陸封の魚は虹いろ春氷

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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