平成28年5月 月例インターネット句会 Vol.51結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 6句

屋上庭園薫風と水の音(中野 千秋)

青嵐身の中にある不発弾(中野 千秋)

庭のある家に暮らせて松の花(岩佐 晴子)

生きること少し臆病小玉葱(鈴木由里子)

青春も恋も過去形昭和の日(峯岸 俊江)

歩数計若葉の道を刻みゆく(阿部ひで希)


〇入選 27句 

花は葉に発掘進む城遺構(稲葉 京閑)

連休は家の片付け柏餅(水上 一葉)

春愁やメールに五分前の君(星野 裕子)

もう買はぬてふ口癖や更衣(岩佐 晴子)

母の日や父に話せぬ愚痴を我に(阿部 清明)

筍の香り漂ふ夕餉かな(清水 檀)

初夏の指に嵌めたる蒼き石(杉山 加織)

夢もまたりんごの花の色に似て(峯岸 俊江)

惜春や人を待たせる時刻表(星野 裕子)

初夏の旅へと実感の湧く資料(稲葉 京閑)

木下闇にて人生のひと休み(杉山 加織)

草笛やまだ唇は忘れずに(堤 かがり)

鯉のぼり猫も見上げてをりにけり(清水 檀)

聖五月鏡のまえの陶の壺(中野 千秋)

今日もまた居るのと言はれ古茶新茶(はたの としはる)

こんにちは蛍袋や母の庭(水上 一葉)

こどもの日吾が指握る乳児の掌(久保田晋一)

薔薇色の日傘くるくる初デイト(阿部 清明)

マイナスな泡と感情夏めきぬ(鈴木由里子)

風薫る少女のやうにはにかんで(堤 かがり)

ブナの森透きとほらせて五月風(安部じゅん)

薫風や南の島に連れてつて(杉山 加織)

少しだけ冷ます珈琲薔薇の午後(中野 千秋)

D51の長き雄叫び夏来る(峯岸 俊江)

園庭の若葉明りや新書読む(水上 一葉)

草の葉の隠し絵めきて青蛙(峯岸 俊江)

作法など細々教へ桐の花(堤 かがり)

 

互選

4票

青嵐身の中にある不発弾(中野 千秋)

青春も恋も過去形昭和の日(峯岸 俊江)

ここよりは関東平野麦熟るる(木暮陶句郎)


3票

生きること少し臆病小玉葱(鈴木由里子) 

惜春や人を待たせる時刻表(星野 裕子)

夢もまたりんごの花の色に似て(峯岸 俊江)

大切なものは見えない麦の風(安部じゅん)


2票  

現世に甘く悲しきソーダかな(鈴木由里子)

春愁やメールに五分前の君(星野 裕子)

水すまし軽さに合はせ水くぼむ(星野 裕子)

黒衣着て知らざる町の薄暑かな(森田 政夫)

草笛やまだ唇は忘れずに(堤 かがり)

今日もまた居るのと言はれ古茶新茶(はたの としはる)

もう買はぬてふ口癖や更衣(岩佐 晴子)

草の葉の隠し絵めきて青蛙(峯岸 俊江)

D51の長き雄叫び夏来る(峯岸 俊江)

初夏の指に嵌めたる蒼き石(杉山 加織)

木下闇にて人生のひと休み(杉山 加織)

シーサーも海に向きをり島涼し(木暮陶句郎)

白猫を染め上げてゆく青葉闇(木暮陶句郎)


1票

鯉のぼり猫も見上げてをりにけり(清水 檀)

子供の日柱に刻む笑ひ声(清水 檀)

客船や水平線に夏来る(阿部 清明)

マイナスな泡と感情夏めきぬ(鈴木由里子)

生きる張り孫の誕生喜雨の中(森田 政夫)

聖五月鏡のまえの陶の壺(中野 千秋)

少しだけ冷ます珈琲薔薇の午後(中野 千秋)

店先にハーヴの香る街薄暑(中野 千秋)

菖蒲湯や父懐かしき宵もあり(はたの としはる)

万雷のブラスバンドや青嵐(はたの としはる)

庭のある家に暮らせて松の花(岩佐 晴子)

牡丹園欲しき落花の一二片(岩佐 晴子)

夏相撲肩で風切る下がりかな(久保田晋一)

野鳥来て若葉の大樹もぐり込む(阿部ひで希)

連休は家の片付け柏餅(水上 一葉)

薫風や一輪車こぐ女の子(峯岸 俊江)

春の星カンパネルラの恋をして(安部じゅん)

ブナの森透きとほらせて五月風(安部じゅん)

紅々と揺るる虞美人草手折る(杉山 加織)

島唄に波音混じりくる夜涼(木暮陶句郎)


ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

0コメント

  • 1000 / 1000