平成28年4月 月例インターネット句会 Vol.50結果発表
木暮陶句郎 選
◎特選 6句
手仕事の一つ増やして花の雨(鈴木由里子)
春の夜の隣り合はせの過去と未来(杉山 加織)
一分二分三分と花の刹那かな(阿倍 天気)
軒燕去年と同じ澄みたる目(稲葉 京閑)
真つ青な風に膨らむ鯉幟(稲葉 京閑)
野遊びの桃色組と黄色組(星野 裕子)
〇入選 33句
扱ひに少し困って木瓜の花(堤 かがり)
桜蘂降る夢の名残りを手放せず(中野 千秋)
掃き寄せてかをりほのかや落椿(峯岸 俊江)
春愁や同じページを何度読む(水上 一葉)
桜湯の花をひと口恋の味(久保田晋一)
ほどほどの坂道続く桜狩(稲葉 京閑)
庭の端の甘い希望や花いちご(堤 かがり)
桜蘂降る戦を語る地名かな(中野 千秋)
落花いま空を漂ひつつ肩に(清水 檀)
春寒し化粧小物を買ひ足して(鈴木由里子)
地の果てに在りても強く春ショール(鈴木由里子)
疾風や怒涛の如き雪柳(阿倍 天気)
自転車の速度感じて風車(安部じゅん)
朧夜の点滴に色無かりけり(稲葉 京閑)
沢音に身を投げ出せり花の房(杉山 加織)
着流しの漫ろ歩きて春の空(鈴木由里子)
真実を言へぬ春愁抱へをり(杉山 加織)
春光を叩くが如く鐘を突く(水上 一葉)
それぞれに春愁深しジャズの夜(はたの としはる)
巻き戻す時計の針も春憂ふ(星野 裕子)
ほつほつとやがて一気に辛夷咲く((岩佐 晴子)
春の夜君の言葉の虚と実と(星野 裕子)
がま口に仕舞ふ実印花は葉に(中野 千秋)
指切りの切なき別れ春の宵(岩佐 晴子)
白鳥の遊具ひやりと春の闇(杉山 加織)
春昼やキティはいつも同じ顔(中野 千秋)
花冷えの頬に夜風や本を閉づ(水上 一葉)
春愁をリュックサックに閉じ込めて(安部じゅん)
大空を埋め尽くしたる花大樹(阿部ひで希)
春愁や蘇る過去乗り越えて(脇 望)
落花つれ帰る人波上野駅(はたの としはる)
彼の鳥の古巣なるかと胸騒ぐ(堤 かがり)
クッキィの缶の針箱花は葉に(中野 千秋)
互選
3票
一分二分三分と花の刹那かな(阿倍 天気)
長閑や光の束が画布にあり(星野 裕子)
手仕事の一つ増やして花の雨(鈴木由里子)
春愁や同じページを何度読む(水上 一葉)
バーテンに見せる春夜の猫目石(木暮陶句郎)
声の無き叫びと思ふ花吹雪(木暮陶句郎)
春の闇笑顔に嘘もありにけり(杉山 加織)
2票
風薫る空気裂きたる爆音機(阿倍 天気)
朧夜の点滴に色無かりけり(稲葉 京閑)
落日のその色となり鳥帰る(星野 裕子)
春寒し化粧小物を買ひ足して(鈴木由里子)
春愁をリュックサックに閉じ込めて(安部じゅん)
それぞれに春愁深しジャズの夜(はたの としはる)
振り向けば石段の街山笑ふ(水上 一葉)
春光を叩くが如く鐘を突く(水上 一葉)
春昼やキティはいつも同じ顔(中野 千秋)
街動き出す春昼のクラクション(木暮陶句郎)
真実を言へぬ春愁抱へをり(杉山 加織)
1票
隧道へ桜吹雪を抜けにけり(阿倍 天気)
香り無く香つておりぬ遠桜(稲葉 京閑)
真つ青な風に膨らむ鯉幟(稲葉 京閑)
夜桜を見て来て今日の雨となり(清水 檀)
野遊びの桃色組と黄色組(星野 裕子)
桜湯の花をひと口恋の味(久保田晋一)
銭湯に母と行く道春灯ともし(岩佐 晴子)
辛夷咲く長き花芽の時を経て(岩佐 晴子)
大凶は縁起良きかな万愚節(安部じゅん)
掃き寄せてかをりほのかや落椿(峯岸 俊江)
限定のさくらまんじゆう花の茶屋(峯岸 俊江)
人の波われ関せずと花万朶(はたの としはる)
上野山花より団子の人ばかり(はたの としはる)
がま口に仕舞ふ実印花は葉に(中野 千秋)
クッキィの缶の針箱花は葉に(中野 千秋)
春の夜の隣り合はせの過去と未来(杉山 加織)
沢音に身を投げ出せり花の房(杉山 加織)
白鳥の遊具ひやりと春の闇(杉山 加織)
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