令和2年4月 月例インターネット句会 Vol.98
木暮陶句郎 選
◎特選 9句
唇に上書き重ね四月馬鹿(鈴木由里子)
春の宵魔女は銀河を目指し行く(岩佐 晴子)
濡れてゆく花滲みゆく花の蕊(須藤恵美子)
ささやかな日々を色濃くシクラメン(松本由美子)
白木蓮遠きひかりの集め方(星野 裕子)
見てと言ひ見ないでと言ひ花衣(ななさと紅緒)
はきものを並べる係花むしろ(ななさと紅緒)
人に夢残花に風のありにけり(杉山 加織)
春眠をほどく為なる手足かな(杉山 加織)
〇入選 27句
持て余す己の重さ小米花(小暮 肇)
武蔵野に眠る文士や残る花(松本由美子)
優しさの音なく浸みて春の雨(清水 檀)
入学の緊張乗り手なき遊具(稲葉 京閑)
初蝶来あなたに憧れをあげる(星野 裕子)
けふ春が終はる寺山修司の忌(里村 閑)
貰はれて子猫一夜を泣きつくし(堤 かがり)
枝垂れたる花のいのちの重さかな(杉山 加織)
糸桜千年前の記憶あり(松本由美子)
公園の隅の紫リラ香る(阿部ひで希)
花筏今日は小さき色かたち(清水 檀)
春の昼ふしぎ折紙展開図(星野 裕子)
花衣ほめあつてゐて恋仇(ななさと紅緒)
春月の溶け出しさうな珊瑚色(杉山 加織)
矢を放つ光一瞬新樹光(鈴木由里子)
鯉跳ねてかたちを変へる花筏(森田 遊馬)
花の茶屋ギターつま弾き待つ店主(阿部ひで希)
春風やゴンドラふはり揺れて発つ(須藤恵美子)
アンテナに星の憂ひを聴く栄螺(里村 閑)
思ひ出の中の未来よ蜃気楼(堤 かがり)
初桜近くに寄せるベビーカ一(松本由美子)
急磴のひと足ごとに囀れり(須藤恵美子)
立ち漕ぎて鞦韆の酔ひ残りけり(堤 かがり)
神々の国の遺伝子春の星(鈴木由里子)
傾城の小さき墓標や初桜(松本由美子)
両の手に掬ふはなびら西行忌(清水 檀)
廃校の金次郎像花の散る(岩佐 晴子)
互選
5票
優しさの音なく浸みて春の雨(清水 檀)
4票
一つ知り二つ忘れて長閑なり(岩佐 晴子)
見てと言ひ見ないでと言ひ花衣(ななさと紅緒)
けふ春が終はる寺山修司の忌 (里村 閑)
軽やかに生きよと桜吹雪かな(木暮陶句郎)
大利根はひかりの道や初燕(木暮陶句郎)
3票
薄紅の春の句帳に記す詩 (稲葉 京閑)
2票
武蔵野に眠る文士や残る花 (松本由美子)
ささやかな日々を色濃くシクラメン(松本由美子)
初桜近くに寄せるベビーカ一(松本由美子)
白木蓮遠きひかりの集め方(星野 裕子)
一面のビタミンカラー花菜風 (須藤恵美子)
メレンゲの泡のふくらみ春の雪(須藤恵美子)
はきものを並べる係花むしろ(ななさと紅緒)
春月の溶け出しさうな珊瑚色(杉山 加織)
未来とは手の中にあり春の虹(木暮陶句郎)
1票
そこここにまた一輪のさくらかな(森田 遊馬)
届けども心晴れぬや花便り(森田 遊馬)
鯉跳ねてかたちを変える花筏(森田 遊馬)
持て余す己の重さ小米花 (小暮 肇)
咽ぶジャズ窓の向かふに沈丁花(小暮 肇)
糸桜千年前の記憶あり(松本由美子)
傾城の小さき墓標や初桜(松本由美子)
廃校の金次郎像花の散る(岩佐 晴子)
入学の帰路や両の手繋がれて(稲葉 京閑)
初蝶来あなたに憧れをあげる(星野 裕子)
春の昼ふしぎ折紙展開図(星野 裕子)
一句だき孵化させてゐる朝寝かな(ななさと紅緒)
花衣ほめあつてゐて恋仇(ななさと紅緒)
人の世にかまはず桜咲きにけり(里村 閑)
髪ほどく春江暮れてゆく窓に (里村 閑)
枝垂れたる花のいのちの重さかな(杉山 加織)
囀の辺り光の数多なり(杉山 加織)
人に夢残花に風のありにけり(杉山 加織)
春眠をほどく為なる手足かな(杉山 加織)
唇に上書き重ね四月馬鹿 (鈴木由里子)
夏隣る草の匂ひのスカートよ(鈴木由里子)
この町の他人となりぬ桑の花(鈴木由里子)
情報が蝕むこころ国朧(木暮陶句郎)
貰はれて子猫一夜を泣きつくし(堤 かがり)
猫にはね用事があるの生まれつき(山本 彩)
夏隣る草の匂ひのスカートよ(鈴木由里子)
夜九時のふらここ一人乗ってみる(星野 裕子)
どこも行かない猫に言う日々ヒヤシンス(山本 彩)
互選結果
◎松本由美子 選
(6) 優しさの音なく浸みて春の雨
(11) 一面のビタミンカラー花菜風
(51) 見てと言ひ見ないでと言ひ花衣
(70) はきものを並べる係花むしろ
(76) 大利根はひかりの道や初燕
◎須藤恵美子 選
(6) 優しさの音なく浸みて春の雨
(14) けふ春が終はる寺山修司の忌
(36) 春月の溶け出しさうな珊瑚色
(38) 軽やかに生きよと桜吹雪かな
(76) 大利根はひかりの道や初燕
◎小暮肇 選
(6) 優しさの音なく浸みて春の雨
(19) 未来とは手の中にあり春の虹
(46) 一つ知り二つ忘れて長閑なり
(51) 見てと言ひ見ないでと言ひ花衣
(61) 初桜近くに寄せるベビーカ一
◎竹俣修 選
(18) 唇に上書き重ね四月馬鹿
(22) 咽ぶジャズ窓の向こふに沈丁花
(28) 入学の帰路や両の手繋がれて
(80) 傾城の小さき墓標や初桜
(84) 廃校の金次郎像花の散る
◎ 岩佐晴子 選
(4) 柔らかい夫の寝息や春炬燵
(47) さり気なく肩抱く君や春の宵
(83) カクテルに添へる折鶴立子の忌
(86) 声変はりして卒業の答辞読む
(91) 背伸びして届かぬ空よつくづくし
◎稲葉京閑 選
(6) 優しさの音なく浸みて春の雨
(14) けふ春が終はる寺山修司の忌
(48) 白木蓮遠きひかりの集め方
(51) 見てと言ひ見ないでと言ひ花衣
(76) 大利根はひかりの道や初燕
◎星野裕子 選
(4) 武蔵野に眠る文士や残る花
(11) 一面のビタミンカラー花菜風
(14) けふ春が終はる寺山修司の忌
(76) 大利根はひかりの道や初燕
(87) メレンゲの泡のふくらみ春の雪
◎清水檀 選
(19) 未来とは手の中にあり春の虹
(36) 春月の溶け出しさうな珊瑚色
(46) 一つ知り二つ忘れて長閑なり
(66) 薄紅の春の句帳に記す詩
(87) メレンゲの泡のふくらみ春の雪
◎堤かがり 選
(3) 持て余す己の重さ小米花
(42) ささやかな日々を色濃くシクラメン
(61) 初桜近くに寄せるベビーカ一
(66) 薄紅の春の句帳に記す詩
(74) 人に夢残花に風のありにけり
◎髙橋千登世 選
(2) そこここにまた一輪のさくらかな
(6) 優しさの音なく浸みて春の雨
(21) 届けども心晴れぬや花便り
(38) 軽やかに生きよと桜吹雪かな
(40) 鯉跳ねてかたちを変える花
◎鈴木由里子 選
(10) 初蝶来あなたに憧れをあげる
(29) 春の昼ふしぎ折紙展開図
(57) 情報が蝕むこころ国朧
(66) 薄紅の春の句帳に記す詩
(70) はきものを並べる係花むしろ
◎阿部ひで希 選
(13) 一句だき孵化させてゐる朝寝かな
(23) 糸桜千年前の記憶あり
(33) 人の世にかまはず桜咲きにけり
(46) 一つ知り二つ忘れて長閑なり
(86) 風の色あるやに鳴けり百千鳥
◎安部じゅん 選
(15) 貰われて子猫一夜を泣きつくし
(35) 猫にはね用事があるの生まれつき
(56) 夏隣る草の匂ひのスカートよ
(67) 夜九時のふらここ一人乗ってみる
(92) どこも行かない猫に言う日々ヒヤシンス
◎岩佐晴子 選
(17) 枝垂れたる花のいのちの重さかな
(32) 花衣ほめあってゐて恋仇
(38) 軽やかに生きよと桜吹雪かな
(55) 囀の辺り光の数多なり
(56) 夏隣る草の匂ひのスカートよ
◎里村閑 選
(4) 武蔵野に眠る文士や残る花
(38) 軽やかに生きよと桜吹雪かな
(46) 一つ知り二つ忘れて長閑なり
(93) 春眠をほどく為なる手足かな
(94) この町の他人となりぬ桑の花
◎杉山加織 選
(14) けふ春が終はる寺山修司の忌
(42) ささやかな日々を色濃くシクラメン
(48) 白木蓮遠きひかりの集め方
(51) 見てと言ひ見ないでと言ひ花衣
(71) 髪ほどく春江暮れてゆく窓に
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