令和2年1月 月例インターネット句会 Vol.95結果発表

木暮陶句郎 選
◎特選 8句
三寒の祝詞に風の渦巻きぬ(杉山 加織)
大利根の闇の深さよ汽笛凍つ(星野 裕子)
龍神の細き髭先風花す(杉山 加織)
絹糸の光を引きし縫始(杉山 加織)
風神の集まる処恵方とす(星野 裕子)
今日も無事暮るる一番星冴ゆる(稲葉 京閑)
山と海押しあふ音や薬喰(里村 閑)
樽酒のしぶきを浴ぶる淑気かな(ななさと紅緒)

〇入選 28句
スキー場の真青な空ブラックホール(鬼形 瑞枝)
身を晒す風の化身や薬喰(松本 余一)
スーパーの跡地そのまま冬ざるる(岩佐 晴子)
薄命な王女の伝記冬の月(中野 千秋)
交々に魚板を打ちぬ冬帽子(稲葉 京閑)
冬北斗占いなんて信じない(松本由美子)
元旦や一番風呂に青き空(髙橋千登世)
役目終へポインセチアは風の中(里村 閑)
中学の恩師卒寿や初電話(岩佐 晴子)
ルネッサンスバロックロココ冬の月(中野 千秋)
冬ざれや足にそぐはぬ庭草履(稲葉 京閑)
初空や雄白山の現はるる(竹俣 修)
ダリの絵は狂気のかけら寒月光(星野 裕子)
放水の高く遠くへ出初式(松本由美子)
凍蝶や不登校とは深き傷(鈴木由里子)
賽銭の社に並ぶ獅子頭(堤 かがり)
日暮れには雨となるらし雪蛍(稲葉 京閑)
寒木瓜や柔き日差しの似合ふ居間(清水 檀)
初声の澄みきる空に広ごれり(松本由美子)
好物のコロッケ作る初竃(髙橋千登世)
髪切って軽き靴買ふ春近し(岩佐 晴子)
寒き我が影をきらひし子犬かな(天田あすなろう)
重ね着の中に沈みて母老いぬ(ななさと紅緒)
目に光集めてをりぬ初化粧(杉山 加織)
きらきらと川面を跳ねる初陽かな(森田 遊馬)
春めくも両手冷たし病める夫(鬼形 瑞枝)
毬のごと風に親しむ寒椿(天田あすなろう)
寒禽の声の不意打鞍馬寺(中野 千秋)


互選
6票
絵双六三つ戻つて恋に落つ(木暮陶句郎)
大寒の窯火噴き出す覗き穴(木暮陶句郎)

5票
三寒の影歪ませて轆轤蹴る(木暮陶句郎)
重ね着の中に沈みて母老いぬ(ななさと紅緒)

3票
黒猫の温もり抱へ除夜の鐘(竹俣 修)
スーパーの跡地そのまま冬ざるる (岩佐 晴子 )
初弓の老い寄せつけぬ姿勢かな (ななさと紅緒)
大利根の闇の深さよ汽笛凍つ(星野 裕子)
絹糸の光を引きし縫始(杉山 加織)

2票
寒紅やライムライトの踊り子に(安部じゅん)
うつろひを見逃さんとし初茜(堤 かがり)
去年今年俳諧といふ深き森(木暮陶句郎)
風神の集まる処恵方とす(星野 裕子)
寒き我が影をきらひし子犬かな(天田あすなろう)
生牡蠣にシャブリ一本冷やしたる(星野 裕子)
寒紅やある日はいつも突然に(鈴木由里子)
樽酒のしぶきを浴ぶる淑気かな (ななさと紅緒)
寒禽の声の不意打鞍馬寺(中野 千秋)

1票
冬の海の夜明けは水尾の白さより(稲葉 京閑)
トルソーの首細まりし冬薔薇(鈴木由里子)
身を晒す風の化身や薬喰 (松本 余一)
いい声よりやさしい声を寒の入(里村 閑)
三寒の祝詞に風の渦巻きぬ(杉山 加織)
幾度かな一人暮らしの除夜の鐘 (竹俣 修)
おめでとう鸚鵡が如き三が日 (森田 遊馬)
冬北斗占いなんて信じない (松本由美子)
元旦や一番風呂に青き空 (髙橋千登世)
除夜の鐘両手でにぎる湯飲み茶碗(鬼形 瑞枝)
寒の日に石畳なほ冷えてあり (天田あすなろう)
友だちの友は友だち闇夜汁(ななさと紅緒)
ダリの絵は狂気のかけら寒月光(星野 裕子)
賽銭の社に並ぶ獅子頭(堤 かがり)
ゴトゴトと鉄橋渡る初電車(森田 遊馬)
名ぜりふに決まつて咳の二つ三つ(里村 閑)
見舞とす二個ある黄身の寒卵(堤 かがり)
生きるため固める拳冬木の芽 (木暮陶句郎)
目に光集めてをりぬ初化粧(杉山 加織)
きらきらと川面を跳ねる初陽かな (森田 遊馬)
水仙や背筋伸ばして佇つ女 (清水 檀)
芋版の味はひ深き年賀状 (松本由美子)
初鏡頰紅変えてみたりかな(髙橋千登世)
山と海押しあふ音や薬喰(里村 閑)
はぐれんと腕にすがりぬ初詣(堤 かがり)


互選結果
◎ 森田遊馬 選
  身を晒す風の化身や薬喰
  絵双六三つ戻つて恋に落つ
  重ね着の中に沈みて母老いぬ
  生牡蠣にシャブリ一本冷やしたる
  寒禽の声の不意打鞍馬寺

◎ 天田あすなろう 選
  黒猫の温もり抱へ除夜の鐘
  うつろひを見逃さんとし初茜
  絵双六三つ戻つて恋に落つ
  おめでとう鸚鵡が如き三が日
  寒禽の声の不意打鞍馬寺

◎ 星野裕子 選
  初弓の老い寄せつけぬ姿勢かな
  三寒の影歪ませて轆轤蹴る
  去年今年俳諧といふ深き森
  絹糸の光を引きし縫始
  生きるため固める拳冬木の芽

◎ 岩佐晴子 選
  寒紅やライムライトの踊り子に
  うつろひを見逃さんとし初茜
  初弓の老い寄せつけぬ姿勢かな
  重ね着の中に沈みて母老いぬ
  大寒の窯火噴き出す覗き穴

◎ 竹俣修 選
  初弓の老い寄せつけぬ姿勢かな
  除夜の鐘両手でにぎる湯飲み茶碗
  初鏡頰紅変えてみたりかな
  はぐれんと腕にすがりぬ初詣
  大寒の窯火噴き出す覗き穴

◎ 髙橋千登世 選
  絵双六三つ戻つて恋に落つ
  寒の日に石畳なほ冷えてあり
  見舞とす二個ある黄身の寒卵
  水仙や背筋伸ばして佇つ女
  芋版の味はひ深き年賀状

◎ 松本由美子 選
  スーパーの跡地そのまま冬ざるる
  幾度かな一人暮らしの除夜の鐘
  風神の集まる処恵方とす
  重ね着の中に沈みて母老いぬ
  大寒の窯火噴き出す覗き穴

◎ 稲葉京閑 選
  友だちの友は友だち闇夜汁
  三寒の影歪ませて轆轤蹴る
  去年今年俳諧といふ深き森
  重ね着の中に沈みて母老いぬ
  大寒の窯火噴き出す覗き穴

◎ 清水檀 選
  冬北斗占いなんて信じない
  三寒の影歪ませて轆轤蹴る
  ダリの絵は狂気のかけら寒月光
  絹糸の光を引きし縫始
  重ね着の中に沈みて母老いぬ

◎ 堤かがり 選
  いい声よりやさしい声を寒の入
  絹糸の光を引きし縫始
  名ぜりふに決まつて咳の二つ三つ
  寒き我が影をきらひし子犬かな
  寒紅やある日はいつも突然に

◎ 鈴木由里子 選
  黒猫の温もり抱へ除夜の鐘
  寒紅やライムライトの踊り子に
  三寒の祝詞に風の渦巻きぬ
  三寒の影歪ませて轆轤蹴る
  目に光集めてをりぬ初化粧

◎ 里村閑 選
  絵双六三つ戻つて恋に落つ
  大利根の闇の深さよ汽笛凍つ
  元旦や一番風呂に青き空
  寒き我が影をきらひし子犬かな
  大寒の窯火噴き出す覗き穴

◎ ななさと紅緒 選
  冬の海の夜明けは水尾の白さより
  黒猫の温もり抱へ除夜の鐘
  絵双六三つ戻つて恋に落つ
  大利根の闇の深さよ汽笛凍つ
  三寒の影歪ませて轆轤蹴る

◎ 鬼形瑞枝 選
  トルソーの首細まりし冬薔薇
  スーパーの跡地そのまま冬ざるる
  賽銭の社に並ぶ獅子頭
  きらきらと川面を跳ねる初陽かな
  山と海押しあふ音や薬喰

◎ 中野千秋 選
  スーパーの跡地そのまま冬ざるる
  ゴトゴトと鉄橋渡る初電車
  生牡蠣にシャブリ一本冷やしたる
  寒紅やある日はいつも突然に
  樽酒のしぶきを浴ぶる淑気かな

◎ 杉山加織 選
  絵双六三つ戻つて恋に落つ
  大利根の闇の深さよ汽笛凍つ
  風神の集まる処恵方とす
  樽酒のしぶきを浴ぶる淑気かな
  大寒の窯火噴き出す覗き穴

ひろそ火 句会.com

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