令和元年11月 月例インターネット句会 Vol.93結果発表
木暮陶句郎 選
◎特選 9句
知らぬ間に空へかへりし帰り花(里村 閑)
冬の蝶翳りゆくもの皆果てて(鈴木由里子)
理科室の光るフラスコそぞろ寒(星野 裕子)
草もみぢさらさら水に届く風(松本 余一)
診察を待つ身にポインセチア燃ゆ(里村 閑)
野仏の供花は野菊や奥多摩路(岩佐 晴子)
をんなよりをとこは淋し冬林檎(星野 裕子)
綿虫のあらはれて消ゆ波郷の忌(星野 裕子)
炬燵寝の胎児の夢にかへりけり(里村 閑)
〇入選 35句
足裏に闇ささやけり朴落葉(星野 裕子)
熟れ柿や鋭声の鳥の寄り来たる(稲葉 京閑)
花芒寝ころび風の音聴けり(松本 余一)
外仕事すべて片づけ冬に入る(髙橋千登世)
微笑んでいたき日のあり案山子かな(堤 かがり)
小春日やぱ行炸裂タガログ語(岩佐 晴子)
緊急のダム放流や吾亦紅(竹俣 修)
長き夜や寝転びて読む文庫本(清水 檀)
晩秋の光車内にローカル線(岩佐 晴子)
あたりまえの日常にあり冬樹の芽(鬼形 瑞枝)
七五三紅苦くとも微笑みて(杉山 加織)
野分晴鉄路視て行く保線員(竹俣 修)
冬紅葉鳩の巣といふ谷深し(松本由美子)
つつましき家の戸口や実南天(松本 余一)
青空に取り残されし熟柿かな(須藤恵美子)
黄葉散る学生街のカレーかな(ななさと紅緒)
家並の絶えて広がる里の秋(清水 檀)
初冬や自分らしさを探す旅(松本由美子)
一山を油彩にまかせ画布の秋(松本 余一)
食べ頃となりて浅漬光り出す(堤 かがり)
木枯らしや待合室は別世界(岩佐 晴子)
凩や演習場のけもの道(杉山 加織)
月光に軍艦島のビル白し(竹俣 修)
冬の庭あと一色の欲しくなり(鈴木由里子)
山襞の秋は名残の色に染む(清水 檀)
咄家をまねて崩すや秋の夜雨(天田あすなろう)
プランター一掃するや冬来る(堤 かがり)
満ち足りし冬満月の孤独かな(岩佐 晴子)
誰からも束縛受けぬ神の旅(安部じゅん)
葱ばたけ土寄せをする好々爺(鬼形 瑞枝)
互選
8票
車座といふ居心地や翁の忌 (木暮陶句郎)
6票
理科室の光るフラスコそぞろ寒(星野 裕子)
4票
吐息まで聞こゑてしまふ冬の星(鈴木由里子)
一山を油彩にまかせ画布の秋(松本 余一)
熟れ柿の芯まで燃えて夕日落つ(須藤恵美子)
3票
野分晴鉄路視て行く保線員(竹俣 修)
冬の庭あと一色の欲しくなり(鈴木由里子)
足裏に闇ささやけり朴落葉(星野 裕子)
をんなよりをとこは淋し冬林檎(星野 裕子)
冬晴や庭師と語る親のこと(松本由美子)
花芒寝ころび風の音聴けり(松本 余一)
煙には小菊の匂ひ暮れなづむ(松本 余一)
帰りたい一行の文冬の雨(鬼形 瑞枝)
2票
大根の抜きたての艶洗ひ出す(稲葉 京閑)
初冬や自分らしさを探す旅(松本由美子)
草もみぢさらさら水に届く風(松本 余一)
微笑んでいたき日のあり案山子かな(堤 かがり)
青空に取り残されし熟柿かな(須藤恵美子)
ラグビーのうしろへ托す未来かな(里村 閑)
人が人愛する力クリスマス(木暮陶句郎)
神無月俳句の神は吾の中に(木暮陶句郎)
1票
緊急のダム放流や吾亦紅(竹俣 修)
人声に雀飛び立つ枯野かな(森田 遊馬)
冬の蝶翳りゆくもの皆果てて(鈴木由里子)
長き夜や寝転びて読む文庫本(清水 檀)
色づくを日々楽しむや柿の秋(清水 檀)
笑顔よき人を信じて石蕗の花(稲葉 京閑)
つつましき家の戸口や実南天(松本 余一)
湖風に紅葉の筏組み直す(須藤恵美子)
木枯らしや待合室は別世界(岩佐 晴子)
満ち足りし冬満月の孤独かな(岩佐 晴子)
神無月かしこかりしや即位礼(安部じゅん)
木枯しよ明日は小春を連れてこい(安部じゅん)
炬燵寝の胎児の夢にかへりけり(里村 閑)
けらつつき河内訛のスペイン語(ななさと紅緒)
霜月夜右と左に子の寝息(ななさと紅緒)
黄葉散る学生街のカレーかな(ななさと紅緒)
硝子戸に斜めの陽射し冬隣(杉山 加織)
七五三紅苦くとも微笑みて(杉山 加織)
大いなるリボン聖樹に結ぶ夢(木暮陶句郎)
互選結果
◎松本由美子 選
神無月かしこかりしや即位礼
つつましき家の戸口や実南天
神無月俳句の神は吾の中に
一山を油彩にまかせ画布の秋
帰りたい一行の文冬の雨
◎須藤恵美子 選
草もみぢさらさら水に届く風
野分晴鉄路視て行く保線員
吐息まで聞こゑてしまふ冬の星
冬晴や庭師と語る親のこと
車座といふ居心地や翁の忌
◎星野裕子 選
冬の蝶翳りゆくもの皆果てて
吐息まで聞こゑてしまふ冬の星
ラグビーのうしろへ托す未来かな
冬の庭あと一色の欲しくなり
煙には小菊の匂ひ暮れなづむ
◎清水檀 選
足裏に闇ささやけり朴落葉
大いなるリボン聖樹に結ぶ夢
をんなよりをとこは淋し冬林檎
熟れ柿の芯まで燃えて夕日落つ
車座といふ居心地や翁の忌
◎稲葉京閑 選
足裏に闇ささやけり朴落葉
黄葉散る学生街のカレーかな
一山を油彩にまかせ画布の秋
熟れ柿の芯まで燃えて夕日落つ
車座といふ居心地や翁の忌
◎岩佐晴子 選
理科室の光るフラスコそぞろ寒
木枯しよ明日は小春を連れてこい
をんなよりをとこは淋し冬林檎
帰りたい一行の文冬の雨
冬晴や庭師と語る親のこと
◎堤かがり 選
大根の抜きたての艶洗ひ出す
熟れ柿の芯まで燃えて夕日落つ
ラグビーのうしろへ托す未来かな
笑顔よき人を信じて石蕗の花
車座といふ居心地や翁の忌
◎鈴木由里子 選
硝子戸に斜めの陽射し冬隣
理科室の光るフラスコそぞろ寒
神無月俳句の神は吾の中に
一山を油彩にまかせ画布の秋
木枯らしや待合室は別世界
◎森田遊馬 選
足裏に闇ささやけり朴落葉
花芒寝ころび風の音聴けり
草もみぢさらさら水に届く風
色づくを日々楽しむや柿の秋
大根の抜きたての艶洗ひ出す
◎髙橋千登世 選
花芒寝ころび風の音聴けり
人声に雀飛び立つ枯野かな
野分晴鉄路視て行く保線員
青空に取り残されし熟柿かな
冬の庭あと一色の欲しくなり
◎竹俣修 選
花芒寝ころび風の音聴けり
長き夜や寝転びて読む文庫本
七五三紅苦くとも微笑みて
一山を油彩にまかせ画布の秋
冬晴や庭師と語る親のこと
◎天田あすなろう 選
微笑んでいたき日のあり案山子かな
理科室の光るフラスコそぞろ寒
帰りたい一行の文冬の雨
冬の庭あと一色の欲しくなり
車座といふ居心地や翁の忌
◎里村閑 選
人が人愛する力クリスマス
理科室の光るフラスコそぞろ寒
湖風に紅葉の筏組み直す
初冬や自分らしさを探す旅
車座といふ居心地や翁の忌
◎鬼形瑞枝 選
けらつつき河内訛のスペイン語
霜月夜右と左に子の寝息
野分晴鉄路視て行く保線員
初冬や自分らしさを探す旅
煙には小菊の匂ひ暮れなづむ
◎ななさと紅緒 選
理科室の光るフラスコそぞろ寒
吐息まで聞こゑてしまふ冬の星
青空に取り残されし熟柿かな
煙には小菊の匂ひ暮れなづむ
車座といふ居心地や翁の忌
◎安部じゅん 選
微笑んでいたき日のあり案山子かな
緊急のダム放流や吾亦紅
吐息まで聞こゑてしまふ冬の星
熟れ柿の芯まで燃えて夕日落つ
満ち足りし冬満月の孤独かな
◎杉山加織 選
人が人愛する力クリスマス
理科室の光るフラスコそぞろ寒
をんなよりをとこは淋し冬林檎
炬燵寝の胎児の夢にかへりけり
車座といふ居心地や翁の忌
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