平成28年3月 月例インターネット句会 Vol.49結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 5句

啓蟄や桜田門に人の波(鈴木由里子)

新築の匂ひに遊ぶつばくらめ(杉山 加織)

大きめの制服仕立て木の芽時(堤 かがり)

フランスの重たき鍋で炊く菜飯(杉山 加織)

春光や影重なりしカメラマン(阿部 天気)


〇入選 29句 

一村に春の兆しや裸馬(鈴木由里子)

春愁をさそふリルケの詩集かな(星野 裕子)

忘却へ靡いていたる春かすみ(阿部 天気)

家族みな気づきもしない豆雛(中野 千秋)

ものの芽や郵便受けに君の文(岩佐 晴子)

シャンソンのもれくる館紫木蓮(はたの としはる)

豆皿の満たす食卓春の雨(杉山 加織)

約束は午前十時や春ショール(はたの としはる)

水芭蕉芽吹きたる日に別れけり(安部じゅん) 

春一番目を回してる風見鶏(星野 裕子)

原宿を抜けて青山春の靴(はたの としはる)

春障子閉めてやはらぐ光かな(峯岸 俊江)

啓蟄や鳩はしきりに地を叩く(杉山 加織)

束縛の指輪に疲れゐる余寒(稲葉 京閑)

みづうみの表面張力春の月(星野 裕子)

雨去りて少し色めく牡丹の芽(峯岸 俊江)

春昼の鏡を通し語り合ふ(中野 千秋)

残されし服の移り香初彼岸(峯岸 俊江)

水面ゆく助走にちから鳥帰る(峯岸 俊江)

照明に少し翳持つ雛かな(稲葉 京閑)

山肌の襞を浮き出す残り雪(阿部ひで希)

のどけしやにはとりあひるやぎうさぎ(岩佐 晴子)

貝寄風や小橋を抜ける賢島(森田 政夫)

綿菓子の春の大気の一袋(中野 千秋)

売地なる立て札ありて揚雲雀(堤 かがり)

気圧良したんぽぽの絮風を待つ(堤 かがり)

振り向けば君のまなざし光る風(はたの としはる)

ままごとの孫のお点前桜餅(峯岸 俊江)

心揺れ色々有りし春霞(脇 望)

 

互選

10票

三月の弾力ありし陶土練る(木暮陶句郎)


6票

心にもありし水辺や水ぬるむ(木暮陶句郎)


5票

水面ゆく助走にちから鳥帰る(峯岸 俊江)

綿菓子の春の大気の一袋(中野 千秋)


3票  

象の鼻伸び来るソフトクリームへ(稲葉 京閑)

原宿を抜けて青山春の靴(はたの としはる)

新築の匂ひに遊ぶつばくらめ(杉山 加織)

啓蟄や鳩はしきりに地を叩く(杉山 加織)

たんぽぽに底抜けの空あるばかり(木暮陶句郎)

あたたかや児は片言をくりかへす(木暮陶句郎)


2票  

一村に春の兆しや裸馬(鈴木由里子)

啓蟄や桜田門に人の波(鈴木由里子)

みづうみの表面張力春の月(星野 裕子)

残されし服の移り香初彼岸(峯岸 俊江)

束縛の指輪に疲れゐる余寒(稲葉 京閑)

シャンソンのもれくる館紫木蓮(はたの としはる)

山城の濠を守りて梅古木(阿部ひで希)

のどけしやにはとりあひるやぎうさぎ(岩佐 晴子)

フランスの重たき鍋で炊く菜飯(杉山 加織)

豆皿の満たす食卓春の雨(杉山 加織)


1票  

北窓を開け南へと風通す(清水 檀)

春泥の足跡数多喪に服す(阿部 天気)

春一番目を回してる風見鶏(星野 裕子)

ままごとの孫のお点前桜餅(峯岸 俊江)

雨去りて少し色めく牡丹の芽(峯岸 俊江)

工房のおどろ未完の雛頭(稲葉 京閑)

歳月に容姿崩るる京雛(稲葉 京閑)

振り向けば君のまなざし光る風(はたの としはる)

さんざめく菜の花揺れし海岸線(安部じゅん)

水芭蕉芽吹きたる日に別れけり(安部じゅん)

紫陽花の根付きし証芽吹きあり(岩佐 晴子)

大きめの制服仕立て木の芽時(堤 かがり)

フェルメールブルーの春のショールかな(中野 千秋)

水差しにほどよく傾ぐチューリップ(中野 千秋)

電子音活き活きとして水の春(杉山 加織)

草萌に衝く少年の膝小僧(木暮陶句郎)

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。 【NEW】陶芸家としても活躍中の陶句郎主宰の個展が2024年9月18日(水)~24(火)に「あべのハルカス近鉄本店」にて開催されます!

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