平成31年4月 月例インターネット句会 Vol.86結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 7句

象嵌の文箱あけたる夜の朧(須藤恵美子)

花虻に楽に生きよと言はれけり(里村 閑)

卒業子母と離れて歩きをり(ななさと紅緒)

春愁や会ふ人はみな陽気なり(堤 かがり)

桜蘂降るや二十歳の日記帳(里村 閑)

花籠のやうに小膝の春ショール(ななさと紅緒)

アトリエはひかりの器木の芽吹く(須藤恵美子)


〇入選 24句 

灯台の明りの先の春の月(竹俣 修)

ヴァイオリンの音色の響く花祭(松本由美子)

春ショール海の匂ひの駅に立つ(須藤恵美子)

蜜蜂や楽器の街のコンクール(安部じゅん)

春夕焼山より高く電波塔(鈴木由里子)

花吹雪みんなこの世の主人公(杉山 加織)

五輪への代表レース花吹雪(竹俣 修)

花冷の城址公園風に添ふ(阿部ひで希)

くづし字のやはらかきこと初桜(松本由美子)

耽美なる恋のドラマや荷風の忌(星野 裕子)

医療ゴミ溢さぬやうに花朧(鈴木由里子)

公園の猿も目をかく杉花粉(阿部ひで希)

夫を待つあくびばかりの春の夜(髙橋千登世)

パンゲアの大陸移動花いかだ(星野 裕子)

答へなき問いもありけり春朧(安部じゅん)

花祭罪深き日も愛されて(鈴木由里子)

蒲公英や牛の草食む阿蘇山地(竹俣 修)

花筵やんちゃを許す父と母(稲葉 京閑)

コンクリの隙間より蟻出でにけり(岩佐 晴子)

散る桜道案内を見失い(安部じゅん)

ポロシャツの襟を開いて入園日(鈴木由里子)

風光る双子コ一デの少女達(松本由美子)

芽柳や銀座通りの銀の雨(ななさと紅緒)

うららかや光を描く散水器(杉山 加織)


互選

6票

春ショール海の匂ひの駅に立つ(須藤恵美子)

アトリエはひかりの器木の芽吹く(須藤恵美子)


4票

花吹雪みんなこの世の主人公(杉山 加織)


3票

野遊や脱ぎ捨ててあるハイヒール(木暮陶句郎)

象嵌の文箱あけたる夜の朧 (須藤恵美子)

答へなき問いもありけり春朧(安部じゅん)

花筏割りて突き出る鯉の口 (杉山 加織)

花形に切る茹で玉子蝶の昼(星野 裕子)

桜蘂降るや二十歳の日記帳 (里村 閑)

影もまた瑞瑞しくて初燕(木暮陶句郎)


2票

春愁や会ふ人はみな陽気なり(堤 かがり)

齢などとうに忘れぬ花衣(ななさと紅緒)

あるときは龍となりけり花筏 (木暮陶句郎)

芽柳や銀座通りの銀の雨(ななさと紅緒)

うららかや光を描く散水器(杉山 加織)

山上湖満たす傾き春北斗 (木暮陶句郎)


1票

灯台の明りの先の春の月(竹俣 修)

ヴァイオリンの音色の響く花祭(松本由美子)

桜貝波ひびくにも傷ついて(星野裕子)

蜜蜂や楽器の街のコンクール(安部じゅん)

盛り上がるシート重なり合ふ花見(堤 かがり)

パレットのやうな弁当水温む(ななさと紅緒)

桜どき鼻唄まじりの厨ごと(清水 檀)

くづし字のやはらかきこと初桜(松本由美子)

卒業子母と離れて歩きをり(ななさと紅緒)

乗り換ふる事もいとはず花行脚(稲葉 京閑)

夫を待つあくびばかりの春の夜(髙橋千登世)

ふはふはの綿飴のごと八重桜(森田 遊馬)

里の酒酌みて翁と花見せむ(里村 閑)

粉砂糖ケーキに散らし春の雪(須藤恵美子)

囀や檻の鸚哥のラブコール(稲葉 京閑)

雪柳揺れる風のかくれんぼ(星野 裕子)


【互選結果】

◎森田遊馬 選

春ショール海の匂ひの駅に立つ

答えなき問いもありけり春朧

粉砂糖ケーキに散らし春の雪

雪柳揺れる風のかくれんぼ

うららかや光を描く散水器


◎須藤恵美子 選

花吹雪みんなこの世の主人公

あるときは龍となりけり花筏

花形に切る茹で玉子蝶の昼

影もまた瑞瑞しくて初燕

芽柳や銀座通りの銀の雨


◎松本由美子 選

野遊や脱ぎ捨ててあるハイヒール

象嵌の文箱あけたる夜の朧

里の酒酌みて翁と花見せむ

桜蘂降るや二十歳の日記帳

アトリエはひかりの器木の芽吹く


◎星野裕子 選

春ショール海の匂ひの駅に立つ

象嵌の文箱あけたる夜の朧

答えなき問いもありけり春朧

アトリエはひかりの器木の芽吹く

山上湖満たす傾き春北斗


◎竹俣修 選

ヴァイオリンの音色の響く花祭

春ショール海の匂ひの駅に立つ

桜どき鼻唄まじりの厨ごと

夫を待つあくびばかりの春の夜

アトリエはひかりの器木の芽吹く


◎稲葉京閑 選

パレットやうな弁当水温む

くづし字のやはらかきこと初桜

齢などとうに忘れぬ花衣

花筏割りて突き出る鯉の口

影もまた瑞瑞しくて初燕

◎清水檀 選

春ショール海の匂ひの駅に立つ

齢などとうに忘れぬ花衣

桜蘂降るや二十歳の日記帳

芽柳や銀座通りの銀の雨

うららかや光を描く散水器


◎鈴木由里子 選

桜貝波ひびくにも傷ついて

蜜蜂や楽器の街のコンクール

桜蘂降るや二十歳の日記帳

影もまた瑞瑞しくて初燕

アトリエはひかりの器木の芽吹く


◎堤かがり 選

春ショール海の匂ひの駅に立つ

花吹雪みんなこの世の主人公

野遊や脱ぎ捨ててあるハイヒール

乗り換ふる事もいとはず花行脚

花筏割りて突き出る鯉の口


◎阿部ひで希 選

盛り上がるシート重なり合ふ花見

象嵌の文箱あけたる夜の朧

ふわふわの綿飴のごと八重桜

春愁や会ふ人はみな陽気なり

囀りや檻の鸚哥のラブコール


◎ななさと紅緒 選

灯台の明りの先の春の月

花吹雪みんなこの世の主人公

答えなき問いもありけり春朧

花形に切る茹で玉子蝶の昼

アトリエはひかりの器木の芽吹く


◎里村閑 選

春ショール海の匂ひの駅に立つ

花吹雪みんなこの世の主人公

花筏割りて突き出る鯉の口

あるときは龍となりけり花筏

山上湖満たす傾き春北斗


◎杉山加織 選

野遊や脱ぎ捨ててあるハイヒール

卒業子母と離れて歩きをり

春愁や会ふ人はみな陽気なり

花形に切る茹で玉子蝶の昼

アトリエはひかりの器木の芽吹く

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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