平成30年12月 月例インターネット句会 Vol.82結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 8句

蜜柑むく自分のことで精一杯(中野 千秋)

麻雀に乗つ取られたる炬燵かな(岩佐 晴子)

朝刊の霜のにほひを開きけり(ななさと紅緒)

冬林檎白雪姫の祖母の年(中野 千秋)

縁起物買ひて始まる年用意(稲葉 京閑)

こだはりの蒲団の重さありにけり(堤 かがり)

来週は冬のパンダを見に行かう(中野 千秋)

革ジャンの背に滲むネオンかな(ななさと紅緒)


〇入選  22句 

今朝の雨霙となりて静かなり(髙橋千登世)

それなりに十一月の庭の冷え(天田 秀樹)

首飾り外してもらふ聖夜かな(ななさと紅緒)

ここだけの話始まる炬燵かな(中野 千秋)

小さき灯を繋ぎジオラマめく霜夜(杉山 加織)

短日や句座終へ帰路の顔締る(阿部ひで希)

枯木立風易々と通り抜け(清水 檀)

歩いては抱つこせがむ子冬うらら(星野 裕子)

ベランダに星見る二人着膨れて(岩佐 晴子)

炉明りや夢の最中に未だ居りて(鈴木由里子)

枯葉舞ふ風の調べに操られ(清水 檀)

柊の匂ひ防犯カメラの門(稲葉 京閑)

毛糸編む母を思えど母は亡く(髙橋千登世)

冬銀河カムパネルラの居ない椅子(星野 裕子)

河豚鍋や一年ぶりの顔揃ふ(堤 かがり)

嚔して善き人を待つランチ席(鈴木由里子)

日記買ふ未来の吾に見せるため(杉山 加織)

立ち読みですます恋占着ぶくれて(ななさと紅緒)

年の市風の速みて歩みける(鈴木由里子)

吾を待つ手袋の指揃ひたる(杉山 加織)

湯豆腐や昭和を語り睦まじく(岩佐 晴子)

白山の酒蔵訪ぬ冬日かな(竹俣 修)


互選

5票

銃口の最も暗し狩の森(木暮陶句郎)


3票

冬木の芽太陽余さず抱きしめて(星野 裕子)

首飾り外してもらふ聖夜かな(ななさと紅緒)

カーテンにこぼれつづけて聖樹の灯(木暮陶句郎)

冬銀河カムパネルラの居ない椅子(星野 裕子)

蜜柑むく自分のことで精一杯(中野 千秋)

心刺す色はくれなゐ冬薔薇(星野 裕子)


2票

千年の天地とともに冬の宮(阿部ひで希)

駆け下りる冬野夕日の匂ひして(堤 かがり)

ここだけの話始まる炬燵かな(中野 千秋)

小さき灯を繋ぎジオラマめく霜夜(杉山 加織)

朝刊の霜のにほひを開きけり(ななさと紅緒)

日記買ふ未来の吾に見せるため(杉山 加織)

極月の森に魁夷の白馬ゆく(木暮陶句郎)

ポインセチア添へる彩り煉瓦カフェ(清水 檀)

冬帝やカナリアの脈薄々し(鈴木由里子)

胸に抱く映画の余韻冬の月(中野 千秋)

湖へモザイクめける散紅葉 (木暮陶句郎)


1票

霜月や道一筋に天満宮(清水 檀)

枯木立風易々と通り抜け(清水 檀)

歩いては抱つこせがむ子冬うらら(星野 裕子)

ゆでたまごいつもふたつのおでんかな(里村 閑)

ベランダに星見る二人着膨れて(岩佐 晴子)

朱・紅・赤・あかの急かする街師走 (ななさと紅緒)

暮早し湖の電飾新機軸(阿部ひで希)

柊の匂ひ防犯カメラの門(稲葉 京閑)

麻雀に乗つ取られたる炬燵かな(岩佐 晴子)

冬林檎白雪姫の祖母の年(中野 千秋)

枯山の斜面ふつくら榛名富士(阿部ひで希)

縁起物買ひて始まる年用意(稲葉 京閑)

鯛焼きのシッポも餡が詰まりをり(髙橋千登世)

こだはりの蒲団の重さありにけり(堤 かがり)

冬めくや頬張る顔もそのひとつ(里村 閑)

立ち読みですます恋占着ぶくれて(ななさと紅緒)

吾を待つ手袋の指揃ひたる(杉山 加織)

日本海冬夕焼けの雲の峰(竹俣 修)

湯豆腐や昭和を語り睦まじく(岩佐 晴子)

革ジャンの背に滲むネオンかな(ななさと紅緒)


互選結果

◎里村 閑 選

駆け下りる冬野夕日の匂ひして

小さき灯を繋ぎジオラマめく霜夜

カーテンにこぼれつづけて聖樹の灯

銃口の最も暗し狩の森

枯山の斜面ふつくら榛名富士


◎堤 かがり 選

ここだけの話始まる炬燵かな

カーテンにこぼれつづけて聖樹の灯

銃口の最も暗し狩の森

吾を待つ手袋の指揃ひたる

心刺す色はくれなゐ冬薔薇


◎竹俣 修 選

霜月や道一筋に天満宮

首飾り外してもらふ聖夜かな

暮早し湖の電飾新機軸

立ち読みですます恋占着ぶくれて

湖へモザイクめける散紅葉


◎髙橋千登世 選

店先の陶に名残りの初時雨

枝折り戸の向かうに石蕗の花の径

稚の手のはじめてつかむ木の実かな

山茶花やしばしの留守にこぼれをり

路線みな小さな駅舎残り菊


◎星野裕子 選

朝刊の霜のにほひを開きけり

極月の森に魁夷の白馬ゆく

ポインセチア添へる彩り煉瓦カフェ

胸に抱く映画の余韻冬の月

湖へモザイクめける散紅葉


◎清水 檀 選

冬木の芽太陽余さず抱きしめて

ここだけの話始まる炬燵かな

蜜柑むく自分のことで精一杯

縁起物買ひて始まる年用意

湯豆腐や昭和を語り睦まじく


◎天田秀樹 選

駆け下りる冬野夕日の匂ひして

冬銀河カムパネルラの居ない椅子

冬林檎白雪姫の祖母の年

心刺す色はくれなゐ冬薔薇

冬帝やカナリアの脈薄々し


◎安部じゅん 選

千年の天地とともに冬の宮

朱・紅・赤・あかの急かする街師走

蜜柑むく自分のことで精一杯

柊の匂い防犯カメラの門

心刺す色はくれなゐ冬薔薇


◎鈴木由里子 選

カーテンにこぼれつづけて聖樹の灯

銃口の最も暗し狩の森

冬銀河カムパネルラの居ない椅子

冬めくや頬張る顔もそのひとつ

革ジャンの背に滲むネオンかな


◎ななさと紅緒 選

千年の天地とともに冬の宮

冬木の芽太陽余さず抱きしめて

麻雀に乗つ取られたる炬燵かな

極月の森に魁夷の白馬ゆく

冬帝やカナリアの脈薄々し


◎岩佐晴子 選

冬木の芽太陽余さず抱きしめて

歩いては抱つこせがむ子冬うらら

日記買ふ未来の吾に見せるため

こだはりの蒲団の重さありにけり

胸に抱く映画の余韻冬の月

◎中野千秋 選


首飾り外してもらふ聖夜かな

ゆでたまごいつもふたつのおでんかな

銃口の最も暗し狩の森

日記買ふ未来の吾に見せるため

鯛焼きのシッポも餡が詰まりをり


◎阿部ひで希 選

小さき灯を繋ぎジオラマめく霜夜

枯木立風易々と通り抜け

ベランダに星見る二人着膨れて

ポインセチア添へる彩り煉瓦カフェ

日本海冬夕焼けの雲の峰


◎杉山加織 選

首飾り外してもらふ聖夜かな

蜜柑むく自分のことで精一杯

銃口の最も暗し狩の森

冬銀河カムパネルラの居ない椅子

朝刊の霜のにほひを開きけり

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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