令和6年2月 月例インターネット句会 Vol.144
木暮陶句郎 選
◎特選 10句
新聞と紅茶と春の暖炉かな(木村 佑)
レタス剥くいつかはひとり旅もして(鈴木由里子)
春鴨の遡らねば流さるる(竹渕 昭彦)
寒月や命に曇る吸入器(稲葉 京閑)
春浅し新聞受けを抜ける風(星野 裕子)
春愁やいつまでもある火傷あと(高橋ちとせ)
花菜漬浅き眠りの味がする(小須賀正幸)
娘の作るポーチドエッグ春うらら(木下美樹枝)
俳句とは何ぞや畦の青き踏み(太田 直史)
言ひたきを言ふまでのこと猫の恋(安部 呑歩)
○入選 28句
水仙花母に抱かれし日の遠く(下境 洋子)
大氷柱小樽運河の夜の街(清水 檀)
尾根筋の影深まりし寒満月(渡辺 真澄)
春告草古墳発掘始まりぬ(小暮 蓮生)
朝東風や陽の落し子を煌めかす(中島 圭子)
満席のスターバックス春の雪(大渕 洋)
取り残す菠薐草は薹を立て(堤 かがり)
早春のショーウィンドの指の跡(杉山 加織)
小正月芸妓の席の右隣(竹俣 修)
金色に又銀色に春の雲(星野 裕子)
節分の隣家の声のにぎやかに(高橋ちとせ)
チューリップ楽しき色に咲いてをり(岩佐 晴子)
母の忌の心地よき風春ショール(太田 直史)
秘密基地今は荒地の犬ふぐり(佐々木一栗)
濁りとは命の息吹水温む(木村 佑)
春の空ヒマラヤ杉の更に上(岩佐 晴子)
お湯割りの湯気朦々と冴返る(大渕 洋)
春泥となりぬ足跡つけてより(木村 佑)
雪解道光の帯を編みながら(杉山 加織)
春あさし夫の検査の異常なし(高橋ちとせ)
如月の風に葉影の移ろへり(渡辺 真澄)
雪掻けば確と大地の硬さかな(木村 佑)
早春の風匂ひ来る曲がり角(杉山 加織)
熱々のコロッケパンや春夕焼(木下美樹枝)
まつすぐに待針立てて針供養(星野 裕子)
春めきて女子会我等七十代(中島 圭子)
下校児の春一番の後ろ髪(木村 佑)
春浅し旅行鞄の硬さかな(堤 かがり)
互選
4点句
寒月や命に曇る吸入器(稲葉 京閑)
満席のスターバックス春の雪(大渕 洋)
春風や双子の眠るベビーカー(佐々木一栗)
レタス剥くいつかはひとり旅もして(鈴木由里子)
3点句
落椿愛のかけらとかいふよ(天田あすなろう)
母の忌の心地よき風春ショール(太田 直史)
秘密基地今は荒地の犬ふぐり(佐々木一栗)
言ひたきを言ふまでのこと猫の恋(安部 呑歩)
見送つてばかりの春に買ふ付箋(鈴木由里子)
2点句
二年坂番傘に溶ける牡丹雪(竹俣 修)
パン一斤かごを飛び出し春隣(木下美樹枝)
熱々のコロッケパンや春夕焼(木下美樹枝)
まつすぐに待針立てて針供養(星野 裕子)
紅梅の少し褪せしもいとほしく(下境 洋子)
蒼天や雪解雫の乱打聞く(清水 檀)
春めくや背に受く風を友となす(天田あすなろう)
尾根筋の影深まりし寒満月(渡辺 真澄)
如月の風に葉影の移ろへり(渡辺 真澄)
花菜漬浅き眠りの味がする(小須賀正幸)
銀輪の青年春を口遊む(竹渕 昭彦)
春一番跳馬のごとくはねる桶(安部 呑歩)
濁りとは命の息吹水温む(木村 佑)
春泥となりぬ足跡つけてより(木村 佑)
鍋底の張り付くミルク冴返る(杉山 加織)
春色といふ濡色の満つる花舗(木暮陶句郎)
1点句
小正月芸妓の席の右隣(竹俣 修)
余命幾許確定申告月(稲葉 京閑)
一列に花菜畑の通学路(星野 裕子)
金色に又銀色に春の雲(星野 裕子)
春浅し新聞受けを抜ける風(星野 裕子)
母の胸いつも暖か水仙花(下境 洋子)
豆撒きや辺り気にして夫小声(下境 洋子)
日脚伸ぶ5時過ぎてから買い物に(高橋ちとせ)
春愁やいつまでもある火傷あと(高橋ちとせ)
春あさし夫の検査の異常なし(高橋ちとせ)
チューリップ楽しき色に咲いてをり(岩佐 晴子)
春の空ヒマラヤ杉の更に上(岩佐 晴子)
春の雪写真添付で知らせ合ひ(岩佐 晴子)
水音の華やぎ増して春立ちぬ(清水 檀)
ひっそりと純白のまま名残り雪(清水 檀)
さみどりへ赤城山ゆるむや春そこに(天田あすなろう)
身のうちの鬼を放ちて春立てり(渡辺 真澄)
北斎の波の隧道燕来る(太田 直史)
俳句とは何ぞや畦の青き踏み(太田 直史)
春告草古墳発掘始まりぬ(小暮 蓮生)
ルビーめく菠薐草の根元赤(小暮 蓮生)
朝東風や陽の落し子を煌めかす(中島 圭子)
お湯割りの湯気朦々と冴返る(大渕 洋)
気がつけば大石死んで春の昼(大渕 洋)
手習ひで青ぬた作り一人喰ふ(小須賀正幸)
男には苦味も必須蕗の薹(安部 呑歩)
新聞と紅茶と春の暖炉かな(木村 佑)
雪掻けば確と大地の硬さかな(木村 佑)
地の温み真つ先に受く犬ふぐり(堤 かがり)
草餅の餡の有無など聞きもして(堤 かがり)
春浅し旅行鞄の硬さかな(堤 かがり)
大枝の雪跳ね上げて澄む朝(山本 彩)
1ミリを残す口紅寒戻る(鈴木由里子)
春寒の日に紛れたる君の背(杉山 加織)
雪解道光の帯を編みながら(杉山 加織)
早春の風匂ひ来る曲がり角(杉山 加織)
大いなる残雪大いなる浅間(木暮陶句郎)
春氷柱ドレミドレミと陽の雫(木暮陶句郎)
雛の髪少し乱れて妬心めく(木暮陶句郎)
互選結果
◎星野裕子 選
(12) 春告草古墳発掘始まりぬ
(43) 濁りとは命の息吹水温む
(63) 花菜漬浅き眠りの味がする
(82) 如月の風に葉影の移ろへり
(105) 落椿愛のかけらとかいふよ
◎渡辺真澄 選
(28) 金色に又銀色に春の雲
(51) 寒月や命に曇る吸入器
(70) 見送つてばかりの春に買ふ付箋
(77) 紅梅の少し褪せしもいとほしく
(90) 言ひたきを言ふまでのこと猫の恋
◎木下美樹枝 選
(22) レタス剥くいつかはひとり旅もして
(44) 地の温み真つ先に受く犬ふぐり
(64) 春風や双子の眠るベビーカー
(70) 見送つてばかりの春に買ふ付箋
(117) 大枝の雪跳ね上げて澄む朝
◎小暮蓮生 選
(14) 満席のスターバックス春の雪
(31) チューリップ楽しき色に咲いてをり
(64) 春風や双子の眠るベビーカー
(78) 春あさし夫の検査の異常なし
(98) 熱々のコロッケパンや春夕焼
◎小須賀正幸 選
(6) 日脚伸ぶ5時過ぎてから買い物に
(33) さみどりへ赤城山ゆるむや春そこに
(83) 俳句とは何ぞや畦の青き踏み
(92) 草餅の餡の有無など聞きもして
(119) 鍋底の張り付くミルク冴返る
◎高橋ちとせ 選
(14) 満席のスターバックス春の雪
(26) パン一斤かごを飛び出し春隣
(29) 母の胸いつも暖か水仙花
(39) 手習ひで青ぬた作り一人喰ふ
(100) まつすぐに待針立てて針供養
◎稲葉京閑 選
(54) 春愁やいつまでもある火傷あと
(64) 春風や双子の眠るベビーカー
(90) 言ひたきを言ふまでのこと猫の恋
◎竹俣修 選
(10) 尾根筋の影深まりし寒満月
(40) 秘密基地今は荒地の犬ふぐり
(79) 春の雪写真添付で知らせ合ひ
(88) 金賞の春陽呼び込む図工室
(98) 熱々のコロッケパンや春夕焼
◎大渕洋 選
(35) 母の忌の心地よき風春ショール
(95) 早春の風匂ひ来る曲がり角
(99) 余命幾許確定申告月
(105) 落椿愛のかけらとかいふよ
(119) 鍋底の張り付くミルク冴返る
◎山本彩 選
(9) 春めくや背に受く風を友となす
(10) 尾根筋の影深まりし寒満月
(52) 春浅し新聞受けを抜ける風
(96) 春氷柱ドレミドレミと陽の雫
(110) 気がつけば大石死んで春の昼
◎下境洋子 選
(1) 二年坂番傘に溶ける牡丹雪
(4) 一列に花菜畑の通学路
(18) 春一番跳馬のごとくはねる桶
(35) 母の忌の心地よき風春ショール
(40) 秘密基地今は荒地の犬ふぐり
◎堤かがり 選
(40) 秘密基地今は荒地の犬ふぐり
(51) 寒月や命に曇る吸入器
(64) 春風や双子の眠るベビーカー
(91) 雪掻けば確と大地の硬さかな
(106) 身のうちの鬼を放ちて春立てり
◎木村佑 選
(17) 銀輪の青年春を口遊む
(22) レタス剥くいつかはひとり旅もして
(51) 寒月や命に曇る吸入器
(70) 見送つてばかりの春に買ふ付箋
(72) 春色といふ濡色の満つる花舗
◎岩佐晴子 選
(14) 満席のスターバックス春の雪
(32) 水音の華やぎ増して春立ちぬ
(35) 母の忌の心地よき風春ショール
(53) 豆撒きや辺り気にして夫小声
(116) 春浅し旅行鞄の硬さかな
◎中島圭子 選
(43) 濁りとは命の息吹水温む
(48) 大いなる残雪大いなる浅間
(71) 雪解道光の帯を編みながら
(72) 春色といふ濡色の満つる花舗
(104) ひっそりと純白のまま名残り雪
◎竹渕昭彦 選
(1) 二年坂番傘に溶ける牡丹雪
(62) お湯割りの湯気朦々と冴返る
(67) 春泥となりぬ足跡つけてより
(80) 蒼天や雪解雫の乱打聞く
(84) ルビーめく菠薐草の根元赤
◎鈴木由里子 選
(18) 春一番跳馬のごとくはねる桶
(25) 小正月芸妓の席の右隣
(55) 春の空ヒマラヤ杉の更に上
(63) 花菜漬浅き眠りの味がする
(100) まつすぐに待針立てて針供養
◎佐々木一栗 選
(9) 春めくや背に受く風を友となす
(13) 朝東風や陽の落し子を煌めかす
(14) 満席のスターバックス春の雪
(80) 蒼天や雪解雫の乱打聞く
(90) 言ひたきを言ふまでのこと猫の恋
◎清水檀 選
(17) 銀輪の青年春を口遊む
(19) 新聞と紅茶と春の暖炉かな
(42) 男には苦味も必須蕗の薹
(59) 北斎の波の隧道燕来る
(67) 春泥となりぬ足跡つけてより
◎天田あすなろう 選
(22) レタス剥くいつかはひとり旅もして
(47) 春寒の日に紛れたる君の背
(77) 紅梅の少し褪せしもいとほしく
(82) 如月の風に葉影の移ろへり
(120) 雛の髪少し乱れて妬心めく
◎杉山加織 選
(22) レタス剥くいつかはひとり旅もして
(26) パン一斤かごを飛び出し春隣
(51) 寒月や命に曇る吸入器
(105) 落椿愛のかけらとかいふよ
(118) 1ミリを残す口紅寒戻る
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