平成30年8月 月例インターネット句会 Vol.78結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 10句

夜顔や闇をよごさずよごされず(里村 閑)

白萩やただうなづいてくるる人(ななさと紅緒)

寝転ろびて探す星座や波涼し(ななさと紅緒)

囚はれぬ心映して夏の海(鈴木由里子)

紛れ無き今日と言ふ日や秋立ちぬ(清水 檀)

墓洗ひ家族旅行に出かけけり(稲葉 京閑)

ふるさとで母になる君鰯雲(里村 閑)

炸裂の花火の火の粉湖に消ゆ(阿部ひで希)

ガソリンを僧はセルフで盆の月(堤 かがり)

人の世の歯車を捨て星祭(杉山 加織)


〇入選 24句 

夏草や負けず嫌ひのアスリート(鈴木由里子)

冷房のきいた個室でオペを待つ(髙橋千登世)

オムレツにケチャップの文字子の夜食(岩佐 晴子)

朝顔を数へて一日始まりぬ(堤 かがり)

秋めくや映画リストに恋の文字(杉山 加織)

川音の中の静寂鮎を釣る(稲葉 京閑)

ジスイズアペン言つてみて夏休み(水上 一葉)

優しさにまさるものなし水中花(鈴木由里子)

火と水の記憶を刻む原爆忌(星野 裕子)

夏終はるオペ室までの長廊下(髙橋千登世)

ギヤマンの瓶の底より秋の声(星野 裕子)

地平線銀漢の突き刺さりけり(安部じゅん)

篠笛の晩夏ゆすぶる二重奏(里村 閑)

鎮魂の御言葉もあり涼新た(水上 一葉)

客送り寂しさ少し盆の月(堤 かがり)

湖は夜を閉ぢ込めたがる星月夜(杉山 加織)

身を任す無数のゆらぎ大花野(中野 千秋)

今年また一日遅れの墓参かな(水上 一葉)

耳よりも胸に響きて揚花火(堤 かがり)

各階止まりのエレベーターや秋暑し(ななさと紅緒)

ひぐらしのなぞりし空の裏表(杉山 加織)

かなかなの声に挽歌の想ひあり(星野 裕子)

空き箱に貝殻ならべ夏惜しむ(ななさと紅緒)

ダンサーの火照りを鎮めかき氷(阿部ひで希)


互選

6票

太陽の乱入したる金魚玉(木暮陶句郎)


4票

住職の声の太さや送り盆(木暮陶句郎)

星を見るかたちに置かれ茄子の馬(木暮陶句郎)


3票

サルビアや会議の後の偏頭痛(鈴木由里子)

夜の秋人に言の葉物に音(星野 裕子)

桐一葉振り向かぬやう渡る橋 (安部じゅん)

夜顔や闇をよごさずよごされず (里村 閑)

ふるさとで母になる君鰯雲(里村 閑)

空き箱に貝殻ならべ夏惜しむ(ななさと紅緒)

陶工の弟子の細腕涼新た(杉山 加織)


2票

川音の中の静寂鮎を釣る(稲葉 京閑)

白樺の奥へと少しづつ秋思(星野 裕子)

火と水の記憶を刻む原爆忌(星野 裕子)

厨事暑さに熱さ加へをり(岩佐 晴子)

朝顔を数へて一日始まりぬ(堤 かがり)

耳よりも胸に響きて揚花火(堤 かがり)

カーテンの波寄せ返す昼寝かな (ななさと紅緒)

寝転ろびて探す星座や波涼し(ななさと紅緒)

ダンサーの火照りを鎮めかき氷 (阿部ひで希)

ひぐらしのなぞりし空の裏表(杉山 加織)

人の世の歯車を捨て星祭(杉山 加織)


1票

夏草や負けず嫌ひのアスリート(鈴木由里子)

囚われぬ心映して夏の海(鈴木由里子)

降り注ぐ光の如き蝉時雨(清水 檀)

ギヤマンの瓶の底より秋の声(星野 裕子)

高床の涼しさ寺の猫眠る(稲葉 京閑)

桔梗や小切れは母の恋衣(里村 閑)

嵯峨野ゆく千年前も虫の闇(中野 千秋)

身を任す無数のゆらぎ大花野(中野 千秋)

新しき消しゴム下ろす涼新た(岩佐 晴子)

ジスイズアペン言つてみて夏休み(水上 一葉)

鎮魂の御言葉もあり涼新た(水上 一葉)

客送り寂しさ少し盆の月(堤 かがり)

ガソリンを僧はセルフで盆の月(堤 かがり)

白萩やただうなづいてくるる人(ななさと紅緒)

新涼や坊主頭の球児たち(木暮陶句郎)

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

0コメント

  • 1000 / 1000