平成30年7月 月例インターネット句会 Vol.77結果発表
木暮陶句郎 選
◎特選 10句
一葉のたわみ蛍の火の重み(星野 裕子)
水打つや勝負の帯の濃紫(ななさと紅緒)
水中花人に好かれず嫌はれず(星野 裕子)
夏草や紙飛行機に展開図(鈴木由里子)
ちぐはぐに動く金魚の目玉かな(堤 かがり)
夏座布団積んで客待つ峠の温泉(阿部ひで希)
熱き砂裸足で掴み海目指す(清水 檀)
流星や岬の舟はオルゴール(鈴木由里子)
夏服にひと日の疲れ地下茶房(星野 裕子)
桃を剥く優しさ全部持ち寄つて(杉山 加織)
〇入選 29句
シヤワー浴ぶ何もなかつた日のやうに(大貫ひすゐ)
潮騒の声よみがへる貝風鈴(清水 檀)
梅雨冷や紅茶に入れる角砂糖(稲葉 京閑)
待つていた塩玉葱の宅急便(水上 一葉)
夏の夜の注ぐ洋酒の琥珀色(大貫ひすゐ)
無住寺の紫陽花句碑の肩に添ふ(阿部ひで希)
みづうみのやうにひろごる夏の空(清水 檀)
下駄からころ洗いざらしの藍浴衣(安部じゅん)
炎天の車は熱の塊に(稲葉 京閑)
虹二重ホースの先に夢の国(岩佐 晴子)
やすらぎに包まれ歩く木下闇(水上 一葉)
月涼し百万ドルの夜景にも(杉山 加織)
冷酒酌む祖父の遺愛の盃に(大貫ひすゐ)
噴水のてつぺんに風集中す(星野 裕子)
蟻地獄散歩急がぬ老ゆる犬(安部じゅん)
昼寝する孫の寝顔や飽きもせず(高橋千登世)
不条理な人生もある戻り梅雨(水上 一葉)
二個入れてバランスの良き水中花(堤 かがり)
日傘貫く香港の陽射しかな(杉山 加織)
ギャマンの冷酒のしづく胸に滲む(清水 檀)
遠い日やサイダー一本もてあます(鬼形 瑞枝)
またの名は女優帽なり銀座朱夏(ななさと紅緒)
水打つて客待つ店の門構へ(大貫ひすゐ)
歌丸の芸事累ヶ淵涼し(安部じゅん)
雲の峰算盤塾の大盛況(鈴木由里子)
明易し俄サッカーファンとなり(岩佐 晴子)
サルビアは昭和の薫り母想ふ(水上 一葉)
雲の峰息して乳房眠りゐる(里村 閑)
指さして夕に小さき夏の月(堤 かがり)
互選
6票
梅雨冷や紅茶に入れる角砂糖(稲葉 京閑)
5票
一葉のたわみ蛍の火の重み(星野 裕子)
ちぐはぐに動く金魚の目玉かな(堤 かがり)
3票
滴りの一滴ごとの長さかな (大貫ひすゐ)
水中花人に好かれず嫌はれず(星野 裕子)
夏服にひと日の疲れ地下茶房(星野 裕子)
鍋磨く次々磨く明易し(岩佐 晴子)
逆らはず白髪受け入れ半夏生(岩佐 晴子)
天辺を知らず伸びゆく雲の峰(杉山 加織)
桃を剥く優しさ全部持ち寄つて(杉山 加織)
月見草恋のメールに嘘少し(木暮陶句郎)
2票
シヤワー浴ぶ何もなかつた日のやうに(大貫ひすゐ)
潮騒の声よみがへる貝風鈴(清水 檀)
熱き砂裸足で掴み海目指す(清水 檀)
一瞬に大地傾く夏出水(星野 裕子)
動くもの隠してをりぬ草いきれ(堤 かがり)
白よりも紫に風夕木槿(木暮陶句郎)
終はりとは始まりであり大夕焼(木暮陶句郎)
1票
夏の夜の注ぐ洋酒の琥珀色(大貫ひすゐ)
冷酒酌む祖父の遺愛の盃に(大貫ひすゐ)
水打つて客待つ店の門構へ(大貫ひすゐ)
師の句碑を洗ひ流すや梅雨の糸(阿部ひで希)
みづうみのやうにひろごる夏の空(清水 檀)
歌丸の芸事累ヶ淵涼し(安部じゅん)
炎天の車は熱の塊に(稲葉 京閑)
単調な風送り来る扇風機(稲葉 京閑)
太陽を覗く湖沼や夏帽子(鈴木由里子)
雲の峰算盤塾の大盛況(鈴木由里子)
虹二重ホースの先に夢の国(岩佐 晴子)
待つていた塩玉葱の宅急便(水上 一葉)
やすらぎに包まれ歩く木下闇(水上 一葉)
タイ解けばレースのカーテン風を抱く(里村 閑)
雲の峰息して乳房眠りゐる(里村 閑)
水打つや勝負の帯の濃紫(ななさと紅緒)
夜のひまはり敗兵の影をひき(ななさと紅緒)
土用鰻女四代うち揃ひ(ななさと紅緒)
指さして夕に小さき夏の月(堤 かがり)
下駄音も寄り添つてゐる宿浴衣(木暮陶句郎)
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