令和5年6月 月例インターネット句会 Vol.136
木暮陶句郎 選
◎特選 10句
振り返る人生模様半夏生(清水 檀)
梅雨の夜やフォークソングのラヂオより(小暮 蓮生)
雲すべて海へと流れ沖縄忌(星野 裕子)
草笛を咥へ家族の最後尾(木村 佑)
油照り無心で漫画読む子らよ(小須賀正幸)
捨てられぬ物ばかりあり更衣(高橋ちとせ)
閉鎖せし茅花流しのゴルフ場(堤 かがり)
曝書する輪ゴムの溶けし文の束(岩佐 晴子)
コピー機の用紙の縒れる梅雨かな(小暮 蓮生)
終業のパソコンを切る涼しさよ(木村 佑)
○入選 23句
水馬のマチネ始まる潦(佐々木一栗)
夏暁の高き積荷の運搬車(木村 佑)
靴紐のいつしか解け木下闇(星野 裕子)
ペーロンの銅鑼と太鼓や櫂光る(中島 圭子)
サルビアや好きになつたら弱いふり(鈴木由里子)
短夜のまた結末を追へぬ夢(杉山 加織)
冷蔵庫ゼリーの固さ何回も(岩佐 晴子)
銀幕の名優そろふ薔薇の園(大渕 洋)
雑多なる庭木の中の枇杷熟るる(稲葉 京閑)
火傷あと深く残りて梅雨に入る(高橋ちとせ)
夕焼の水平線の紫紺かな(木村 佑)
ワクチンの腕の重たき夏蒲団(中島 圭子)
ミシン掛け梅ジャム作り梅雨一日(岩佐 晴子)
新茶くむ三等分に分けながら(高橋ちとせ)
岩を這ふ山蟻の背の黒光(堤 かがり)
冷蔵庫ペットボトルに名を書いて(岩佐 晴子)
明易し小窓に動く鳥の影(森田 遊馬)
冠水の跡乾く間も無くて梅雨(稲葉 京閑)
黒鍵に躓く運指さみだるる(杉山 加織)
十薬や棟割長屋ありし頃(大渕 洋)
占ひのラッキーカラー二重虹(中島 圭子)
マトリョシカ転がる出窓花南瓜(鈴木由里子)
風薫る子の諳んじる名句かな(杉山 加織)
互選
7点句
雲すべて海へと流れ沖縄忌(星野 裕子)
短夜のまた結末を追へぬ夢(杉山 加織)
6点句
終業のパソコンを切る涼しさよ(木村 佑)
4点句
曝書する輪ゴムの溶けし文の束(岩佐 晴子)
捨てられぬ物ばかりあり更衣(高橋ちとせ)
3点句
乳鋲錆ぶ不開の門や夏落葉(稲葉 京閑)
火傷あと深く残りて梅雨に入る(高橋ちとせ)
マトリョシカ転がる出窓花南瓜(鈴木由里子)
2点句
娑羅の花散りて錆ひゆく石畳(清水 檀)
コピー機の用紙の縒れる梅雨かな(小暮 蓮生)
草笛を咥へ家族の最後尾(木村 佑)
ナイターの売り子探してゐる五回(木村 佑)
靴紐のいつしか解け木下闇(星野 裕子)
ペーロンの銅鑼と太鼓や櫂光る(中島 圭子)
夏痩せの親父と望む赤城山(小須賀正幸)
文受くや芒種の朝の優しさに(鈴木由里子)
梅雨晴を来る高らかに戸を開けて(杉山 加織)
1点句
冷蔵庫ペットボトルに名を書いて(岩佐 晴子)
夏あざみ棚田見下ろす若衆かな(竹俣 修)
雨降りの箱根峠の甘酒かな(竹俣 修)
初夏の風三段跳びの日本新(竹俣 修)
予報士のいふ風の来て夕立かな(大渕 洋)
袋掛け今日か明日かと枇杷に訊く(大渕 洋)
十薬や棟割長屋ありし頃(大渕 洋)
半夏生もっと知りたい君のこと(下境 洋子)
鈴なりのほたる袋や愛の花(森田 遊馬)
浜茄子の棘が袖引く浜辺かな(森田 遊馬)
新茶くむ三等分に分けながら(高橋ちとせ)
水馬のマチネ始まる潦(佐々木一栗)
長靴は掌サイズ梅雨に入る(佐々木一栗)
樫若葉練習あとのとんぼ掛け(佐々木一栗)
夕焼の水平線の紫紺かな(木村 佑)
ちさくともブリキの羽よ夏の蝶(星野 裕子)
五月雨を青と想ふて眺めけり(星野 裕子)
夏蚕飼ふ友よ子守のやうに夜も(中島 圭子)
人助け署長の表彰子供の日(太田 直史)
若葉風絵馬嘶きて願適ふ(太田 直史)
ハッとする水着が空をパラセール(太田 直史)
無人の直売所茅花流しかな(堤 かがり)
風薫る子の諳んじる名句かな(杉山 加織)
木の匂ひ濃き新築のバンガロー(木暮陶句郎)
潮の香の黒南風強きテラス席(木暮陶句郎)
紫陽花やかくれんぼする団地の児(木暮陶句郎)
互選結果
◎小須賀正幸 選
(16) 無人の直売所茅花流しかな
(18) 短夜のまた結末を追へぬ夢
(40) 雨降りの箱根峠の甘酒かな
(50) ちさくともブリキの羽よ夏の蝶
(87) 終業のパソコンを切る涼しさよ
◎稲葉京閑 選
(3) 予報士のいふ風の来て夕立かな
(31) 雲すべて海へと流れ沖縄忌
(68) ナイターの売り子探してゐる五回
(77) 曝書する輪ゴムの溶けし文の束
(87) 終業のパソコンを切る涼しさよ
◎小暮蓮生 選
(13) ペーロンの銅鑼と太鼓や櫂光る
(31) 雲すべて海へと流れ沖縄忌
(41) 袋掛け今日か明日かと枇杷に訊く
(78) 初夏の風三段跳びの日本新
(94)風薫る子の諳んじる名句かな
◎中島圭子 選
(8) 水馬のマチネ始まる潦
(31) 雲すべて海へと流れ沖縄忌
(56) 梅雨晴を来る高らかに戸を開けて
(81) 浜茄子の棘が袖引く浜辺かな
(93) マトリョシカ転がる出窓花南瓜
◎堤かがり 選
(12) 靴紐のいつしか解け木下闇
(26) 火傷あと深く残りて梅雨に入る
(45) 新茶くむ三等分に分けながら
(58) 冷蔵庫ペットボトルに名を書いて
(87) 終業のパソコンを切る涼しさよ
◎星野裕子 選
(9) 娑羅の花散りて錆ひゆく石畳
(30) 夕焼の水平線の紫紺かな
(57) 潮の香の黒南風強きテラス席
(64)捨てられぬ物ばかりあり更衣
(74) 文受くや芒種の朝の優しさに
◎岩佐晴子 選
(13) ペーロンの銅鑼と太鼓や櫂光る
(18) 短夜のまた結末を追へぬ夢
(49)草笛を咥へ家族の最後尾
(61) 半夏生もっと知りたい君のこと
(72) 夏痩せの親父と望む赤城山
◎高橋ちとせ 選
(9) 娑羅の花散りて錆ひゆく石畳
(18) 短夜のまた結末を追へぬ夢
(76) 紫陽花やかくれんぼする団地の児
(79) 十薬や棟割長屋ありし頃
(86) コピー機の用紙の縒れる梅雨かな
◎清水檀 選
(18) 短夜のまた結末を追へぬ夢
(31) 雲すべて海へと流れ沖縄忌
(64)捨てられぬ物ばかりあり更衣
(70) 夏蚕飼ふ友よ子守のやうに夜も
(82) 乳鋲錆ぶ不開の門や夏落葉
◎鈴木由里子 選
(12) 靴紐のいつしか解け木下闇
(38) 木の匂ひ濃き新築のバンガロー
(52) ハッとする水着が空をパラセール
(56) 梅雨晴を来る高らかに戸を開けて
(72) 夏痩せの親父と望む赤城山
◎竹俣修 選
(26) 火傷あと深く残りて梅雨に入る
(64)捨てられぬ物ばかりあり更衣
(65) 樫若葉練習あとのとんぼ掛け
(77) 曝書する輪ゴムの溶けし文の束
(93) マトリョシカ転がる出窓花南瓜
◎下境洋子 選
(14) 人助け署長の表彰子供の日
(18) 短夜のまた結末を追へぬ夢
(24) 鈴なりのほたる袋や愛の花
(27) 長靴は掌サイズ梅雨に入る
(33) 若葉風絵馬嘶きて願適ふ
(93) マトリョシカ転がる出窓花南瓜
◎大渕洋 選
(18) 短夜のまた結末を追へぬ夢
(31) 雲すべて海へと流れ沖縄忌
(77) 曝書する輪ゴムの溶けし文の束
(82) 乳鋲錆ぶ不開の門や夏落葉
(87) 終業のパソコンを切る涼しさよ
◎木村佑 選
(26) 火傷あと深く残りて梅雨に入る
(31) 雲すべて海へと流れ沖縄忌
(69) 五月雨を青と想ふて眺めけり
(74) 文受くや芒種の朝の優しさに
(82) 乳鋲錆ぶ不開の門や夏落葉
◎佐々木一栗 選
(2) 夏あざみ棚田見下ろす若衆かな
(18) 短夜のまた結末を追へぬ夢
(31) 雲すべて海へと流れ沖縄忌
(68) ナイターの売り子探してゐる五回
(87) 終業のパソコンを切る涼しさよ
◎杉山加織 選
(49)草笛を咥へ家族の最後尾
(64)捨てられぬ物ばかりあり更衣
(77) 曝書する輪ゴムの溶けし文の束
(86) コピー機の用紙の縒れる梅雨かな
(87) 終業のパソコンを切る涼しさよ
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