令和5年5月 月例インターネット句会 Vol.135

木暮陶句郎 選

◎特選 9句

樟若葉今よりもつと好きになる(鈴木由里子)

つばくろの尾を見てよりの出社かな(木村佑)

更衣して校章の付けどころ(堤 かがり)

葉桜やごしごし洗ふ台布巾(鈴木由里子)

持て余す二合の酒や竹落葉(大渕 洋)

こどもの日ひとり跳ねるとみな跳ねて(佐々木一栗)

花虻の花を離るるとき光る(木村 佑)

新聞の文字掠れゆく目借時(森田 遊馬)

軽々と沢登りゆく山女釣(堤 かがり)


○入選 26句

熊蜂を相手に童虚栄張る(竹俣 修)

そよ風に溺れてゐたるポピーかな(小暮 蓮生)

五本指靴下もどかし走り梅雨(大渕 洋)

マヨネーズ逆立ちしてる夏の夜(星野 裕子)

露天湯に亀の置物緑の夜(中島 圭子)

自転車に乗りて薫風感じをり(高橋ちとせ)

ハンガーの巣の烏の子街育ち(太田 直史)

カーナビの果つる矢印卯波立つ(杉山 加織)

紫蘭咲く住宅街の行き止まり(小暮 蓮生)

風渡る夏野に赤いオープンカー(森田 遊馬)

赤錆の門扉十薬咲き満つる(星野 裕子)

琉金の光を醸す尾鰭かな(木村 佑)

シャンパンの泡が弾けて夏に入る(森田 遊馬)

ブラウスに覗く鎖骨や夏兆す(星野 裕子)

三日月の耳すましをり朴の花(太田 直史)

蛙鳴く他人の恋なら笑えるさ(安部 吞歩)

波音と薫風に身を任せけり(木村 佑)

若葉風森の奥なる写真館(杉山 加織)

万物の全て美し聖五月(高橋ちとせ)

囀りや湖畔のカフェの窯煙る(下境 洋子)

若葉風旧友を待つカフェテラス(小暮 蓮生)

ヘルメット光る自転車風薫る(岩佐 晴子)

風薫る遠近眼鏡新調し(清水 檀)

風五月ミルクゼリーのふるふると(鈴木由里子)

初夏や気泡の多き色ガラス(堤 かがり)

意識して意識せぬふり夏初め(佐々木一栗)

刻まれし夏の思ひ出リーフパイ(鈴木由里子)

こどもの日タネも仕掛けもある手品(木村 佑)


互選

8点句

マヨネーズ逆立ちしてる夏の夜(星野 裕子)


4点句

麦秋を切り裂くやうに両毛線(大渕 洋)

真新し一村照らす鯉のぼり(堤 かがり)

カーナビの果つる矢印卯波立つ(杉山 加織)

夢の淵崩るるごとく牡丹散る(杉山 加織)


3点句

藻の花の吐き出す泡の呪文かな(星野 裕子)

無造作に咲きて可憐や姫女苑(清水 檀)

菖蒲湯や父の小言を耳元に(太田 直史)

カーネーション小さき家出を繰り返す(鈴木由里子)

つばくろの尾を見てよりの出社かな(木村 佑)

こどもの日タネも仕掛けもある手品(木村 佑)

初夏や気泡の多き色ガラス(堤 かがり)

軽々と沢登りゆく山女釣(堤 かがり)

若葉風森の奥なる写真館(杉山 加織)

地下鉄のドアに直して祭髪(木暮陶句郎)

人のみにある善と悪蟻地獄(木暮陶句郎)


2点句

蛇苺あげるあげると童の手(竹俣 修)

囀りや湖畔のカフェの窯煙る(下境 洋子)

シャンパンの泡が弾けて夏に入る(森田 遊馬)

万緑や葉のそれぞれにある個性(岩佐 晴子)

新緑にポツンと木椅子バス停に(清水 檀)

モッツァレラ溶けだすピザや五月晴(佐々木一栗)

花虻の花を離るるとき光る(木村 佑)

更衣して校章の付けどころ(堤 かがり)

軍手染め軍手濡らして草を引く(木暮陶句郎)


1点句

藤の花森の淀みに映りけり(竹俣 修)

働きて五十日目の青嵐(竹俣 修)

そよ風に溺れてゐたるポピーかな(小暮 蓮生)

若葉風旧友を待つカフェテラス(小暮 蓮生)

五本指靴下もどかし走り梅雨(大渕 洋)

馬に遣る程の薬や桐の花(大渕 洋)

赤錆の門扉十薬咲き満つる(星野 裕子)

ブラウスに覗く鎖骨や夏兆す(星野 裕子)

納骨に寂しさ新た新茶汲む(岩佐 晴子)

銀色の足跡残し蝸牛(岩佐 晴子)

新任のタクトの気迫春が行く(清水 檀)

賑やかに過ごす連休五月晴(清水 檀)

老鶯のこゑ高岩に響きけり(中島 圭子)

ほつぺたと競ふ大粒やよいひめ(佐々木一栗)

鯉のぼりメロディラインのお出迎へ(佐々木一栗)

こどもの日ひとり跳ねるとみな跳ねて(佐々木一栗)

意識して意識せぬふり夏初め(佐々木一栗)

ハンガーの巣の烏の子街育ち(太田 直史)

蓋開けりゃ鶏のバタ焼き梅干と(小須賀正幸)

渋川で買ひし白靴五年越し(小須賀正幸)

卯波立つラインダンスの白兎(安部 呑歩)

耳朶にかゆみの気配夏近し(天田あすなろう)

葉桜やごしごし洗ふ台布巾(鈴木由里子)

風五月ミルクゼリーのふるふると(鈴木由里子)

鉄線の花の迎へるティールーム(杉山 加織)

夏めくや天窓よぎる碧き風(木暮陶句郎)


互選結果

◎星野裕子 選

(20) 夏めくや天窓よぎる碧き風

(46) シャンパンの泡が弾けて夏に入る

(59) 若葉風森の奥なる写真館

(78) 初夏や気泡の多き色ガラス

(88) 万緑や葉のそれぞれにある個性


◎小暮蓮生 選

(19) カーナビの果つる矢印卯波立つ

(46) シャンパンの泡が弾けて夏に入る

(51) こどもの日ひとり跳ねるとみな跳ねて

(55) 耳朶にかゆみの気配夏近し

(62) 囀りや湖畔のカフェの窯煙る


◎中島圭子 選

(7) マヨネーズ逆立ちしてる夏の夜

(12) ハンガーの巣の烏の子街育ち

(17) つばくろの尾を見てよりの出社かな

(19) カーナビの果つる矢印卯波立つ

(38) 真新し一村照らす鯉のぼり


◎鈴木由里子 選

(7) マヨネーズ逆立ちしてる夏の夜

(49) 賑やかに過ごす連休五月晴

(62) 囀りや湖畔のカフェの窯煙る

(72) 菖蒲湯や父の小言を耳元に

(98) 軽々と沢登りゆく山女釣


◎岩佐晴子 選

(38) 真新し一村照らす鯉のぼり

(74) 卯波立つラインダンスの白兎

(80) 地下鉄のドアに直して祭髪

(89) 新緑にポツンと木椅子バス停に

(97) こどもの日タネも仕掛けもある手品


◎稲葉京閑 選

(18) 更衣して校章の付けどころ

(56) カーネーション小さき家出を繰り返す

(64) 麦秋を切り裂くやふに両毛線

(87) 藻の花の吐き出す泡の呪文かな

(97) こどもの日タネも仕掛けもある手品


◎下境洋子 選

(7) マヨネーズ逆立ちしてる夏の夜

(11) ほつぺたと競ふ大粒やよいひめ

(29) 無造作に咲きて可憐や姫女苑

(36) 葉桜やごしごし洗ふ台布巾

(76) 風五月ミルクゼリーのふるふると


◎高橋ちとせ 選

(29) 無造作に咲きて可憐や姫女苑

(47) ブラウスに覗く鎖骨や夏兆す

(79) 夢の淵崩るるごとく牡丹散る

(89) 新緑にポツンと木椅子バス停に

(99) 鉄線の花の迎へるティールーム


◎堤かがり 選

(8) 納骨に寂しさ新た新茶汲む

(63) 若葉風旧友を待つカフェテラス

(72) 菖蒲湯や父の小言を耳元に

(77) 花虻の花を離るるとき光る

(100) 人のみにある善と悪蟻地獄


◎大渕洋 選

(19) カーナビの果つる矢印卯波立つ

(28) 銀色の足跡残し蝸牛

(59) 若葉風森の奥なる写真館

(79) 夢の淵崩るるごとく牡丹散る

(80) 地下鉄のドアに直して祭髪

(81) 蛇苺あげるあげると童の手


◎小須賀正幸 選

(7) マヨネーズ逆立ちしてる夏の夜

(21) 藤の花森の淀みに映りけり

(40) 軍手染め軍手濡らして草を引く

(64) 麦秋を切り裂くやふに両毛線

(81) 蛇苺あげるあげると童の手


◎安部呑歩 選

(7) マヨネーズ逆立ちしてる夏の夜

(31) 鯉のぼりメロディラインのお出迎へ

(56) カーネーション小さき家出を繰り返す

(72) 菖蒲湯や父の小言を耳元に

(100) 人のみにある善と悪蟻地獄


◎竹俣修 選

(13) 蓋開けりゃ鶏のバタ焼き梅干と

(17) つばくろの尾を見てよりの出社かな

(53) 渋川で買ひし白靴五年越し

(90) 老鶯のこゑ高岩に響きけり

(98) 軽々と沢登りゆく山女釣


◎太田直史 選

(4) 五本指靴下もどかし走り梅雨

(56) カーネーション小さき家出を繰り返す

(78) 初夏や気泡の多き色ガラス

(79) 夢の淵崩るるごとく牡丹散る

(87) 藻の花の吐き出す泡の呪文かな


◎清水檀 選

(7) マヨネーズ逆立ちしてる夏の夜

(19) カーナビの果つる矢印卯波立つ

(27) 赤錆の門扉十薬咲き満つる

(38) 真新し一村照らす鯉のぼり

(64) 麦秋を切り裂くやふに両毛線


◎木村佑 選

(3) そよ風に溺れてゐたるポピーかな

(29) 無造作に咲きて可憐や姫女苑

(71) モッツァレラ溶けだすピザや五月晴

(80) 地下鉄のドアに直して祭髪

(91) 意識して意識せぬふり夏初め


◎天田あすなろう 選

(38) 真新し一村照らす鯉のぼり

(59) 若葉風森の奥なる写真館

(64) 麦秋を切り裂くやふに両毛線

(79) 夢の淵崩るるごとく牡丹散る

(87) 藻の花の吐き出す泡の呪文かな


◎森田遊馬 選

(7) マヨネーズ逆立ちしてる夏の夜

(24) 馬に遣る程の薬や桐の花

(61) 働きて五十日目の青嵐

(71) モッツァレラ溶けだすピザや五月晴

(88) 万緑や葉のそれぞれにある個性


◎佐々木一栗 選

(9) 新任のタクトの気迫春が行く

(17) つばくろの尾を見てよりの出社かな

(18) 更衣して校章の付けどころ

(40) 軍手染め軍手濡らして草を引く

(98) 軽々と沢登りゆく山女釣



◎杉山加織 選

(7) マヨネーズ逆立ちしてる夏の夜

(77) 花虻の花を離るるとき光る

(78) 初夏や気泡の多き色ガラス

(97) こどもの日タネも仕掛けもある手品

(100) 人のみにある善と悪蟻地獄

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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