令和4年11月 月例インターネット句会 Vol.129

木暮陶句郎 選

◎特選 10句

大好きな人だつたはず冬木の芽(鈴木由里子)

いつも会ふ子の声変わり今朝の冬(太田 直史)

銀杏散る肩打つ物や過去のもの(竹俣 修)

神無月昨日の記憶抜け落ちて(杉山 加織)

埃焼く匂い今年の掘り炬燵(大渕 洋)

初霜や平安の歌採譜して(安部 呑歩)

やはらかさ失ふ踵冬来る(堤 かがり)

山茶花や出窓より顔見せる猫(小暮 肇)

すり減りし魚板の鱗初時雨(堤 かがり)

松茸を盛る陶板の荒々し(中島 圭子)


○入選 22句

(1) 厳島のとほき雅楽や秋の昼(竹俣 修)

(5) 秋高しウォークラリーのスタンプ印(稲葉 京閑)

(8) 休診の後の閉院秋曇(中島 圭子)

(16) 芭蕉忌や雲を見やれば旅心(木村 佑)

(20) 小春風懐メロ続くカーラジオ(杉山 加織)

(22) 新雪の浅間を見むと上武道(大渕 洋)

(26) 大空の時惜しむかに冬紅葉(星野 裕子)

(27) 枯芒等身大のわが身かな(森田 遊馬)

(28) 金色に鳥居の奥の石蕗の花(中島 圭子)

(29) 熱燗や皆既月食てふ肴(小暮 肇)

(31) 小春日の風よいつでも味方して(鈴木由里子)

(34) 熟成の鹿肉うまし神の留守(太田 直史)

(37) 竹馬の高さを誇る童かな(安部 呑歩)

(38) 冬めきて風に生まるる細き声(堤 かがり)

(45) 旗持ちは報道スタッフ秋祭(稲葉 京閑)

(52) 小腹へと生チョコ届けかみなづき(小須賀正幸)

(65) 本堂は景品会場里祭(稲葉 京閑)

(68) 秋深し湯の香いざなふ文学碑(中島 圭子)

(76) 初時雨立ち食ひ蕎麦をすする背(木村 佑)

(80) 小夜時雨ポストの闇を探りをり(杉山 加織)

(98) けちらして落葉の深さ楽しめり(堤 かがり)

(100) 乾杯はお茶で小春の祝賀会(杉山 加織)


互選

7点句

芭蕉忌や雲を見やれば旅心(木村 佑)


6点句

銀杏散る金の欠片と詩の欠片(清水 檀)


5点句

蕎麦掻や風が窓打つ奥信濃(木暮陶句郎)

銀杏散るはらはらと世事落とす如(星野 裕子)


4点句

電線の終わりは我が家冬紅葉(岩佐 晴子)

草の花好きな言葉はありがたう(木村 佑)

やはらかさ失ふ踵冬来る(堤 かがり)


3点句

本堂は景品会場里祭(稲葉 京閑)

大好きな人だつたはず冬木の芽(鈴木由里子)

担がれし小判の光る熊手かな(堤 かがり)


2点句

綿虫の夕日と共に消えていく(高橋ちとせ)

秋日和開かず捨てる古日記(下境 洋子)

鳥ゆくと見れば小春のちぎれ雲(星野 裕子)

銀杏散るはらはらと世事落とす如(星野 裕子)

秋深し湯の香いざなふ文学碑(中島 圭子)

松茸を盛る陶板の荒々し(中島 圭子)

熱燗や皆既月食てふ肴(小暮 肇)

小春日や大きく揺れるイヤリング(小暮 肇)

いつも会ふ子の声変わり今朝の冬(太田 直史)

語らひのベンチへ銀杏降りしきる(木村 佑)

初時雨立ち食ひ蕎麦をすする背(木村 佑)

茶の花のころがり落つる山の水(安部 吞歩)

すり減りし魚板の鱗初時雨(堤 かがり)

冬の月欠けゆく電波塔の上(木暮陶句郎)

短日の椅子の固さを淋しみぬ(木暮陶句郎)

小夜時雨ポストの闇を探りをり(杉山 加織)


1点句

厳島のとほき雅楽や秋の昼(竹俣 修)

枇杷の花母に似たるや色も香も(大渕 洋)

埃焼く匂い今年の掘り炬燵(大渕 洋)

冬初めひねもす薪を焚きにけり(高橋ちとせ)

「おい」「なに」で交わす夫婦や庭紅葉(下境 洋子)

大空の時惜しむかに冬紅葉(星野 裕子)

ふぐ刺しや内か外かの迷い箸(森田 遊馬)

寄鍋のふたを開ければ皆笑顔(森田 遊馬)

トテ馬車の並足軽く紅葉狩(中島 圭子)

神の旅河原に集ふアドバルーン(佐々木一栗)

夢最中君と会ひたる冬銀河(鈴木由里子)

熟成の鹿肉うまし神の留守(太田 直史)

砕けたる落葉の上へ落葉かな(木村 佑)

冬めきて風に生まるる細き声(堤 かがり)

けちらして落葉の深さ楽しめり(堤 かがり)

小春風懐メロ続くカーラジオ(杉山 加織)

神無月昨日の記憶抜け落ちて(杉山 加織)

ざくざくと音を拡げて木の葉道(杉山 加織)

乾杯はお茶で小春の祝賀会(杉山 加織)


互選結果

◎星野裕子 選

(36) 語らひのベンチへ銀杏降りしきる

(51) 夢最中君と会ひたる冬銀河

(75) 銀杏散る金の欠片と詩の欠片

(80) 小夜時雨ポストの闇を探りをり

(96) 草の花好きな言葉はありがたう


◎稲葉京閑 選

(3) 綿虫の夕日と共に消えていく

(18) 担がれし小判の光る熊手かな

(23) 冬初めひねもす薪を焚きにけり

(26) 大空の時惜しむかに冬紅葉

(99) 短日の椅子の固さを淋しみぬ


◎竹俣修 選

(14) いつも会ふ子の声変わり今朝の冬

(18) 担がれし小判の光る熊手かな

(24) 秋日和開かず捨てる古日記

(42) 埃焼く匂い今年の掘り炬燵

(79) 冬の月欠けゆく電波塔の上


◎小暮肇 選

(48) トテ馬車の並足軽く紅葉狩

(66) 陽を透かし陽をはね返す紅葉川

(68) 秋深し湯の香いざなふ文学碑

(75) 銀杏散る金の欠片と詩の欠片

(87) 寄鍋のふたを開ければ皆笑顔


◎小須賀正幸

(3) 綿虫の夕日と共に消えていく

(16) 芭蕉忌や雲を見やれば旅心

(47) ふぐ刺しや内か外かの迷い箸

(75) 銀杏散る金の欠片と詩の欠片

(97) 茶の花のころがり落つる山の水


◎高橋ちとせ 選

(14) いつも会ふ子の声変わり今朝の冬

(16) 芭蕉忌や雲を見やれば旅心

(36) 語らひのベンチへ銀杏降りしきる

(76) 初時雨立ち食ひ蕎麦をすする背

(86) 銀杏散るはらはらと世事落とす如


◎堤かがり 選

(16) 芭蕉忌や雲を見やれば旅心

(33) 電線の終わりは我が家冬紅葉

(60) ざくざくと音を拡げて木の葉道

(66) 陽を透かし陽をはね返す紅葉川

(96) 草の花好きな言葉はありがたう


◎中島圭子 選

(39) 蕎麦掻や風が窓打つ奥信濃

(65) 本堂は景品会場里祭

(75) 銀杏散る金の欠片と詩の欠片

(80) 小夜時雨ポストの闇を探りをり

(98) けちらして落葉の深さ楽しめり


◎大渕洋 選

(16) 芭蕉忌や雲を見やれば旅心

(24) 秋日和開かず捨てる古日記

(39) 蕎麦掻や風が窓打つ奥信濃

(75) 銀杏散る金の欠片と詩の欠片

(86) 銀杏散るはらはらと世事落とす如


◎鈴木由里子 選

(39) 蕎麦掻や風が窓打つ奥信濃

(49) 小春日や大きく揺れるイヤリング

(58) やはらかさ失ふ踵冬来る

(75) 銀杏散る金の欠片と詩の欠片

(99) 短日の椅子の固さを淋しみぬ


◎森田遊馬 選

(16) 芭蕉忌や雲を見やれば旅心

(34) 熟成の鹿肉うまし神の留守

(46) 鳥ゆくと見れば小春のちぎれ雲

(66) 陽を透かし陽をはね返す紅葉川

(97) 茶の花のころがり落つる山の水


◎下境洋子 選

(1) 厳島のとほき雅楽や秋の昼

(11) 大好きな人だつたはず冬木の芽

(33) 電線の終わりは我が家冬紅葉

(50) 神の旅河原に集ふアドバルーン

(96) 草の花好きな言葉はありがたう


◎木村佑 選

(46) 鳥ゆくと見れば小春のちぎれ雲

(58) やはらかさ失ふ踵冬来る

(79) 冬の月欠けゆく電波塔の上

(84) 「おい」「なに」で交わす夫婦や庭紅葉

(100) 乾杯はお茶で小春の祝賀会


◎清水檀 選

(16) 芭蕉忌や雲を見やれば旅心

(29) 熱燗や皆既月食てふ肴

(33) 電線の終わりは我が家冬紅葉

(68) 秋深し湯の香いざなふ文学碑

(76) 初時雨立ち食ひ蕎麦をすする背


◎岩佐晴子 選

(16) 芭蕉忌や雲を見やれば旅心

(18) 担がれし小判の光る熊手かな

(49) 小春日や大きく揺れるイヤリング

(56) 砕けたる落葉の上へ落葉かな

(96) 草の花好きな言葉はありがたう


◎佐々木一栗 選

(33) 電線の終わりは我が家冬紅葉

(38) 冬めきて風に生まるる細き声

(58) やはらかさ失ふ踵冬来る

(65) 本堂は景品会場里祭

(88) 松茸を盛る陶板の荒々し


◎太田直史 選

(2) 枇杷の花母に似たるや色も香も

(39) 蕎麦掻や風が窓打つ奥信濃

(40) 神無月昨日の記憶抜け落ちて

(66) 陽を透かし陽をはね返す紅葉川

(78) すり減りし魚板の鱗初時雨


◎安部吞歩 選

(11) 大好きな人だつたはず冬木の芽

(20) 小春風懐メロ続くカーラジオ

(29) 熱燗や皆既月食てふ肴

(65) 本堂は景品会場里祭

(66) 陽を透かし陽をはね返す紅葉川


◎杉山加織 選

(11) 大好きな人だつたはず冬木の芽

(39) 蕎麦掻や風が窓打つ奥信濃

(58) やはらかさ失ふ踵冬来る

(78) すり減りし魚板の鱗初時雨

(88) 松茸を盛る陶板の荒々し

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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