令和4年10月 月例インターネット句会 Vol.128
木暮陶句郎 選
◎特選 9句
爽やかやグーとパーしか出さぬ孫(佐々木一栗)
晩稲田の暮れゆく風の中にをり(木村 佑)
柳散る己が命の使い方(稲葉 京閑)
豊の秋火にも水にも神御座す(星野 裕子)
月並み句酒の力で消す夜長(大渕 洋)
天辺と言ふ心地良さ鵙高音(稲葉 京閑)
秋風や佐渡を見晴らす弥彦山(佐々木一栗)
秋天に引き寄せらるる地球かな(森田 遊馬)
冬瓜の好きな娘は良き母に(岩佐 晴子)
○入選 24句
秋の空高くなんにもなく高く(大渕洋)
淋しさの後ろより来る夜寒かな(星野 裕子)
吾が胸へ轟き落つる秋の滝(下境 洋子)
多作多捨句帳にしるす獺祭忌(小暮 肇)
係船のロープの軋み冬近し(木村 佑)
遠慮なき仲間集ひて菊の酒(堤 かがり)
谷町に文楽学び金風忌(小須賀正幸)
今年酒辰砂の盃に滑らせり(杉山 加織)
ふるさとへ列車で向ふ星月夜(竹俣修)
そよ風を欲しがっている秋桜(岩佐 晴子)
老人に席を譲る子冬近し(鈴木由里子)
塗り替へしハートのオブジェ小鳥来る(杉山 加織)
息切らせよじ登る岩黒檜は秋(下境 洋子)
秋風やきのうと違ふ香を乗せて(清水 檀)
痩せし父の緩き歩みや暮の秋(木村 佑)
珍しき茸調べる山暮らし(岩佐 晴子)
秋晴や待ち合はせにはまだ早し(堤 かがり)
早々と送つてくれし今年米(高橋ちとせ)
守るもの無くし案山子の長き足(星野 裕子)
水澄むや光織りなす櫂の先(木村 佑)
流鏑馬の馬艶やかに天高し(岩佐 晴子)
コスモスの古墳を覆ひつくしけり(安部 呑歩)
団栗のあそぼあそぼと落つるかな(下境 洋子)
妙義嶺の尖りを隠す今日の霧(清水 檀)
互選
5点句
淋しさの後ろより来る夜寒かな(星野裕子)
守るもの無くし案山子の長き足(星野 裕子)
団栗のあそぼあそぼと落つるかな(下境 洋子)
4点句
係船のロープの軋み冬近し(木村 佑)
起こされて釣瓶落しの保健室(木暮陶句郎)
3点句
秋の空高くなんにもなく高く(大渕洋)
山路来て牧水の詩碑秋澄めり(中島 圭子)
ときをりは風に瞬き水澄めり(木暮陶句郎)
天辺と言ふ心地良さ鵙高音(稲葉 京閑)
水澄むや光織りなす櫂の先(木村 佑)
露寒や人形の眼の硝子玉(木暮陶句郎)
朗々と空を押し上げ運動会(木村 佑)
微熱めく鐘の残響暮の秋(杉山 加織)
2点句
爽やかやグーとパーしか出さぬ孫(佐々木一栗)
今年酒辰砂の盃に滑らせり(杉山 加織)
思い出のこぼれてきさう後の月(清水 檀)
晩稲田の暮れゆく風の中にをり(木村 佑)
塗り替へしハートのオブジェ小鳥来る(杉山 加織)
豊の秋火にも水にも神御座す(星野 裕子)
秋風やきのうと違ふ香を乗せて(清水 檀)
田の神の肩の荷下す豊の秋(太田 直史)
赤い羽根付けて帰ればなつく猫(木暮陶句郎)
カシオペア森の鼓動を感じゐる(佐々木一栗)
冬瓜の好きな娘は良き母に(岩佐 晴子)
末枯て叱つてばかりの介護かな(安部 吞歩)
1点句
谷町に文楽学び金風忌(小須賀正幸)
ふるさとへ列車で向ふ星月夜(竹俣修)
物語ひとつ生まるる秋の夜(星野 裕子)
晴天にアルプス遥か草紅葉(下境 洋子)
鱗雲向かいあつてのストレッチ(佐々木一栗)
切なさに花占ひの野菊摘む(堤 かがり)
銀漢で水切りしている宇宙人(太田 直史)
団栗の丸み象る殻斗かな(山本 彩)
柳散る己が命の使い方(稲葉 京閑)
痩せし父の緩き歩みや暮の秋(木村 佑)
U字溝ころがつてゆく木の実かな(佐々木一栗)
珍しき茸調べる山暮らし(岩佐 晴子)
秋晴や待ち合はせにはまだ早し(堤 かがり)
かさかさの鬼灯透けて膨らむ実(安部 呑歩)
名残の茶道頓堀へ馳せ参じ(小須賀正幸)
地球にも機嫌ありけり山葡萄(杉山 加織)
月並み句酒の力で消す夜長(大渕洋)
秋の浜大路へ続く段葛(中島 圭子)
流鏑馬の馬艶やかに天高し(岩佐 晴子)
無人駅迎へ待つ間の後の月(堤 かがり)
秋深し絹のやうなるファルセット(杉山 加織)
鹿鳴けば若き吾あり岡公園(大渕洋)
妙義嶺の尖りを隠す今日の霧(清水 檀)
秋高し高し太陽邪魔なほど(木暮陶句郎)
互選結果
◎木村佑 選
(33) 鱗雲向かいあつてのストレッチ
(47) 豊の秋火にも水にも神御座す
(56) 秋晴や待ち合はせにはまだ早し
(68) 守るもの無くし案山子の長き足
(90) 団栗のあそぼあそぼと落つるかな
◎高橋ちとせ 選
(5) 淋しさの後ろより来る夜寒かな
(27) 晴天にアルプス遥か草紅葉
(41) 起こされて釣瓶落しの保健室
(90) 団栗のあそぼあそぼと落つるかな
(105) 微熱めく鐘の残響暮の秋
◎山本彩 選
(11) 係船のロープの軋み冬近し
(32) 晩稲田の暮れゆく風の中にをり
(41) 起こされて釣瓶落しの保健室
(66) 天辺と言ふ心地良さ鵙高音
(68) 守るもの無くし案山子の長き足
◎小暮肇 選
(5) 淋しさの後ろより来る夜寒かな
(26) 物語ひとつ生まるる秋の夜
(51) 秋風やきのうと違ふ香を乗せて
(83) 露寒や人形の眼の硝子玉
(95) 朗々と空を押し上げ運動会
◎大渕洋 選
(20) ときをりは風に瞬き水澄めり
(39) 団栗の丸み象る殻斗かな
(57) 田の神の肩の荷下す豊の秋
(97) 冬瓜の好きな娘は良き母に
(104) 秋高し高し太陽邪魔なほど
◎岩佐晴子 選
(5) 淋しさの後ろより来る夜寒かな
(20) ときをりは風に瞬き水澄めり
(45) 柳散る己が命の使い方
(63) 地球にも機嫌ありけり山葡萄
(66) 天辺と言ふ心地良さ鵙高音
◎小須賀正幸 選
(1) 秋の空高くなんにもなく高く
(55) 珍しき茸調べる山暮らし
(77) 無人駅迎へ待つ間の後の月
(90) 団栗のあそぼあそぼと落つるかな
(93) 妙義嶺の尖りを隠す今日の霧
◎中島圭子 選
(11) 係船のロープの軋み冬近し
(19) 谷町に文楽学び金風忌
(21) 今年酒辰砂の盃に滑らせり
(90) 団栗のあそぼあそぼと落つるかな
(95) 朗々と空を押し上げ運動会
◎下境洋子 選
(12) 爽やかやグーとパーしか出さぬ孫
(30) 思い出のこぼれてきさう後の月
(41) 起こされて釣瓶落しの保健室
(57) 田の神の肩の荷下す豊の秋
(101) 末枯て叱つてばかりの介護かな
◎堤かがり 選
(5) 淋しさの後ろより来る夜寒かな
(42) 塗り替へしハートのオブジェ小鳥来る
(68) 守るもの無くし案山子の長き足
(95) 朗々と空を押し上げ運動会
(105) 微熱めく鐘の残響暮の秋
◎清水檀 選
(21) 今年酒辰砂の盃に滑らせり
(47) 豊の秋火にも水にも神御座す
(70) 秋の浜大路へ続く段葛
(83) 露寒や人形の眼の硝子玉
(105) 微熱めく鐘の残響暮の秋
◎太田直史 選
11) 係船のロープの軋み冬近し
(41) 起こされて釣瓶落しの保健室
(59) かさかさの鬼灯透けて膨らむ実
(61) 名残の茶道頓堀へ馳せ参じ
(74) 水澄むや光織りなす櫂の先
◎鈴木由里子 選
(36) 銀漢で水切りしている宇宙人
(42) 塗り替へしハートのオブジェ小鳥来る
(74) 水澄むや光織りなす櫂の先
(84) 秋深し絹のやうなるファルセット
(96) カシオペア森の鼓動を感じゐる
◎竹俣修 選
(7) 山路来て牧水の詩碑秋澄めり
(11) 係船のロープの軋み冬近し
(35) 切なさに花占ひの野菊摘む
(76) 流鏑馬の馬艶やかに天高し
(101) 末枯て叱つてばかりの介護かな
◎佐々木一栗 選
(1) 秋の空高くなんにもなく高く
(20) ときをりは風に瞬き水澄めり
(30) 思い出のこぼれてきさう後の月
(32) 晩稲田の暮れゆく風の中にをり
(51) 秋風やきのうと違ふ香を乗せて
◎佐藤聡 選
(7) 山路来て牧水の詩碑秋澄めり
(53) 痩せし父の緩き歩みや暮の秋
(62) 赤い羽根付けて帰ればなつく猫
(85) 鹿鳴けば若き吾あり岡公園
(97) 冬瓜の好きな娘は良き母に
◎安部呑歩 選
(1) 秋の空高くなんにもなく高く
(54) U字溝ころがつてゆく木の実かな
(64) 月並み句酒の力で消す夜長
(68) 守るもの無くし案山子の長き足
(90) 団栗のあそぼあそぼと落つるかな
◎星野裕子 選
(7) 山路来て牧水の詩碑秋澄めり
(23) ふるさとへ列車で向ふ星月夜
(66) 天辺と言ふ心地良さ鵙高音
(74) 水澄むや光織りなす櫂の先
(96) カシオペア森の鼓動を感じゐる
◎杉山加織 選
(5) 淋しさの後ろより来る夜寒かな
(12) 爽やかやグーとパーしか出さぬ孫
(62) 赤い羽根付けて帰ればなつく猫
(68) 守るもの無くし案山子の長き足
(83) 露寒や人形の眼の硝子玉
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