令和4年8月 月例インターネット句会 Vol.126

木暮陶句郎 選

◎特選 9句

大西日長き伊勢屋の紺暖簾(大渕 洋)

片蔭を拾って急ぐ昼休み(小暮 肇)

行雲の影一瞬の涼しさよ(稲葉 京閑)

手応へのなき手応へや西瓜割(木村 佑)

日焼け止め効果疑ひながら塗る(稲葉 京閑)

トロ箱の太刀魚の尾の曲がりけり(木村 佑)

手際よく店主の掬ふ新豆腐(堤 かがり)

蜩の呼びあうやうになく夕べ(高橋ちとせ)

波あひの碧く透けつつ涼新た(杉山 加織)


○入選 21句

銀漢やシーラカンスは進化中(星野 裕子)

湧き立ちて妙義凹ます夏の雲(清水 檀)

来世も女が良しやかちがらす(鈴木由里子)

もう一つ山を越えると夏の海(森田 遊馬)

蜩が短くなきし夕べかな(高橋ちとせ)

山襞の影の深まる晩夏かな(清水 檀)

天の川愛することに許すこと(鈴木由里子)

秋めくや崩れゆく波ばかり見て(木村 佑)

文月の歳時記を繰る薬指(杉山 加織)

漣は囁きのごと星月夜(鈴木由里子)

ひとことの名言めいて生身魂(杉山 加織)

待合のギシギシ軋む古扇子(大渕 洋)

湯水の如命をつかふ敗戦忌(星野 裕子)

盆踊り太鼓一つの口説き唄(太田 直史)

水面恋ふ速さに落つる花火かな(杉山 加織)

音のみの滝この先は獣道(中島 圭子)

朝採りの艶を届けり秋なすび(下境 洋子)

程々に水配られて稲の花(稲葉 京閑)

向日葵やもう戻れないあの高さ(星野 裕子)

カトラリー響くダイナー星の夜(鈴木由里子)

手の甲の白き稜線秋日傘(木村 佑)


互選

5点句

漣は囁きのごと星月夜(鈴木由里子)


4点句

湧き立ちて妙義凹ます夏の雲(清水 檀)

数字てふ無限のロマン天の川(岩佐 晴子)

スイーツのやうに味はふ新豆腐(堤 かがり)

アトリエに猫の入口草の花(木暮陶句郎)

波あひの碧く透けつつ涼新た(杉山 加織)


3点句

行雲の影一瞬の涼しさよ(稲葉 京閑)

母の切る角の鋭き西瓜かな(佐々木一栗)

片蔭を拾つて急ぐ昼休み(小暮 肇)

山襞の影の深まる晩夏かな(清水 檀)

トロ箱の太刀魚の尾の曲がりけり(木村 佑)

夕風の尖り秋蝉転調す(木暮陶句郎)

底紅や情とは滲み易きもの(木暮陶句郎)

水面恋ふ速さに落つる花火かな(杉山 加織)


2点句

大西日長き伊勢屋の紺暖簾(大渕 洋)

日盛やバーの落ちゆくハイジャンプ(竹俣 修)

家中の窓開け放ち秋暑し(高橋ちとせ)

銀漢やシーラカンスは進化中(星野 裕子)

八月は祈りの月でありにけり(岩佐 晴子)

もう一つ山を越えると夏の海(森田 遊馬)

秋めくや崩れゆく波ばかり見て(木村 佑)

虎眠るサファリパークの残暑かな(堤 かがり)


1点句

徐に願ひ唱へて茅の輪かな(中島 圭子)

吾亦紅下山の端に揺れてをり(下境 洋子)

一峰に添ふて下山の吾亦紅(下境 洋子)

朝採りの艶を届けり秋なすび(下境 洋子)

とんぼうがなつこく我につきまとう(高橋ちとせ)

蝉の子や地上の長き雨の日々(稲葉 京閑)

露草の露ゆれてゐる震度3(星野 裕子)

向日葵やもう戻れないあの高さ(星野 裕子)

パラソルが守り続けるベビーカー(佐々木一栗)

近頃の日傘の似合ふ男子かな(佐々木一栗)

夕散歩こんなところに酔芙蓉(小暮 肇)

なすび採り笑顔溢れる親子連れ(小暮 肇)

ふと気付く間遠になりし秋の蝉(清水 檀)

盆踊り太鼓一つの口説き唄(太田 直史)

来世も女が良しやかちがらす(鈴木由里子)

霧深し山道険し宿遠し(森田 遊馬)

手応へのなき手応へや西瓜割(木村 佑)

蜩や帰路に気付きし忘れ物(堤 かがり)

艶やかに静かなる宿遠花火(堤 かがり)

手際よく店主の掬ふ新豆腐(堤 かがり)

門火焚く可もなく不可もなく生きて(木暮陶句郎)

賑はへる終戦の日の海と山(木暮陶句郎)

押し戻す波の力よ暮の夏(杉山 加織)

文月の歳時記を繰る薬指(杉山 加織)

ひとことの名言めいて生身魂(杉山 加織)


互選結果

◎岩佐晴子 選

(8) パラソルが守り続けるベビーカー

(10) 湧き立ちて妙義凹ます夏の雲

(18) スイーツのやうに味はふ新豆腐

(23) 徐に願ひ唱へて茅の輪かな

(65) 家中の窓開け放ち秋暑し


◎大渕洋 選

(15) もう一つ山を越えると夏の海

(30) 山襞の影の深まる晩夏かな

(40) 文月の歳時記を繰る薬指

(46) 行雲の影一瞬の涼しさよ

(99) 賑はへる終戦の日の海と山


◎稲葉京閑 選

(18) スイーツのやうに味はふ新豆腐

(54) 漣は囁きのごと星月夜

(57) 手応へのなき手応へや西瓜割

(68) 母の切る角の鋭き西瓜かな

(80) 水面恋ふ速さに落つる花火かな


◎星野裕子 選

(10) 湧き立ちて妙義凹ます夏の雲

(32) 数字てふ無限のロマン天の川

(54) 漣は囁きのごと星月夜

(79) 底紅や情とは滲み易きもの

(100) 波あひの碧く透けつつ涼新た


◎高橋ちとせ 選

(12) 八月は祈りの月でありにけり

(38) 蜩や帰路に気付きし忘れ物

(69) 夕散歩こんなところに酔芙蓉

(84) 朝採りの艶を届けり秋なすび

(90) ふと気付く間遠になりし秋の蝉


◎竹俣修 選

(4) 吾亦紅下山の端に揺れてをり

(7) 銀漢やシーラカンスは進化中

(18) スイーツのやうに味はふ新豆腐

(37) 秋めくや崩れゆく波ばかり見て

(89) なすび採り笑顔溢れる親子連れ


◎小暮肇 選

(10) 湧き立ちて妙義凹ます夏の雲

(19) アトリエに猫の入口草の花

(30) 山襞の影の深まる晩夏かな

(39) 門火焚く可もなく不可もなく生きて

(87) 向日葵やもう戻れないあの高さ


◎堤かがり 選

(20) 押し戻す波の力よ暮の夏

(29) 片蔭を拾って急ぐ昼休み

(68) 母の切る角の鋭き西瓜かな

(79) 底紅や情とは滲み易きもの

(100) 波あひの碧く透けつつ涼新た


◎中島圭子 選

(19) アトリエに猫の入口草の花

(32) 数字てふ無限のロマン天の川

(60) ひとことの名言めいて生身魂

(77) トロ箱の太刀魚の尾の曲がりけり

(79) 底紅や情とは滲み易きもの


◎清水檀 選

(12) 八月は祈りの月でありにけり

(18) スイーツのやうに味はふ新豆腐

(21) 大西日長き伊勢屋の紺暖簾

(24) 一峰に添ふて下山の吾亦紅

(54) 漣は囁きのごと星月夜


◎太田直史 選

(30) 山襞の影の深まる晩夏かな

(46) 行雲の影一瞬の涼しさよ

(47) 露草の露ゆれてゐる震度3

(77) トロ箱の太刀魚の尾の曲がりけり

(100) 波あひの碧く透けつつ涼新た


◎木村佑 選

(19) アトリエに猫の入口草の花

(46) 行雲の影一瞬の涼しさよ

(54) 漣は囁きのごと星月夜

(59) 夕風の尖り秋蝉転調す

(80) 水面恋ふ速さに落つる花火かな


◎佐々木一栗 選

(29) 片蔭を拾って急ぐ昼休み

(59) 夕風の尖り秋蝉転調す

(62) 日盛やバーの落ちゆくハイジャンプ

(77) トロ箱の太刀魚の尾の曲がりけり

(100) 波あひの碧く透けつつ涼新た


◎小須賀正幸 選

(5) とんぼうがなつこく我につきまとう

(15) もう一つ山を越えると夏の海

(26) 蝉の子や地上の長き雨の日々

(29) 片蔭を拾って急ぐ昼休み

(98) 虎眠るサファリパークの残暑かな


◎下境洋子 選

(7) 銀漢やシーラカンスは進化中

(10) 湧き立ちて妙義凹ます夏の雲

(14) 来世も女が良しやかちがらす

(21) 大西日長き伊勢屋の紺暖簾

(28) 近頃の日傘の似合ふ男子かな


◎鈴木由里子 選

(32) 数字てふ無限のロマン天の川

(37) 秋めくや崩れゆく波ばかり見て

(58) 艶やかに静かなる宿遠花火

(62) 日盛やバーの落ちゆくハイジャンプ

(65) 家中の窓開け放ち秋暑し


◎安部吞歩 選

(54) 漣は囁きのごと星月夜

(55) 霧深し山道険し宿遠し

(59) 夕風の尖り秋蝉転調す

(73) 盆踊り太鼓一つの口説き唄

(80) 水面恋ふ速さに落つる花火かな


◎杉山加織 選

(19) アトリエに猫の入口草の花

(32) 数字てふ無限のロマン天の川

(68) 母の切る角の鋭き西瓜かな

(78) 手際よく店主の掬ふ新豆腐

(98) 虎眠るサファリパークの残暑かな

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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