令和4年7月 月例インターネット句会 Vol.125
木暮陶句郎 選
◎特選 10句
万緑へ心は脱皮するやうに(佐々木一栗)
青簾カルピスの濃き祖母の家(木村 佑)
朝涼や刃物で落とすパンの耳(星野 裕子)
白靴の走りだしたる波飛沫(鈴木由里子)
書き直す業務日誌や夕立来る(杉山 加織)
日盛りの影を引連れグライダー(佐々木一栗)
戻り梅雨中々来ない路線バス(松本由美子)
息吸つて吐いてはんざき進化論 (星野 裕子)
サングラス孫のおもちやとなりにけり(森田 遊馬)
香水の二三種混じる電車内(松本由美子)
○入選 26句
濡れ色に光る三和土や梅雨の月(稲葉 京閑)
夏の果て海を離るる空の色(星野 裕子)
上州の山多くして雷多し(清水 檀)
星今宵胸にちひさき灯を宿し(堤 かがり)
曾祖父の白き褌海開(松本由美子)
福耳の古風な顔やカンカン帽(太田 直史)
鶴首の一輪挿の百合の影(杉山 加織)
心地よきタオルの感触裸足拭く(金子 幸藏)
信号に止められ汗を止められず(稲葉 京閑)
紫陽花や野良猫眠る無人駅(小暮 肇)
遠雷や気もそぞろなる集会所(清水 檀)
蚊遣火の煙真つ直ぐ立つ夕べ(佐々木一栗)
合歓の花老母は少し微笑めり(安部 呑歩)
炎昼を猫何事もなささうに(大渕 洋)
山頂にゼウスの怒り雷猛る(星野 裕子)
パラソルを出して薪割り始めけり(高橋ちとせ)
赤ポスト大暑の口に投函す(安部 吞歩)
日覆や音の混み合ふジャズ喫茶(鈴木由里子)
立葵負けると思う背比べ(高橋ちとせ)
片蔭や京の町家の三味稽古(安部 呑歩)
少年の全身で飲む麦茶かな(木村 佑)
饂飩屋の古びた湯呑ドクダミ茶(大渕 洋)
万緑の七堂伽藍陽をはじく(中島 圭子)
入れ墨のケルト戦士や朱夏の月(星野 裕子)
山梔子の香る小径の夕まぐれ(清水 檀)
記憶呼びたるかなかなの一音目(杉山 加織)
互選
8点句
少年の全身で飲む麦茶かな(木村 佑)
5点句
夕虹の甦りゆく街の色(杉山 加織)
4点句
青簾カルピスの濃き祖母の家(木村 佑)
宿浴衣すぐ着崩れて打ち解けて(木暮陶句郎)
3点句
廃校の西日理科室のビーカー(中島 圭子)
濡れ色に光る三和土や梅雨の月(稲葉 京閑)
朝涼や刃物で落とすパンの耳(星野 裕子)
碧天を押し上げてゐる立葵(小暮 肇)
日盛りの影を引連れグライダー(佐々木一栗)
麻痺の手へ天道虫の来てしづか(木村 佑)
記憶呼びたるかなかなの一音目(杉山 加織)
2点句
心地よきタオルの感触裸足拭く(金子 幸藏)
新しき旅の始まり大南風(鈴木由里子)
紫陽花や野良猫眠る無人駅(小暮 肇)
遠雷や気もそぞろなる集会所(清水 檀)
うたた寝の夢を壊してはたたがみ(清水 檀)
万緑へ心は脱皮するやうに(佐々木一栗)
ソフトクリーム父の一口大きかり(木村 佑)
鶴首の一輪挿の百合の影(杉山 加織)
書き直す業務日誌や夕立来る(杉山 加織)
源五郎夜は星屑の降る田水(木暮陶句郎)
大夕立たちまち灯りゆく湯町(木暮陶句郎)
1点句
夏山は父夏川は母となり(大渕 洋)
炎昼を猫何事もなささうに(大渕 洋)
二の腕に六ツ目痕して竹婦人(大渕 洋)
饂飩屋の古びた湯呑ドクダミ茶(大渕 洋)
水の守護神噴水の立ち上がる(竹俣 修)
氷菓子の上に横たふ昼の夢(中島 圭子)
万緑の七堂伽藍陽をはじく(中島 圭子)
つき・ひ・ほし何処ぞ宇宙の三光鳥(金子 幸藏)
三光鳥ホイホイ呼びます宇宙孤児(金子 幸藏)
戻り梅雨車庫に納まるオープンカー(稲葉 京閑)
紫陽花や夕げの卓に加はへられ(下境 洋子)
もぎたての胡瓜置く玄関に朝(下境 洋子)
露草の露散て消ゆる片想ひ(下境 洋子)
夏の果て海を離るる空の色(星野 裕子)
山頂にゼウスの怒り雷猛る(星野 裕子)
入れ墨のケルト戦士や朱夏の月(星野 裕子)
小麦粉もパンも値上がり夕立雲(鈴木由里子)
日覆や音の混み合ふジャズ喫茶(鈴木由里子)
散るてふを知らぬ悲しさ四葩咲く(岩佐 晴子)
昼寝する夜のドラマを見るために(岩佐 晴子)
天に星地には蛍の二重奏(小暮 肇)
夏薊秩父盆地の狭き空(小暮 肇)
ビァガーデンみんな子供の顔となり(清水 檀)
山梔子の香る小径の夕まぐれ(清水 檀)
夕端居止まつて見えし何もかも(佐々木一栗)
国想ふ帰らぬ人や返り梅雨(佐々木一栗)
星今宵胸にちひさき灯を宿し(堤 かがり)
パラソルを出して薪割り始めけり(高橋ちとせ)
戻り梅雨中々来ない路線バス(松本由美子)
飼ひ犬の齢重ねて暑気中り(松本由美子)
赤ふんの祖父と泳ぎし昭和かな(森田 遊馬)
赤ポスト大暑の口に投函す(安部 呑歩)
福耳の古風な顔やカンカン帽(太田 直史)
風孕みヨットの帰港老い知らず(太田 直史)
好きだよと言えぬひと言落し文(太田 直史)
いかづちを落としたる雲瑞々し(木暮陶句郎)
互選結果
◎星野裕子 選
(4) つき・ひ・ほし何処ぞ宇宙の三光鳥
(21) 鶴首の一輪挿の百合の影
(47) 廃校の西日理科室のビーカー
(65) 夕虹の甦りゆく街の色
(94) 露草の露散て消ゆる片想ひ
◎大渕洋 選
(13) 星今宵胸にちひさき灯を宿し
(77) うたた寝の夢を壊してはたたがみ
(78) 夕端居止まつて見えし何もかも
(98) 夏薊秩父盆地の狭き空
(109) 記憶呼びたるかなかなの一音目
◎中島圭子 選
(5) 濡れ色に光る三和土や梅雨の月
(20) 青簾カルピスの濃き祖母の家
(22) 源五郎夜は星屑の降る田水
(64) 麻痺の手へ天道虫の来てしづか
(81) 飼ひ犬の齢重ねて暑気中り
◎稲葉京閑 選
(47) 廃校の西日理科室のビーカー
(66) 宿浴衣すぐ着崩れて打ち解けて
(74) 日覆や音の混み合ふジャズ喫茶
(86) 少年の全身で飲む麦茶かな
(108) ソフトクリーム父の一口大きかり
◎岩佐晴子 選
(26) 心地よきタオルの感触裸足拭く
(32) 紫陽花や野良猫眠る無人駅
(43) 書き直す業務日誌や夕立来る
(45) 炎昼を猫何事もなささうに
(64) 麻痺の手へ天道虫の来てしづか
◎太田直史 選
(1) 夏山は父夏川は母となり
(5) 濡れ色に光る三和土や梅雨の月
(21) 鶴首の一輪挿の百合の影
(66) 宿浴衣すぐ着崩れて打ち解けて
(67) 二の腕に六ツ目痕して竹婦人
◎高橋ちとせ 選
(9) 散るてふを知らぬ悲しさ四葩咲く
(26) 心地よきタオルの感触裸足拭く
(59) 戻り梅雨中々来ない路線バス
(66) 宿浴衣すぐ着崩れて打ち解けて
(86) 少年の全身で飲む麦茶かな
◎堤かがり 選
(43) 書き直す業務日誌や夕立来る
(54) 碧天を押し上げてゐる立葵
(72) もぎたての胡瓜置く玄関に朝
(86) 少年の全身で飲む麦茶かな
(109) 記憶呼びたるかなかなの一音目
◎小須賀正幸 選
(3) 氷菓子の上に横たふ昼の夢
(20) 青簾カルピスの濃き祖母の家
(29) 朝涼や刃物で落とすパンの耳
(39) 赤ふんの祖父と泳ぎし昭和かな
(75) 昼寝する夜のドラマを見るために
◎木村佑 選
(33) 遠雷や気もそぞろなる集会所
(56) 日盛りの影を引連れグライダー
(65) 夕虹の甦りゆく街の色
(66) 宿浴衣すぐ着崩れて打ち解けて
(110) 大夕立たちまち灯りゆく湯町
◎小暮肇 選
(8) 新しき旅の始まり大南風
(20) 青簾カルピスの濃き祖母の家
(55) ビァガーデンみんな子供の顔となり
(65) 夕虹の甦りゆく街の色
(86) 少年の全身で飲む麦茶かな
◎下境洋子 選
(8) 新しき旅の始まり大南風
(70) 三光鳥ホイホイ呼びます宇宙孤児
(85) 好きだよと言えぬひと言落し文
(86) 少年の全身で飲む麦茶かな
(108) ソフトクリーム父の一口大きかり
◎竹俣修 選
(6) 紫陽花や夕げの卓に加はへられ
(33) 遠雷や気もそぞろなる集会所
(58) パラソルを出して薪割り始めけり
(64) 麻痺の手へ天道虫の来てしづか
(95) 入れ墨のケルト戦士や朱夏の月
◎清水檀 選
(12) 万緑へ心は脱皮するやうに
(19) 福耳の古風な顔やカンカン帽
(22) 源五郎夜は星屑の降る田水
(52) 小麦粉もパンも値上がり夕立雲
(62) 赤ポスト大暑の口に投函す
◎松本由美子 選
(2) 水の守護神噴水の立ち上がる
(10) 天に星地には蛍の二重奏
(54) 碧天を押し上げてゐる立葵
(71) 戻り梅雨車庫に納まるオープンカー
(91) 万緑の七堂伽藍陽をはじく
◎鈴木由里子 選
(29) 朝涼や刃物で落とすパンの耳
(51) 山頂にゼウスの怒り雷猛る
(56) 日盛りの影を引連れグライダー
(65) 夕虹の甦りゆく街の色
(110) 大夕立たちまち灯りゆく湯町
◎森田遊馬 選
(32) 紫陽花や野良猫眠る無人駅
(44) いかづちを落としたる雲瑞々し
(54) 碧天を押し上げてゐる立葵
(65) 夕虹の甦りゆく街の色
(99) 山梔子の香る小径の夕まぐれ
◎佐々木一栗 選
(5) 濡れ色に光る三和土や梅雨の月
(7) 夏の果て海を離るる空の色
(41) 風孕みヨットの帰港老い知らず
(77) うたた寝の夢を壊してはたたがみ
(86) 少年の全身で飲む麦茶かな
◎安部吞歩 選
(47) 廃校の西日理科室のビーカー
(86) 少年の全身で飲む麦茶かな
(89) 饂飩屋の古びた湯呑ドクダミ茶
(100) 国想ふ帰らぬ人や返り梅雨
(109) 記憶呼びたるかなかなの一音目
◎杉山加織 選
(12) 万緑へ心は脱皮するやうに
(20) 青簾カルピスの濃き祖母の家
(29) 朝涼や刃物で落とすパンの耳
(56) 日盛りの影を引連れグライダー
(86) 少年の全身で飲む麦茶かな
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