平成30年1月 月例インターネット句会 Vol.71結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 7句

一つづつ星をしりぞけ初明り(椎名 桂秀)

冬銀河もう打つことのなきメール(星野 裕子)

初風やバランスの良き一輪車(堤 かがり)

連山の透けゆく蒼き寒日和(杉山 加織)

かげりなき寒天翳りふかき町(里村 閑)

寒紅や掌に収まりしほどの嘘(杉山 加織)

オリオンの矢に射られたきハートかな(星野 裕子)


〇入選 30句 

穏やかに市井動きて初浅間(清水 檀)

初句会俳句手帳の一ページ(星野 裕子)

鎌倉へ暴れに来り空つ風(里村 閑)

冬木の芽みんな優しき眼もち(はたのとしはる)

一瞬に裸木にして風の去る(岩佐 晴子)

文鎮をハの字に使ひ筆始(堤 かがり)

寒林に留まる入り日ある余生(中野 千秋)

この街を睥睨している初鴉(水上 一葉)

寒の雨ギター高音のエクスタシー(鈴木 由里子)

上品にごまめ食するペルシャ猫(稲葉 京閑)

毛糸編む切り良き所までの黙(岩佐 晴子)

耳たぶの痛くなるまで冬銀河(椎名 桂秀)

年玉の袋入れたる袋かな(堤 かがり)

食積の横文字ばかり並びをり(杉山 加織)

青空に掛け声ぶつけ出初式(星野 裕子)

新品のトラクターなり冬の晴れ(鬼形 瑞枝)

わが恋のいつも初恋冬桜(里村 閑)

日の当たる方へ方へと枯蟷螂(ななさと紅緒)

日短闇を分け入る山のバス(岩佐 晴子)

をみな其の膝を揃へし女正月(鈴木 由里子)

除雪車の通った後の始末かな(髙橋 千登世)

入魂のパスタに割つて寒卵(石川 祐司)

挟みなほす半券二枚日記果つ(ななさと紅緒)

淑気満つ二礼二拍手一礼に(はたのとしはる)

また別れ一つ重ねて冬銀河(椎名 桂秀)

初風呂や十指をしかと握りしむ(ななさと紅緒)

初鏡あいも変らぬ無精髭(はたのとしはる)

ヴィーナスになりたる魔女の初湯かな(岩佐 晴子)

初場所や和服の多き桟敷席(堤 かがり)

寒椿挿して艶めく陶の壺(中野 千秋)


互選

8票

一つづつ星をしりぞけ初明り(椎名 桂秀)


6票

暖炉の火オンザロックに閉ぢ込めて(木暮陶句郎)


5票

まぶたなき人形のゐる寒さかな(中野 千秋)


4票

冬ぬくしへの字つの字の花林糖(ななさと紅緒)

街の灯のとどかぬ湖畔冬銀河 (椎名 桂秀)


3票

冬銀河もう打つことのなきメール(星野 裕子)

いつせいに放つ白息縄電車 (ななさと紅緒)

毛糸編む切り良き所までの黙(岩佐 晴子)

耳たぶの痛くなるまで冬銀河(椎名 桂秀)

雪原に途切れし跡のある不思議(堤 かがり)

寒鯉や水面下てふ別世界(杉山 加織)

寒紅や掌に収まりしほどの嘘(杉山 加織)

手の中の古唐津盃といふ淑気(木暮 陶句郎)


2票

大股で袖翻す春著の娘(清水 檀)

欠礼と決めて七年目の賀状(稲葉 京閑)

青空に掛け声ぶつけ出初式(星野 裕子)

オリオンの矢に射られたきハートかな(星野 裕子)

かげりなき寒天翳りふかき町(里村 閑)

ヴィーナスになりたる魔女の初湯かな(岩佐 晴子)

寒林に留まる入り日ある余生(中野 千秋)

もの云はず針を進めて日脚伸ぶ(中野 千秋)

連山の透けゆく蒼き寒日和 (杉山 加織)

大利根は四温の綺羅を流しけり(木暮 陶句郎)

寒卵割ればひかりを曳いて落つ(木暮 陶句郎)


1票

戌年の犬誇らしく初散歩(清水 檀)

瓦斯の火のスイッチかちと寒に入る(星野 裕子)

死ぬときまでとつとく言葉初御空(鬼形 瑞枝)

冬浅しなにももてない大きい手(鬼形 瑞枝)

入魂のパスタに割つて寒卵(石川 祐司)

わが恋のいつも初恋冬桜(里村 閑)

大くさめ老母ぴくりと痙攣す(安部じゅん)

冬木の芽みんな優しき眼もち(はたのとしはる)

青春の都の西北おでん酒(はたのとしはる)

初鏡あいも変らぬ無精髭(はたのとしはる)

日短闇を分け入る山のバス(岩佐 晴子)

氷柱消ゆ滴る涙輝かせ(岩佐 晴子)

文鎮をハの字に使ひ筆始(堤 かがり)

寒椿挿して艶めく陶の壺 (中野 千秋)

春近しブーケに顔を埋めたる(杉山 加織)

ひろそ火 句会.com

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