平成30年2月 月例インターネット句会 Vol.72結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 7句

冬籠色鉛筆は12色(髙橋千登世)

蒼天を源流として雪解川(星野 裕子)

風花の中で言葉を見失ふ(星野 裕子)

心電図スキツプをして冴返る(堤 かがり)

かをり立つ泡にみがかれ春の皿(里村 閑)

疵あとの光るレコード春の雪(ななさと紅緒)

春寒や母のメールの丁寧語(杉山 加織)


〇入選 21句 

薄氷や夕べの秘密はや融けて(清水 檀)

横町にフレンチの店風光る (中野 千秋)

絵踏する割り切るといふ選択も(堤 かがり)

方形の大屋根光る雪解水(水上 一葉)

啓蟄や水車は森の大時計(ななさと紅緒)

光満ち雪解しづくの連打かな(清水 檀)

二ん月の水辺のカフェに待ち合す(中野 千秋)

糠床のほのかに匂ひ春浅し(堤 かがり)

雪解の森に鳥語のさんざめく(杉山 加織)

鍵盤に跳る指先春の詩(清水 檀)

真つ先に春だと騒ぎ出す木立(稲葉 京閑)

海の音ばかり二月の水族館(鈴木由里子)

花柄の軍手長靴山笑ふ(中野 千秋)

お土産は嬬恋キャベツ春キャベツ(岩佐 晴子)

鉄鍋に春菊の香や夕餉待つ(水上 一葉)

風光る農学校の朝の市(ななさと紅緒)

小箱よりビタミンサプリ山笑ふ(鈴木由里子)

待春の観音の丘に背伸びせり(清水 檀)

春夕焼まだもう少し持ち時間(中野 千秋)

命あるものの足跡残る雪(星野 裕子)

春愁や眼鏡が鍵がケータイが(岩佐 晴子)


互選

6票

窯変の中のくれなゐ寒明くる(木暮陶句郎)


5票

花柄の軍手長靴山笑ふ(中野 千秋)


4票

星々の光とじこめ軒氷柱 (椎名 桂秀)

疵あとの光るレコード春の雪(ななさと紅緒)

夜は星を噛む薄氷となりにけり(木暮陶句郎)


3票

蒼天を源流として雪解川 (星野 裕子)

啓蟄や水車は森の大時計(ななさと紅緒)

風光る農学校の朝の市 (ななさと紅緒)

をんなの手濡れて乾いて針供養(木暮陶句郎)


2票

薄氷や夕べの秘密はや融けて (清水 檀)

寒明けのカフェより望む船着場 (中野 千秋)

風花の中で言葉を見失ふ(星野 裕子)

春めくや湯治場響く黒電話(鈴木由里子)

海の音ばかり二月の水族館(鈴木由里子)

春寒や母のメールの丁寧語 (杉山 加織)


1票

薄き色持てる二月の木立かな (稲葉 京閑)

望月の皆既に透ける寒の闇(稲葉 京閑)

冬籠色鉛筆は12色 (髙橋千登世)

恋猫の足ひきづりて朝帰り(髙橋千登世)

命あるものの足跡残る雪(星野 裕子)

絵踏する割り切るといふ選択も (堤 かがり)

糠床のほのかに匂ひ春浅し(堤 かがり)

お土産は嬬恋キャベツ春キャベツ (岩佐 晴子)

日の当たる岸辺を去らず寒の鯉 (椎名 桂秀)

方形の大屋根光る雪解水(水上 一葉)

妹の指を借る九九春炬燵(ななさと紅緒)

濁らずに育つ決意や薄氷(杉山 加織)

いぬふぐり秘密ぼそぼそ打ち明けて(杉山 加織)


ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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