令和4年3月 月例インターネット句会 Vol.121

木暮陶句郎 選

◎特選 10句

近道は段々畑蝶生るる(ななさと紅緒)

昨日より少し太めの朧月(井野 紫)

蕗の薹レターパックで届きけり(稲葉 京閑)

山畑の最上段の畔を焼く(稲葉 京閑)

春月夜右だけにしかでぬ笑窪(佐々木一栗)

ライダーブーツ倒れてゐたり遍路宿(ななさと紅緒)

啓蟄やラップの韻の小気味よく(杉山 加織)

沈丁や七分三分の好き嫌ひ(大渕 洋)

揺るる時重さの見ゆるミモザの黄(星野 裕子)

燕や人は人へと流れ着く(鈴木由里子)


〇入選 25句

晴天の立山を背に辛夷咲く(竹俣 修)

万愚節善意の嘘もつけぬ人(岩佐 晴子)

陽炎や舗装道路の罅深し(堤 かがり)

アトリエの窓の開けある花ミモザ(里村 閑)

春めくや頬をくすぐる髪の先(杉山 加織)

下駄箱にズック一足春休み(竹俣 修)

雛祭自分の為にちらし寿司(岩佐 晴子)

助走してやつと跳び越す春の泥(堤 かがり)

音立てて仕舞ふパン皿山笑ふ(鈴木由里子)

チューリップ笑ひころげて散りにけり(ななさと紅緒)

梅東風や榛名山麓なだらかに(杉山 加織)

シクラメン次から次へ良く咲けり(高橋ちとせ)

犬ふぐり一斉に咲く日向かな(岩佐 晴子)

初蝶や子の歳で知るルビー婚(里村 閑)

一日野を焼きて染みつく煙の香(稲葉 京閑)

春の夜や既読にならぬ吾のLine(岩佐 晴子)

捨てられし空缶に居り田螺かな(堤 かがり)

空の星白し闇夜の梅白し(木村 佑)

毛繕ふ山門の猫春日向(竹俣 修)

野火煙薄紫に暮れにけり(稲葉 京閑)

当たり待つ竿の重さや牡丹雪(佐々木一栗)

父となるふらここを押す楽しさに(木村 佑)

難民と呼ばるる子にも春の夢(里村 閑)

春暖炉おなじ話にうなづきぬ(ななさと紅緒)

のどけしや卵サンドの厚きパン(杉山 加織)


互選

8点句

轆轤蹴りをり朧夜の芯として(木暮陶句郎)


6点句

担任の似顔絵書きて卒業す(木暮陶句郎)


4点句

空の星白し闇夜の梅白し(木村 佑)

シーグラス拾ふ少女や風光る(木暮陶句郎)

春めくや頬をくすぐる髪の先(杉山 加織)


3点句

小道具の欠く雛飾る老夫婦(小暮 肇)

父となるふらここを押す楽しさに(木村 佑)

音立てて仕舞ふパン皿山笑ふ(鈴木由里子)

チューリップ笑ひころげて散りにけり(ななさと紅緒)


2点句

下駄箱にズック一足春休み(竹俣 修)

三姉妹揃えば楽し雛の家(高橋ちとせ)

酔ふはづも無き白酒に酔ふてをり(清水 檀)

万愚節善意の嘘もつけぬ人(岩佐 晴子)

春光を吾がものにせむガラス拭き(岩佐 晴子)

春の宵香りほのかに薄化(佐々木一栗)

春泥の深き足跡ふみながら(堤 かがり)

撫づるごと使ふ指先雛納(木村 佑)

さざ波の果つる音色や春月夜(木村 佑)

神の道海へと続く古都の春(鈴木由里子)

燕や人は人へと流れ着く(鈴木由里子)

近道は段々畑蝶生るる(ななさと紅緒)

ライダーブーツ倒れてゐたり遍路宿(ななさと紅緒)

昨日より少し太めの朧月(井野 紫)

仔猫また箪笥にもぐり込んでをり(木暮陶句郎)


1点句

ワクチンの微熱恋猫の裏声(中島 圭子)

春鳥の黄の腹見せて低く飛ぶ(中島 圭子)

毛繕ふ山門の猫春日向(竹俣 修)

春一番百番台の入浴券(大渕 洋)

足ゆるめ行く人ありて沈丁花(大渕 洋)

四つ辻の小さき水神水温む(大渕 洋)

春めくや老いの薄皮剥ぐやうに(大渕 洋)

沈丁や七分三分の好き嫌ひ(大渕 洋)

コーヒーの紙コップにも春来る(森田 遊馬)

アラビアのロレンス恋し砂あらし(森田 遊馬)

懐かしき足裏の心地青き踏む(稲葉 京閑)

蕗の薹レターパックで届きけり(稲葉 京閑)

野火煙薄紫に暮れにけり(稲葉 京閑)

初蝶の揺蕩ふやうに水の上(星野 裕子)

幸不幸背中合せや利休の忌(星野 裕子)

揺るる時重さの見ゆるミモザの黄(星野 裕子)

シクラメン次から次へ良く咲けり(高橋ちとせ)

犬ふぐり一斉に咲く日向かな(岩佐 晴子)

しゃがみ込む吾子の背中や犬ふぐり(佐々木一栗)

当たり待つ竿の重さや牡丹雪(佐々木一栗)

鳥帰る二度とは会えぬかも知れず(安部じゅん)

助走してやつと跳び越す春の泥(堤 かがり)

けもの道春の小川に来てをりぬ(堤 かがり)

捨てられし空缶に居り田螺かな(堤 かがり)

ホースより春の夕影撒き散らす(里村 閑) 

初蝶や子の歳で知るルビー婚(里村 閑)

ワクチンの副作用なる春愁(里村 閑)

難民と呼ばるる子にも春の夢(里村 閑)

カナリアになりたき雀花ミモザ(ななさと紅緒)

春暖炉おなじ話にうなづきぬ(ななさと紅緒)

春宵や螺鈿の卓の煌めきに(木暮陶句郎)

のどけしや卵サンドの厚きパン(杉山 加織)


互選結果

◎岩佐晴子 選

(11) しゃがみ込む吾子の背中や犬ふぐり

(27) 蕗の薹レターパックで届きけり

(39) チューリップ笑ひころげて散りにけり

(99) 父となるふらここを押す楽しさに

(104) シーグラス拾ふ少女や風光る


◎星野裕子 選

(12) 鳥帰る二度とは会えぬかも知れず

(15) 撫づるごと使ふ指先雛納

(36) さざ波の果つる音色や春月夜

(41) 轆轤蹴りをり朧夜の芯として

(78) 空の星白し闇夜の梅白し


◎中島圭子 選

(3) 春一番百番台の入浴券

(20) 仔猫また箪笥にもぐり込んでをり

(28) 幸不幸背中合せや利休の忌

(90) 野火煙薄紫に暮れにけり

(100) 燕や人は人へと流れ着く

◎小暮肇 選

(21) 春めくや頬をくすぐる髪の先

(23) 下駄箱にズック一足春休み

(41) 轆轤蹴りをり朧夜の芯として

(83) 担任の似顔絵書きて卒業す

(99) 父となるふらここを押す楽しさに

◎稲葉京閑 選

(18) 近道は段々畑蝶生るる

(39) チューリップ笑ひころげて散りにけり

(60) ライダーブーツ倒れてゐたり遍路宿

(62) 春宵や螺鈿の卓の煌めきに

(94) 春光を吾がものにせむガラス拭き

◎小須賀正幸 選

(6) 懐かしき足裏の心地青き踏む

(25) コーヒーの紙コップにも春来る

(50) シクラメン次から次へ良く咲けり

(67) アラビアのロレンス恋し砂あらし

(80) ワクチンの副作用なる春愁


◎大渕洋 選

(30) 酔ふはづも無き白酒に酔ふてをり

(37) 音立てて仕舞ふパン皿山笑ふ

(38) ホースより春の夕影撒き散らす

(60) ライダーブーツ倒れてゐたり遍路宿

(64) 春鳥の黄の腹見せて低く飛ぶ


◎森田遊馬 選

(8) 三姉妹揃えば楽し雛の家

(19) 昨日より少し太めの朧月

(24) 足ゆるめ行く人ありて沈丁花

(58) 神の道海へと続く古都の春

(95) 当たり待つ竿の重さや牡丹雪


◎竹俣修 選

(20) 仔猫また箪笥にもぐり込んでをり

(41) 轆轤蹴りをり朧夜の芯として

(45) 四つ辻の小さき水神水温む

(83) 担任の似顔絵書きて卒業す

(89) 小道具の欠く雛飾る老夫婦


◎堤かがり 選

(41) 轆轤蹴りをり朧夜の芯として

(78) 空の星白し闇夜の梅白し

(83) 担任の似顔絵書きて卒業す

(91) 揺るる時重さの見ゆるミモザの黄

(94) 春光を吾がものにせむガラス拭き


◎清水檀 選

(21) 春めくや頬をくすぐる髪の先

(41) 轆轤蹴りをり朧夜の芯として

(66) 春めくや老いの薄皮剥ぐやうに

(98) 春泥の深き足跡ふみながら

(105) のどけしや卵サンドの厚きパン


◎高橋ちとせ 選

(23) 下駄箱にズック一足春休み

(56) けもの道春の小川に来てをりぬ

(58) 神の道海へと続く古都の春

(98) 春泥の深き足跡ふみながら

(101) 難民と呼ばるる子にも春の夢


◎木村佑 選

(37) 音立てて仕舞ふパン皿山笑ふ

(41) 轆轤蹴りをり朧夜の芯として

(74) 春の宵香りほのかに薄化粧

(83) 担任の似顔絵書きて卒業す

(89) 小道具の欠く雛飾る老夫婦


◎佐々木一栗 選

(8) 三姉妹揃えば楽し雛の家

(35) 助走してやつと跳び越す春の泥

(36) さざ波の果つる音色や春月夜

(59) 初蝶や子の歳で知るルビー婚

(104) シーグラス拾ふ少女や風光る


◎里村閑 選

(7) 初蝶の揺蕩ふやうに水の上

(10) 万愚節善意の嘘もつけぬ人

(21) 春めくや頬をくすぐる髪の先

(81) カナリアになりたき雀花ミモザ

(99) 父となるふらここを押す楽しさに


◎安部じゅん 選

(1) ワクチンの微熱恋猫の裏声

(18) 近道は段々畑蝶生るる

(30) 酔ふはづも無き白酒に酔ふてをり

(39) チューリップ笑ひころげて散りにけり

(78) 空の星白し闇夜の梅白し


◎鈴木由里子 選

(15) 撫づるごと使ふ指先雛納

(41) 轆轤蹴りをり朧夜の芯として

(77) 捨てられし空缶に居り田螺かな

(83) 担任の似顔絵書きて卒業す

(104) シーグラス拾ふ少女や風光る


◎ななさと紅緒 選

(21) 春めくや頬をくすぐる髪の先

(37) 音立てて仕舞ふパン皿山笑ふ

(41) 轆轤蹴りをり朧夜の芯として

(83) 担任の似顔絵書きて卒業す

(99) 父となるふらここを押す楽しさに


◎井野紫 選

(10) 万愚節善意の嘘もつけぬ人

(52) 犬ふぐり一斉に咲く日向かな

(86) 毛繕ふ山門の猫春日向

(89) 小道具の欠く雛飾る老夫婦

(102) 春暖炉おなじ話にうなづきぬ


◎高橋ちとせ 選

(15) 撫づるごと使ふ指先雛納

(23) 下駄箱にズック一足春休み

(27) 蕗の薹レターパックで届きけり

(78) 空の星白し闇夜の梅白し

(83) 担任の似顔絵書きて卒業す


◎杉山加織 選

(19) 昨日より少し太めの朧月

(74) 春の宵香りほのかに薄化粧

(87) 沈丁や七分三分の好き嫌ひ

(100) 燕や人は人へと流れ着く

(104) シーグラス拾ふ少女や風光る

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「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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