平成29年9月 月例インターネット句会 Vol.67結果発表
木暮陶句郎 選
◎特選 6句
秋の夜の眠りは水に浮く如し(星野 裕子)
露けしや釣人の踏む谷の道(堤 かがり)
山巓を浮かべ朝霧立ちにけり(清水 檀)
野の花のさざめきつきぬ無月かな(ななさと紅緒)
秋灯や白き心を文にして(堤 かがり)
秋冷のランプシェードの透ける青(堤 かがり)
〇入選 24句
千曲川信濃川へと秋の雲(中野 千秋)
ばあちやんの茶筅捌きや吾亦紅(安部じゅん)
コスモスの平和なふりの平和かな(ななさと紅緒)
花野より帰りて少し若返る(中野 千秋)
あるがまま委ねし風やねこじやらし(清水 檀)
萩こぼれ生きてる限り満たされず(中野 千秋)
秋彼岸まだ足生えぬ蝌蚪五匹(安部じゅん)
はんなりと匂ふ言の葉萩の宿(中野 千秋)
ネービーのラメ入りネイル天の川(星野 裕子)
ひよんの笛吹くやミューズを呼ぶやうに(ななさと紅緒)
死ぬるまで貫く秘密曼珠沙華(中野 千秋)
無花果に真白き涙真白き血(岩佐 晴子)
うどん吹く音は四角に夜食かな(堤 かがり)
帰りけり夢二が里の秋連れて(里村 閑)
俳句にも倦怠期あり秋暑し(岩佐 晴子)
木道の風は花野の鼓動なる(稲葉 京閑)
海に出て帰らぬものに秋の蝶(星野 裕子)
太陽に恋する雲や秋夕焼(岩佐 晴子)
幾度もしたる懺悔や稲光(はたの としはる)
ちちろ鳴く手紙のやうに書く日記(ななさと紅緒)
月光を急ぐ夜会のシンデレラ(鈴木由里子)
朝霧の約束果たされぬままに(杉山 加織)
闇といふ闇を打ち付けたる野分(杉山 加織)
新涼や社の形の投句箱(杉山 加織)
互選
6票
ちちろ鳴く手紙のやうに書く日記(ななさと紅緒)
5票
坂ごとに名のある湯町霧月夜(木暮陶句郎)
4票
花野より帰りて少し若返る(中野 千秋)
秋の夜の眠りは水に浮く如し(星野 裕子)
帰りけり夢二が里の秋連れて(里村 閑)
秋冷のランプシェードの透ける青(堤 かがり)
松虫草人声に透け風に透け(木暮陶句郎)
3票
死ぬるまで貫く秘密曼珠沙華(中野 千秋)
気まぐれな空よ榛名の霧が飛ぶ(稲葉 京閑)
木道の風は花野の鼓動なる(稲葉 京閑)
2票
あるがまま委ねし風やねこじやらし(清水 檀)
秋灯や白き心を文にして(堤 かがり)
ひよんの笛吹くやミューズを呼ぶやうに(ななさと紅緒)
睦み合ふ色鳥いろを重ねつつ(木暮陶句郎)
みづうみの風も葉擦れの音も秋(木暮陶句郎)
天婦羅のからりと揚がり涼新た(木暮陶句郎)
野分中抱へるものは我が身だけ(杉山 加織)
1票
千曲川信濃川へと秋の雲(中野 千秋)
はんなりと匂ふ言の葉萩の宿(中野 千秋)
ミンミンの声遠くなり途絶えたり(髙橋千登世)
風の音水の音にも九月かな(髙橋千登世)
白髪になってともだち韮の花(鬼形 瑞枝)
子いのしし檻の中までまっしぐら(鬼形 瑞枝)
余す無き蜻蛉の軌跡山気滿つ(稲葉 京閑)
眼差しを遠く遠くへ夢二の忌(稲葉 京閑)
海に出て帰らぬものに秋の蝶(星野 裕子)
無花果に真白き涙真白き血(岩佐 晴子)
ねこ歌ひライオン吼えし長き夜(安部じゅん)
秋風の背より鳩尾透きゆけり(里村 閑)
この秋やときには海を折りたたむ(里村 閑)
露けしや釣人の踏む谷の道(堤 かがり)
うどん吹く音は四角に夜食かな(堤 かがり)
野の花のさざめきつきぬ無月かな(ななさと紅緒)
慣れぬ手で装ふ髪や小望月(鈴木由里子)
友達以上恋人未満秋桜(鈴木由里子)
赤とんぼ父は生母の顔知らず(はたのとしはる)
人生は清貧もよし蛍草(はたのとしはる)
幾度もしたる懺悔や稲光(はたのとしはる)
新涼や社の形の投句箱(杉山 加織)
0コメント