平成29年1月 月例インターネット句会 Vol.59結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 6句

凍蝶の羽音は青き夢の中(星野 裕子)

春を待つ合せ鏡の奥の奥(岩佐 晴子)

日輪の愛一身に寒桜(はたのとしはる)

案内状未だに届く寒稽古(阿部ひで希)

初鏡美は一日にしてならず(杉山 加織)

初鴉しかとくはへし光物(堤 かがり)


〇入選 26句 

雪深き郷に暮らしてはや十年(髙橋千登世)

電飾の街路樹寒さ忘れをり(阿部ひで希)

寒紅を心の隅に引くつもり(星野 裕子)

初富士や茜の空にある未来(堤 かがり)

女正月バブルの香る紅乗せて(杉山 加織)

初富士を見たき故郷遠くあり(髙橋千登世)

大寒や昭和の匂ふ店にゐて(中野 千秋)

初笑座席指定のテレビ寄席(峯岸 俊江)

大寒や豆腐の角にある尖り(星野 裕子)

泣初のたましひ揺れてをりにけり(杉山 加織)

喪に服す心貫く寒の月(堤 かがり)

夕星や寒三日月に寄り添へる(杉山 加織)

漆黒の臘梅浮かす日の出かな(阿部ひで希)

自ずから微笑んでゐる初鏡(岩佐 晴子)

年毎に華やぎ薄れお正月(清水 檀)

風花や遊び心といふ余裕(堤 かがり)

寒紅や嘘つき通しゐる覚悟(杉山 加織)

初刷のずしりとポストはみ出して(峯岸 俊江)

髪を切る切なさに似て冬薔薇(鈴木由里子)

皸の一つ治れば又一つ(岩佐 晴子)

聴診器仕舞ひ年越し蕎麦を食ふ(安部じゅん)

この髭に魅せられて読む漱石忌(清水 檀)

痛い程くちびる乾く寒の内(星野 裕子)

投函に素つぴん隠す大マスク(岩佐 晴子)

叩き初地底揺るがす大太鼓(安部じゅん)

このごろは気ままな暮らし日脚伸ぶ(中野 千秋)

 

互選

6票

春を待つ合せ鏡の奥の奥(岩佐 晴子)

4票

大寒や豆腐の角にある尖り(星野 裕子)

3票

寒紅を心の隅に引くつもり(星野 裕子)

髪を切る切なさに似て冬薔薇(鈴木由里子)

豪雪をきたる列車の面構へ(木暮陶句郎)

2票  

凍蝶の羽音は青き夢の中(星野 裕子)

自ずから微笑んでゐる初鏡(岩佐 晴子)

カーテンの襞よりこぼれ冬の蠅(岩佐 晴子)

初刷のずしりとポストはみ出して(峯岸 俊江)

寒禽の啼いて翼を組み替へる(木暮陶句郎)

文豪のゆかりの宿の軒氷柱(木暮陶句郎)

寒紅や嘘つき通しゐる覚悟(杉山 加織)

初富士や茜の空にある未来(堤 かがり)

風花や遊び心といふ余裕(堤 かがり)

1票

初富士を見たき故郷遠くあり(髙橋千登世)

古里の雑煮恋しや母恋し(髙橋千登世)

初春やころころ笑ふウェイトレス(稲葉 京閑)

案内状未だに届く寒稽古(阿部ひで希)

痛い程くちびる乾く寒の内(星野 裕子)

生きるとは死ぬまでのこと冬銀河(星野 裕子)

初鴉しかとくはへし光物(堤 かがり)

風の子や走る落葉と鬼ごつこ(はたのとしはる)

榛名富士新年満つる顔すがし(安部じゅん)

毛の国や駅伝駆け抜けし淑気(安部じゅん)

聴診器仕舞ひ年越し蕎麦を食ふ(安部じゅん)

初刷のずしりとポストはみ出して(峯岸 俊江)

子の声の父と間違ふ初電話(峯岸 俊江)

初笑座席指定のテレビ寄席(峯岸 俊江)

鞄変へわたしも変へて女正月(中野 千秋)

このごろは気ままな暮らし日脚伸ぶ(中野 千秋)

初鏡美は1日にしてならず(杉山 加織)

女正月バブルの香る紅乗せて(杉山 加織)

泣初のたましひ揺れてをりにけり(杉山 加織)

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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