平成28年7月 月例インターネット句会 Vol.53結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 6句

瑠璃色の沖縄すけてソーダ水(堤 かがり)

血を分けし仲とは言へど蚊の憎し(清水 檀)

風立ちぬ七夕竹を立てしより(稲葉 京閑)

七夕の夜間飛行となりにけり(中野 千秋)

宇宙までつづく暗がり蛍舞ふ(中野 千秋)


〇入選 27句 

恙無く過ぎて又生く半夏生(清水 檀)

まだ海を楽しんでいる夏帽子(星野 裕子)

しのびこむ夜風涼しき厨かな(峯岸 俊江)

無伴奏ソナタ聴こゆる青田水(安部じゅん)

合歓の花村に一人の赤ん坊(岩佐 晴子)

間のびした会話とぎれる暑さかな(峯岸 俊江)

アフリカの布に詩があり大西日(中野 千秋)

蛍舞ふ暗闇坂と狸坂(中野 千秋)

梅雨の宿窓より烟る山上湖(阿部ひで希)

白玉の凹みに餡の絡まりぬ(堤 かがり)

ハイウエイ虹の彼方へ走り抜け(はたのとしはる)

捩花や七十の今反抗期(岩佐 晴子)

涼しさや茅葺屋根の太き梁(峯岸 俊江)

アンティークランプ点滅梅雨の宿(杉山 加織)

夏霧の立ち込め朝の投票日(脇 望)

くせものはのどごしの良さこの冷酒(安部じゅん)

空蝉や開かれてある手術痕(久保田晋一)

虹の橋スカイツリーを一跨ぎ(はたのとしはる)

星祀る浮いた話の二つ三つ(稲葉 京閑)

小上がりの奥に夏菊灯りをり(杉山 加織)

夏帯の娘は妻を慕ひをり(久保田晋一)

軽トラの手を上げ過ぐるサングラス(阿部ひで希)

朝涼やひとつ書き足す予定表(星野 裕子)

無雑作に上履き放る暑さかな(峯岸 俊江)

葛茂る緑の滝となり水漬く(稲葉 京閑)

白南風や外つ国へ行く鞄買ふ(岩佐 晴子)

夏霧の湖畔に馬の出番なし(阿部ひで希)

蹄鉄のリズム遠のく夏湖畔(阿部ひで希)

 

互選

6票 

まだ海を楽しんでいる夏帽子(星野 裕子)


5票

君降りて風より軽きハンモック(木暮陶句郎)


4票

宇宙までつづく暗がり蛍舞ふ(中野 千秋)


3票

血を分けし仲とは言へど蚊の憎し(清水 檀)

瑠璃色の沖縄すけてソーダ水(堤 かがり)

合歓の花村に一人の赤ん坊(岩佐 晴子)

涼しさや茅葺屋根の太き梁(峯岸 俊江)

蹄鉄のリズム遠のく夏湖畔(阿部ひで希)

かき氷崩してつなぎゐる言葉(木暮陶句郎)


2票  

風立ちぬ七夕竹を立てしより(稲葉 京閑)

幸せの崩れゆく如かき氷(星野 裕子)

気まづさをやさしくかはす風知草(堤 かがり)

蛍舞ふ暗闇坂と狸坂(中野 千秋)

無雑作に上履き放る暑さかな(峯岸 俊江)

間のびした会話とぎれる暑さかな(峯岸 俊江)

嘘が嘘が呼ぶ淋しさよ半夏雨(木暮陶句郎)


1票

故郷を遠ざけてゐる祭笛(鈴木由里子)

孑孑と書いて奇妙な字と思ふ(星野 裕子)

七つ星ルーペで覗くてんと虫(堤 かがり)

白玉の凹みに餡の絡まりぬ(堤 かがり)

虹の橋スカイツリーを一跨ぎ(はたのとしはる)

虹の橋明日の幸へと架りをり(はたのとしはる)

妻の留守ランチ麦酒の至福かな(はたのとしはる)

夕立やトランポリンではしゃぐなり(脇 望)

七夕の夜間飛行となりにけり(中野 千秋)

高熱に母さんの粥合歓の花(岩佐 晴子)

捩花や七十の今反抗期(岩佐 晴子)

白南風や外つ国へ行く鞄買ふ(岩佐 晴子)

紫陽花や小皿の上の金平糖(峯岸 俊江)

しのびこむ夜風涼しき厨かな(峯岸 俊江)

田植え機が一直線に苗植うる(水上 一葉)

梅雨寒の都電通りや女子大生(水上 一葉)

びつしりと牧にしづくや朝の虹(木暮陶句郎)

アンティークランプ点滅梅雨の宿(杉山 加織)

小上がりの奥に夏菊灯りをり(杉山 加織)

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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