平成28年8月 月例インターネット句会 Vol.54結果発表

木暮陶句郎 選


◎特選 6句

色鉛筆白より並べ今朝の秋(星野 裕子)

湯の町の神話瞬く星月夜(杉山 加織)

耳打ちのやうな風来る夕涼み(星野 裕子)

星祭同じ願をまたまつる(堤 かがり)

品書きの文字のよろめく残暑かな(杉山 加織)


〇入選 24句 

胸のうち洗ひ尽くすや大夕立(はたのとしはる)

テレビ見るソファーいつしか大昼寝(岩佐 晴子)

帰省せりブラウス一枚縫ひ上げて(鈴木由里子)

屋台村提灯揺れし夜の秋(安部じゅん)

寄り添へば生き長らへて花擬宝珠(杉山 加織)

朝蟬の漲る声に沸く力(清水 檀)

はなあぶを遊ばせてゐる白木槿(星野 裕子)

立秋やタルトに合はすダージリン(鈴木由里子)

新涼や三つ編みにする妹の髪(久保田晋一)

秋立つや鍛え上げたる土踏まず(堤 かがり)

飾り棚の中の人形秋暑し(峯岸 俊江)

ここもそこも皆新涼の風の道(稲葉 京閑)

命日に妣かもしれぬ蜻蛉来る(岩佐 晴子)

職人の汗は大地の点となり(阿部ひで希)

子等寝静まり真夜中の氷菓かな(岩佐 晴子)

取り込みしシーツ猛暑の火照りあり(岩佐 晴子)

夏雲や頑張る事を頑張らず(鈴木由里子)

甲子園また延長の秋暑し(はたのとしはる)

新涼や峠の風に触れし時(堤 かがり)

趣味を訪ふごろねと答ふ炎暑かな(峯岸 俊江)

生身霊言ひたきことは全部言ふ(中野 千秋)

蔓草の棒にからまる残暑かな(峯岸 俊江)

盆踊幼馴染の輪となりぬ(久保田晋一)

夕映えの富士遠くして青葡萄(はたのとしはる)


互選

8票 

耳打ちのやうな風来る夕涼み(星野 裕子)


4票

色鉛筆白より並べ今朝の秋(星野 裕子)

夕映えの富士遠くして青葡萄(星野 裕子)

湯の町の神話瞬く星月夜(杉山 加織)


3票

生きるとは鳴く事なりと蟬時雨(清水 檀)

胸のうち洗ひ尽くすや大夕立(はたのとしはる)

湖風に命透けゆく秋の蝉(木暮陶句郎)


2票  

蜩や夢から現へ鳴き継げり(久保田晋一)

「先ずビール」五十余年も言ひ続け(はたのとしはる)

風抜ける築百年や夏料理(はたのとしはる)

生身霊言ひたきことは全部言ふ(中野 千秋)

職人の汗は大地の点となり(阿部ひで希)

百日紅燃えよ平和の火となりて(木暮陶句郎)

品書きの文字のよろめく残暑かな(杉山 加織)


1票

金色の空蝉縋る遊び蔓(稲葉 京閑)

歩み寄り抱える暑さ手渡しぬ(稲葉 京閑)

袖触れて恋の手花火燃え移り(安部じゅん)

永遠の時空一瞬止め花火(安部じゅん)

盆踊幼馴染の輪となりぬ(久保田晋一)

飾り棚の中の人形秋暑し(峯岸 俊江)

はなあぶを遊ばせてゐる白木槿(星野 裕子)

テレビ見るソファーいつしか大昼寝(岩佐 晴子)

新涼や峠の風に触れし時(堤 かがり)

リズムありドラマのありて大花火(堤 かがり)

湖の波噴き上げし花火かな(阿部ひで希)

山城を包み込みたる蝉しぐれ(阿部ひで希)

夢二忌の湖へ靡きて大花野(木暮陶句郎)

君の耳許新涼のトルコ石(木暮陶句郎)

台風過陽をひたすらに吸ふ大地(杉山 加織)

生身魂肚の底から笑ひ合ふ(杉山 加織)

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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