令和6年4月 月例インターネット句会 Vol.146

木暮陶句郎 選

◎特選 10句

飛花落花木馬を跨ぎ騎士となる(下境 洋子)

欠けゐしを光が埋めて桜貝(木村 佑)

千円の晩酌セット春の宵(大渕 洋)

夜桜や家族を乗せる観覧車(下境 洋子)

春雨やバイクレースの重き音(小暮 蓮生)

海の音遠くありけり春日傘(木村 佑)

すべり台のほのかな温み春夕焼(木下美樹枝)

春陰や囚はれの如鍋磨く(中島 圭子)

妻の鬱いつも地虫の出るころに(太田 直史)

花万朶青きつなぎの引越屋(木村 佑)


○入選 26句

チューリップ恋占いの吉と出て(木下美樹枝)

眼裏の昭和の桜見てをり(渡辺 真澄)

朝桜ぱらり振り掛けかける音(星野 裕子)

雪柳千の光の枝垂れをり(佐々木一栗)

木々を縫ふやうに親子の石鹸玉(中島 圭子)

薄色の雨の一日や木の芽山(太田 直史)

澄みわたる始業のチャイム花の奥(堤 かがり)

まるき音流して春の川らしく(杉山 加織)

一輪を残し骨格晒す梅(稲葉 京閑)

下萌えやアイロンかけはテキパキと(高橋ちとせ)

一面のたんぽぽ土はひよこ色(星野 裕子)

父と来し母と唄ひし花の寺(中島 圭子)

愛犬はただ寝て過ごす春嵐(岩佐 晴子)

滔々の坂東太郎水温む(大渕 洋)

キャラメリゼぱりんと割つて花の窓(佐々木一栗)

よく伸びる羽二重餅やうららけし(杉山 加織)

放課後の花びらほどの擦れ違ひ(鈴木由里子)

友人の黄色いミゼット日永かな(小須賀正幸)

ジェット飛ぶ運河のほとりうまごやし(安部 呑歩)

桜散る風を掴みにゆくところ(鈴木由里子)

花冷えの又風荒るる遊歩道(渡辺 真澄)

石鹸玉しないよこんな世の中で(星野 裕子)

春風やひとりぼっちの探鳥会(下境 洋子)

囀やあと少しだけ眠らせて(中島 圭子)

春深し古き団地に暮らしをり(小須賀正幸)

ときめきのひかり跳ねゐる春日傘(杉山 加織)


互選

7点句

海の音遠くありけり春日傘(木村 佑)


6点句

放課後の花びらほどの擦れ違ひ(鈴木由里子)


5点句

春の風地球わずかに軽くなる(星野裕子)

ふらここの風押し返す背中かな(佐々木一栗)

初つばめ上州の空うらがへし(木暮陶句郎)


4点句

桜散る風を掴みにゆくところ(鈴木由里子)

飛花落花木馬を跨ぎ騎士となる(下境 洋子)

澄みわたる始業のチャイム花の奥(堤 かがり)

よく伸びる羽二重餅やうららけし(杉山 加織)

川風のつやつや抜けて竹の秋(木暮陶句郎)

加賀の春なり再開の菓子司(木暮陶句郎)


3点句

奥能登の瓦礫の町に燕の来(竹俣 修)


2点句

稜線の途切れ雪解の水を吐く(稲葉 京閑)

春の川ひかりの束を抱きけり(木下美樹枝)

千円の晩酌セット春の宵(大渕 洋)

国境の北も南も花辛夷(大渕 洋)

夜桜や家族を乗せる観覧車(下境 洋子)

キャラメリゼぱりんと割つて花の窓(佐々木一栗)

桜散る音なき風へひとりごと(佐々木一栗)

にはたづみはなびらで描く流水文(清水 檀)

木々を縫ふやうに親子の石鹸玉(中島 圭子)

囀やあと少しだけ眠らせて(中島 圭子)

椿落つ昨日の光放ちつつ(小暮 蓮生)

薄色の雨の一日や木の芽山(太田 直史)

掃き寄せし花屑風に舞はんとす(堤 かがり)

花ぐもり推敲に迷ひカツサンド(堤 かがり)

立て置きし茶筅の先の春明り(木村 佑)

夏近し貸し自転車のサドル上げ(木暮陶句郎)


1点句

鶯や今朝きっちりと鳴ききりぬ(稲葉 京閑)

一輪を残し骨格晒す梅(稲葉 京閑)

チューリップ恋占いの吉と出て(木下美樹枝)

すべり台のほのかな温み春夕焼(木下美樹枝)

牡丹雪薪小屋の窓ふきつけて(高橋ちとせ)

下萌えやアイロンかけはテキパキと(高橋ちとせ)

上州の顔付並ぶ花見かな(鈴木由里子)

お祝いのブーケにありぬ花薺(岩佐 晴子)

六局を打てど春愁去り遣らず(大渕 洋)

滔々の坂東太郎水温む(大渕 洋)

清明や敷島橋の水光る(大渕 洋)

口笛のやうな声上げ春疾風(渡辺 真澄)

留まるも流るも風の春落葉(渡辺 真澄)

花冷えの又風荒るる遊歩道(渡辺 真澄)

桜見て空見て君と歩きたし(星野 裕子)

一切が水の光や花の昼(星野 裕子)

春風やひとりぼっちの探鳥会(下境 洋子)

雪柳千の光の枝垂れをり(佐々木一栗)

大の字で春陽の底で雲を追ふ(佐々木一栗)

武蔵野の膨らむ大地蝌蚪泳ぐ(佐々木一栗)

風誘ふ花に色あり香りあり(清水 檀)

父と来し母と唄ひし花の寺(中島 圭子)

春陰や囚はれの如鍋磨く(中島 圭子)

花屑を分けれ浸りぬ野天風呂(太田 直史)

舌先に琵琶の実ふれて朝まだき(天田あすなろう)

山桜白は雲居の白ならず(天田あすなろう)

傘持ちて使はぬ一日桜人(堤 かがり)

欠けゐしを光が埋めて桜貝(木村 佑)

朧月優しい言葉なら触れて(木村 佑)

花万朶青きつなぎの引越屋(木村 佑)

数滴の恋のまじなひ花の酒(杉山 加織)

ときめきのひかり跳ねゐる春日傘(杉山 加織)

三振の球児囃して揚雲雀(木暮陶句郎)


互選結果

◎星野裕子 選

(11) 飛花落花木馬を跨ぎ騎士となる

(25) 春の川ひかりの束を抱きけり

(44) 海の音遠くありけり春日傘

(74) 放課後の花びらほどの擦れ違ひ

(97) 桜散る風を掴みにゆくところ


◎小須賀正幸 選

(18) 舌先に枇杷の実ふれて朝まだき

(48) すべり台のほのかな温み春夕焼

(77) 清明や敷島橋の水光る

(103) 春風やひとりぼっちの探鳥会

(112) 花ぐもり推敲に迷ひカツサンド


◎岩佐晴子 選

(2) チューリップ恋占いの吉と出て

(4) 奥能登の瓦礫の町に燕の来

(54) 滔々の坂東太郎水温む

(68) よく伸びる羽二重餅やうららけし

(74) 放課後の花びらほどの擦れ違ひ


◎稲葉京閑 選

(5) 上州の顔付並ぶ花見かな

(11) 飛花落花木馬を跨ぎ騎士となる

(34) 夜桜や家族を乗せる観覧車

(59) にはたづみはなびらで描く流水文

(74) 放課後の花びらほどの擦れ違ひ


◎小暮蓮生 選

(4) 奥能登の瓦礫の町に燕の来

(20) 澄みわたる始業のチャイム花の奥

(26) 下萌えやアイロンかけはテキパキと

(34) 夜桜や家族を乗せる観覧車

(36) 風誘ふ花に色あり香りあり


◎堤かがり 選

(8) 六局を打てど春愁去り遣らず

(44) 海の音遠くありけり春日傘

(90) 朧月優しい言葉なら触れて

(92) 川風のつやつや抜けて竹の秋

(101) 花冷えの又風荒るる遊歩道


◎木下美樹枝 選

(14) 木々を縫ふやうに親子の石鹸玉

(24) 一輪を残し骨格晒す梅

(97) 桜散る風を掴みにゆくところ

(107) 椿落つ昨日の光放ちつつ

(115) 加賀の春なり再開の菓子司


◎竹俣修 選

(3) 牡丹雪薪小屋の窓ふきつけて

(31) 千円の晩酌セット春の宵

(60) 春陰や囚はれの如鍋磨く

(100) 国境の北も南も花辛夷

(115) 加賀の春なり再開の菓子司


◎木村佑 選

(16) 薄色の雨の一日や木の芽山

(66) 掃き寄せし花屑風に舞はんとす

(69) 夏近し貸し自転車のサドル上げ

(79) 一切が水の光や花の昼

(107) 椿落つ昨日の光放ちつつ


◎佐藤聡 選

(37) 父と来し母と唄ひし花の寺

(44) 海の音遠くありけり春日傘

(55) 留まるも流るも風の春落葉

(68) よく伸びる羽二重餅やうららけし

(110) 山桜白は雲居の白ならず


◎天田あすなろう 選

(16) 薄色の雨の一日や木の芽山

(21) 欠けゐしを光が埋めて桜貝

(81) 桜散る音なき風へひとりごと

(106) 囀やあと少しだけ眠らせて

(112) 花ぐもり推敲に迷ひカツサンド


◎佐々木一栗 選

(46) 三振の球児囃して揚雲雀

(67) 立て置きし茶筅の先の春明り

(74) 放課後の花びらほどの擦れ違ひ

(93) 稜線の途切れ雪解の水を吐く

(114) ときめきのひかり跳ねゐる春日傘


◎中島圭子 選

(11) 飛花落花木馬を跨ぎ騎士となる

(68) よく伸びる羽二重餅やうららけし

(92) 川風のつやつや抜けて竹の秋

(104) 武蔵野の膨らむ大地蝌蚪泳ぐ

(113) 花万朶青きつなぎの引越屋 


◎高橋ちとせ 選

(1) 鶯や今朝きっちりと鳴ききりぬ

(20) 澄みわたる始業のチャイム花の奥

(39) 花屑を分けれ浸りぬ野天風呂

(66) 掃き寄せし花屑風に舞はんとす

(92) 川風のつやつや抜けて竹の秋


◎下境洋子 選

(4) 奥能登の瓦礫の町に燕の来

(6) お祝いのブーケにありぬ花薺

(20) 澄みわたる始業のチャイム花の奥

(58) キャラメリゼぱりんと割つて花の窓

(74) 放課後の花びらほどの擦れ違ひ


◎渡辺真澄 選

(25) 春の川ひかりの束を抱きけり

(35) 大の字で春陽の底で雲を追ふ

(44) 海の音遠くありけり春日傘

(56) 桜見て空見て君と歩きたし

(115) 加賀の春なり再開の菓子司


◎清水檀 選

(32) 口笛のやうな声上げ春疾風

(44) 海の音遠くありけり春日傘

(68) よく伸びる羽二重餅やうららけし

(81) 桜散る音なき風へひとりごと

(97) 桜散る風を掴みにゆくところ


◎大渕洋 選

(12) 雪柳千の光の枝垂れをり

(44) 海の音遠くありけり春日傘

(89) 傘持ちて使はぬ一日桜人

(93) 稜線の途切れ雪解の水を吐く

(106) 囀やあと少しだけ眠らせて


◎太田直史 選

(14) 木々を縫ふやうに親子の石鹸玉

(44) 海の音遠くありけり春日傘

(59) にはたづみはなびらで描く流水文

(67) 立て置きし茶筅の先の春明り

(92) 川風のつやつや抜けて竹の秋


◎鈴木由里子 選

(20) 澄みわたる始業のチャイム花の奥

(58) キャラメリゼぱりんと割つて花の窓

(69) 夏近し貸し自転車のサドル上げ

(91) 数滴の恋のまじなひ花の酒

(100) 国境の北も南も花辛夷


◎杉山加織 選

(11) 飛花落花木馬を跨ぎ騎士となる

(31) 千円の晩酌セット春の宵

(74) 放課後の花びらほどの擦れ違ひ

(97) 桜散る風を掴みにゆくところ

(115) 加賀の春なり再開の菓子司

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