令和5年4月 月例インターネット句会 Vol.134

木暮陶句郎 選

◎特選 9句

囀やサ行気になるアナウンサー(中島 圭子)

亀鳴くや育てた仔牛賞を取る(佐々木一栗)

リラ冷えの市立図書館読書室(大渕 洋)

消し残る黒板の文字花は葉に(星野 裕子)

春愁は何色だらう絵具箱(天田あすなろう)

桜蘂さみしくなんかなくはない(木村 佑)

豆の花躓きながら弾くピアノ(鈴木由里子)

海沿ひのプリンスホテル南風(鈴木由里子)

ふらここの背中の空の広さかな(木村 佑)


○入選 23句

入学式時々母へ笑み送る(下境 洋子)

投函のポストの中の春の闇(星野 裕子)

蝶々のせはしなく来て陽の中へ(中島 圭子)

ビーグルの冷たき鼻や菜種梅雨(佐々木一栗)

初めてのメイクは濃いめ花は葉に(木村 佑)

花冷やコロンとジポー開ける音(大渕 洋)

何処ぞより子を叱る声桜散る(稲葉 京閑)

花菜風海まで車飛ばす人(鈴木由里子)

春雨や橋を渡つてまた戻る(天田あすなろう)

春雷や俳句は今を燃やす詩(木村 佑)

さくら散る孤独と自由引き換へに(杉山 加織)

観覧車飛び乗りたいな花の雲(下境 洋子)

JOKERは引出しの中星朧(鈴木由里子)

甘噛みの子犬を叱る春の泥(太田 直史)

焼饅頭の匂ひ満ちをり桜茶屋(大渕 洋)

花の雲ゆっくり廻る観覧車(下境 洋子)

木蓮の散り敷く門の閉ざされて(中島 圭子)

病院の待合室や目借時(森田 遊馬)

抱へきれぬ想いやしゃぼん玉とんだ(木村 佑)

春宵や出来ればそれをもう一杯(杉山 加織)

夫逝きて幼犬と見る桜かな(岩佐 晴子)

春深しサイダー瓶の底の影(星野 裕子)

アネモネを透かしてアールヌーヴォー燈(杉山 加織)


互選

8点句

春愁は何色だらう絵具箱(天田あすなろう)


6点句

黄砂来し街は静かに息をする(堤 かがり)


5点句

接木して別の未来を創りけり(木暮陶句郎)

消し残る黒板の文字花は葉に(星野 裕子)


4点句

豆の花躓きながら弾くピアノ(鈴木由里子)

ビーグルの冷たき鼻や菜種梅雨(佐々木一栗)


3点句

花冷やコロンとジポー開ける音(大渕 洋)

リラ冷えの市立図書館読書室(大渕 洋)

ブランデー舐めて微睡む花疲れ(中島 圭子)

春眠や膝に駅弁置かれをり(森田 遊馬)

ふらここの背中の空の広さかな(木村 佑)


2点句

鐘つけば椿ぽとりと建長寺(竹俣 修)

制服を着て幼さを卒業す(竹俣 修)

入学式時々母へ笑み送る(下境 洋子)

何処へと旅立つ花の乱舞かな(下境 洋子)

孤高とは山の上なる枝垂桜(岩佐 晴子)

夫逝きて幼犬と見る桜かな(岩佐 晴子)

投函のポストの中の春の闇(星野 裕子)

春深しサイダー瓶の底の影(星野 裕子)

何処ぞより子を叱る声桜散る(稲葉 京閑)

囀へさへづりあつて果てのなく(佐々木一栗)

抱へきれぬ想いやしやぼん玉とんだ(木村 佑)

花は葉に言葉は風になつてゆく(木暮陶句郎)

惜春の十七音とカフェラテと(木暮陶句郎)


1点句

麗らかやミニスカートがやつて来る(竹俣 修)

何処より初蝶舞ふて姉忌日(下境 洋子)

雑草も育んでをり春の雨(岩佐 晴子)

花ミモザ重たき影を広げをり(稲葉 京閑)

統合の小学校に桜さく(高橋ちとせ)

ぐんぐんと気温上昇花は葉に(高橋ちとせ)

囀やサ行気になるアナウンサー(中島 圭子)

花殻を摘みて憩ふや春の庭(清水 檀)

心音へ相応ふせせらぎ風光る(佐々木一栗)

風切ってオープンカーや夏野ゆく(森田 遊馬)

風光る伎楽の舞の東大寺(太田 直史)

ラメ入りの春光こぼす髪飾(堤 かがり)

参道の末は石段山躑躅(堤 かがり)

バス停の妊婦広げる春日傘(堤 かがり)

春雨や傘斜めにね斜めだよ(天田あすなろう)

春雨や橋を渡つてまた戻る(天田あすなろう)

桜蘂さみしくなんかなくはない(木村 佑)

徐行みな桜蘂降る交差点(安部 呑歩)

蛍烏賊銀河めきつつ若狭湾(木暮陶句郎)

応へ合ふ鳥語集めてゐる残花(杉山 加織)

さくら散る孤独と自由引き換へに(杉山 加織)


互選結果

◎中島圭子選

(40) さくら散る孤独と自由引き換へに

(57) 桜蘂さみしくなんかなくはない

(77) 抱へきれぬ想いやしゃぼん玉とんだ

(79) 花は葉に言葉は風になつてゆく

(99) 惜春の十七音とカフェラテと


◎岩佐晴子選

(3) 入学式時々母へ笑み送る

(12) ビーグルの冷たき鼻や菜種梅雨

(61) 麗らかやミニスカートがやって来る

(85) 春深しサイダー瓶の底の影

(92) 囀へさへづりあつて果てのなく


◎星野裕子選

(42) リラ冷えの市立図書館読書室

(56) 春愁は何色だらう絵具箱

(64) 孤高とは山の上なる枝垂桜

(72) 心音へ相応ふせせらぎ風光る

(79) 花は葉に言葉は風になつてゆく


◎稲葉京閑選

(12) ビーグルの冷たき鼻や菜種梅雨

(19) 接木して別の未来を創りけり

(41) 制服を着て幼さを卒業す

(55) 黄砂来し街は静かに息をする

(77) 抱へきれぬ想いやしゃぼん玉とんだ


◎堤かがり選

(19) 接木して別の未来を創りけり

(46) 花ミモザ重たき影を広げをり

(74) 風光る伎楽の舞の東大寺

(84) 夫逝きて幼犬と見る桜かな

(92) 囀へさへづりあつて果てのなく


◎小須賀正幸選

(1) 鐘つけば椿ぽとりと建長寺

(5) 投函のポストの中の春の闇

(29) 花殻を摘みて憩ふや春の庭

(48) ブランデー舐めて微睡む花疲れ

(64) 孤高とは山の上なる枝垂桜


◎森田遊馬選

(26) 何処ぞより子を叱る声桜散る

(36) 春雨や橋を渡つてまた戻る

(45) 消し残る黒板の文字花は葉に

(56) 春愁は何色だらう絵具箱

(67) ぐんぐんと気温上昇花は葉に


◎高橋ちとせ選

(4) 雑草も育んでをり春の雨

(23) 何処へと旅立つ花の乱舞かな

(38) 徐行みな桜蘂降る交差点

(55) 黄砂来し街は静かに息をする

(56) 春愁は何色だらう絵具箱


◎下境洋子選

(12) ビーグルの冷たき鼻や菜種梅雨

(15) ラメ入りの春光こぼす髪飾

(16) 春雨や傘斜めにね斜めだよ

(22) 花冷やコロンとジポー開ける音

(56) 春愁は何色だらう絵具箱


◎大渕洋選

(20) 応へ合ふ鳥語集めてゐる残花

(27) 統合の小学校に桜さく

(45) 消し残る黒板の文字花は葉に

(55) 黄砂来し街は静かに息をする

(56) 春愁は何色だらう絵具箱


◎清水檀選

(5) 投函のポストの中の春の闇

(26) 何処ぞより子を叱る声桜散る

(41) 制服を着て幼さを卒業す

(56) 春愁は何色だらう絵具箱

(83) 何処より初蝶舞ふて姉忌日


◎太田直史選

(19) 接木して別の未来を創りけり

(56) 春愁は何色だらう絵具箱

(70) 豆の花躓きながら弾くピアノ

(77) 抱へきれぬ想いやしゃぼん玉とんだ

(97) ふらここの背中の空の広さかな


◎天田あすなろう選

(1) 鐘つけば椿ぽとりと建長寺

(12) ビーグルの冷たき鼻や菜種梅雨

(23) 何処へと旅立つ花の乱舞かな

(45) 消し残る黒板の文字花は葉に

(99) 惜春の十七音とカフェラテと


◎佐々木一栗選

(19) 接木して別の未来を創りけり

(22) 花冷やコロンとジポー開ける音

(55) 黄砂来し街は静かに息をする

(93) 春眠や膝に駅弁置かれをり

(97) ふらここの背中の空の広さかな


◎木村佑選

(19) 接木して別の未来を創りけり

(35) 参道の末は石段山躑躅

(48) ブランデー舐めて微睡む花疲れ

(55) 黄砂来し街は静かに息をする

(70) 豆の花躓きながら弾くピアノ


◎安部吞歩選

(42) リラ冷えの市立図書館読書室

(45) 消し残る黒板の文字花は葉に

(70) 豆の花躓きながら弾くピアノ

(93) 春眠や膝に駅弁置かれをり

(95) バス停の妊婦広げる春日傘


◎鈴木由里子選

(22) 花冷やコロンとジポー開ける音

(53) 風切ってオープンカーや夏野ゆく

(55) 黄砂来し街は静かに息をする

(59) 蛍烏賊銀河めきつつ若狭湾

(85) 春深しサイダー瓶の底の影


◎竹俣修選

(3) 入学式時々母へ笑み送る

(28) 囀やサ行気になるアナウンサー

(48) ブランデー舐めて微睡む花疲れ

(84) 夫逝きて幼犬と見る桜かな

(93) 春眠や膝に駅弁置かれをり


◎杉山加織選

(42) リラ冷えの市立図書館読書室

(45) 消し残る黒板の文字花は葉に

(56) 春愁は何色だらう絵具箱

(70) 豆の花躓きながら弾くピアノ

(97) ふらここの背中の空の広さかな

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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