平成30年5月 月例インターネット句会 Vol.75結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 7句

女見るをんなの視線蛇苺(星野 裕子)

病院の五月の風の中にあり(里村 閑)

渡されし赤子の重さ柏餅(中野 千秋)

たはむれの煙草に咽せてサングラス(ななさと 紅緒)

恋愛と投資は似てるアマリリス(中野 千秋)

春蝉や余白大事に書く色紙(星野 裕子)

手裏剣を投げてみたいと子供の日(水上 一葉)


〇入選 28句 

ここでしか生きられなくてあめんばう(中野 千秋)

身傾げてゆく猫車木下闇(鈴木 由里子)

傘袋見つからぬまま走り梅雨(岩佐 晴子)

学食の大盛りラーメン柿若葉(ななさと紅緒)

強風の代田に水のうねりかな(阿部ひで希)

琴の音の聞こえる水辺花吹雪(鬼形 瑞枝)

静よりも動を好みて夏座敷(鈴木由里子)

五月雨の雨脚を呑む濠の鯉(稲葉 京閑)

夏日指す何時もの店が空き店舗(水上 一葉)

筍の届き俄に忙しく(岩佐 晴子)

差し出さるる右のイヤフォン夏来る(ななさと紅緒)

沢音を透かしてゆきぬ青葉風(杉山 加織)

石段を駆け登りゆく若葉風(阿部ひで希)

今度こそことはるつもり燕くる(鬼形 瑞枝)

引出しに昭和の服よ更衣(星野 裕子)

走り茶を飲み干し次の会議場(水上 一葉)

母の日や妣の話を子供等に(岩佐 晴子)

すぐ乾く新樹の径の手水かな(杉山 加織)

参道の風に夏草騒がしく(阿部ひで希)

堆きヴァニラクリーム街薄暑(鈴木由里子)

入つたり出たり銀座の片かげり(里村 閑)

テーブルも椅子も白なり薔薇の中(岩佐 晴子)

みかん咲く泣きたきときの決まり歌(ななさと紅緒)

湧水の町をちこちに著莪の花(中野 千秋)

若葉寒父と児山へいったきり(鬼形 瑞枝)

蔦屋書店の扉開閉風五月(鈴木由里子)

埋み門跡を埋めて花は葉に(稲葉 京閑)

顔知らぬ母の絣やつばめ来る(ななさと紅緒)


互選

7票

女見るをんなの視線蛇苺(星野 裕子)


6票

力抜く力のありて実梅落つ(木暮陶句郎)


5票

罪と思はぬことの罪薔薇を伐る(木暮陶句郎)


4票

句読点のやうな島々夏霞(星野 裕子)

更衣君に見せたる力こぶ(木暮陶句郎)


3票

渡されし赤子の重さ柏餅(中野 千秋)

天辺の風を捉へて鯉幟(清水 檀)

引出しに昭和の服よ更衣(星野 裕子)

静よりも動を好みて夏座敷(鈴木由里子)

筍の届き俄に忙しく(岩佐 晴子)

シーサーは海に吠えけり青嵐(木暮陶句郎)


2票

ここでしか生きられなくてあめんばう(中野 千秋)

風薫る聖母を真似て青い服(中野 千秋)

湧水の町をちこちに著莪の花(中野 千秋)

石段を駆け登りゆく若葉風(阿部ひで希)

今度こそことはるつもり燕くる(鬼形 瑞枝)

たはむれの煙草に咽せてサングラス(ななさと紅緒)

顔知らぬ母の絣やつばめ来る(ななさと紅緒)


1票

恋愛と投資は似てるアマリリス(中野 千秋)

姫女苑群れて可愛く揺れにけり(清水 檀)

そら豆を茹でてそら色なお青く(髙橋千登世)

春蝉や余白大事に書く色紙(星野 裕子)

牡丹切る空の青さを切り取りて(星野 裕子)

五月雨の雨脚を呑む濠の鯉(稲葉 京閑)

走り梅雨くぐる暖簾は古裂屋(里村 閑)

テーブルも椅子も白なり薔薇の中(岩佐 晴子)

学食の大盛りラーメン柿若葉(ななさと紅緒)

みかん咲く泣きたきときの決まり歌(ななさと紅緒)

すぐ乾く新樹の径の手水かな(杉山 加織)

思考捨て思想も捨てて更衣(杉山 加織)

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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