平成29年6月 月例インターネット句会 Vol.64結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 5句

雨宿りする足元の蟻地獄(堤 かがり)

蝸牛見てゐるあの世この世かな(星野 裕子)

かの人のそれからを聞くみどりの夜(ななさと紅緒)

お洒落して首から引きし夏の風邪(岩佐 晴子)

手のひらの宇宙拡げし蛍の夜(杉山 加織)

〇入選 26句 

あぢさゐや藍の字あはき文届く(ななさと紅緒) 

手をつなぎ波打ち際の素跣かな(岩佐 晴子)

涼しさやオーボエ追うて音合せ(里村 閑)

梅雨深しもの覚えるによき日なり(中野 千秋)

七十路はまだまだ若し今年竹(はたのとしはる)

夕蛍嘘ばかりつく君とゐて(杉山 加織)

噴水の空を掴みて未来まで(清水 檀)

ガラガラと眠りを覚ます真夜の雷(清水 檀)

スニーカー洗ふ日曜五月晴(岩佐 晴子)

ほめられて囃され開くこてふ蘭(里村 閑)

山藤や蔓からましてより強く(髙橋千登世)

花茄子の茎のいきほひ濃紫(堤 かがり)

連なりし子ら緑蔭を掻き回す(杉山 加織)

ダービーや最後の直線駆け抜けろ(髙橋千登世)

蟻の列いまだ生き方変へられず(星野 裕子)

ビィオロンケース抱へ夕立の喫茶店(鈴木由里子)

黒南風や珈琲店の古時計(中野 千秋)

君恋ふるとき青梅雨の調べかな(杉山 加織)

夏草や想ひは不意に育つもの(杉山 加織)

白上布風を四角く着こなして(ななさと紅緒)

青嵐指笛鳴らす転校子(安部じゅん)

きれいねと孫の指さす犬ふぐり(髙橋千登世)

さみだるる空の端つこもてあそび(堤 かがり)

互選

7票

かの人のそれからを聞くみどりの夜(ななさと紅緒)

5票

蟻の列いまだ生き方変へられず(星野 裕子)

3票

正座して蛙が空をひと睨み(稲葉 京閑)

試食する小指気取つてさくらんぼ(岩佐 晴子)

夏草や想ひは不意に育つもの(杉山 加織)

手のひらの宇宙拡げし蛍の夜(杉山 加織)

短夜のオンザロックの琥珀色(木暮陶句郎)

林道に風の十薬あかりかな(木暮陶句郎)

2票

噴水に彩あり匂ひある飛沫(清水 檀)

山梔子の香の溺れゆく夜の帳(稲葉 京閑)

海凪や梅雨の重さの鉛色(稲葉 京閑)

首振りの戻り来る間よ扇風機(稲葉 京閑)

寄り添つてゐるつもりです桜ん坊(星野 裕子)

お洒落して首から引きし夏の風邪(岩佐 晴子)

黒南風や珈琲店の古時計(中野 千秋)

しみじみと深き地下鉄走梅雨(中野 千秋)

夕蛍嘘ばかりつく君とゐて(杉山 加織)

1票

噴水の空を掴みて未来まで(清水 檀)

緑風のさらり辺りを染めて行く(清水 檀)

蝸牛見てゐるあの世この世かな(星野 裕子)

姫女苑草取りの手に躊躇あり(髙橋千登世)

あぢさゐや藍の字あはき文届く(ななさと紅緒)

二階まで何しに卯の花腐しかな(ななさと紅緒)

白上布風を四角く着こなして(ななさと紅緒)

客待ちのサーファーとなり波を読む(鈴木由里子)

ビィオロンケース抱へ夕立の喫茶店(鈴木由里子)

手をつなぎ波打ち際の素跣かな(岩佐 晴子)

スニーカー洗ふ日曜五月晴(岩佐 晴子)

万緑に絶壁突きささつてをり(安部じゅん)

水鏡愛し白鷺けふも佇つ(里村 閑)

涼しさやオーボエ追うて音合せ(里村 閑)

夏の浜寄せ来し波の行き場なく(里村 閑)

花茄子の茎のいきほひ濃紫(堤 かがり)

さみだるる空の端つこもてあそび(堤 かがり)

梅雨深しもの覚えるによき日なり(中野 千秋)

このごろは勉強づけや缶ビール(中野 千秋)

五月晴ゴルフコンペの妻雄姿(はたのとしはる)

君恋ふるとき青梅雨の調べかな(杉山 加織)

越後路の空裏返す代田風(木暮陶句郎)

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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