平成29年5月 月例インターネット句会 Vol.63結果発表
木暮陶句郎 選
◎特選 5句
初夏の蒼きラインの一筆箋(杉山 加織)
花は葉に今来た道を折り返す(中野 千秋)
美容師の鋏鈍りし若葉寒(杉山 加織)
みどりの夜ワインに添ふる美辞麗句(里村 閑)
東京にもどる決意の草矢かな(ななさと 紅緒)
〇入選 27句
また車洗ふ黄砂の降る連休(稲葉 京閑)
しばらくは筍料理里暮し(岩佐 晴子)
吐息までやはらかくなる新茶かな(堤 かがり)
エルミタージュ美術館展花は葉に(中野 千秋)
駆ける子のエンゼルリング樟若葉(稲葉 京閑)
雨ながら輝やいてをり麦の秋(星野 裕子)
猫の尾の膨らんでいる風五月(稲葉 京閑)
老いたりと言へど男ぞ端午の日(はたのとしはる)
燕の巣夜明が早くなりにけり(稲葉 京閑)
久々に赤い日除けの高島屋(中野 千秋)
葉桜や池の小舟に陰落とし(山田 裕子)
ワイキキの海に卯波の白眩し(清水 檀)
大空へかみひこうきや初夏の昼(清水 檀)
人嫌ひ自分嫌ひの水中花(ななさと 紅緒)
青嵐洗濯物の大車輪(岩佐 晴子)
聖五月エカテリーナの肖像画(中野 千秋)
立ち直り早きふりして夏帽子(ななさと紅緒)
白牡丹色のうしろに透く暮色(星野 裕子)
薔薇咲くやさらりと彼女紹介す(堤 かがり)
初夏と云ふ青き風白き風(星野 裕子)
マニキュアとピアスの色を選び夏(星野 裕子)
珍しく今年の立夏夏らしく(岩佐 晴子)
姿見の隅々にまで風薫る(杉山 加織)
夏来るソープボトルの透けし色(杉山 加織)
葉桜の丘に白亜の吾が母校(星野 裕子)
郭公の森へ誘ひしリボンの娘(鈴木由里子)
般若経山滴りて無為を生く(安部じゅん)
薫風や憶測で読むキリル文字(中野 千秋)
葉桜の影生まれゆく宮の裏(阿部ひで希)
アップライトピアノに遺す夏帽子(鈴木由里子)
娘に贈る『陶然』句集柿若葉(岩佐 晴子)
互選
6票
水音の透けてをりたる谷若葉(木暮陶句郎)
5票
なめくぢり涙は銀の道となり(ななさと紅緒)
4票
吐息までやはらかくなる新茶かな(堤 かがり)
3票
七癖も八癖も父似松の芯(ななさと紅緒)
筍の穂先に山の雫かな(木暮陶句郎)
夏めくや桐箱を出る青磁壺(木暮陶句郎)
2票
桜蕊降りて日常取り戻し(清水 檀)
マニキュアとピアスの色を選び夏(星野 裕子)
おいたりと言へど若葉の大樹かな(はたのとしはる)
寂光の薔薇くれなゐを鎮ませて(鈴木由里子)
人嫌ひ自分嫌ひの水中花(ななさと紅緒)
般若経山滴りて無為を生く(安部じゅん)
初夏の蒼きラインの一筆箋(杉山 加織)
美容師の鋏鈍りし若葉寒(杉山 加織)
母の日の母を見遣れば小さくて (杉山 加織)
1票
猫の尾の膨らんでいる風五月(稲葉 京閑)
白牡丹色のうしろに透く暮色(星野 裕子)
初夏と云ふ青き風白き風(星野 裕子)
やはらかき緑となりて風誘ふ(髙橋千登世)
原色の微睡みて街薄暑なり(鈴木由里子)
立ち直り早きふりして夏帽子(ななさと紅緒)
東京にもどる決意の草矢かな(ななさと紅緒)
少女らに風とび移る立夏かな(里村 閑)
若葉山濡れてサラダとなりにけり(里村 閑)
みどりの夜ワインに添ふる美辞麗句(里村 閑)
君のゐる午後の図書室麦の秋(里村 閑)
新緑や雨の音すら柔らかく(安部じゅん)
夏来るソープボトルの透けし色(杉山 加織)
姿見の隅々にまで風薫る(杉山 加織)
草笛や一村望む丘に居り(堤 かがり)
塀に書く相合傘や罌粟坊主(堤 かがり)
薔薇咲くやさらりと彼女紹介す(堤 かがり)
薫風や憶測で読むキリル文字(中野 千秋)
花は葉に今来た道を折り返す(中野 千秋)
葉桜の影生まれゆく宮の裏(阿部ひで希)
畑一枚縄を渡して鯉のぼり(阿部ひで希)
一本の新樹に見ゆる陰日向 (阿部ひで希)
パリ薄暑夜は星降るカフェテラス(木暮陶句郎)
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