平成29年4月 月例インターネット句会 Vol.62結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 5句

紙風船うたれて紙の音をだす(中野 千秋)

涙ぐむアフリカ象や花の雨(鈴木由里子)

足早に過ぎてゆく過去花の屑(杉山 加織)

春眠く細胞ひとつづつ育つ(杉山 加織)

花筏水しなしなと揺らめきぬ(星野 裕子)


〇入選 19句 

清明の光を回す洗濯機(鈴木由里子)

立ち止まる事許されず花巡り(清水 檀)

泡風呂にすつぽり溺れ春惜しむ(星野 裕子)

ひと休み野菜畑に蝶の昼(山田 裕子)

ふくらんで立方体の紙風船(中野 千秋)

茎立ちを促す風に潮の香(稲葉 京閑)

風光る炭酸水の好きなひと(安部じゅん)

春愁や手動扉の診療所(杉山 加織)

あの人の影までも欲し春日傘(鈴木由里子)

宿泊のホテルの庭の蓬摘む(稲葉 京閑)

森の彩塗り直しつつ囀れる(杉山 加織)

ドーナツを覗き込む子や春日向(鈴木由里子)

石段を数へし頬に花の風(堤 かがり)

うららかや山本リンダなつかしき(はたのとしはる)

花疲腰を下ろして人を見る(清水 檀)

吹いて吹いてまだ吹き足らずしゃぼん玉(中野 千秋)

打つたびに薬の匂ふ紙風船(中野 千秋)

鉛筆の背丈そろひし入学児(安部じゅん)

若葉冷井戸の呼び水すかと抜け(稲葉 京閑)

寿うどんに浅蜊たつぷりと(岩佐 晴子)

飛花落花陸奥鎮魂の散華かな(はたのとしはる)

二つ三つ聞き分けられて百千鳥(岩佐 晴子)

夜の底の夢破る音月おぼろ(杉山 加織)

春の風緑石光る水の音(安部じゅん)

雪洞の退屈さうな花の昼(はたのとしはる)

行く雲に抱くジェラシー春闌る(稲葉 京閑)

からつぽの心ざわめく風車(堤 かがり)

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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