平成29年3月 月例インターネット句会 Vol.61結果発表
木暮陶句郎 選
◎特選 5句
春満月いのちは海に始まりぬ(中野 千秋)
生きてゐるだけで幸せ花ミモザ(中野 千秋)
春の雷深く沈めたはずの傷(安部じゅん)
胸に灯の点る梅が香夕間暮れ(清水 檀)
春愁ふ空の見えない部屋にゐて(星野 裕子)
〇入選 19句
繋ぐ手の母のぬくもり春の風(清水 檀)
芽吹きゆくものに陽の色濃くありぬ(星野 裕子)
蝋梅や空の青さにとけゆきて(はたのとしはる)
餌ねだる鯉重なりて水温む(岩佐 晴子)
酒蔵に眠る麹や山笑ふ(杉山 加織)
あの人は目立ちたがり屋春一番(清水 檀)
決心の揺らぎたる三寒四温(岩佐 晴子)
垂直の神杉春の天を突く(阿部ひで希)
きしきしと扱く絹布や鶴帰る(鈴木由里子)
芽柳に応へる風のそよぎかな(岩佐 晴子)
春愁や何でもないは何かある(岩佐 晴子)
鉢植の窮屈さうな猫柳(稲葉 京閑)
葉野菜の緑豊かや水温む(杉山 加織)
芹薺ベニスは水の都かな(鈴木由里子)
行く先のまだ決まらぬ子春の雪(鈴木由里子)
あたたかし土惜しみなく雨を吸ふ(星野 裕子)
ふる里の言葉なつかし水温む(はたのとしはる)
暖かや雨を吸ふ石弾く石(星野 裕子)
ふる里の丹波は遠し水ぬるむ(はたのとしはる)
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