平成28年10月 月例インターネット句会 Vol.56結果発表

木暮陶句郎 選

◎特選 5句

尺玉の星は小さく冬花火(阿部ひで希)

虫の音に少年の闇解かれゆく(星野 裕子)

新しき敷布なじまぬ夜寒かな(峯岸 俊江)

ハロウインの句会に魔女が二三人(中野 千秋)

とんばうに見えて人には見えぬもの(星野 裕子)


〇入選 26句 

小鳥来る山高ければ山に沿い(星野 裕子)

秋風やYouTubeよりボブディラン(中野 千秋)

講演会満席となる文化の日(鈴木由里子)

秋の雲神の遣ひのかたちして(杉山 加織)

穂芒や雲の中なる分水嶺(稲葉 京閑)

居並びて皆んな無口や秋の声(はたのとしはる

脳内は休暇中です秋うらら(星野 裕子)

文学の扉開くや夜学の子(鈴木由里子)

石畳行く杖の音秋の声(岩佐 晴子)

金風の坂の上から転がり来(杉山 加織)

夜の静寂妻と分けあふ黒葡萄(はたのとしはる)

家系図をたどる指先秋の風(峯岸 俊江)

ひそやかに小枝ゆらして小鳥来る(峯岸 俊江)

霧雨や濡れて陽気な酔つ払ひ(久保田晋一)

グランドのがらんと秋のつむじ風(稲葉 京閑)

コスモスもありて売地でありにけり(中野 千秋)

鍋磨く次々磨く夜長かな(岩佐 晴子)

白菊や火葬に付した猫の骨(安部じゅん)

注がれし新酒こぼるる枡の中(堤 かがり)

秋の風百葉箱を吹き抜ける(稲葉 京閑)

白秋の風が磨きし虚せ貝(稲葉 京閑)

稲がらの軽さ吐き出すコンバイン(阿部ひで希)

晩秋の風や酸味のある言葉(星野 裕子)

庭先のいつしか濡れて秋の雨(峯岸 俊江)

妖精が雨宿りしてゐる茸(岩佐 晴子)

秋晴や空駆けまはる応援歌(堤 かがり)

 

互選

7票

秋ともし船底めける地下茶房(木暮陶句郎)


4票

とんばうに見えて人には見えぬもの(星野 裕子)

朝寒の潜んでいゐたる靴の先(木暮陶句郎)


3票

穂芒や雲の中なる分水嶺(稲葉 京閑)

グランドのがらんと秋のつむじ風(稲葉 京閑)

小鳥来る山高ければ山に沿ひ(星野 裕子)

秋晴や空駆けまはる応援歌(堤 かがり)

ハロウインの句会に魔女が二三人(中野 千秋)


2票  

霧雨や濡れて陽気な酔つ払ひ(久保田晋一)

実むらさき女の中にある魔性(木暮陶句郎)


1票

秋風や此の街になき瓦礫山(鈴木由里子)

蔦の這ふ煉瓦の小径ベレー帽(鈴木由里子)

緩やかに思ひのままに秋の雲(清水 檀)

白秋の風が磨きし虚せ貝(稲葉 京閑)

脳内は休暇中です秋うらら(星野 裕子)

晩秋の風や酸味のある言葉(星野 裕子)

虫の音に少年の闇解かれゆく(星野 裕子)

秋風や妻には妻の予定あり(はたのとしはる)

居並びて皆んな無口や秋の声(はたのとしはる)

秋風や青春の日のボブディラン(阿部 晴明)

天高く太陽の子の砂場かな(阿部 晴明)

旭日を過るジェットや鰯雲(阿部 晴明)

庭先のいつしか濡れて秋の雨(峯岸 俊江)

どんぐりや木道叩く音楽会(安部じゅん)

稲がらの軽さ吐き出すコンバイン(阿部ひで希)

鍋磨く次々磨く夜長かな(岩佐 晴子)

妖精が雨宿りしてゐる茸(岩佐 晴子)

コスモスもありて売地でありにけり(中野 千秋)

金風の坂の上から転がり来(杉山 加織)

初紅葉触れゆく風の黄金色(杉山 加織)

ひやかしの客の次々来る秋思(木暮陶句郎)

ひろそ火 句会.com

「ひろそ火 句会.com」 木暮陶句郎主宰が2024年4月よりNHK Eテレ「NHK俳句」レギュラー選者として出演します。(毎月第3日曜日 朝6:35~) インターネット句会はどなたでも参加できます! (ひろそ火会員は参加費無料)詳しくはサイト内でご確認ください。

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