木暮陶句郎 第三句集『薫陶』(ふらんす堂)

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ひろそ火創刊時から100号までの8年4か月間を纏めた渾身の444句!

~水と土ぶつけて轆轤はじめかな

四季の移ろいに心を置き、五感を働かせ、愛という詩情を季題に託しつつ俳句を詠み続けてゆきたい。
(著者)

¥3,080 (税込)

ひろそ火主宰

木暮 陶句郎(こぐれ とうくろう) 

Kogure Toukuro

陶芸家・俳人 1961年群馬県伊香保町生まれ

伊香保焼陶句郎窯主宰・Art Gallery Toukuro主宰


◆自選十五句

この窓の四半世紀や初景色

水と土ぶつけて轆轤はじめかな

窯口に人日の闇ありにけり

体ごと振るフライパン春隣

梅くぐる君は光となりながら

太陽の寿命を言へば亀鳴けり

心とはすぐ染まるもの桜の夜

水音の透けてをりたる谷若葉

航跡といふさよならやサングラス

夏帯を鏡の中に軋ませて

野分あと筆圧強き手紙来る

両の手は太古の器水の秋

目の前の未来信じてばつた跳ぶ

虹色の鳩降り立てる初時雨

銃口の最も暗き狩の森


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写真:各務あゆみ

装丁:和兔

四六判上製カバー装

204頁

2021/05/25刊行